JPH0262273B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は筒形ベツドミシンに関し、特に被縫製
物支持台を形成するミシンベツドで、上記台に沿
い、被縫製物が上記支持台と同一平面上で作用す
る送り歯により移動させられるものと；上記ミシ
ンベツドから立上がり、腕部をカンチレバー式に
支持する支柱部で、上記腕部が上記支持台の上に
位置する頭部で終わる、ものと；上記頭部により
弾力的に支持された押え足で、上記送り歯に作用
し被縫製物をこれに押付けるものと；上記押え足
の近くで作用し、被縫製物を縫う縫製手段と；を
含む形式ものに関する。

［従来の技術およびその課題］ 衣類を作製するに当たつて、被縫製物の縁に沿
つてオプシヨンとしてのゴム製のバンドを挿入し
たヘム縫い（hemming）を行なつたり、又、装
飾及び又は支持の目的で被縫製物の他の縁をリボ
ン状の飾りで縁取り（trimming）したりするこ
とがしばしばある。例えば、ズボンを作るとき
は、一般的に、その腰回りにヘム縫いを行ない、
オプシヨンとしてゴム製のバンドをその中に入れ
たり、ズボンの下端部に支持及び装飾のテープを
付けたりすることがある。

現在、これを行なうためには、２台の異なつた
ミシンを使用する必要があり、従つて明らかに違
つた２つの作業手順が必要となる。詳しく説明す
ると、オプシヨンとしてゴムバンドを入れたヘム
縫いを行なうためには、被縫製物の支持台の上に
設けられた適当なヘムホールダー（hem folder）
を押し足（presser foot）の前に付けた筒形ベー
スミシンが用いられる。上記のヘムホールダー
は、これが被縫製物の１つの縁と滑動可能に結合
し、ステツチ縫いの間にこれを長手方向に折り曲
げた状態で押し足の下に案内する、ような形をし
ている。このヘムホールダーが又、被縫製物の縁
と共に、ミシンベツドの回りに分散配置された支
持ローラーに予め取付けられたゴムバンドと結合
し、ステツチ縫いの間に、ゴムバンドが、被縫製
物の縁で作られた折り目の中に包み込まれる。

一方、テープやネツクバンド等のリボン状の縁
取りを行なう場合には、他のミシンが使用され、
このミシンが上記ヘムホールダーの位置にリボン
案内を備え、これがミシンの腕の下に延び、被縫
製物の支持台と同一平面上に、押し足の前に配置
された自由端を持つている。適切に形づくられた
上記リボン案内が用いられ、これが縁取りのリボ
ン片と結合し、これを長手方向に折り曲げ、押し
足のすぐ上手でこれを被縫製物の縁に向き合つて
配置する。次にこの縁取り片が、押し足の側で作
動する縫製部材の作用により被縫製物の縁に沿つ
て縫い付けられる。

ステツチ縫いの終わりに、この縁取り片が押し
足の下手で切断され、その端部が押し足の下にク
ランプされ、次の被縫製物の縁と容易に結合し得
るようにする。

上述したミシンは勿論それなりに機能するよう
に用いることは出来るが、注意すべきことは、こ
れらの作業が別々の手順で行われねばならないの
で、製造時間と人手を余計に必要とし、従つて最
終製品も高いものとなることである。

本発明の主たる目的は、これらの欠点を解決す
るために、ヘムホールダーとリボン案内とを２つ
とも備え、従つてこの２つの作業を共に行なうこ
との出来る筒形ベツドミシンを提供することであ
る。

ヘムホールダーとリボン案内とが、共に、押し
足の前で、被縫製物の支持台と同一平面上で作動
することにより、次に起る問題は先ず第一に、上
記部材が共存する故に、互いに他の機能を損うこ
と無く、それぞれの作業を有効且つ効率良く行な
うことが出来るか否かである。更に注意すべきこ
とは、１つの被縫製物を縫製する間、これらの部
材が交互に使用されねばならないので、作業の終
わりに、縁取り片を押し足の下に結合した状態で
保持することは最早不可能なことである。従つ
て、当該技術の現状としては、リボン案内を再度
使用する場合は、被縫製物に縁取り片を取り付け
るために、厄介な作業をしなければならない。

従つて、本発明の次の目的は、リボン案内の使
用が必要な度に、リボン状の縁取り片を押し足の
下に自動的に正確に挿入し得るようにすることで
あり、これにより、被縫製物の縁と縁取り片の最
初の結合が容易に行なうことが出来るようにす
る。

その他の目的に就いては以下の説明で明らかに
する。

［課題を解決するための手段］ 以上の目的を達成するために、本発明によるミ
シンは、上記ミシンベツドに対し実質的に水平で
又上記支持台上の被縫製物の送り方向に対して直
角な回動軸に従つて、回動する支持部に装着され
るヘムホールダーで、上記支持部がそれ自身の回
動軸の回りを揺動可能で、上記ヘムホールダー
を、これが上記支持台と同一平面にあり且つ上記
押え足の前に当たる使用位置から、これがミシン
ベツドの前で傾けられ、且つ上記支持台より低い
位置になる如き休止位置に運ぶ、ものと；及び、
上記ミシンベツドに実質的に垂直な回転軸に従い
回転可能に接続され、又上記回転軸の回りを角度
を持つて揺動可能の支持要素と固定的に結合され
たリボン案内で、上記支持要素が上記リボン案内
を、上記支持台から横方向に間隔をもつて離れた
休止位置から、これが上記押し足の前に自由端を
持つ作業位置へ移動させたとき、上記押し足の下
にリボン状の縁取り片を差込むものであり、上記
縁取り片が上記リボン案内に沿つてその中に滑動
可能に納められている、ものと；を含むことを特
徴としている。

［実施例］ 第１図に、本発明による筒形ベツドミシンの全
体が参照符号１で示されている。公知の如く、こ
のミシン１はベツド２を含み、その上に被縫製物
支持台３が形成され、その面の上に、上記支持台
と同一平面上で作動する送り歯（図示無し）によ
り、被縫製物が送り込まれる。支柱部４がベツド
の１端から立ち上がり、腕部５をカンチレバー式
に支持し、この腕の自由端部に頭部６が設けられ
ており、この頭部が上記支持台３の丁度上に配置
されている。頭部６に装着されて、押し足支持具
７ａがあり、これがその下部に押し足７を携えて
おり、この押し足が、上記の押し足支持具の弾力
的作用により、上記送り歯に向つて押され、被縫
製物をこれに押し付ける。又上記頭部６に装着さ
れて針棒８があり、これがその下部に１本又はそ
れ以上の針８ａを携え、これが、上記支持台３を
介して作用し、上記押し足７の側にある他の公知
の縫製手段と協動して、被縫製物のステツチ縫い
を行なう。

本発明によるミシン１はヘムホールダー９を備
えており、これが公知の形で支持台３と同一面上
で且つ押し足し７の前で作動し、被縫製物の１つ
の縁と結合し、これを適宜折り返し、ステツチ縫
いの間にこれを押し足の下に案内する。それ自身
公知の如く、このヘムホールダー９は固定部分１
０と可動部分１１とを含み、後者が固定部分１０
から離れて但し近接して動くように設計されてお
り、後程明らかにする如く、これが好ましくは液
圧シリンダー１１ａによつて作動する。

好ましくは、ヘムホールダー９が、ミシンベツ
ド２の回りに適宜分散配置された支持ローラー１
２に取付けられた弾力性のエンドレス・バンド
（図示無し）と滑動可能に結合するように設けら
れている。この目的の為に、ヘムホールダーの可
動部分１１に、固定部分１０に隣接して、管状ハ
ウジング１３が形成され、これが、弾力性のバン
ド部分と結合し、固定部分に向つて延びる細長い
スリツト１３ａを介して押し足７の上手に伸びて
いる。

本発明の基本形に於いては、ヘムホールダー９
が、支持台３上の被縫製物の送り方向に対して直
角な実質的に水平な軸に従い、ミシンベツド２の
前部に回動する支持部１４の上に装着されてい
る。支持部１４は揺動することが出来、好ましく
は、ミシンベツド２の中に格納された液圧作動の
位置決めシリンダー１５の命令によつて作動し、
上記ヘムホールダー９が使用位置から非使用の休
止位置に運ばれるようになつている。この使用位
置が第１図に示されており、前に説明した如く、
この位置は支持台３と同一平面上にあり、押し足
７の前になつている。又上記休止位置は、第２図
に示す如く、上記ヘムホールダーがミシンベツド
の前に傾けられ、支持台３より低い位置に置かれ
る位置である。

又、ブラケツト１２ａを介して支持部１４に接
続されてローラー１２があり、これがヘムホール
ダー９の前で弾力性バンドと結合しており、これ
により、上記ヘムホールダーが休止位置に運ばれ
るとき、上記ローラーがヘムホールダーと一緒に
動きながらミシンベツド２の下に来る。

本発明によれば、このミシン１は、更に、リボ
ン案内１６を含み、これが例えばテープ、ネツク
バンド等（図示無し）のリボン状の縁取り片と滑
動可能に結合するように設計されており、ステツ
チ縫いを行なつている間に、上記縁取り片が長手
方向に適宜折り曲げられ、被縫製物の縁と一緒に
押し足７の下に送り込まれるようになつている。

この目的のために、それ自身公知の形で、リボ
ン案内１６が管状の構造を示し、その断面が連続
的に変化し、縁取り片が、この管状構造体１７に
沿つてリボン案内１６の自由端１６ａに向つて移
動しつつ、所望の形に折り曲げられる。この管状
構造体１７の出口に配置されて、即ち、上記自由
端１６ａの近くに、実質的にＵ型をした要素１８
があり、これが縁取り片を被縫製物の縁と結合さ
せ、この縁取り片が上記縁のアストライド
（astride）に配置されて縫いつけられるようにす
る。

基本形として、リボン案内１６は支持要素１９
に固定されており、この要素がミシンベツド２に
接続され、垂直軸の回りを回転することが出来、
好ましくは、支柱部４の側に配置される。図に示
す例に於いては、支持要素１９が駆動軸２０ａ
（第２図）に装着され、これが、付属ブラケツト
２１によりベツド２に固定された液圧回転シリン
ダー２０によつて示されている。上記液圧回転シ
リンダー２０は上記支持要素をその回動軸の回り
で、即ち駆動軸２０ａの回りで、角度をもつて揺
動することが出来、これにより、リボン案内１６
が、第１図に示す如く支持台３の横で、これから
離れた休止位置から、第２図に示す如く、その自
由端１６ａが押し足７の前で、支持台３と同一平
面にある作業位置へ運ばれる。

更に、リボン案内１６に連結されて空気作動す
る吹き込みノズル２２があり、後述する目的で、
リボン案内が作業位置にあるとき、公知の手段に
より、これが自由端１６ａから押し足７に向う吹
き込み空気を作り出す。

好ましくは、第１図に示す如く、少なくとも２
つの吹き込みノズルが用意され、これが、それぞ
れ、形状構成要素８の対向面に近接して終わつて
いる。

以上その構造に就いて説明した本発明によるミ
シンの操作方法は次の如くである。

弾力性バンドを中に挟んで被縫製物のヘム縫い
を行なうときは、先ず、公知のものなのでここに
特別に説明はしないが、例えば、足踏みレバー又
は膝押しレバーによる作業者の命令により、又は
ミシンに取り付けられた電動ユニツトの命令によ
り、位置決めのシリンダー１５が作動し、ヘムホ
ールダー９が第１図に示す使用位置に運ばれる。
これと同時に、上記電動ユニツト又はヘムホール
ダー９の支持部１４に付けられたマイクロスイツ
チの命令により、回転シリンダー２０が作動し、
リボン案内１６が休止位置に保持される。この状
態で、ヘムホールダーが、一般的方法で、必要な
ステツチ縫いを行なう。詳しく説明すると、液圧
シリンダー１１ａの命令により、可動部分１１が
固定部分１０から離なされ、従つて被縫製物に用
いられる弾性バンドが容易に支持ローラー１２に
取付けられ、又押し足７の下に差込まれる。次
に、可動部分１１が固定部分に近付けられ、押し
足７の上手に配置された弾力性バンド部分がスリ
ツト１３ａを介して管状ハウジング１３の中に結
合される。

次に、被縫製物の縁が、可動部分１１の回り
で、可動部分と固定部分１０の間の隙間に折り込
まれる。この時点で、ステツチの縫い目が付けら
れ、このステツチ縫いの間に、付属の吹き込みノ
ズル２２の助けを借り、固定及び可動部分１０，
１１の間に案内された被縫製物の縁が弾力性バン
ドの回りに折り畳まれ、押し足７に近接して作動
するステツチ縫い手段によりこれに固定される。
ステツチ縫いが略終わると、可動部分が再たび固
定部分から離され、弾力性バンドを管状ハウジン
グから離し、ステツチ縫いが完了する。

これに反し、被縫製物の縁にリボン状の縁取り
片の取付けを行なう時は、位置きめシリンダー１
５の作用によりヘムホールダー９が休止位置に移
され、リボン案内１６の自由端１６ａのための空
間が出来、リボン案内が、回転シリンダー２０の
作用により、作業位置に運ばれる。

自由端１６ａが押し足７の前に来たならば、リ
ボン案内１６に取り付けられた吹き込みノズル２
１に空気が送られる。このようにして、予めリボ
ン案内１６の中に通されている縁取り片が、ノズ
ル２１により作られた吹き込み空気に、その端の
区域で軽く触れ、自由端１６ａから突出し、その
結果、これが押し足７の下に差し込まれる方向に
差し向けられる。

この状態で、被縫製物が作業者によつて操作さ
れ、形状要素８を介して、ステツチ縫いを始める
ために押し足７の下に挟まれたとき、縁取り片を
被縫製物の縁に容易に結合することが出来る。

縫製が終わると、公知の手段によつて、縁取り
片が押し足７の下手で自動的に切断され、案内１
６の自由端１６ａから突出した上記片の端部が押
し足７の下に挟まれた状態で保持される。

従つて、この縁取り片は次の被縫製物の縁に容
易に結合することが出来、次の縁取りに用いられ
る。次に、弾性バンドを挿入するか否かに拘ら
ず、新たに折り畳み作業を行なう場合は、リボン
案内１６が再たび休止位置に移され、ヘムホール
ダー９のための空間を作り、これが作業位置に移
される。

以上により本発明はその目的を達成する。

本発明によるミシンは、弾力性テープを挿入し
た、あるいは挿入しないヘム縫い作業と、テー
プ、ネツクバンド等のリボン状の縁取りを被縫製
物の縁に施すための縫製作業とを、正さに、２つ
とも行なうことが出来るのである。従来技術と比
較して、本発明によれば、被縫製物の製造を非常
に少ない操作で行なうことが出来、この中には製
造時間の短縮、従つてマン・パワーの費用の低減
が含まれる。

更に注意すべきことは、ヘムホールダー９とリ
ボン案内１６とが同居することによつて、ミシン
の操作性及び個々の部材の機能がいささかも妨げ
られないことである。事実、上述の説明で明らか
な如く、これらの部材は使用されないときは、押
し足の前から遠ざけられ、一方の部材の使用を妨
げることが無い。

更に有利なことは、リボン案内１６の自由端に
吹き込みノズルがあるので、押し足の下にリボン
状の縁取り片を最初に挿入するとき、手で操作す
る必要がなく、従つて、被縫製物の端と縁取り片
の結合が非常に容易だと言うことである。

明らかな如く、本発明に色々な変形を行なうこ
とが出来るが、これらは全て本発明の請求の範囲
に含まれるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるミシンの正面図で、ヘ
ムホールダーが使用位置に、又リボン案内が休止
位置にある状況を示す斜視図、第２図は、第１図
と同様に本発明によるミシンの正面図で、ヘムホ
ールダーが休止位置に、又リボン案内が作業位置
にある状況を示す斜視図、である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 筒形ベツドミシンで、 − 被縫製物支持台を形成するミシンベツドで、
   被縫製物が上記台に沿い上記支持台と同一平面
   上で作用する送り歯により移動させられるもの
   と； − 上記ミシンベツドから立上がり、腕部をカン
   チレバー式に支持する支柱部で、上記腕部が上
   記支持台の上に位置する頭部で終わる、もの
   と； − 上記頭部により弾力的に支持された押え足
   で、上記送り歯に作用し、被縫製物をこれに押
   付けるものと； − 上記押え足の近くで作用し、被縫製物を縫う
   縫製手段と； を含む形式ものに於いて、これが、 − 上記ミシンベツドに対し実質的に水平で又上
   記支持台上の被縫製物の送り方向に対して直角
   な回動軸に従つて回動する支持部に装着される
   ヘムホールダーで、上記支持部が、それ自身の
   回動軸の回りを揺動可能で、上記ヘムホールダ
   ーを、これが上記支持台と同一平面にあり且つ
   上記押え足の前に当たる使用位置から、これが
   ミシンベツドの前で傾けられ、且つ上記支持台
   より低い位置になる如き休止位置に運ぶ、もの
   と；及び、 − 上記ミシンベツドに実質的に垂直な回転軸に
   従い回転可能に接続され、又上記回転軸の回り
   を角度を持つて揺動可能の支持要素と固定的に
   結合されたリボン案内で、上記支持要素が上記
   リボン案内を、上記支持台から横方向に間隔を
   もつて離れた休止位置から、これが上記押し足
   の前にその自由端を置く作業位置へ移動させた
   とき、上記押し足の下にリボン状の縁取り片を
   差し込むもので、上記縁取り片が上記リボン案
   内自体に沿つてその中に滑動可能に納められて
   いる、ものと； を含むことを特徴とする、筒形ベツドミシン。 ２ 上記リボン案内と組合わされ、少なくとも１
   つの吹き込みノズルがあり、これが、上記自由端
   から上記押し足に向つて空気を噴射する如くに用
   する、ことを特徴とする、請求項１記載のミシ
   ン。 ３ 上記ヘムホールダーの支持部に組合わされて
   １つのローラーがあり、これが、ミシンの回りに
   分散配置された他のローラーと協動して上記ヘム
   ホールダーの前で作動用し、上記ヘムホールダー
   に結合され且つ被縫製物に取付けるべく用意され
   た弾性バンドを支持する、ことを特徴とする、請
   求項１記載のミシン。 ４ ミシンベツドの中に格納され、上記支持部に
   作用する液圧シリンダーの作用により、上記ヘム
   ホールダーがその使用位置からその休止位置に運
   ばれる、ことを特徴とする、請求項１記載のミシ
   ン。 ５ 上記リボン案内の支持要素がそのロツドに固
   定されている回転式液圧シリンダーの作用によ
   り、上記リボン案内がその休止位置からその作業
   位置に移動させられる、ことを特徴とする、請求
   項１記載のミシン。