JP3828217B2 - ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系繊維及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は実用上十分な強度を備え、かつ極めて迅速に常温以下の水に溶解するポリビニルアルコール(以下PVAと略記)系繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PVA系繊維は、その優れた強度や親水性を生かしてロープや魚網、製紙用主体繊維、各種帆布、さらにはゴムやセメント、プラスチックス等の補強材として広く用いられてきた。また、その一方でPVAの大きな特徴のひとつである水溶性を生かした製紙用バインダーやケミカルレース用繊維としても利用されている。
【0003】
近年、水溶性PVA系繊維に対する要求は多様化しており、熱水のみならず冷水にも、しかも速やかに溶解すること等の、水に対する溶解挙動に関するものの他に、不織布製造技術の進歩や需要の増大とあいまって不織布への加工性、あるいは紡績工程の通過性が良好であることが求められている。
かかる要求を満たすには、優れた水溶性と加工性、特にカード通過性に必要な0.5デニール(以下デニールをdと記載する)以上の単繊維デニールと3g/d以上の強度を兼備しなければならないのである。
また強度は単に工程通過性に止まらず、最終製品の強度にも大きく影響するため重要な要素である。
【0004】
かかる要求に対し、例えば特開平3−199408号公報では、平均重合度200〜500という低重合度PVAを使用して溶解性を向上させることが提案されており、その実施例3では、5℃以下の水に速やかに溶解する繊維が得られている。しかしながら、この繊維の強度はわずかに1g/dでありカード通過性は非常に悪い。さらに繊維を溶解したPVA含有水溶液は、活性汚泥法により処理されているが、上記特開平3−199408号公報に記載された方法において、原液の粘度を高め紡糸性をよくするために原液に硼酸またはその塩を使用する方法が用いられているが、このような硼酸系化合物を含有する繊維の場合には、そのような繊維を溶解させた水を活性汚泥系で処理することは不可能である。
【0005】
また本発明者らは、先に特開平7−42019号公報において、ケン化度50〜95モル%のPVAを用い、特定の有機溶剤で紡糸することにより0〜5℃の水に可溶で、かつ、熱圧着が可能な繊維を製造することを提案している。
この方法によれば、不織布への加工も容易であり冷水に可溶な繊維を得ることができるが、繊維自体の溶解速度が、本発明で規定する2℃の水での溶断時間で150秒と遅く、特に不織布としてそのヒートシール部や熱エンボス部位が長時間解け残りが生じ、用途によっては審美性に欠けたりあるいはフィルターを詰まらせるといった弊害があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、冷水に速やかに溶解し、かつ紡績糸や不織布への加工に支障のない十分な強度を有する水溶性PVA系繊維は過去には存在しなかったのである。
PVA系繊維は、その結晶化度が低いほど水溶性が向上するが、反面強度が低下することとなる。従来の技術は方法論はまちまちであっても、基本物性的な考えは全てこの結晶化度の制御であった。ゆえに、従来の概念や技術では水溶性と強度という相反する性能を兼備することは困難であり、自ずと用途が限定されていたのである。
本発明は、このような従来の常識に反する、優れた水溶性と十分な強度とを兼備する水溶性PVA系繊維を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、単繊維dが0.5d以上、強度が3g/d以上、断面充実度が80%以上であり、かつ2℃の水中での溶断時間が100秒以下であるPVA系繊維と、このような繊維を安定かつ安価に製造することができる方法である、ケン化度92モル%以下のPVAをジメチルスルホキシドに溶解し、メタノールを主体とする浴中に紡糸し、固化、抽出を行った後、多価アルコール類、HLBが5以上のノニオン界面活性剤及びその変性物の中から選ばれる少なくとも1成分を繊維に対して0.5重量%以上付与し、そして乾燥、延伸、必要に応じて熱処理を施す方法を提案するものである。
【0008】
まず紡績性や不織布への加工性を満足するには、0.5d以上の単繊維dと3g/d以上の強度が必要である。0.5d以下ではカードにおいてメタリックワイヤーが素抜けてしまい、均一なウェッブを得ることができない。また、強度が3g/d以下ではカードの種類や条件の選択によってはどうにかウェッブを製造することは出来る場合もあるが、繊維損傷が激しく、このためローラーへの巻き付き、風綿やネップが大量に発生し、安定に加工することが困難である。また製品強度も低く取扱い性が悪いため用途が大幅に制限されることになる。
【0009】
水溶性に関しては、以下のように考えられる。
水溶性繊維からなるケミカルレースの基布などの製品を、工業的に管理された状況で使用する場合は、水温や水流などの溶解条件をコントロールすることで製品を溶解させる速度を調整することができるため、先に述べた加工性良好なデニールや強度と適度な水溶性を備えていればよく、従来の技術でもある程度は対応可能である。しかし、洗剤や浴用剤あるいは農薬の包装など使用条件が特定されない用途においては、厳しい条件を想定する必要がある。
本発明で水溶性パラメータとして、2℃の水中での溶断時間が100秒以下に設定したのはかかる事情によるものであり、かかる溶解速度の速い繊維はこれを不織布に加工してしようしても実用上殆ど解け残りなどの問題を生じない。
【0010】
また、本発明では繊維の断面充実度を80%以上に規定するものである。断面充実度とは、繊維の断面積(A)を繊維断面の長軸を直径とする円の断面積(B)で除した値、A/B×100(%)で定義されるものであり、簡潔にいえば本発明は円形に近い断面を有していることを意味する。一般に溶解速度を高める手段として、繊維を細くする方法や異形断面即ち断面充実度を小さくして単位重量当りの表面積を大きくする方法が考えられるが、デニールについては先に述べたように後加工を考慮すれば0.5デニール以上とする必要があり以細デニール化には限界がある。
【0011】
PVA繊維の断面充実度を80%以下にする方法として、次の3通りの方法が挙げられる。
(1)PVAを水に溶解し、飽和芒硝浴に湿式紡糸する方法。
(2)ジメチルスルホキシド(以下DMSOと略記)を溶媒とし、メタノールを主体とする浴にゲル紡糸する際、異形ノズルを用いて非常に高いドラフトをかけながら紡糸する方法。
(3)従来の技術で引用した特開平3−199408号公報に記載の乾式紡糸法を用いる方法。
しかしながら上記(1)の方法では、乾燥工程で繊維が膠着するばかりか、付着する芒硝を洗浄する過程で繊維が溶解してしまう。また上記(2)の方法、即ち高いドラフトをかけながら紡糸する方法ではノズル近辺で糸切れが生じやすく安定に紡糸することが困難である。また上記(3)の方法では、すでに述べたように満足な強度が得られない。従って、安定に目標とする性能を有する繊維を得るには、その断面充実度は80%以上であることが必要となるのである。
【0012】
原料であるPVAは、繊維の水溶性並びに機械的物性を決定付ける要素であり、十分な強度を得るにはその重合度は1500以上、そして水溶性を付与するにはケン化度は92モル%以下であることが必要である。
重合度が1500以下では、いかに高倍率で延伸しても3g/d以上の強度を得ることは困難である。またケン化度が92モル%をこえると十分な水溶性を得ることはできない。
尚、かかるPVAに関する規定はあくまで基本的なものであって、目標とする繊維性能が得られるならば、エチレン、カルボン酸、アクリル酸その他の官能基を有するモノマーを共重合したものを用いたり、ケン化度や重合度の異なるPVAや異種ポリマーを混合して紡糸することもできるが、共重合PVAを用いる場合は5モル%以下の変性度、異種ポリマーを混合紡糸する場合は30重量%以下とすることが好ましい。
【0013】
本発明の繊維を得る最適な方法は、PVAをDMSOに溶解して紡糸原液となし、これをメタノールを主体とする浴中に紡糸し固化、抽出の後、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量5000以下のポリエチレングリコール等の多価アルコール類、またはHLBが5以上のノニオン系界面活性剤及びその変性物の中から選ばれる少なくとも1成分を溶解促進剤として繊維に対して0.2重量%以上付与した後、乾燥、延伸、必要に応じて熱処理を行うものである。
先に述べたように、水を溶媒とする従来の湿式紡糸では、かかる冷水に可溶な繊維を製造することができず、また、乾式紡糸では十分な強度を得ることができない。このため、溶媒としてDMSOを用い、メタノール主体の固化浴に紡糸する方法を採用することが不可欠である。しかしこれは、従来技術で引用した特開平7−42019号公報に記載の技術の範疇であって、目的とする溶解速度の速い繊維は得られない。
【0014】
溶解速度を高めるには、原液を紡糸し抽出の後に、溶解促進剤を繊維に対して0.2重量%以上付与することが必須である。その作用機構は、繊維の非晶部に選択的にPVAと相溶しつつ存在し、非晶の乱れを大きくすることであると推定され、付与量は繊維に対して0.2重量%以上でなければ十分な効果が得られない。また付与量が10重量%を越えると、乾燥・延伸工程で膠着すると言う問題点が生じる。好ましくは0.5〜5重量%の範囲である。また、これら溶解促進剤を繊維に付与する時期は、繊維から溶媒であるDMSOの大部分を抽出した後でなければならない。原液に添加したりDMSOを多量に含有する状態で付与したのでは、固化浴や抽出浴に溶解促進剤が溶出してしまい最終的に繊維内に残らないためである。
【0015】
溶解促進剤の種類としては、基本的にメタノールと混和し、PVAと相溶しするもので乾燥、延伸後も繊維内にとどまる程度の沸点を有することが必要で、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量5000以下のポリエチレングリコール等の多価アルコール類、またはHLBが5以上のノニオン界面活性剤、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビトールやペンタエリスリトールなどの多糖類と脂肪酸との縮合物にエチレンオキサイドを付加させたものの他、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールやそのアルキル化物、あるいはこれらを燐酸ナトリウム、硫酸ナトリウム等でアニオン変性したもの等も用いることができる。
多価アルコール類の中では、沸点、熱安定性の点からジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量5000以下のポリエチレングリコールが好ましく用いられ、界面活性剤では溶解促進能力の高いHLBが10以上のものが好ましい。なおポリエチレングリコールについては、分子量が5000を越えるとメタノールとの相溶性が低下し、粘度も高くなるため、繊維への浸透性が低下するばかりでなく、ローラーへのガムupや繊維の膠着といったトラブルを引き起こす。
また、これらの溶解促進剤はその一種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合使用することもできる。
【0016】
原液の溶解方法は特に限定されるものでなく、DMSOを攪拌しつつPVAを添加し昇温して溶解し、PVAの濃度や溶解温度は、安定な紡糸が可能となるよう調製すればよい。たとえば、重合度が1700前後のPVAを使用する場合、濃度13〜20重量%、温度70〜90℃程度が適当である。
また、用いるPVAのケン化度が低いために固化浴への溶出が多くなることが考えられるが、メタノールを原液に1〜10重量%添加して溶出を抑制することも可能である。
【0017】
凝固浴はメタノールを主体とする組成が好ましいが、必然的に原液からDMSOが持込まれるためメタノールとDMSOの混合組成となる。その混合重量比率は、メタノール:DMSO=35:65〜90:10の範囲が好ましい。35:65よりもメタノール比率が低い場合には、凝固が不十分であるため繊維形成が困難であったり、膠着が生じることになる。逆に9:1よりもメタノール比率が高い場合には、原液からのDMSOの持込みの影響を受けやすく、その組成を維持するためには多量のメタノールを添加して補正する必要があり、現実的には生産プロセスとしては成立しえないものである。凝固浴温度としては、0〜20℃が紡糸性及び経済性の点で好適である。また、凝固浴に水やケトン類など凝固性を向上させるような物質を添加することは特に支障なく行うことができる。
【0018】
紡糸方式は、湿式紡糸方法でも、あるいはノズルと凝固浴に間に空気層を設けた乾・湿式紡糸方法でもよい。凝固浴で形成した糸条は引き続き、1.5〜5倍湿延伸しながらメタノールで繊維中に含有されているDMSOの抽出を行い、その後に、溶解促進剤をメタノールに溶解させた浴に繊維を接触させてこれを繊維内部に浸透せしめる。
また特開平7−42019号公報で提案した炭素数3以上の酸素を含有する炭化水素化合物、たとえばメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンを溶解促進剤と併用することは、繊維の膠着を防止する上で好ましい。その後、乾燥、乾熱延伸、必要に応じて熱処理を行う。乾燥条件としては、80〜150℃が好ましく、乾熱延伸条件としては140〜220℃で、乾熱延伸倍率1.3〜3倍、湿延伸倍率と乾熱延伸倍率との積で表される全延伸倍率4〜9倍が好ましい。熱処理温度としては、160〜220℃で、0〜10%収縮となるように熱処理を行うのが好ましい。さらに、機械捲縮や牽切などの処理を経て、紡績や不織布の加工を行うことができる。
【0019】
【実施例】
以下実施例を以て本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、例中の強度、伸度、断面充実度、2℃の水中での溶断時間は以下の方法により求めた。
強度及び伸度:
JIS L−1013に準拠して測定。
断面充実度:
繊維の断面積(A)を繊維断面の長軸を直径とする円の断面積(B)で除した値、即ち、A/B×100(%)で求める。
2℃の水中での溶断時間:
単繊維25本を束ねて、2mg/dの荷重をかけた状態で2℃の水に垂直にいれ、溶断するまでの時間を測定する(繊維長10cm)。
【0020】
実施例1
重合度1700、ケン化度88モル%のPVAを90℃で20重量%濃度となるようDMSOに溶解して、原液を調製した。
該原液を、1000ホール、孔径0.08mmのノズルを通して、メタノール/DMSOが7/3(重量比)の組成で5℃の固化浴に紡糸ドラフト0.3倍で湿式紡糸した。引き続き3倍の湿延伸をかけながら20℃のメタノールでDMSOを抽出したのち、界面活性剤成分として炭素数11〜13のセカンダリーアルコールのエチレンオキサイド3モル付加物(HLB9)1重量%、メチルイソブチルケトン(以下MIBKと略記)30重量%、残部がメタノールからなる浴に上記界面活性剤の付与量が繊維に対して1重量%となるように浸漬し、130℃で乾燥、160℃で全延伸倍率が6倍となるよう延伸して巻き取った。
得られた繊維は、2デニール、強度5.6g/d、断面充実度95%、2℃の水中での溶断時間は58秒であり、強度、溶解速度共に優れたものであった。
【0021】
実施例2〜3、比較例1〜2
実施例1において、セカンダリーアルコールのエチレンオキサイド3モル付加物の付与量を0.5重量%にした場合(実施例2)、全く使用しない場合(比較例1)、セカンダリーアルコールのエチレンオキサイド3モル付加物に代えてノニルフェニルエーテルエチレンオキサイド1モル(HLB4)を1重量%付与した場合(比較例2)、セカンダリーアルコールのエチレンオキサイド3モル付加物に代えてグリセリンを2重量%付与した場合(実施例3)以外は実施例1と同様に製造した繊維の物性を表1に示す。
【0022】
【表1】
Figure 0003828217
【0023】
表1から明らかなように、溶解促進剤の付与量が少ない場合、あるいはHLBが低く親水性が不足する場合には、本発明の繊維は得られない。
【0024】
比較例3〜4
PVAの重合度を1200(比較例3)、またPVAのケン化度を94モル%(比較例4)とした以外は実施例1と同様に繊維を製造した。
重合度の低い比較例3では、強度が2.0g/dと低く加工性に劣るものであり、ケン化度の高い比較例4では、2℃の水中では溶断しなかった。
【0025】
比較例5
孔の偏平率が10倍(長辺0.2mm、短辺0.02mmで直径0.08mmの円形孔と同一孔面積)、1000ホールのノズルを用い、紡糸ドラフト1.2とした以外は比較例1と同様に紡糸した。ノズルからは常時単糸切れが発生し、ローラーへの巻き付きが多発し、安定な紡糸が困難であった。また得られた繊維は2デニール、断面充実度は20%で、2℃の溶断時間は110秒と比較例1との対比から断面充実度の低下効果が認められるが、不十分であった。
【0026】
実施例4〜7
実施例1において、セカンダリーアルコールのエチレンオキサイド3モル付加物に代えて、ジエチレングリコールを0.5重量%付与した場合(実施例4)、トリエチレングリコールを0.5重量%付与した場合(実施例5)、テトラエチレングリコールを0.5重量%付与した場合(実施例6)、及び分子量2000のポリエチレングリコールを0.5重量%付与した場合(実施例7)のそれぞれの結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
Figure 0003828217
【0028】
【発明の効果】
本発明により、冷水溶解性、及び後加工に十分耐え得る強度を有する水溶性PVA繊維を安定に製造することが可能となり、多様化する需要に対応できるようになった。本発明の繊維は、例えばケミカルレース基布、洗剤や農薬等の包装袋用布帛、園芸用縛り紐、漁網集束用ロープ等の用途に用いることができる。

Claims (1)

  1. ケン化度92モル%以下、重合度1500以上のポリビニルアルコールをジメチルスルホキシドに溶解し、メタノールを主体とする浴中に紡糸し、固化、抽出を行った後、多価アルコール類、HLBが5以上のノニオン界面活性剤及びその変性物の中から選ばれる少なくとも1成分を繊維に対して0.2重量%以上付与し、さらに乾燥、延伸、必要に応じて熱処理を施す、単繊維デニールが0.5デニール以上、強度が3g/デニール以上、断面充実度が80%以上であり、かつ2℃の水中での溶断時間が100秒以下であるポリビニルアルコール系合成繊維の製造方法。
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