JPH026628B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は両面刷のための紙の反転機構を付設し
枚葉輪転印刷機において紙を受渡す胴相互の位相
を調整する装置に関するものである。

近年印刷の多様化に伴い、一台で片面刷と両面
刷とに使い分けることのできる反転機構付の枚葉
輪転印刷機が開発されて実用化されている。第１
図および第２図はこの種の印刷機による片面刷時
と両面刷時とにおける紙の受渡し動作を説明する
ための反転胴近傍の側面図を示し、第１図は片面
刷、第２図は両面刷の場合を示している。これを
同図に基いて説明すると、第１の印刷ユニツトの
圧胴１の下流側には反転胴２が設けられており、
反転胴２の下流側には第２の印刷ユニツトの圧胴
３が設けられている。そして、第１の印刷ユニツ
トの圧胴１とゴム胴４との間で印刷が施された紙
５は爪に咥え替により反転胴２を経て第２の印刷
ユニツトの圧胴３とゴム胴６との間へ送り込まれ
て次の印刷が施される。そこで、片面刷と両面刷
とを比較すると、先ず第１図に示す片面刷におい
ては、表面５ａに印刷が施された紙５は、圧胴１
側の爪７から反転胴２の反転爪８に咥え替えられ
反転胴２がほぼ180°回転したのち、圧胴３の爪９
に咥え替えられて次の印刷が施されるが、この場
合圧胴３に巻付けられる紙５は同じく表面５ａが
上に出ているので片面刷が行なわれる。これに対
し第２図に示す両面刷の場合には、圧胴１とゴム
胴４との間で表面５ａに印刷が施された紙５は爪
７に咥えられたまま反転胴２との接触点を過ぎて
圧胴１に巻付けられ、紙尻が両胴１，２の接触点
に達したときにこの紙尻が反転爪８に咥え替えら
れる。このとき爪７が開いて紙５を解放するの
で、反転胴２の回転とともに紙５は表裏が反転さ
れた状態で圧胴３に達し、爪の咥え替えにより表
面５ａが下になつて圧胴３に巻付けられ、裏面５
ｂに印刷が施されて両面刷となる。この場合は、
片面刷の場合と異なり反転爪８が、紙５の紙尻側
から進入してきてこれを咥えて反転胴２とともに
公転後紙５を放すという動作をする関係上、反転
爪８が公転中にほゞ180゜自転するよう反転爪８の
開閉カムに爪反転用のカム面が設けられている。

このように動作する反転機構付の印刷胴装置に
おいては、第１図と第２図とを比較すれば明らか
なように、第１図において互に対向している爪７
と反転爪８とが、第２図においては、紙５の巻付
き角度Θだけ位相がずれている。したがつて、片
面刷から両面刷、両面刷から片面刷へと切換える
場合は、反転胴２を含むこれよりも下流側の胴群
と、圧胴１を含むこれよりも上流側の胴群の位相
とを紙５のサイズに対応した角度Θと反転爪８の
回転角度αだけずらせる必要がある。また両面刷
中に紙のサイズが変つた場合にもこの位相調整を
しなければならない。

この位相調整装置としては従来一般に次の様な
装置が用いられている。すなわち、圧胴１上のギ
アと噛合つて回転を伝達する反転胴２上のギアを
２個にしてこれを隣接して設け、一方のギアを反
転胴軸に対し固定して他方のギアを反転胴軸に対
し回動自在に遊装する。そして、運転中は２個の
ギアを固定して圧胴１側の回転を伝達させ、位相
調整の場合は、２個のギアの固定を解き遊装側の
ギアを圧胴１側の胴群とともに回動させて位置決
め後、２個のギアを固定して回転を伝達させるも
のである。

しかしながら、従来の位相調整装置は、２個の
ギアを４〜６個のボルトと抑え板とで固定し、位
相調整のたびにこれらを弛めたり締めたりしてギ
アの解放・固定を行なうものであるために、調整
に長時間を要するばかりでなく、調整のための広
いスペースを必要とし、また操作性がきわめて悪
いという欠点があつた。

本発明は以上のような点に鑑みなされたもの
で、隣接する両印刷胴に周面を対接させた反転胴
の端軸に、下流側の印刷胴上のギアと噛合する固
定ギアを固定し、その段部に上流側の印刷胴上の
ギアと噛合する調整ギアを遊装するとともに、固
定ギアに枢支されて一端を反転胴軸芯部の調整ボ
ルトと係合させた放射状のてこレバーの他端を固
定ギアのピン孔に挿通したピンに係合させ、調整
ボルトの進退によるてこレバーの揺動でピンを摺
動させてピンの突出端部に設けた係合部材の作用
で固定ギアと調整ギアとの圧着を断接させるよう
に構成することにより、反転胴とその上流側圧胴
との位相調整を簡単な構成と容易な操作で行なう
ことを可能ならしめた反転機構付枚葉輪転印刷機
の位相調整装置を提供するものである。以下、本
発明の実施例を図面に基いて詳細に説明する。

第３図ないし第７図は本発明に係る位相調整装
置の実施例を示し、第３図はその反転胴軸端側か
ら見た正面図、第４図は第３図のAA展開断面
図、第５図は第３図のBB・CC展開断面図、第６
図は位相調整操作部の断面図、第７図は本発明の
他の実施例を第４図に対応して示す断面図であ
る。反転胴周辺の胴配列および紙の反転動作等に
ついては第１図および第２図を用いて説明する。
これらの図において、隣接する各印刷ユニツトの
左右のフレーム１０には、それぞれ印刷胴として
のゴム胴４，６とその倍径の圧胴１，３とが周面
を対接させて軸支されており、両方の圧胴１，３
間には、同じく倍径の反転胴２が各圧胴１，３に
周面を対接させてフレーム１０に軸支されてい
る。圧胴１，３の外周切欠き部には、胴軸端部の
フレーム側に固定された爪開閉カムに胴側のカム
フオロアを対接させて胴１，３が回転することに
より所定のタイミングで開閉する複数個の爪７，
９がそれぞれ配設されている。また、反転胴２の
外周切欠き部には、同じく胴軸端部のフレーム側
に固定された片面刷用に爪開閉カムと両面刷用の
爪開閉兼爪反転カムのいずれかへ選択的に胴側の
カムフオロアを対接させることにより開閉・反転
する複数個の反転爪８が配設されている。

カムによる反転爪８駆動側とは反対側のフレー
ム１０から突出する反転胴２の端軸１１には、下
流側の圧胴３の軸端部に固定されたギアと噛合す
る固定ギア１２が、端軸１１の段部で軸方向への
移動を規制されて固定ボルト１３とテーパ状に形
成された一対のシユパンリング１３ａとで固定さ
れており、この固定ギア１２の外周部に形成され
た段部１２ａには、上流側の圧胴１の軸端部に固
定されたギアと噛合する環状の調整ギア１４が回
動自在に嵌装されている。そして、固定ギア１２
と調整ギア１４とは、片面刷と両面刷との切換え
に際し後述する位相調整装置によつて相互の位相
を調整できるように構成されている。１５はこの
位相調整時に固定ギア１２が回動しないようにフ
レーム１０に固定する固定機構であつて、固定ギ
ア１２の端面１箇所に設けた凹孔に嵌着されてボ
ルト１６で固定されたブツシユ１７と、このブツ
シユ１７に摺動自在に軸支され固定ギア１２を貫
通してフレーム１０のピン孔１８に係入された固
定ピン１９および固定ピン１９をピン孔１８から
抜く方向へ付勢する圧縮コイルばね２０とを備え
ており、ブツシユ１７には、固定ピン１９に設け
たノツクピン２１を係合させて固定ピン１９の抜
けをピン孔１８への挿入固定時と非固定時とにお
いてそれぞれ阻止する浅い溝２２と深い溝２３と
が設けられている。また、第５図に破断して符号
２４で示すものは、片面刷時に固定ギア１２と調
整ギア１４とを固定する固定機構であつて、固定
ギア１２の端面１箇所に設けた凹孔に嵌着されて
ボルト２５で固定されたブツシユ２６と、このブ
ツシユ２６に摺動自在に枢支され固定ギア１２を
貫通して調整ギア１４のピン孔２７に係入された
固定ピン２８および固定ピン２８をピン孔２７へ
挿入する方向へ付勢する圧縮コイルばね２９とを
備えており、ブツシユ２６には、固定ピン２８に
設けたノツクピン３０を係合させる溝３１が設け
られている。そして、固定ピン２８を圧縮コイル
ばね２９の弾発力に抗して引つ張りノツクピン３
０を溝３１から抜いたのち回動させることによ
り、ノツクピン３０がブツシユ２６の端面と係合
して固定ピン２８のピン孔２７挿入方向への移動
を規制するように構成されている。

そこで、位相調整装置の構成を説明する。反転
胴２の端軸１１の端面に設けられたねじ孔には、
鍔３２ａを有する調整ボルト３２が進退自在に螺
入されており、一方、固定ギア１２の端面外周部
を円周方向に５等分する箇所に一対ずつボルト３
３で取付けられたピンホルダ３４には、てこレバ
ー３５が支点ピン３６により調整ボルト３２の進
退方向へ向つて揺動自在に枢支されて放射状に配
設されていてその一方の遊端部の２又部は調整ボ
ルト３２の鍔３２ａと係合される。また一方、て
こレバー３５に対応して固定ギア１２の外周部に
穿設された各ピン孔３７には、頭付きのピン３８
が調整ギア１４側から挿入されており、その頭部
と固定ギア１２の段部端面との間には、一端を調
整ギア１４の段部に係合させた押え板３９がやゝ
緩めの孔の嵌合により介挿されている。ピン３８
の先端部は、前記てこレバー３５の他方の遊端部
に設けてピン孔４０に挿入されていて、その突出
ねじ部にはダブルナツト４１が座金４２を介して
螺合されており、ピン孔４０の径をピン３８の径
よりもやゝ大きくし座金４２とピン３８の段部と
の間隔をてこレバー３５の厚みよりもわずかに大
きくすることにより、てこレバー３５の揺動が許
されるように構成されている。また、固定ギア１
２のピン３８挿入部端面には円形の凹孔４３がピ
ン３８と同心状に設けられていて、この凹孔４３
内には、焼入れされたスペーサ４４と、４個の皿
ばね４５とが、焼入れされた鍔付きのスペーサ４
６を介してピン３８に嵌装されて設けられてお
り、スペーサ４４とてこレバー３５との間のピン
３８のねじ部にはダブルナツト４７が螺合されて
いる。そして、スペーサ４４と、裏表交互に介挿
されて弾発力を有する皿ばね４５とは、スペーサ
４６のボスに対して摺動自在に嵌装されていると
ともに、ダブルナツト４７の進退により前記押え
板３９とスペーサ４４との間隔が調節されるよう
に構成されている。こうすることにより、常時は
ピン３８がダブルナツト４１とスペーサ４６とを
介し皿ばね４５の弾発力でてこレバー３５側へ付
勢されていて押え板３９で調整ギア１４を固定ギ
ア１２へ強く圧着させており、また、調整ボルト
３２の進退でてこレバー３５を揺動させてこれを
ダブルナツト４１との当接により皿ばね４５をそ
の弾発力に抗して圧縮させながらピン３８を移動
させると、押え板３９が調整ギア１４からわずか
に離れて固定ギア１２と調整ギア１４との圧着が
解かれるように構成されている。

このような位相調整装置は、第６図に破断して
全体を符号４８で示す操作部を備えている。すな
わち、両ギア１２，１４の斜め下方には、フレー
ム１０との間を４個のステー４９で連結されて支
持された軸受５０を備えており、この軸受５０の
ボールベアリング５１とフレーム１０に嵌着され
たボールベアリング５２とには、調整ギア１４と
噛合する小ギア５３とギア軸５４とが一体形成さ
れて回動自在に軸支されている。また、上下のス
テー４９間には、ハンドル軸５５が、フレーム１
０と軸受５０および軸受５０に固定されたブラケ
ツト５６とに回動自在に軸支されており、このハ
ンドル軸５５上のピニオン５７とギア軸５４上の
ギア５８とが噛合されている。ハンドル軸５５に
は、ハンドル５９が装着されているとともに、２
条の環状溝６０，６１が設けられていて、ばね６
２が付勢されたボール６３とともにクリツク機構
が形成されており、ハンドル軸５５の移動を、図
に実線を鎖線とで示すピニオン５７の噛合位置と
非噛合位置とで規制するように構成されている。
こうすることにより、ピニオン５７とギア５８と
を噛合させてハンドル５９を回動させることによ
り調整ギア１４が回動して固定ギア１２との位相
が調整される。さらに、固定ギア１２の段部端面
とこれに対応する調整ギア１４の端面とには、紙
５のサイズに対応した位相調整装置を表示する指
針６８と目盛板６９とが設けられている。

以上のように構成された印刷胴装置と位相調整
装置との動作を説明する。先ず片面刷の場合は、
固定ピン２８が圧縮コイルばね２９に付勢されて
ピン孔２７に挿入されており、ノツクピン３０が
溝３１と係合していて固定ギア１２と調整ギア１
４とが所定の位相に合わされている。また、反転
胴２軸芯部の調整ボルト３２がねじ込まれてお
り、てこレバー３５に対してピン３８が座金４２
とピン３８の段部とのすき間分だけ摺動し得るよ
うになつているので、ピン３８は皿ばね４５の弾
発力でてこレバー３５側へ押されており、調整ギ
ア１４は押え板３９を介し皿ばね４５の強い弾発
力で固定ギア１２へ圧着固定されている。また、
反転胴２の他端側のカムフオロアは片面刷用の爪
開閉カムと対応している。さらにハンドル軸５５
はフレーム１０の孔内で図中左方に摺動していて
ピニオン５７とギア５８との噛合が解かれてい
る。なお、ハンドル軸５５にはリミツトスイツチ
等による安全装置が設けられていて、ハンドル軸
５５が上記位置に移動した状態でないと機台が始
動しないようになつている。

この状態で機台を運転すると、第１図に示すよ
うに、ゴム胴４と圧胴１との間で表面５ａに印刷
が施された紙５は、爪７と反転爪８とで咥え替え
られて反転胴２に巻付けられ、反転爪８と爪９と
で咥え替えられて表面５ａが上となり圧胴３に巻
き付けられるので、ゴム胴６と圧胴３との間で表
面５ａに印刷が施されて片面刷となる。

次に、片面刷から両面刷に切換える場合には、
固定ピン２８を圧縮コイルばね２９の弾発力に抗
し引つ張つて回動させると、ノツクピン３０がブ
ツシユ２６の端面と係合して固定ピン２８が引き
抜かれた状態で固定される。こうしたのち、調整
ボルト３２を緩める方向へ回動させると、その鍔
３２ａと係合するてこレバー３５が支点ピン３６
を中心にして揺動し、そのてこ作用によりピン３
８が移動する。この場合、調整ボルト３２のねじ
作用が皿ばね４５のばね力に打ち勝つので、皿ば
ね４５が圧縮され、押え板３９がわずかに調整ギ
ア１４から離間して調整ギア１４と固定ギア１２
との圧着が解かれる。そこで、片面刷時にノツク
ピン２１を深い溝２３に係合させてピン孔１８か
ら抜け出していた固定ピン１９を、圧縮コイルば
ね２０の弾発力に抗して押し、先端部をピン孔１
８へ挿入しながら回動させたのち手を離すと、第
４図に示すようにノツクピン２１が浅い溝２２と
係合し、固定ピン１９がピン孔１８に挿入されて
固定ギア１２が位相調整に支障のないような状態
で固定される。こうしたのち、ハンドル軸５５を
押し、ピニオン５７とギア５８とを噛合させてハ
ンドル５９を回動させると、ピニオン５７とギア
５８、小ギア５３と調整ギア１４との噛合により
調整ギア１４が回動し、固定ギア１２と調整ギア
１４との位相が調整される。この調整に際して
は、紙５のサイズによつて紙尻の位置が異なり、
第２図に示す角度Θが異なるので、これを指針６
８と目盛板６９とを合わすことにより位置決めし
て調整を行なう。こうして位置決めしたのち、調
整ボルト３２を締めると、前述したように固定ギ
ア１２と調整ギア１４とが圧着固定されるので、
第４図に示すような状態にある固定ピン１９を押
し込んでノツクピン２１と浅い溝２２との係合を
解きながら回動させてノツクピン２１を深い溝２
３と係合させることによりピン孔１８から抜き出
た状態で固定し、またハンドル軸５５を移動させ
てピニオン５７とギア５８との噛合を解くことに
より位相調整が完了する。なお、両ギア１２，１
４を固定する固定ピン２８は、位相調整中と以下
述べる両面刷中、ピン孔２７から抜いたまゝにし
ておく。そして次回、片面刷に復帰させる場合に
ピン孔２７に挿入すれば、両ギア１２，１４の位
相が確実に片面刷状態に復帰して固定される。

この状態で機台を運転すると、位相調整によつ
て圧胴１を含む上流側の胴群が反転胴２を含む胴
群に対し位相がずれ、また、反転胴２の他端側の
カムフオロアが両面刷用の爪開閉、反転カムと対
応するので、ゴム胴４と圧胴１との間で表面５ａ
に印刷が施された紙５は、両胴１，２の接触点を
過ぎて圧胴１に角度Θだけ巻付けられ、紙尻がこ
の位置で反転爪８によつて咥えられる。さらに胴
群が回転すると、紙５は表面５ａが内側になるよ
うに反転しながら圧胴３との接触点に達し圧胴３
の爪９に咥え替えられるので、裏面５ｂが上にな
り、圧胴３とゴム胴６との間で裏面５ｂに印刷が
施されて両面刷となる。

以上のようにして行なわれる位相調整動作は、
記述すると長いが、固定ピンを抜き挿しすること
と、１箇所の調整ボルトの回動で数箇所のピンの
移動を集中操作することとの簡単な動作によりき
わめて短時間で行なうことができる。

次に、他の実施例を第７図に基いて説明する。
図において固定ギア１２に挿通された頭付きのピ
ン３８Ａには、前記実施例と同様に押え板３９が
嵌装されているとともに、このピン３８Ａは、て
こレバー３５Ａに挿通されていてそのてこレバー
３５Ａからの突出ねじ部には係合部材としての調
整ナツト７０が螺合されてノツクピン７１で固定
されている。その他は前記実施例と同じであるか
ら説明を省略する。

このように構成することにより、調整ボルト３
２を締め込むと、てこレバー３５Ａが揺動し、調
整ナツト７０を介してピン３８Ａがてこレバー３
５Ａ側へ移動するので、押え板３９により調整ギ
ア１４が固定ギア１２に圧着固定される。また、
調整ボルト３２を弛めると、てこレバー３５Ａが
逆方向へ揺動し、てこレバー３５Ａと調整ナツト
７０との間にあらかじめ設定したわずかなすき間
ができるので、ピン３８Ａは軸方向へわずかに移
動可能となり、押え板３９による圧着が解かれて
固定ギア１２と調整ギア１４とが相互に回動自在
となる。その他の動作は前記実施例と同じであ
る。こうすることにより、位相調整をきわめて簡
単な動作で行なうことができるとともに、第１の
発明よりも構成がさらに簡単である。

以上の説明により明らかなように、本発明によ
れば反転機構付枚葉輪転印刷機の位相調整装置に
おいて、隣接する両印刷胴に周面を対接させた反
転胴の端軸に、下流側の印刷胴上のギアと噛合す
る固定ギアを固定してその外周段部に、上流側の
印刷胴上のギアと噛合する調整ギアを遊装すると
ともに、固定ギアに枢支されて一端を反転胴軸芯
部の調整ボルトと係合させた放射状のてこレバー
の他端を固定ギアにピン孔に挿通したピンに係合
させ、調整ボルトの進退によるてこレバーの揺動
でピンを摺動させてピンの突出端部に設けた係合
部材の作用で固定ギアと調整ギアとの圧着を断接
させるように構成することにより、反転胴を含む
その下流側の胴群と、その上流側の印刷胴を含む
上流側の胴群との位相を、反転胴の軸芯部からの
集中操作によりきわめて簡単に短時間で調整する
ことができ、操作性と生産性とが著しく向上する
とともに、操作スペースが縮小され機台をコンパ
クトに構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は片面刷と両面刷とにおけ
る紙の咥え替え動作を比較して説明するための反
転機構付枚葉輪転印刷機における反転胴近傍の側
面図、第３図ないし第７図は本発明に係る反転機
構付枚葉輪転印刷機の位相調整装置の実施例を示
し、第３図はその反転胴軸端側から見た正面図、
第４図は第３図にAA展開断面図、第５図は第３
図のBB，CC展開断面図、第６図は位相調整操作
装置の断面図、第７図は本発明の他の実施例を第
４図に対応して示す断面図である。 １……圧胴、２……反転胴、３……圧胴、５…
…紙、１１……端軸、１２……固定ギア、１２ａ
……段部、１４……調整ギア、３２……調整ボル
ト、３５……てこレバー、３６……支点ピン、３
７……ピン孔、３８……ピン、４５……皿ばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 隣接する両印刷胴１，３間で反転胴２により
   印刷紙５を反転させる反転機構付枚葉輪転印刷機
   において、前記反転胴２の軸端部１１に固定され
   下流側の印刷胴３上のギアと噛合する固定ギア１
   ２と、この固定ギア１２の段部１２ａに軸支され
   上流側の印刷胴１上のギアと噛合する調整ギア１
   ４と、前記反転胴２の軸端部１１の端面軸心部に
   螺入された調整ボルト３２と、この調整ボルト３
   ２に基端部が係合し放射状に配設され前記固定ギ
   ア１２の側面外周寄り位置で揺動自在に枢支され
   た複数のてこレバー３５と、これら各てこレバー
   ３５の外端部にその一端が連結され前記固定ギア
   １２のピン孔３７に進退自在に挿通された複数の
   ピン３８と、これら各ピン３８の他端に設けられ
   このピン３８の進退により前記調整ギア１４に対
   し離間・圧接する係合部材３９とを備えたことを
   特徴とする反転機構付枚葉輪転印刷機の位相調整
   装置。