JPH0260748B2 - - Google Patents
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- JPH0260748B2 JPH0260748B2 JP503882A JP503882A JPH0260748B2 JP H0260748 B2 JPH0260748 B2 JP H0260748B2 JP 503882 A JP503882 A JP 503882A JP 503882 A JP503882 A JP 503882A JP H0260748 B2 JPH0260748 B2 JP H0260748B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
本願発明は性能の良好な熱間工具鋼に関し、さ
らに詳しくは高温での耐摩耗性にとくにすぐれ、
かつ十分な靭性を有し、高温でのクリープラプチ
ヤー特性が著しく良好である熱間工具鋼に関する
ものである。 従来の熱間工具鋼にはJIS SKD61に代表され
る5Cr系熱間工具鋼、AISI H10の3Cr−3Mo系熱
間工具鋼、0.2C−3Ni−3Moに代表される析出硬
化系熱間工具鋼があり、用途に応じて使いわけら
れている。それらを熱処理状態で区分すると、前
2者系の熱間工具鋼は焼なまし状態で金型に粗加
工し、その後焼入れ焼もどしの調質を行つたのち
精加工して型打ちに供されるのに対して、後者の
析出硬化系の熱間工具鋼はあらかじめ調質した状
態で金型加工が行なわれている、いわゆるプレハ
ードン鋼である。 これらの鋼の焼入れは熱間工具鋼として必要な
靭性と耐摩耗性を確保するためにいずれも油冷な
どにより出来るだけ早く冷却するのが一般的であ
り、そのため使用面あるいは性能面でさまざまな
制約があつた。すなわち、前2者の熱間工具鋼は
必要な耐摩耗性を確保するためHRC48前後に調質
するのが一般般的であるが、これは切削加工が困
難な硬さであり、面下げ加工のときはその都度焼
なまし−再調質をしなければならない。また、こ
の系統の熱間工具鋼は一般に600℃以上の高温焼
もどし処理がされるため、高温での軟化が早いこ
とと、靭性も低いためワレのトラブルが生じやす
いという欠点がある。 一方、後者の析出硬化系熱間工具鋼は前2者系
の熱間工具鋼の欠点を改善したプレハードン鋼で
あるが、これにも一長一短があり用途が著しく制
限されている。すなわち、その硬化機構はMo2C
などの炭化物の析出によるものであるが、油焼入
れで切削加工可能な硬さHRC≦45とするためC
添加量は0.2%前後と低く限定される。したがつ
て、熱間工具鋼として必要な強度を確保するため
にMo、V、Wなどの炭化物形成元素を多量に添
加しなければならないし、さらにまた焼もどしは
450℃以下の低温焼もどしに限定されるため、熱
処理残留応力が高くて金型加工中ならびに型打初
期にワレが発生しやすいという欠点があつた。 最近の熱間鍛造業界の技術的進歩は著しく、鍛
造作業の自動化、高速化には目ざましいものがあ
り、それにともなつて長寿命が得られかつ信頼性
の高い熱間工具鋼のニーズが高まつてきたが、従
来の熱間工具鋼ではこのような新しい情勢に対処
できなくなりつつあり、それらに代る靭性と高温
での耐摩耗性にすぐれ、長寿命が得られる新しい
熱間工具鋼の開発が強く要望されている。 本願発明者は上記要求に対処して、靭性と耐摩
耗性という相反する特性をともに改善するには未
変態の残留オーステナイトを活用するのが最も好
適な手段であるという全く新しい知見に基づいて
本願発明を完成した。 すなわち、本願発明は、 (1) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上を含有し、さらにV:0.01〜3.0
%、W:0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:
0.001〜0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種以上を
含有し、残部が実質的にFeからなり、ベイナ
イトないしマルテンサイト基地中に未変態オー
ステナイトが体積率で8%以上残留しているこ
とを特徴とする靭性および高温でのクリープラ
プチヤー特性に優れた熱間工具鋼。 (2) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上ならびにV:0.01〜3.0%、W:
0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種以上を含有し、
さらにCu:3.0%以下、Co:0.05〜4.0%、Ca:
0.0005〜0.0100%、B:0.0005〜0.0100%、希
土類元素:0.0005〜0.400%の1種以上を含有
し、残部が実質的にFeからなり、ベイナイト
ないしマルテンサイト基地中に未変態オーステ
ナイトが体積率で8%以上残留していることを
特徴とする靭性および高温でのクリープラプチ
ヤー特性に優れた熱間工具鋼。 (3) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上と、S:0.03〜0.40%、Se:0.01
〜0.40%、Te:0.01〜0.40%、Bi:0.02〜0.40
%、Pb:0.03〜0.40%の1種以上を含有し、さ
らにV:0.01〜3.0%、W:0.01〜7.0%、Ti:
0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、Nb:0.001〜
0.5%の1種以上を含有し、残部が実質的にFe
からなり、ベイナイトないしマルテンサイト基
地中に未変態オーステナイトが体積率で8%以
上残留していることを特徴とする靭性および高
温でのクリープラプチヤー特性に優れた熱間工
具鋼。 (4) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上ならびにV:0.01〜3.0%、W:
0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種以上を含有し、
さらにCu:3.0%以下、Co:0.05〜4.0%、Ca:
0.0005〜0.0100%、B:0.0005〜0.0100%、希
土類元素:0.0005〜0.400%の1種以上と、
S:0.03〜0.40%、Se:0.01〜0.40%、Te:
0.01〜0.40%、Bi:0.02〜0.40%、Pb:0.03〜
0.40%の1種以上を含有し、残部が実質的にFe
からなり、ベイナイトないしマルテンサイト基
地中に未変態オーステナイトが体積率で8%以
上残留していることを特徴とする靭性および高
温でのクリープラプチヤー特性に優れた熱間工
具鋼。 である。 なお、本発明に記載する希土類元素とはY、
La、Ce、Ndおよびその他の希土類元素を示すも
のとする。 本願発明は前述したごとく、最近の熱間工具鋼
に対する要求特性の苛酷化に対処して合金設計さ
れたものであり、その特徴とするところは、上述
した成分の合金を焼入れする際にその焼入れ条件
を調整して、例えばAc3以上の温度でオーステナ
イト化したのち、550℃→150℃間を徐冷焼入れ
し、あるいはAc3以上の温度でオーステナイト化
したのち、Ms±150℃の温度で恒温保持して焼入
れし、その後550℃以下の低温焼もどしをしてベ
イナイトないしマルテンサイト(これらのうちい
ずれか一方、または両方、である場合を含む。)
基地中に体積率で8%以上のオーステナイトを残
留せしめ、それによつて靭性を付与すると同時に
高温でのクリープラプチヤー特性を著しく向上さ
せ、靭性と耐摩耗性という相反する特性をともに
改善した画期的な熱間工具鋼である。 さらにまた本願発明鋼は、前記組成範囲内で成
分バランスを適宜選定することにより、焼入れ後
500℃以下の焼もどし状態における硬さを調整す
ることができ、その硬さに応じてプレーンハード
ン鋼としても、あるいは調質鋼としても使用でき
る。すなわち、上記硬さがHRC≦45の場合には
プレハードン鋼として使用でき、HRC>45の場
合には調質鋼として使用できる。後者の場合は、
特に長寿命を要求されるときに好適である。最近
の金型加工技術の進歩によつて、後者の場合でも
プレハードン鋼として使われるケースが多くなつ
てきた。 本願発明鋼は靭性と耐摩耗性を兼備したもので
あり、その被削性は一般に悪い。そこでS、Se、
Teなどの快削元素を用途に応じて適量添加し、
その被削性を改善することは実用上非常に有益で
ある。 次に本願発明の成分組成範囲の限定理由を以下
にのべる。 C:0.10〜0.60% 熱間工具鋼の強度を向上させ、耐摩耗性を付与
する元素であり、熱間工具鋼として必要な強度、
特に高温でのクリープラプチヤー強度と耐摩耗性
を確保するためには0.10%以上含有する必要があ
る。C量の増加とともに強度は増加し、耐摩耗性
の向上が図られるが、それとともに靭性が劣化す
るため0.60%以下に限定した。 Si:2.0%以下 溶製時の脱酸効果のほか、基地の強化、耐酸化
性の向上に有効な元素であり、積極的に含有する
ことが望ましい。ただし、多量に含有すると地キ
ズが多くなると同時に被削性、靭性、耐ヒートチ
エツク性が低下するため2.0%以下に限定した。 Mn:2.0%下 溶製時の脱酸、脱硫効果のほか焼入性確保のた
めに有効な元素であり積極的に含有することが望
ましい。ただし多量に含有すると被削性が低下す
るので2.0%以下に限定した。 Mo:0.10〜7.0% Moはベイナイト変態を促進し、本願発明鋼の
特徴である安定な残留オーステナイトを生成させ
る元素であると同時にMo2C炭化物の析出によつ
て高温でのクリープラプチヤー特性を高めるのに
有効な元素である。安定な残留オーステナイトの
生成ならびに熱間工具鋼として必要なクリープラ
プチヤー特性を確保するために少なくとも0.10%
含有しなければならない。ただし、多量に含有す
ると靭性、被削性が大巾に低下するので7.0%以
下に限定した。 Cr:2.6〜7.0% Ni:0.38〜5.0% Ni、Crは本願発明鋼の特徴である安定な残留
オーステナイトを生成させる元素で、いずれかが
含有されていなければならない。そして、焼もど
し後に体積率で8%以上の残留オーステナイトを
生成させるには各々0.30%以上含有していなけれ
ばならないが、衝撃試験における還移温度を室温
以下になるようにし、金型の予熱がなくても大ワ
レが生じないようにするため、Cr、Ni含有量の
下限は各々2.6%、0.38%と限定した。Cr、Niの
含有量が多くなるとともに安定な残留オーステナ
イトが増加し、その分解によつて高温でのクリー
プラプチヤー特性も向上し高温での耐摩耗性が向
上するが多量に含有するとクリープラプチヤー特
性は逆に低下するのでCr、Niの上限はそれぞれ
7.0%、5.0%に限定した。 V:0.01〜3.0% W:0.01〜7.0% V、Wは熱間工具鋼として必要な高温でのクリ
ープラプチヤー特性の向上には有効な元素であ
り、それぞれ0.01%以上の含有が望ましい。ただ
し多量に含有すると安定な未溶解炭化物が増加
し、靭性、被削性、耐ヒートチエツク性が著しく
低下するのでVは3.0%以下、Wは7.0%以下に限
定した。 Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、Nb:0.001
〜0.5% Ti、Zr、Nbはいずれも強力な炭化物形成元素
であり、微量の含有で高温でのクリープラプチヤ
ー特性を高め、耐摩耗性を向上させるのに有効な
元素であり、少なくとも0.001%含有することが
望ましい。ただし多量に含有すると未溶解炭化物
が多くなり、靭性に悪影響をおよぼすので0.5%
以下に限定した。 Cu:3.0%以下 Cuは剥離しにくい表面スケールを生成させて
高温でのクリープラプチヤー特性を高める元素で
あり、目的に応じて適量含有することが望まし
い。しかし多量に含有すると靭性が低下するので
3.0%以下に限定した。 Co:0.05〜4.0% Coは残留オーステナイトの安定化に有効な元
素であり、また高温における炭化物の凝集を抑制
し高温でのクリープラプチヤー特性を高める元素
であり、0.05%以上の含有が望ましい。ただし多
量に含有すると耐ヒートチエツク性を劣化し金型
の大ワレを促進するので4.0%以下に限定した。 B:0.0005〜0.0100% Bは焼入性向上に有効な元素であり、クリープ
ラプチヤー特性の向上にも有効な元素であつて、
特に大型材には積極的に添加するのが望ましい。
焼入性向上には少なくとも0.0005%含有する必要
があるが、多量に含有すると靭性・耐ヒートチエ
ツク性が低下するので0.010%以下に限定した。 Ca:0.0005〜0.0100%、希土類元素:0.0005〜
0.400% 上記元素は耐酸化性を高め、剥離しにくいスケ
ールを生成させ高温でのクリープラプチヤー特性
を向上させるのには有効な元素であり、目的に応
じて適量含有することが望ましいが、必要以上に
含有すると靭性、耐ヒートチエツク性が低下する
のでCaは0.0005〜0.0100%、希土類元素の各々は
0.0005〜0.400%の範囲が望ましい。 S:0.03〜0.40%、Se:0.01〜0.40%、Te:0.01
%〜0.40%、Bi:0.02〜0.40%、Pb:0.03〜0.40
% S、Se、Te、Bi、Pbはいずれも被削性を向上
させる元素であり、このような効果を得るために
これらの1種以上をSにあつては0.03%以上、Se
にあつては0.01%以上、Teにあつては0.01%以
上、Biにあつては0.02%以上、Pbにあつては0.03
%以上添加するのもよい。しかし、多量に添加す
ると熱間加工性や靭性を害するので、いずれも
0.40%以下にする必要がある。 本発明に係わる靭性および高温でのクリープラ
プチヤー特性に優れた熱間工具鋼は、上述した化
学成分組成を有し、比較的少ない合金量の鋼にお
いて残留オーステナイトの分解を活用し、本来な
らば2次硬化を示さない鋼において2次硬化を生
じさせるようにして、靭性の低下をきたすことな
く高温での強度および耐摩耗性を大幅に向上させ
るようにしたものであつて、このためにベイナイ
トおよびマルテンサイトのうち一方もしくは両方
からなる基地中に未変態オーステナイトが体積率
で8%以上残留しているものとした。 実施例 第1表に示すごとき成分組成の本願発明鋼およ
び従来から用いられている熱間工具鋼を溶製し、
その特性を調査した。なお、No.1〜16は本願発明
鋼であり、No.17〜19は比較のため溶製したJIS
SKD61、0.2C−3Ni−3Mo、AISIH10にそれぞれ
相当する鋼である。
らに詳しくは高温での耐摩耗性にとくにすぐれ、
かつ十分な靭性を有し、高温でのクリープラプチ
ヤー特性が著しく良好である熱間工具鋼に関する
ものである。 従来の熱間工具鋼にはJIS SKD61に代表され
る5Cr系熱間工具鋼、AISI H10の3Cr−3Mo系熱
間工具鋼、0.2C−3Ni−3Moに代表される析出硬
化系熱間工具鋼があり、用途に応じて使いわけら
れている。それらを熱処理状態で区分すると、前
2者系の熱間工具鋼は焼なまし状態で金型に粗加
工し、その後焼入れ焼もどしの調質を行つたのち
精加工して型打ちに供されるのに対して、後者の
析出硬化系の熱間工具鋼はあらかじめ調質した状
態で金型加工が行なわれている、いわゆるプレハ
ードン鋼である。 これらの鋼の焼入れは熱間工具鋼として必要な
靭性と耐摩耗性を確保するためにいずれも油冷な
どにより出来るだけ早く冷却するのが一般的であ
り、そのため使用面あるいは性能面でさまざまな
制約があつた。すなわち、前2者の熱間工具鋼は
必要な耐摩耗性を確保するためHRC48前後に調質
するのが一般般的であるが、これは切削加工が困
難な硬さであり、面下げ加工のときはその都度焼
なまし−再調質をしなければならない。また、こ
の系統の熱間工具鋼は一般に600℃以上の高温焼
もどし処理がされるため、高温での軟化が早いこ
とと、靭性も低いためワレのトラブルが生じやす
いという欠点がある。 一方、後者の析出硬化系熱間工具鋼は前2者系
の熱間工具鋼の欠点を改善したプレハードン鋼で
あるが、これにも一長一短があり用途が著しく制
限されている。すなわち、その硬化機構はMo2C
などの炭化物の析出によるものであるが、油焼入
れで切削加工可能な硬さHRC≦45とするためC
添加量は0.2%前後と低く限定される。したがつ
て、熱間工具鋼として必要な強度を確保するため
にMo、V、Wなどの炭化物形成元素を多量に添
加しなければならないし、さらにまた焼もどしは
450℃以下の低温焼もどしに限定されるため、熱
処理残留応力が高くて金型加工中ならびに型打初
期にワレが発生しやすいという欠点があつた。 最近の熱間鍛造業界の技術的進歩は著しく、鍛
造作業の自動化、高速化には目ざましいものがあ
り、それにともなつて長寿命が得られかつ信頼性
の高い熱間工具鋼のニーズが高まつてきたが、従
来の熱間工具鋼ではこのような新しい情勢に対処
できなくなりつつあり、それらに代る靭性と高温
での耐摩耗性にすぐれ、長寿命が得られる新しい
熱間工具鋼の開発が強く要望されている。 本願発明者は上記要求に対処して、靭性と耐摩
耗性という相反する特性をともに改善するには未
変態の残留オーステナイトを活用するのが最も好
適な手段であるという全く新しい知見に基づいて
本願発明を完成した。 すなわち、本願発明は、 (1) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上を含有し、さらにV:0.01〜3.0
%、W:0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:
0.001〜0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種以上を
含有し、残部が実質的にFeからなり、ベイナ
イトないしマルテンサイト基地中に未変態オー
ステナイトが体積率で8%以上残留しているこ
とを特徴とする靭性および高温でのクリープラ
プチヤー特性に優れた熱間工具鋼。 (2) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上ならびにV:0.01〜3.0%、W:
0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種以上を含有し、
さらにCu:3.0%以下、Co:0.05〜4.0%、Ca:
0.0005〜0.0100%、B:0.0005〜0.0100%、希
土類元素:0.0005〜0.400%の1種以上を含有
し、残部が実質的にFeからなり、ベイナイト
ないしマルテンサイト基地中に未変態オーステ
ナイトが体積率で8%以上残留していることを
特徴とする靭性および高温でのクリープラプチ
ヤー特性に優れた熱間工具鋼。 (3) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上と、S:0.03〜0.40%、Se:0.01
〜0.40%、Te:0.01〜0.40%、Bi:0.02〜0.40
%、Pb:0.03〜0.40%の1種以上を含有し、さ
らにV:0.01〜3.0%、W:0.01〜7.0%、Ti:
0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、Nb:0.001〜
0.5%の1種以上を含有し、残部が実質的にFe
からなり、ベイナイトないしマルテンサイト基
地中に未変態オーステナイトが体積率で8%以
上残留していることを特徴とする靭性および高
温でのクリープラプチヤー特性に優れた熱間工
具鋼。 (4) 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本
合金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0
%の1種以上ならびにV:0.01〜3.0%、W:
0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種以上を含有し、
さらにCu:3.0%以下、Co:0.05〜4.0%、Ca:
0.0005〜0.0100%、B:0.0005〜0.0100%、希
土類元素:0.0005〜0.400%の1種以上と、
S:0.03〜0.40%、Se:0.01〜0.40%、Te:
0.01〜0.40%、Bi:0.02〜0.40%、Pb:0.03〜
0.40%の1種以上を含有し、残部が実質的にFe
からなり、ベイナイトないしマルテンサイト基
地中に未変態オーステナイトが体積率で8%以
上残留していることを特徴とする靭性および高
温でのクリープラプチヤー特性に優れた熱間工
具鋼。 である。 なお、本発明に記載する希土類元素とはY、
La、Ce、Ndおよびその他の希土類元素を示すも
のとする。 本願発明は前述したごとく、最近の熱間工具鋼
に対する要求特性の苛酷化に対処して合金設計さ
れたものであり、その特徴とするところは、上述
した成分の合金を焼入れする際にその焼入れ条件
を調整して、例えばAc3以上の温度でオーステナ
イト化したのち、550℃→150℃間を徐冷焼入れ
し、あるいはAc3以上の温度でオーステナイト化
したのち、Ms±150℃の温度で恒温保持して焼入
れし、その後550℃以下の低温焼もどしをしてベ
イナイトないしマルテンサイト(これらのうちい
ずれか一方、または両方、である場合を含む。)
基地中に体積率で8%以上のオーステナイトを残
留せしめ、それによつて靭性を付与すると同時に
高温でのクリープラプチヤー特性を著しく向上さ
せ、靭性と耐摩耗性という相反する特性をともに
改善した画期的な熱間工具鋼である。 さらにまた本願発明鋼は、前記組成範囲内で成
分バランスを適宜選定することにより、焼入れ後
500℃以下の焼もどし状態における硬さを調整す
ることができ、その硬さに応じてプレーンハード
ン鋼としても、あるいは調質鋼としても使用でき
る。すなわち、上記硬さがHRC≦45の場合には
プレハードン鋼として使用でき、HRC>45の場
合には調質鋼として使用できる。後者の場合は、
特に長寿命を要求されるときに好適である。最近
の金型加工技術の進歩によつて、後者の場合でも
プレハードン鋼として使われるケースが多くなつ
てきた。 本願発明鋼は靭性と耐摩耗性を兼備したもので
あり、その被削性は一般に悪い。そこでS、Se、
Teなどの快削元素を用途に応じて適量添加し、
その被削性を改善することは実用上非常に有益で
ある。 次に本願発明の成分組成範囲の限定理由を以下
にのべる。 C:0.10〜0.60% 熱間工具鋼の強度を向上させ、耐摩耗性を付与
する元素であり、熱間工具鋼として必要な強度、
特に高温でのクリープラプチヤー強度と耐摩耗性
を確保するためには0.10%以上含有する必要があ
る。C量の増加とともに強度は増加し、耐摩耗性
の向上が図られるが、それとともに靭性が劣化す
るため0.60%以下に限定した。 Si:2.0%以下 溶製時の脱酸効果のほか、基地の強化、耐酸化
性の向上に有効な元素であり、積極的に含有する
ことが望ましい。ただし、多量に含有すると地キ
ズが多くなると同時に被削性、靭性、耐ヒートチ
エツク性が低下するため2.0%以下に限定した。 Mn:2.0%下 溶製時の脱酸、脱硫効果のほか焼入性確保のた
めに有効な元素であり積極的に含有することが望
ましい。ただし多量に含有すると被削性が低下す
るので2.0%以下に限定した。 Mo:0.10〜7.0% Moはベイナイト変態を促進し、本願発明鋼の
特徴である安定な残留オーステナイトを生成させ
る元素であると同時にMo2C炭化物の析出によつ
て高温でのクリープラプチヤー特性を高めるのに
有効な元素である。安定な残留オーステナイトの
生成ならびに熱間工具鋼として必要なクリープラ
プチヤー特性を確保するために少なくとも0.10%
含有しなければならない。ただし、多量に含有す
ると靭性、被削性が大巾に低下するので7.0%以
下に限定した。 Cr:2.6〜7.0% Ni:0.38〜5.0% Ni、Crは本願発明鋼の特徴である安定な残留
オーステナイトを生成させる元素で、いずれかが
含有されていなければならない。そして、焼もど
し後に体積率で8%以上の残留オーステナイトを
生成させるには各々0.30%以上含有していなけれ
ばならないが、衝撃試験における還移温度を室温
以下になるようにし、金型の予熱がなくても大ワ
レが生じないようにするため、Cr、Ni含有量の
下限は各々2.6%、0.38%と限定した。Cr、Niの
含有量が多くなるとともに安定な残留オーステナ
イトが増加し、その分解によつて高温でのクリー
プラプチヤー特性も向上し高温での耐摩耗性が向
上するが多量に含有するとクリープラプチヤー特
性は逆に低下するのでCr、Niの上限はそれぞれ
7.0%、5.0%に限定した。 V:0.01〜3.0% W:0.01〜7.0% V、Wは熱間工具鋼として必要な高温でのクリ
ープラプチヤー特性の向上には有効な元素であ
り、それぞれ0.01%以上の含有が望ましい。ただ
し多量に含有すると安定な未溶解炭化物が増加
し、靭性、被削性、耐ヒートチエツク性が著しく
低下するのでVは3.0%以下、Wは7.0%以下に限
定した。 Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、Nb:0.001
〜0.5% Ti、Zr、Nbはいずれも強力な炭化物形成元素
であり、微量の含有で高温でのクリープラプチヤ
ー特性を高め、耐摩耗性を向上させるのに有効な
元素であり、少なくとも0.001%含有することが
望ましい。ただし多量に含有すると未溶解炭化物
が多くなり、靭性に悪影響をおよぼすので0.5%
以下に限定した。 Cu:3.0%以下 Cuは剥離しにくい表面スケールを生成させて
高温でのクリープラプチヤー特性を高める元素で
あり、目的に応じて適量含有することが望まし
い。しかし多量に含有すると靭性が低下するので
3.0%以下に限定した。 Co:0.05〜4.0% Coは残留オーステナイトの安定化に有効な元
素であり、また高温における炭化物の凝集を抑制
し高温でのクリープラプチヤー特性を高める元素
であり、0.05%以上の含有が望ましい。ただし多
量に含有すると耐ヒートチエツク性を劣化し金型
の大ワレを促進するので4.0%以下に限定した。 B:0.0005〜0.0100% Bは焼入性向上に有効な元素であり、クリープ
ラプチヤー特性の向上にも有効な元素であつて、
特に大型材には積極的に添加するのが望ましい。
焼入性向上には少なくとも0.0005%含有する必要
があるが、多量に含有すると靭性・耐ヒートチエ
ツク性が低下するので0.010%以下に限定した。 Ca:0.0005〜0.0100%、希土類元素:0.0005〜
0.400% 上記元素は耐酸化性を高め、剥離しにくいスケ
ールを生成させ高温でのクリープラプチヤー特性
を向上させるのには有効な元素であり、目的に応
じて適量含有することが望ましいが、必要以上に
含有すると靭性、耐ヒートチエツク性が低下する
のでCaは0.0005〜0.0100%、希土類元素の各々は
0.0005〜0.400%の範囲が望ましい。 S:0.03〜0.40%、Se:0.01〜0.40%、Te:0.01
%〜0.40%、Bi:0.02〜0.40%、Pb:0.03〜0.40
% S、Se、Te、Bi、Pbはいずれも被削性を向上
させる元素であり、このような効果を得るために
これらの1種以上をSにあつては0.03%以上、Se
にあつては0.01%以上、Teにあつては0.01%以
上、Biにあつては0.02%以上、Pbにあつては0.03
%以上添加するのもよい。しかし、多量に添加す
ると熱間加工性や靭性を害するので、いずれも
0.40%以下にする必要がある。 本発明に係わる靭性および高温でのクリープラ
プチヤー特性に優れた熱間工具鋼は、上述した化
学成分組成を有し、比較的少ない合金量の鋼にお
いて残留オーステナイトの分解を活用し、本来な
らば2次硬化を示さない鋼において2次硬化を生
じさせるようにして、靭性の低下をきたすことな
く高温での強度および耐摩耗性を大幅に向上させ
るようにしたものであつて、このためにベイナイ
トおよびマルテンサイトのうち一方もしくは両方
からなる基地中に未変態オーステナイトが体積率
で8%以上残留しているものとした。 実施例 第1表に示すごとき成分組成の本願発明鋼およ
び従来から用いられている熱間工具鋼を溶製し、
その特性を調査した。なお、No.1〜16は本願発明
鋼であり、No.17〜19は比較のため溶製したJIS
SKD61、0.2C−3Ni−3Mo、AISIH10にそれぞれ
相当する鋼である。
【表】
【表】
第1図に第1表に示す供試材のうち本願発明鋼
であるNo.1〜5について高温でのクリープラプチ
ヤー特性におよぼす残留オーステナイト量の影響
を調査した結果を示した。クリープラプチヤー特
性は試験温度が650℃、応力が20Kgf/mm2という
条件で試験を行い、その時のラプチヤー時間で評
価したが、その表示は低温焼もどし(400℃)材
と同じ硬さに高温焼もどし(500〜630℃の適温を
選定して低温焼もどし材と同一かたさに調整)で
調質した同一供試材のラプチヤー時間を1とし、
その対比で行つた。 各供試材の焼入温度を第2表に示す。
であるNo.1〜5について高温でのクリープラプチ
ヤー特性におよぼす残留オーステナイト量の影響
を調査した結果を示した。クリープラプチヤー特
性は試験温度が650℃、応力が20Kgf/mm2という
条件で試験を行い、その時のラプチヤー時間で評
価したが、その表示は低温焼もどし(400℃)材
と同じ硬さに高温焼もどし(500〜630℃の適温を
選定して低温焼もどし材と同一かたさに調整)で
調質した同一供試材のラプチヤー時間を1とし、
その対比で行つた。 各供試材の焼入温度を第2表に示す。
【表】
残留オーステナイト量の調整は550℃→150℃間
の冷却速度を適宜変化させて行つた。 (尚、高温もどし戻材の残留オーステナイト量
はほぼ0%である) 本願発明鋼は残留オーステナイトが5%以上さ
らには8%以上になるとクリープラプチヤー特性
は急激に良くなつている。この調査結果から本願
発明鋼においては、十分なクリープラプチヤー特
性を得るために、残留オーステナイトが体積率で
8%以上であるように限定した。 第3表は第1表に示す供試材について熱間工具
鋼としての特性を確認するため鍛造により150mm
角×400mm長さのブロツクを成形しその靭性(鍛
伸方向の衝撃値で評価)、クリープラプチヤー時
間(試験条件:650℃、20Kgf/mm2)ならびに被
削性を示した。なお、各供試材の焼入れは本願発
明鋼であるNo.1〜16は550→150℃間を7℃/min
以下の冷却速度で適宜冷却し徐冷焼入れを行つた
が、比較鋼であるNo.17〜19は油焼入れとした。被
削性は超硬工具(M20種)による長手旋削を行
い、切削速度が80m/minの時の切削時間で評価
し、第3表ではNo.17対比で表示した。
の冷却速度を適宜変化させて行つた。 (尚、高温もどし戻材の残留オーステナイト量
はほぼ0%である) 本願発明鋼は残留オーステナイトが5%以上さ
らには8%以上になるとクリープラプチヤー特性
は急激に良くなつている。この調査結果から本願
発明鋼においては、十分なクリープラプチヤー特
性を得るために、残留オーステナイトが体積率で
8%以上であるように限定した。 第3表は第1表に示す供試材について熱間工具
鋼としての特性を確認するため鍛造により150mm
角×400mm長さのブロツクを成形しその靭性(鍛
伸方向の衝撃値で評価)、クリープラプチヤー時
間(試験条件:650℃、20Kgf/mm2)ならびに被
削性を示した。なお、各供試材の焼入れは本願発
明鋼であるNo.1〜16は550→150℃間を7℃/min
以下の冷却速度で適宜冷却し徐冷焼入れを行つた
が、比較鋼であるNo.17〜19は油焼入れとした。被
削性は超硬工具(M20種)による長手旋削を行
い、切削速度が80m/minの時の切削時間で評価
し、第3表ではNo.17対比で表示した。
【表】
【表】
第3表に示すように本願発明鋼であるNo.1〜16
は比較鋼のNo.17〜19に比べてラプチヤー時間、靭
性が著しくすぐれていた。特にNo.6〜10はNo.1〜
5と比較してラプチヤー時間が相当長くなつてい
るが、これはCu、Co、Caなどによる効果であ
る。No.1〜10の被削性はかなり悪かつたがNo.11〜
16に示すように快削元素添加による被削性向上は
顕著であつた。 以上の実施例にみられるごとく本願発明の熱間
工具鋼は高温でのすぐれたクリープラプチヤー特
性と靭性を兼備しており、最近の苛酷な条件のも
とで使われ、しかも高寿命が要求される熱間工具
鋼としてきわめて好適な鋼である。 なお、本願発明鋼において体積率で5%以上の
安定な残留オーステナイトを得る方法としては、
前述のように、オーステナイト化後に550→150℃
間を徐冷して焼入れる方法を適用し論述してきた
が、この他に安定な残留オーステナイトを得る方
法として、オーステナイト化後にMs±150℃の温
度で恒温保持する方法を用いてもよい。後者によ
る方法で供試材を調整し調査した結果は徐冷焼入
れによる場合と同様であつた。
は比較鋼のNo.17〜19に比べてラプチヤー時間、靭
性が著しくすぐれていた。特にNo.6〜10はNo.1〜
5と比較してラプチヤー時間が相当長くなつてい
るが、これはCu、Co、Caなどによる効果であ
る。No.1〜10の被削性はかなり悪かつたがNo.11〜
16に示すように快削元素添加による被削性向上は
顕著であつた。 以上の実施例にみられるごとく本願発明の熱間
工具鋼は高温でのすぐれたクリープラプチヤー特
性と靭性を兼備しており、最近の苛酷な条件のも
とで使われ、しかも高寿命が要求される熱間工具
鋼としてきわめて好適な鋼である。 なお、本願発明鋼において体積率で5%以上の
安定な残留オーステナイトを得る方法としては、
前述のように、オーステナイト化後に550→150℃
間を徐冷して焼入れる方法を適用し論述してきた
が、この他に安定な残留オーステナイトを得る方
法として、オーステナイト化後にMs±150℃の温
度で恒温保持する方法を用いてもよい。後者によ
る方法で供試材を調整し調査した結果は徐冷焼入
れによる場合と同様であつた。
第1図は本願発明鋼の高温でのクリープラプチ
ヤー特性におよぼす残留オーステナイト量の影響
を示すグラフである。
ヤー特性におよぼす残留オーステナイト量の影響
を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本合
金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0%の
1種以上を含有し、さらにV:0.01〜3.0%、
W:0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜
0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種以上を含有し、
残部が実質的にFeからなり、ベイナイトないし
マルテンサイト基地中に未変態オーステナイトが
体積率で8%以上残留していることを特徴とする
靭性および高温でのクリープラプチヤー特性に優
れた熱間工具鋼。 2 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本合
金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0%の
1種以上ならびにV:0.01〜3.0%、W:0.01〜
7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、
Nb:0.001〜0.5%の1種以上を含有し、さらに
Cu:3.0%以下、Co:0.05〜4.0%、Ca:0.0005〜
0.0100%、B:0.0005〜0.0100%、希土類元素:
0.0005〜0.400%の1種以上を含有し、残部が実
質的にFeからなり、ベイナイトないしマルテン
サイト基地中に未変態オーステナイトが体積率で
8%以上残留していることを特徴とする靭性およ
び高温でのクリープラプチヤー特性に優れた熱間
工具鋼。 3 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本合
金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0%の
1種以上と、S:0.03〜0.40%、Se:0.01〜0.40
%、Te:0.01〜0.40%、Bi:0.02〜0.40%、Pb:
0.03〜0.40%の1種以上を含有し、さらにV:
0.01〜3.0%、W:0.01〜7.0%、Ti:0.001〜0.5
%、Zr:0.001〜0.5%、Nb:0.001〜0.5%の1種
以上を含有し、残部が実質的にFeからなり、ベ
イナイトないしマルテンサイト基地中に未変態オ
ーステナイトが体積率で8%以上残留しているこ
とを特徴とする靭性および高温でのクリープラプ
チヤー特性に優れた熱間工具鋼。 4 重量%で、C:0.10〜0.60%、Si:2.0%以
下、Mn:2.0%以下、Mo:0.10〜7.0%を基本合
金成分とし、Cr:2.6〜7.0%、Ni:0.38〜5.0%の
1種以上ならびにV:0.01〜3.0%、W:0.01〜
7.0%、Ti:0.001〜0.5%、Zr:0.001〜0.5%、
Nb:0.001〜0.5%の1種以上を含有し、さらに
Cu:3.0%以下、Co:0.05〜4.0%、Ca:0.0005〜
0.0100%、B:0.0005〜0.0100%、希土類元素:
0.0005〜0.400%の1種以上と、S:0.03〜0.40
%、Se:0.01〜0.40%、Te:0.01〜0.40%、Bi:
0.02〜0.40%、Pb:0.03〜0.40%の1種以上を含
有し、残部が実質的にFeからなり、ベイナイト
ないしマルテンサイト基地中に未変態オーステナ
イトが体積率で8%以上残留していることを特徴
とする靭性および高温でのクリープラプチヤー特
性に優れた熱間工具鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP503882A JPS58123861A (ja) | 1982-01-18 | 1982-01-18 | 熱間工具鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP503882A JPS58123861A (ja) | 1982-01-18 | 1982-01-18 | 熱間工具鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58123861A JPS58123861A (ja) | 1983-07-23 |
JPH0260748B2 true JPH0260748B2 (ja) | 1990-12-18 |
Family
ID=11600272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP503882A Granted JPS58123861A (ja) | 1982-01-18 | 1982-01-18 | 熱間工具鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58123861A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032816A1 (fr) * | 2006-09-15 | 2008-03-20 | Hitachi Metals, Ltd. | Acier à outils pour formage à chaud présentant d'excellentes qualités de rigidité et de résistance à des températures élevées, et son procédé de production |
JP2008095181A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-04-24 | Hitachi Metals Ltd | 靭性および高温強度に優れた熱間工具鋼 |
JP2008095190A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-04-24 | Hitachi Metals Ltd | 靭性および高温強度に優れた熱間工具鋼およびその製造方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58207359A (ja) * | 1982-05-29 | 1983-12-02 | Nachi Fujikoshi Corp | 熱間加工用工具鋼 |
JPS6056055A (ja) * | 1983-09-08 | 1985-04-01 | Daido Steel Co Ltd | 熱間工具鋼 |
JPS6059053A (ja) * | 1983-09-09 | 1985-04-05 | Daido Steel Co Ltd | 熱間工具鋼 |
JPS6059052A (ja) * | 1983-09-09 | 1985-04-05 | Daido Steel Co Ltd | 熱間工具鋼 |
JPH10273756A (ja) * | 1997-03-31 | 1998-10-13 | Daido Steel Co Ltd | 鋳物製冷間工具およびその製造方法 |
JP2004169177A (ja) * | 2002-11-06 | 2004-06-17 | Daido Steel Co Ltd | 合金工具鋼及びその製造方法、並びにそれを用いた金型 |
KR102122665B1 (ko) * | 2018-11-26 | 2020-06-12 | 현대제철 주식회사 | 핫스탬핑용 금형강 제조방법 및 이에 의해 제조된 핫스탬핑용 금형강 |
DE102019135830A1 (de) * | 2019-12-27 | 2021-07-01 | Voestalpine Böhler Edelstahl Gmbh & Co Kg | Verfahren zum Herstellen eines Warmarbeitsstahlgegenstandes |
-
1982
- 1982-01-18 JP JP503882A patent/JPS58123861A/ja active Granted
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008032816A1 (fr) * | 2006-09-15 | 2008-03-20 | Hitachi Metals, Ltd. | Acier à outils pour formage à chaud présentant d'excellentes qualités de rigidité et de résistance à des températures élevées, et son procédé de production |
JP2008095181A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-04-24 | Hitachi Metals Ltd | 靭性および高温強度に優れた熱間工具鋼 |
JP2008095190A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-04-24 | Hitachi Metals Ltd | 靭性および高温強度に優れた熱間工具鋼およびその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58123861A (ja) | 1983-07-23 |
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