JPH025744B2 - - Google Patents

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JPH025744B2
JPH025744B2 JP16986886A JP16986886A JPH025744B2 JP H025744 B2 JPH025744 B2 JP H025744B2 JP 16986886 A JP16986886 A JP 16986886A JP 16986886 A JP16986886 A JP 16986886A JP H025744 B2 JPH025744 B2 JP H025744B2
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oxoprostaglandin
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JP16986886A
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Shiro Ikegami
Seiji Kurozumi
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は9−デオキシ−9−ホルミル−6−オ
キソプロスタグランジンE1類に関する。更に詳
細には本発明はプロスタグランジンI1の6,9−
位の酸素原子がメチン基、すなわち−HC=で置
換された新規なプロスタサイクリン類の合成中間
体として有用であり、またそれ自体医薬として有
用でもある新規な9−デオキシ−9−ホルミル−
6−オキソプロスタグランジンE1類に関する。
〈従来技術〉 プロスタサイクリンは生体において主として動
脈の血管内壁で産生される局所ホルモンであり、
その強力な生理活性例えば血小板凝集抑制活性、
血管拡張活性等により生体の細胞機能を調節する
重要な因子であり、このものを直接医薬品として
供する試みが行なわれている〔ピー・ジエー・ル
イス,アンドジェー・オー・グランデイー“クリ
ニカル・フアーマコロジイー・オブ・プロスタサ
イクリン”ラベン・プレス,ニユー・ヨーク(P.
J.Lewis&J.O.Grady“Clinical Pharmacology of
Prostacyclin”Raven Press,N.Y.,1981)〕。
しかし天然プロスタサイクリンは分子内に非常
に加水分解されやすいエノールエーテル結合を有
するため、中性又は酸性条件では容易に失活し、
医薬品としてはその化学的不安定性のため好まし
い化合物とはいえない。このため天然プロスタサ
イクリンと同様の生理活性を有する化学的に安定
な合成プロスタサイクリン誘導体が内外で鋭意検
討されている。
中でもプロスタサイクリンの6,9−位の酸素
原子をメチレン基で置換した誘導体、すなわち9
−(O)−メタノプロスタサイクリン(カルバサイ
クリン)は化学的安定性を十分に満足するプロス
タサイクリン類として知られており〔プロスタサ
イクリン,ラベン・プレス,ニユー・ヨーク
(Prostacyclin,Raven Press,N.Y),1979,
pp31〜41参照〕、医薬品として期待されていい。
しかしこの6,9(O)−メタノプロスタサイクリ
ンはその生物活性が天然のプロスタサイクリンよ
りも弱くしかもその作用選択性は特異的とは言え
ず、必ずしも好ましい化合物とは言えない。一方
安定なプロスタサイクリン類として6,9一位の
酸素原子を−N=基で置換した誘導体、すなわち
ニトロプロスタサイクリンが知られ、その生物活
性は天然プロスタサイクリン類に匹敵することが
知られている〔ジエー・エル・ブンデイーら,テ
トラヘドロンレター(G.L.Bundyら,
Tetrahedron Lett.),1391(1978)及びダブリユ
ー・バートマンら,テトラヘドロン・レター
(W.Bartmannら,Tetrahedron Lett.),23,
3647(1982)参照〕。〈 〈発明の目的〉 本発明者らは上述した安定化されたプロスタサ
イクリンの化学構造に着目して鋭意研究した結
果、新規な9−デオキシ−9−ホルミル−6−オ
キソプロスタグランジンE1類を合成中間体とし
て得られる、6,9一位の酸素原子をメチン基す
なわち−CH=基で置換した新規プロスタサイク
リン類が、化学的に安定な化合物であり医薬品と
して有用であり、従つて9−デオキシ−9−ホル
ミル−6−オキソプロスタグランジンE1類が新
しい医薬品の合成中間体として極めて有用である
ことを見出し本発明に到達したものである。
〈発明の構成〉 本発明は下記式〔〕 〔式中、2位と3位との間の記号〓は2位と3
位との間が単結合又は二重結合であることを表わ
しており;Gは−CO2R5であり、ここでR5は水
素原子、C1〜C10のアルキル基又はC3〜C10の脂環
式基でありR1は水素原子、又はメチル基であ
り;R2はC5〜C8のアルキル基、C3〜C10の脂環式
基 R3,R4は同一もしくは異なり水素原子、C2
〜C7のアシル基、トリ(C1〜C7)炭化水素−シ
リル基又は水酸基の酸素原子と共にアセタール結
合を形成する基である。〕 で表わされる新規9−デオキシ−9−ホルミル−
6−オキソプロスタグランジンE1類に関する。
上記式〔〕において、2位と3位との間の記
号〓は2位と3位との間が単結合又は二重結合で
あることを表わしている。
Gは−CO2R5又は−CONR5R7を表わし、ここ
でR5は水素原子、C1〜C10のアルキル基、置換も
しくは非置換のフエニル基、置換もしくは非置換
の脂環式基、置換もしくは非置換のフエニル
(C1〜C2)アルキル基、トリ(C1〜C7)炭化水素
−シリル基、又は一当量のカチオンである。C1
〜C10のアルキル基としては、例えば、メチル、
エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチ
ル、n−ノニル、n−デシル等の直鎖状又は分岐
状のものを挙げることができる。
置換もしくは非置換のフエニル基の置換基とし
ては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、C2
〜C7アシロキシ基、ハロゲン原子で置換されて
いてもよいC1〜C4アルキル基、ハロゲン原子で
置換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基、ニ
トリル基、カルボキシル基又は(C1〜C6)アル
コキシカルボニル基等が好ましい。ここでハロゲ
ン原子としては、弗素、塩素又は臭素等、特に弗
素又は塩素が好ましい。C2〜C7アシロキ基とし
ては例えばアセトキシ、プロピオニルオキシ、n
−ブチリルオキシ、iso−ブチリルオキシ、n−
バレリルオキシ、iso−バレリルオキシ、カプロ
イルオキシ、エナンチルオキシ又はベンゾイルオ
キシ等を挙げることができる。
ハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4アル
キル基としては、メチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、クロロメチル、
ジクロロメチル、トリフルオロメチル等を好まし
いものとして挙げることができる。ハロゲンで置
換されていてもよいC1〜C4アルコキシ基として
は、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、クロロメ
トキシ、ジクロロメトキシ、トリフルオロメトキ
シ等を好ましいものとして挙げることができる。
(C1〜C6)アルコキシカルボニル基としては、例
えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、
ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル
等を挙げることができる。
置換フエニル基は、上記の如き置換基を1〜3
個、好ましくは1個持つことができる。
置換もしくは非置換の脂環式基としては、上記
したと同じ置換基で置換されているか又は非置換
の、飽和又は不飽和のC5〜C8、好ましくはC5
C8、特に好ましくはC6の基、例えばシクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シク
ロヘプチル、シクロオクチル等を挙げることがで
きる。
置換もしくは非置換のフエニル(C1〜C2)ア
ルキル基としては、該フエニル基が上記したと同
じ置換基で置換されているか又は非置換のベンジ
ル、α−フエネチル、β−フエネチルを挙げられ
る。
トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基としては、
例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、t
−ブチルジメチルシリル基の如きトリ(C1〜C4
アルキルシリル、t−ブチルジフエニルシリル基
の如きジフエニル(C1〜C4)アルキルシリル、
トリベンジルシリル基又はジメチル−(2,4,
6−トリ−t−ブチルフエノキシ)シリル基等を
好ましいものとして挙げることができる。一当量
のカチオンとしては例えば、Na+,K+などのア
ルカリ金属カチオン;1/2Ca2+,1/2Mg2+
1/3Al3+などの2価もしくは3価の金属カチオ
ン;アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニ
ウムイオンなどのアンモニウムカチオンなどが挙
げられる。
−CONR6R7のR6,R7は同一もしくは異なりC1
〜C10のアルキル基又はR6とR7はそれらが結合し
ている窒素原子と一緒になつて更にヘテロ原子を
含有していてもよい5〜6員の置換もしくは非置
換の環を表わす。ここでC1〜C10のアルキル基は
前述したと同様のアルキル基が挙げられる。また
上記置換もしくは非置換の環における置換基とし
ては前述したと同様の置換基が挙げられ、ヘテロ
原子としては窒素、硫黄又は酸素原子を挙げるこ
とができる。上記環としては例えば、1−ピロリ
ジル、チアゾリル、1−ピペリジル、モルホリ
ル、ピペラジル又は5,6−ジヒドロフエナント
リジル基などを挙げることができる。
Gとしては、R5がC1〜C10アルキル基、特にカ
ルボキシ基又はメチル基である−CO2R5が好まし
い。
R1は水素原子又はメチル基である。水素原子
が好ましい。
R2は非置換のC5〜C8のアルキル基;置換され
ていてもよいフエニル基、フエノキシ基、C1
C6アルコキシ基もしくはC5〜C8シクロアルキル
基で置換されている置換C1〜C5アルキル基;又
は置換もしくは非置換の脂環式基である。C5
C8の非置換のアルキル基としては、直鎖状又は
分岐状のいずれであつてもよく、例えばn−ペン
チル、n−ヘキシル、2−メチル−1−ヘキシ
ル、2−メチル−2−ヘキシル、n−ヘプチル、
n−オクチル等、好ましくはn−ペンチル、n−
ヘキシル、2−メチル−1−ヘキシル、2−メチ
ル−2−ヘキシル等を挙げることができる。置換
C1〜C5アルキル基のアルキル基としては、直鎖
状又は分岐鎖状のいずれであつてもよく、例えば
メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、
n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペ
ンチル等を挙げることができる。これらのアルキ
ル基は、フエニル基、フエノキシ基;メトキシ、
エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、
n−ブトキシ、iso−ブトキシ、t−ブトキシ、
n−ペントキシ、n−ヘキソキシなどのC1〜C6
アルコキシ基;シクロペンチル、シクロヘキシル
などのC5〜C8シクロアルキル基で置換されてい
る。これらの置換基はさらにR5の置換フエニル
基の置換基として挙げた置換基によつて置換され
ていてもよい。
置換C1〜C5アルキル基としては、これらのう
ち例えば弗素原子、塩素原子、メチル、エチルも
しくはトリフルオロメチル基で置換されていても
よいフエノキシ基もしくはフエニル基によつて置
換されたC1〜C2アルキル基、又はプロポキシメ
チル、エトキシエチル、プロポキシエチル、ブト
キシメチル、メトキシプロピル、2−エトキシ−
1,1−ジメチルエチル、プロポキシジメチルメ
チル、又はシクロヘキシルメチル、シクロヘキシ
ルエチル、シクロヘキシルジメチルメチル、2−
シクロヘキシル−1,1−ジメチルエチル等が好
ましい。
置換もしくは非置換の脂環式基としてはR5
挙げたものと同じものを挙げることができる。
R2としては、n−ペンチル、2−メチル−1−
ヘキシル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基
が好ましい。
R3およびR4は同一もしくは異なり、水素原子、
C2〜C7アシル基、トリ(C1〜C7)炭化水素−シ
リル基又は水酸基の酸素原子と共にアセタール結
合を形成する基である。
C2〜C7アシル基としては、例えば、アセチル、
プロピオニル、n−ブチリル、iso−ブチリル、
n−バレリル、iso−バレリル、カプロイル、エ
ナンチル、ベンゾイル等を挙げることができる。
これらのうち、C2〜C6脂肪族アシル基例えば
アセチル、n−又はiso−ブチリル、カプロイル、
又はベンゾイルが好ましい。
トリ(C1〜C7)炭化水素−シリル基としては、
R5で挙げたものと同様のものが挙げられる。
水酸基の酸素原子と共にアセタール結合を形成
する基としては、例えばメトキシメチル、1−エ
トキシエチル、2−メトキシ−2−プロピル、2
−エトキシ−2−プロピル、(2−メトキシエト
キシ)メチル、ベンジルオキシメチル、2−テト
ラヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、
4−(4−メトキシ−テトラヒドロピラニル)基
又は6,6−ジメチル−3−オキサ−2−オキソ
−ビシクロ〔3,1,0〕ヘキス−4−イル基を
挙げることができる。これらのうち、2−テトラ
ヒドロピラニル、2−テトラヒドロフラニル、1
−エトキシエチル、2−メトキシ−2−プロピ
ル、(2−メトキシエトキシ)メチル、4−(4−
メトキシテトラヒドロピラニル)基、6,6−ジ
メチル−3−オキサ−2−オキソ−ビシクロ
〔3,1,0〕ヘキス−4−イル基又はジメチル
(2,4,6−トリ−t−ブチルフエニルオキシ)
シリル基が特に好ましい。
R3又はR4としては、これらのうち水素原子、
t−ブチルジメチルシリル基、2−テトラヒドロ
ピラニル基、アセチル基、1−メトキシ−1−メ
チルエチル基、4−(4−メトキシテトラヒドロ
ピラニル)基、6,6−ジメチル−3−オキサ−
2−オキソビシクロ〔3,1,0〕ヘキス−4−
イル基、ジメチル(2,4,6−トリ−t−ブチ
ルフエニルオキシ)シリル基が好ましい。
本発明により提供される9−デオキシ−9−ホ
ルミル−6−オキソプロスタグランジンE1類の
具体例を挙げれば以下のものがある。
(1) 9−デオキシ−9−ホルミル−6−オキソプ
ロスタグランジンE1 (2) 16,17,18,19,20,−ペンタノル−15−シ
クロペンチル−9−デオキシ−9−ホルミル−
6−オキソプロスタグランジンE1 (3) 16,17,18,19,20−ペンタノル−15−シク
ロヘキシル−9−デオキシ−9−ホルミル−6
−オキソプロスタグランジンE1 (4) 17,20−ジメチル−9−デオキシ−9−ホル
ミル−6−オキソプロスタグランジンE1 (5) 15−メチル−9−デオキシ−9−ホルミル−
6−オキソプロスタグランジンE1 (6) (1)〜(5)のメチルエステル (7) (1)〜(5)のメチルエステル (8) (6)の11,15−ビス−t−ブチルジメチルシリ
ルエーテル (9) (6)の11位がメトキシイソプロピル基、15位が
t−ブチルジメチルシリル基で保護された化合
物 (10) (6)の11位がt−ブチルジフエニルシリル基、
15位がt−ブチルジメチルシリル基で保護され
た化合物 (11) (6)の11位が4−(4−メトキシテトラヒドロ
ピラニル)基、15位がt−ブチルジメチルシリ
ル基で保護された化合物 (12) (6)の11位がジメチル(2,4,6−トリ−t
−ブチルフエニルオキシ)シリル基、15位がt
−ブチルジメチルシリル基で保護された化合
物。
(13) (1)〜(5)のカルボン酸のナトリウム塩、アン
モニウム塩、カリウム塩 本発明の9−デオキシ−9−ホルミル−6−オ
キソプロスタグランジンE1類は下記式〔〕 〔式中、2位と3位との記号〓,G,R1,R2
R3,R4は前記定義に同じである。〕 で表わされる9−デオキシ−9−ヒドロキシメチ
ル−6−オキソプロスタグランジンE1類を酸化
し、必要に応じて脱保護反応、加水分解反応及
び/又は塩生成反応に付すことによつて製造され
る。
式〔〕の9−デオキシ−9−ヒドロキシメチ
ル−6−オキソプロスタグランジンE1類の酸化
に際しては一級アルコールをアルデヒドに酸化す
るアミン−三酸化イオウ・ピリジン複合体−ジメ
チルスルホキシドの系を用いる酸化剤が特に好ま
しく用いられる。反応は通常は10゜〜40゜の範囲で
進行し、用いられる酸化剤の量は2〜100倍モル
と過剰に用いるのが好ましい。
酸化反応後の反応液の処理は、通常行なわれる
方法に準じて後処理すればよい。例えばヘキサ
ン、ペンタン、石油エーテル、エチルエーテルな
どの水に難溶の有機溶媒を加えるかあるいは、反
応混合物を直接減圧凝縮後同様の操作をして得た
有機混合物を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウム、無水硫酸ナトリウム、無水炭酸カリウムな
どの乾燥剤にて乾燥後有機媒体を減圧除去して粗
生成物が得られる。粗生成物は、所望により、カ
ラムクロマトグラフイー、薄層クロマトグラフイ
ー、液体クロマトグラフイーなど好ましくはトリ
エチルアミン等のアミン類で塩基性雰囲気にした
カラムクロマトグラフイーなどの精製手段によ
り、精製することが出来る。かくして得られた生
成物は更に必要に応じて脱保護反応、加水分解反
応及び/又は塩生成反応に付すことができる。
水酸基の保護基の除去は、保護基が水酸基の酸
素原子と共にアセタール結合を形成する基の場合
には、例えば酢酸、p−トルエンスルホン酸のピ
リジニウム塩又は陽イオン交換樹脂等を触媒と
し、例えば水、テトラヒドロフラン、エチルエー
テル、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル等
を反応溶媒とすることにより好適に実施される。
反応は通常−78℃〜+30℃の温度範囲で10分〜3
日間程度行なわれる。保護基がトリ(C1〜C7
炭化水素−シリル基の場合には、例えば酢酸、テ
トラブチルアンモニウムフルオライド、セシウム
フルオライド等、好ましくは後2者のいずれか
(更に好ましくは、トリエチルアミンなどの塩基
性化合物の存在下)の存在下に、上記した如き反
応溶媒(好ましくは水以外の反応溶媒)中で同様
の温度で同様の時間実施される。保護基がアシル
基の場合には、例えば苛性ソーダ、苛性カリ、水
酸化カルシウムの水溶液もしくは水−アルコール
混合溶液、あるいはナトリウムメトキシド、カリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシドを含むメ
タノール、エタノール溶液中で、加水分解せしめ
ることにより実施することができる。
カルボキシル基のエステル基の加水分解反応
は、例えばリバーゼ等の酸素を用い、水又は水を
含む溶媒中で−10゜〜+60℃の温度範囲で10分〜
24時間程度行なわれる。
脱保護反応又は加水分解反応の後の生成物は上
記したと同様の精製手段により精製することがで
きる。
上記の如き保護基の除去反応により生成せしめ
たカルボキシル基を有する化合物は、次いで必要
により、更に塩生成反応に付され相当するカルボ
ン酸塩を与える。塩生成反応はそれ自体公知であ
り、カルボン酸とほぼ等量の水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウムなどの塩基化合
物、あるいはアンモニア、トリメチルアミン、モ
ノエタノールアミン、モルホリンとを通常の方法
で中和反応せしめることにより行なわれる。
式〔〕の9−デオキシ−9−ホルミル−6−
オキソプロスタグランジンE1類の製法で用いら
れる原料化合物9−デオキシ−9−ヒドロキシメ
チル−6−オキソプロスタグランジンE1類は以
下に示す反応によつて得ることができる。
上記式〔〕の化合物は公知化合物であり、文
献プロスタグランジンズ(Prostaglandins)17,
657(1979);米国特許第4137403号明細書等に記載
された方法により製造することができる。
化合物〔〕は、化合物〔〕を選択的ハイド
ロボレーシヨンに付し次いでアルカリ性条件下に
酸化することにより得られる。選択的ハイドロボ
レーシヨン剤としては、9−ボラビシクロ〔3,
3,1〕ノナン(9−BBN)、テキシルボラン、
ジノソカンホニルボラン等の立体的にカサ高い試
薬が好ましく用いられ、反応はテトラヒドロフラ
ン、エーテル等のエーテル類中で、通常は氷冷下
で行なわれる。ついでこの反応液をアルカリ性条
件下で酸化して生成物〔〕を導く訳である。ア
ルカリ性条件下の酸化には特に好ましくは5M−
苛性ソーダ水溶液と過酸化水素水が用いられる。
反応は通常は氷冷下で行なわれる。
化合物〔〕は化合物〔〕をハロゲン化合物
と反応せしめ、次いで塩基性化合物で処理し、更
に酸性化合物で処理することにより得られる。ハ
ロゲン化合物としては、ヨウ素、臭素、ミヨウ化
カリウム、N−ブロモスクシンイミドなどが好ま
しく、反応溶媒は塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素、ジエチルエーテルなどが用いられ
る。反応温度は通常氷冷下で行なわれる。ハロゲ
ン化合物との反応によつて化合物〔〕は下記式 で表わされるハロゲン化エーテル類に変換され
る。かかる化合物は次いで塩基性化合物で処理す
る。塩基性化合物としては、1,5−ジアザビシ
クロ〔5,4,0〕ウンデセン−5(DBU),1,
5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5,
1,4−ジアザビシクロ〔2,2,0〕オクタン
などのアミン類が好ましい。反応溶媒はベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどが好ましい。
反応温度は10℃〜60℃の範囲が好ましい。次い
で酸性化合物で処理する。酸性化合物としては、
塩酸、硫酸、臭化水素酸、パラトルエンスルホン
酸などが好ましく、反応温度は30℃〜80℃が好ま
しい。上記した塩基性化合物、酸性化合物で処理
することによつてハロゲン化エーテル類は下記式 で表わされるようにして、化合物〔〕に変換さ
れる。
〈発明の効果〉 本発明で提供される9−デオキシ−9−ホルミ
ル−6−オキソプロスタグランジンE1類は、下
記する反応ルートによつて、新規な式〔〕のプ
ロスタサイクリン類へ変換することができる。
式〔〕の9−デオキシ−9−ホルミル−6−
オキソプロスタグランジンE1類をルイス酸−ア
ルカリ土金属の系で処理することにより化合物
〔V〕とすることが出来る。用いられるルイス酸
としては第二塩化チタン、第二塩化スズ等が用い
られる。アルカリ土金属としては亜鉛が特に好ま
しく用いられる。反応溶媒としてはテトラヒドロ
フラン、エーテル等のエーテル類が用いられ、反
応は通常は氷冷下で行なわれる。
化合物〔〕のエポキシプロスタサイクリン類
は、化合物〔〕を有機スルホン酸ハロゲン化合
物と反応せしめ次いで塩基性化合物で処理するこ
とによつて得られる。
有機スルホン酸ハロゲン化合物としては、例え
ばメタンスルホニルクロリド、エタンスルホニル
クロリド、n−ブタンスルホニルクロリド、トリ
フルオロメタンスルホニルクロリド、p−トルエ
ンスルホニルクロリドなどが挙げられる。有機ス
ルホン酸ハロゲン化合物とともにトリエチルアミ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピ
ルシクロヘキシルアミンなどの塩基性化合物を用
いるのが好ましい。反応溶媒はジクロロメタン、
クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化
素類が好ましい。有機スルホン酸ハロゲン化合物
は式〔〕の化合物と等モル量用い、塩基性化合
物は2倍モル以上用いるのが好ましく、反応温度
は−50℃〜10℃が好ましい。この反応によつて中
間体として下記式 で表わされる化合物が生成する。この化合物を次
いで、塩基性化合物で処理することにより式
〔〕のエポキシプロスタサイクリン類が得られ
る。塩基性化合物としては1,5−ジアザビシク
ロ〔5,4,0〕ウンデセン−5(DBU),1,
5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン−5,
1,4−ジアザビシクロ〔2,2,0〕オクタン
などのアミン類が好ましい。反応溶媒としてはベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどが好ましい。反
応温度は10℃〜60℃の範囲が好ましい。
得られる式〔〕のエポキシプロスタサイクリ
ン類は、アルカリ金属のハロゲン化物と酸無水物
で処理し、次いでアルカリ土類金属で還元せしめ
ることによつて式〔〕のプロスタサイクリン類
に変換される。
ここで用いられるアルカリ金属のハロゲン化物
としては、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリ
ウム、臭化ナトリウムなどが好ましく、特にヨウ
化ナトリウムが好ましい。
酸無水物としては、無水酢酸、無水トリフルオ
ロ酢酸、無水プロピオン酸、無水α,α−ジフル
オロプロピオン酸、無水酪酸;あるいは酢酸とト
リフルオロ酢酸の混合酸無水物などが挙げられ
る。なかでも特に無水トリフルオロ酢酸が好まし
い。
反応溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン(THF)、ジオキサンなどのエーテ
ル類が好ましい。
アルカリ金属のハロゲン化物の使用量は、原料
化合物のエポキシプロスタサイクリン類に対し好
ましくは0.5〜30当量、特に好ましくは4〜10当
量であり、酸無水物は、エポキシプロスタサイク
リン類に対し、好ましくは0.1〜1.5当量、特に好
ましくは0.2〜0.5当量である。反応温度は−30℃
〜100℃、好ましくは10℃〜30℃である。アルカ
リ金属のハロゲン化物と酸無水物で処理すること
により、先ず酸ハロゲン化物が生成し、この酸ハ
ロゲン化物がエポキシプロスタサイクリン類のエ
ポキシ構造と反応するものと考えられる。
引き続いて、アルカリ土類金属で還元せしめ
る。アルカリ土類金属としては亜鉛、銅等が挙げ
られ、特に亜鉛が好ましい。アルカリ土類金属の
使用量は、好ましくは1〜50当量、特に好ましく
は10〜30当量である。反応温度は0℃〜100℃が
好ましく、特に40℃〜70℃が好ましい。アルカリ
土類金属の還元反応は、上記アルカリ金属のハロ
ゲン化物と酸無水物との処理に引き続き同じ反応
系中で好ましく行なわれる。
かくして得られる式〔〕のプロスタサイクリ
ン類は、必常に強い生物活性を有している。例え
ば9(O)−メタノ−△6(9)−プロスタグランジンI1
はADP誘起のウサギ血小板凝集をIC500.034/ml
で抑制出来るのみならず、ウサギ骨上皮細胞のPH
3での細胞致死作用を10-6Mで細胞保護作用を有
しており、抗血栓剤、抗動脈硬化剤、抗潰瘍剤、
抗喘息剤、またガン転移防止剤等に応用出来るこ
とが期待される意義深い化合物である。
従つて、本発明の式〔〕の9−デオキシ−9
−ホルミル−6−オキソプロスタグランジンE1
類は、医薬品として有用な化合物の合成中間体と
して極めて有用である。また本発明の9−デオキ
シ−9−ホルミル−6−オキソプロスタグランジ
ンE1類はそれ自体、医薬品として期待される化
合物でもある。
〈実施例〉 以下実施例を挙げて本発明を説明するが、これ
らに限定されるものではない。
実施例 9−メチレン体1(300mg,0.56mmol)を乾燥
THF(3ml)に溶かし氷浴にて0℃に冷却した溶
液に、9−BBNのTHF溶液0.38M,−6ml,
2.28mmol)をシリンジで徐々に滴下した。反応
混合物は0℃にて3時間撹拌後、同温にて5M−
NaOH(1ml)と31%H2O2(2ml)を加え徐々に
室温まで昇温した。次いで室温にて1時間、40〜
50℃にて1時間加熱し反応を完結した。反応液を
室温に戻した後エーテル(約50ml)で希釈し、飽
和チオ硫酸ナトリウム水溶液(飽和Na2S2O3水溶
液約5ml)を加え撹拌しKIでんぷん紙が青変し
ないのを確めた。有機層を一旦分離後水層を再度
エーテル(30ml)で抽出した。エーテル層は一つ
に合し10%HCl、飽和NaHCO誓溶液、飽和
NaCl水溶液にて洗浄し、MgSO4で乾燥した。溶
媒留去後得られる残査をSiO2カラムクロマトグ
ラフイー(AcOEt;石油エーテル=1:2)に
て分離精製すると純砕なアルコール体2(200mg,
64.5%)が無色油状物として得られる。
IR(neat)νmax: 3450,2950,2850,1740,1440,1020cm-1 NMR(δ,CDCl3): 5.40(m,4H),4.65(m,2H),3.65(m,
2H),0.90(m,3H) Mass(m/e): 532(M−H2O),448,430,417,400,345 アルコール体2(233mg,0.42mmol)をCH2Cl2
(5ml)と飽和NaHCO3水溶液(5ml)に溶かし
氷冷(0℃)した溶液にヨウ素(220mg,
0.87mmol)を固体のまま一気に加えた。暗赤色
反応混合物を同条件下30分撹拌するとTLC(酢酸
エチル:石油エーテル=1:2)にて原料は完全
に消失した。そこで反応液を少量のエーテル(約
20ml)で希釈し、飽和Na2S2O3水溶液(約5ml)
を加えヨウ素の暗赤色が消えるまで撹拌を続け
た。次いで反応液にエーテル(約20ml)を加え分
液ロート中に移し、飽和NaCl水溶液(5ml×2)
で十分洗浄しMgSO4で乾燥した。溶媒を留去す
ると粗のヨードエーテル(230mg)が淡黄色油状
物として得られた。これをベンゼンより数回共沸
乾燥した後、精製せずに乾燥トルエン(2.5ml)
中に溶かし室温にてこれにPMU(0.5ml)をシリ
ンジで一気に加えた。反応液は徐々に60゜に昇温
し同温にて約6時間撹拌を続けるとTLC(酢酸エ
チル:石油エーテル=1:2)にて原料は完全に
消失した。そこで反応液を室温に戻し、少量のエ
ーテル(20ml)で希釈し10%HCl(5ml)を加え
しばらく撹拌した。有機層が透明になつてからエ
ーテル(50ml)を加え分液ロート中に移し水層が
酸性になるまでさらに10%HClで洗浄をくり返し
た。次いでエーテル層を飽和NaHCO3水溶液、
飽和NaCl水溶液にて十分洗浄し、MgSO4にて乾
燥した。エーテルを留去すると褐色油状物(240
mg)が得られこれは精製せず氷冷下にAcOH−
H2O−THF(1:1:1溶液,2ml)中に溶かし
0゜〜室温にて2時間撹拌下に反応させた。反応終
了後、反応液に少量のエーテル(約10ml)を加
え、飽和NaHCO3水溶液にて中和し、エーテル
(100ml)より抽出を行なつた。エーテル層は飽和
NaCl水溶液(5ml×2)で洗浄しMgSO4より乾
燥した。エーテル留去後得られる残基をSiO2
ラムクロマトグラフイー(AcOEt:石油エーテ
ル=1:2)にて精製すると純粋なケトアルコー
ル体3(140mg,58.4%)が無色油状物として得ら
れた。
IR(neat)νmax: 3400,2925,2850,1740,1710,1440,1020
cm-1 NMR(δ,CDCl3): 5.40(m,2H),4.70,(m,2H),3.65(s,
3H),0.90(m,3H) Mass(m/e): 548(M−H2O),517(M−H2O−OCH3),
463,448 m/e517.3518(calcd for C31H49O6
517.3516,M−H2O−OCH3 ケトアルコール体3(140mg、0.247mmol)と蒸
留トリエチルアミン(Et3N,0.35ml,2.5mmol)
の乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO,2ml)
溶液に室温撹拌下にSO3−ピリジン複合体(200
mg,1.25mmol)のDMSO(1ml)溶液をシリン
ジで滴下した。反応液を室温にて約30分撹拌した
後さらにSO3−ピリジン複合体(200mg)の
DMSO(1ml)溶液を滴下するとTLC(AcOEt:
石油エーテル=1:2)にて原料はほぼ消失し
た。そこで反応液を一旦エーテル(約20ml)で希
釈し、飽和NaCl水溶液(2ml)、10%HCl(2ml)
を加え有機層がほぼ透明となるまで撹拌した。次
いでエーテル(40ml)を加え分液ロート中に移
し、水層が酸性になるまで10%HClで洗浄し、引
き続き飽和NaHCO3水溶液にて中和、飽和NaCl
水溶液にて洗浄をくり返した後、有機層を分取
し、MgSO4で乾燥した。溶媒を留去するとケト
アルデヒド4(140mg)が淡褐色油状物として得ら
れた。これは直ちに次の反応に付した。即ち氷冷
下乾燥THF(5ml)中に蒸留したTiCl4(0.07ml,
0.639mmol)をシリンジで徐々に加え生成した黄
色溶液中に亜鉛末(130mg,2mmol)を一気に加
え、同温(0℃)にて約10分撹拌した。この暗青
色溶液に0℃にて上記の粗ケトアルデヒド(140
mg)のTHF(2ml)溶液を徐々に滴下し、滴下終
了後同条件下に約1時間撹拌すると原料は完全に
消失した。そこで反応液をエーテル(約30ml)で
希釈し冷却下に飽和炭酸カリウム水溶液(飽和
K2CO3水溶液約5ml)を加え反応を停止した。
水層及び有機層が一様になるまで撹拌を続け、エ
ーテル(約150ml)で十分に抽出を行なつた。次
にエーテル層を飽和NaHCO3水溶液(5ml×
1)、飽和NaCl水溶液(5ml×2)にて洗浄し、
MgSO4にて乾燥した。溶媒を減圧下に留去する
と粗のジオール体5(130mg)が淡黄色油状として
得られた。
IR(neat)νmax: 3420,2910,2850,1735,1400-1 NMR(δ,CDCl3): 5.50(m,2H),4.70(m,2H),3.70(s,
3H),0.90(m,3H) このスペクトルデータは、ジオール体5の構造
を支持しており、このことからケトアルコール体
3から目的とするケトアルデヒド体4が得られた
ことが認められる。
参考例 1 粗ジオール体5(112mg,約0.2mmol)を
CH2Cl2(1.5ml)に溶かし−25℃に冷却した溶液
に蒸留したEt3N(0.05ml,0.356mmol)とメタン
スルホニルクロリド(0.025ml),0.32mmol)を
この順に加え同温にて約10分間撹拌するとTLC
(AcOEt:石油エーテル=1:2)にて原料化合
物5よりやや極性の近い生成物が観察された。そ
こで反応液を少量のエーテル(約20ml)で希釈し
飽和NaCl水溶液(5ml)を加えた後、冷却器を
はずし室温にて有機層がほぼ透明となるまで撹拌
した。次に水層をエーテル(約100ml)で抽出し、
エーテル層を飽和NaHCO3水溶液、飽和NaCl水
溶液にて洗浄しMgSO4で乾燥した。エーテル留
去後得られる残査(120mg,淡黄色油状物)は精
製せず直ちに乾燥トルエン(1ml)に溶かし、こ
れに室温でDBU(0.2ml)を加えた。反応液は室
温で約2時間撹拌し、反応開始後30分、1時間、
1.5時間、2時間目にDBU(0.1ml)を追加したが
TLC上目立つた変化は認められなかつた。反応
液をエーテル(約20ml)で希釈した後、飽和
NaCl水溶液(3ml)、10%HCl(2ml)を加えし
ばらく撹拌し、エーテル(約80ml)にて抽出を行
なつた。エーテル層は10%HClで水層が酸性とな
るまで洗浄し、次に飽和NaHCO3水溶液,飽和
NaCl水溶液で洗浄し、MgSO4で乾燥した。エー
テル留去後得られる残査をSiO2カラムクロマト
グラフイー(エーテル:石油エーテル=1:1)
にて分離精製すると純粋なエポキシド体6(31mg,
5より26.5%)が無色油状物として得られた。
IR(neat)νmax: 2925,2850,1735,1440cm-1 NMRδ(CDCl3): 5.40(m,2H),4.70(m,2H),4.20−3.70
(m,4H)3.68(s,3H),3.65−3.30(m,
2H),3.25(s,1H),0.90(m,3H) Mass(m/e): 548(M+),534,503,474,464,456 m/e:548.3685(calcd for C32H52O7
548.3699M+) 参考例 2 室温で、乾燥THF(5ml)に撹拌下NaI(300
mg,2mmol)と無水トリフルロオロ酢酸(0.075
ml,0.5mmol)を加え約10分撹拌するとCF3COI
の濃黄色溶液が生成する。これにTHF(3ml)に
溶かしたエポキシド6(140mg,0.255mmol)をシ
リンジで徐々に滴下し、滴下後室温で約15分撹拌
するとTLC(エーテル;石油エーテル=1: )
にて原料はほぼ消失し、UVのある生成物が認め
られる。この反応液に室温で過剰の亜鉛末(350
mg,5.38mmol)を一気に加え、室温で1時間反
応させた後徐々に昇温し、60〜65℃にて1時間撹
拌し反応を完結する。室温に戻した後反応液をエ
ーテル(約80ml)で希釈し、Florigil少量を加え
短かいFlorigil層を通しまず無機物を除いた。残
査はエーテル(30ml×2)で十分に洗い、エーテ
ル層は一つに合し分液ロート中に移し、飽和
NaHCO3水溶液,飽和NaCl水溶液にて洗浄後
MgSO4で乾燥した。エーテルを留去し得られる
残査をSiO2カラムクロマトグラフイー(エーテ
ル:石油エーテル=1: )にて分離精製する
と、極性の近い部分から目的とするオレフイン7
(60mg,44.2%)が淡黄色油状物として得られ、
より極性の高い部分から原料のエポキシド6(60
mg,43%)が回収された。
生成物 IR(neat)νmax: 2925,2850,1735,1440-1 NMR(δ,CDCl3): 5.45(m,2H),5.25(br,s,1H),4.68
(m,2H),4.20−3.70(m,4H),3.68(s,
3H),3.65−3.25(m,2H),2.95(m,1H),
0.90(m,3H) Mass(m/e): 501(M−OCH3),345 m/e501.3538(calcd for C31H49O5
501.3567M−OCH3 テトラヒドロピラニル体7(24mg,0.045mmol)
に室温にてAcOH−H2O−THF(3:1:1)溶
液(1ml)を加え徐々に昇温し、50゜〜55℃にて
1時間撹拌するとTLC(エーテル)上で原料は完
全に消失し、極性の高い2つの生成物が観察され
た。反応液を室温に戻した後、エーテル(約30
ml)で希釈し、撹拌下に過剰の飽和NaHCO3
溶液(約10ml)を加え中和した。水層をエーテル
(約80ml)で十分に抽出しエーテル層を飽和NaCl
水溶液(5ml×2)で洗浄しMgSO4で乾燥した。
エーテル留去後得られた残査(25mg)をSiO2
層クロマトグラフイー(0.25mm×20cm×20cm×
1,エーテル)にて分離精製すると極性の高い部
分(Rf=0.13,エーテル)から目的の15α−ジオ
ールエステル体8(9.0mg,55.8%)が無色油状物
として得られた。又極性の低い部分(Rf=0.31,
エーテル)からは異性体の15β−ジオールが3.1mg
(22.3%)無色油状物として得られた。
15α体; IR(neat)νmax: 3350,2925,2850,1740,1435,1200,1020
cm-1 NMR(δ,CDCl3): 5.55(m,2H),5.30(brs,1H),4.25−3.95
(m,2H),3.68(s,3H),3.90−3.55(m,
2H),3.20−2.80(m,2H),0.90(m,3H) Mass(m/e):346(M−H2O),328,315,
302 (m/e):346.2516(calcd for
C22H34O3,346.2499,M−H2O) 15β体; IR(neat)νmax: 3350,1740cm-1 NMR(δ,CDCl3): 5.50(m,2H),5.31(brs,1H),4.3〜3.9
(m,2H),3.65(s,3H) Mass(20eV,m/e):346(M+−18)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式〔〕 〔式中、2位と3位との間の記号〓は2位と3
    位との間が単結合又は二重結合であることを表わ
    しており;Gは−CO2R5であり、ここでR5は水
    素原子、C1〜C10のアルキル基又はC3〜C10の脂環
    式基でありR1は水素原子、又はメチル基であ
    り;R2はC5〜C8のアルキル基、C3〜C10の脂環式
    基 R3,R4は同一もしくは異なり水素原子、C2
    〜C7のアシル基、トリ(C1〜C7)炭化水素−シ
    リル基又は水酸基の酸素原子と共にアセタール結
    合を形成する基である。〕 で表わされる9−デオキシ−9−ホルミル−6−
    オキソプロスタグランジンE1類。 2 上記式〔〕においてGがカルボキシ基又は
    メトキシカルボニル基である特許請求の範囲第1
    項記載の9−デオキシ−9−ホルミル−6−オキ
    ソプロスタグランジンE1類。 3 上記式〔〕においてR2がn−ペンチル基、
    2−メチル−1−ヘキシル基、シクロヘキシル基
    又はシクロペンチル基である特許請求の範囲第1
    項又は第2項記載の9−デオキシ−9−ホルミル
    −6−オキソプロスタグランジンE1類。 4 上記式〔〕においてR3,R4が同一もしく
    は異なり水素原子、t−ブチルジメチルシリル
    基、2−テトラヒドロピラニル基、アセチル基、
    1−メトキシ−1−メチルエチル基、4−(4−
    メトキシテトラヒドロピラニル)基、6,6−ジ
    メチル−3−オキサ−2−オキソビシクロ〔3,
    1,0〕ヘキス−4−イル基又はジメチル(2,
    4,6−トリ−t−ブチルフエニルオキシ)シリ
    ル基である特許請求の範囲第1項〜第3項のいず
    れか1項記載の9−デオキシ−9−ホルミル−6
    −オキソプロスタグランジンE1類。
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