JP2003313151A - 硫黄含有化合物を用いたアルコールの酸化方法 - Google Patents

硫黄含有化合物を用いたアルコールの酸化方法

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JP2003313151A
JP2003313151A JP2002120167A JP2002120167A JP2003313151A JP 2003313151 A JP2003313151 A JP 2003313151A JP 2002120167 A JP2002120167 A JP 2002120167A JP 2002120167 A JP2002120167 A JP 2002120167A JP 2003313151 A JP2003313151 A JP 2003313151A
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compound
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sulfide
carbon atoms
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JP2002120167A
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English (en)
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Manabu Noide
學 野出
Kiyoji Nishide
喜代治 西出
Shinichi Osugi
真市 大杉
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 刺激臭や不快臭を気にすることな
く、Swern酸化やCorey−Kim酸化等のアル
コールの酸化を行い得る方法を開発すること。 【解決手段】 一般式[1] (式中、Rは分枝部分の炭素数を除き且つ環状部分に
おいてはその最短部分のみを数えたときの直列する炭素
結合部分の総炭素数が7以上の炭化水素基を表し、R
はアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。)で
示されるスルホキシド化合物又は一般式[2] (式中、R及びRは前記と同じ。)で示されるスル
フィド化合物とアルコール化合物とを接触させることを
特徴とする、アルコール化合物の酸化方法、及び当該ア
ルコール化合物の酸化反応を利用した対応するカルボニ
ル化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用上問題となる
ほどの不快臭を有さず、各種反応に応用可能な硫黄含有
化合物を反応試薬として用いた、アルコールの酸化反応
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のSwern酸化では、オキサリル
クロライドと共にジメチルスルホキシドが使用されてお
り、これは酸化反応後にジメチルスルフィドに変化する
ことが知られている。また、従来のCorey−Kim
酸化では、ジメチルスルフィド-NCS系試薬が使用さ
れることが知られている。この様にアルコールの酸化反
応として有用な前記2つの反応は、刺激臭や不快臭を放
つジメチルスルフィドを伴うため、該酸化反応を行う際
には作業環境に特別の配慮が必要であった。従って、S
wern酸化及びCorey−Kim酸化はカルボニル
化合物(アルデヒド化合物又はケトン化合物)の得られ
るアルコールの酸化反応として非常に有用であるにも拘
わらず、工業的な利用は敬遠されがちであった。
【0003】このような状況から、刺激臭や不快臭を気
にすることなく行うことの出来るアルコールの酸化反応
方法の開発が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、刺激臭や不快臭を気にす
ることなく、Swern酸化やCorey−Kim酸化
等のアルコールの酸化を行い得る方法を開発することを
その課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式[1]
【0006】
【0007】(式中、Rは分枝部分の炭素数を除き且
つ環状部分においてはその最短部分のみを数えたときの
直列する炭素結合部分の総炭素数が7以上の炭化水素基
を表し、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
を表す。)で示されるスルホキシド化合物又は一般式
[2]
【0008】
【0009】(式中、R及びRは前記と同じ。)で
示されるスルフィド化合物とアルコール化合物とを接触
させることを特徴とする、アルコール化合物の酸化方法
の発明であり、また、当該アルコール化合物の酸化反応
を利用した対応するカルボニル化合物の製造方法の発明
である。
【0010】即ち、本発明者等は、上記目的を達成すべ
く鋭意研究を重ねた結果、上記一般式[2]で示される
化合物が、刺激臭或いは不快臭を殆ど有しておらず、こ
れを使用又はこれが生成するように上記一般式[1]で
示される化合物を用いることにより、作業環境に特別の
配慮をすることなくアルコールの酸化反応、即ち、対応
するカルボニル化合物の製造が可能となることを見出
し、本発明を完成するに到った。
【0011】本発明に係る一般式[1]で示されるスル
ホキシド化合物に於いて、Rで表される分枝部分の炭
素数を除き且つ環状部分においてはその最短部分のみを
数えたときの直列する炭素結合部分の総炭素数(以下、
主鎖炭素数と略記することがある。)が7以上の炭化水
素基としては、例えば脂肪族炭化水素基、芳香脂肪族炭
化水素基が挙げられ、中でも脂肪族炭化水素基が好まし
い。
【0012】ここでいう「環状部分においてはその最短
部分のみを数える」ということは、例えば以下のよう
に、*印の炭素原子のみを数えることを意味する。
【0013】 炭素数:合計9
【0014】 炭素数:合計7
【0015】 炭素数:合計8
【0016】脂肪族炭化水素基としては、直鎖状でも分
枝状でもよく、その鎖中に環状部分を含有していてもよ
く、その最短部分のみを数えたときの直列する炭素結合
部分の総炭素数が通常7以上、好ましくは7〜18、よ
り好ましくは9〜16、更に好ましくは11〜16、特
に好ましくは11〜13、最も好ましくは12のものが
挙げられ、中でも下記一般式[3]
【0017】CH−(CH)n− [3]
【0018】(nは6〜17の整数を表す。)で示され
る基のような直鎖状のものが好ましい例として挙げら
る。
【0019】一般式[3]で示される基に於けるnは、
通常6〜17、好ましくは8〜15、より好ましくは1
0〜15、更に好ましくは10〜12の整数、特に好ま
しくは11である。
【0020】上記した如き脂肪族炭化水素基の具体例と
しては、例えばn−ヘプチル基、1−メチルヘプチル
基、1,1−ジメチルヘプチル基、1,2,3−トリメ
チルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、1−n−プロ
ピルヘプチル基、6,6−ジメチルヘプチル基、5,5
−ジエチルヘプチル基、1−ペンチルヘプチル基、2−
ペンチルヘプチル基、3−ペンチルヘプチル基、4−ペ
ンチルヘプチル基、5−ペンチルヘプチル基、6−ペン
チルヘプチル基、n−オクチル基、1−メチルオクチル
基、7−メチルオクチル、1,1−ジメチルオクチル、
7,7−ジメチルオクチル、2−エチルオクチル基、
1,2,3,4−テトラメチルオクチル基、6,6−ジ
エチルオクチル基、1−ブチルオクチル基、2−ブチル
オクチル基、3−ブチルオクチル基、4−ブチルオクチ
ル基、5−ブチルオクチル基、6−ブチルオクチル基、
7−ブチルオクチル基、n−ノニル基、1−メチルノニ
ル基、8−メチルノニル、1,1−ジメチルノニル基、
3,3−ジメチルノニル基、1,2−ジメチルノニル
基、8,8−ジメチルノニル基、1−プロピルノニル
基、2−プロピルノニル基、3−プロピルノニル基、4
−プロピルノニル基、5−プロピルノニル基、6−プロ
ピルノニル基、7−プロピルノニル基、8−プロピルノ
ニル基、1−メチル−1−エチルノニル基、n−デシル
基、1−メチルデシル基、2−メチルデシル基、9−メ
チルデシル基、1,1−ジメチルデシル基(tert−
ドデシル基)、9,9−ジメチルデシル基、1−エチル
デシル基、2−エチルデシル基、3−エチルデシル基、
4−エチルデシル基、5−エチルデシル基、6−エチル
デシル基、7−エチルデシル基、8−エチルデシル基、
9−エチルデシル基、n−ウンデシル基、1−メチルウ
ンデシル基(sec−ドデシル基)、2−メチルウンデ
シル基、3−メチルウンデシル基、4−メチルウンデシ
ル基、5−メチルウンデシル基、6−メチルウンデシル
基、7−メチルウンデシル基、8−メチルウンデシル
基、9−メチルウンデシル基、10−メチルウンデシル
基(イソドデシル基)、n−トリデシル基、n−テトラ
デシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、
n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】等が挙げられ、中でも炭素数12の1−メ
チルウンデシル基、2−メチルウンデシル基、3−メチ
ルウンデシル基、4−メチルウンデシル基、5−メチル
ウンデシル基、6−メチルウンデシル基、7−メチルウ
ンデシル基、8−メチルウンデシル基、9−メチルウン
デシル基、10−メチルウンデシル基、1−エチルデシ
ル基、2−エチルデシル基、3−エチルデシル基、4−
エチルデシル基、5−エチルデシル基、6−エチルデシ
ル基、7−エチルデシル基、8−エチルデシル基、9−
エチルデシル基、1−プロピルノニル基、2−プロピル
ノニル基、3−プロピルノニル基、4−プロピルノニル
基、5−プロピルノニル基、6−プロピルノニル基、7
−プロピルノニル基、8−プロピルノニル基、1−ブチ
ルオクチル基、2−ブチルオクチル基、3−ブチルオク
チル基、4−ブチルオクチル基、5−ブチルオクチル
基、6−ブチルオクチル基、7−ブチルオクチル基、1
−ペンチルヘプチル基、2−ペンチルヘプチル基、3−
ペンチルヘプチル基、4−ペンチルヘプチル基、5−ペ
ンチルヘプチル基、6−ペンチルヘプチル基、1,1−
ジメチルデシル基、1,2−ジメチルデシル基、9,9
−ジメチルデシル基、1,1−ジエチルオクチル基、
7,7−ジエチルオクチル基、1−メチル−1−エチル
ノニル基等が好ましく、より好ましいものとしては、n
−ドデシル基、イソドデシル基、sec−ドデシル基、
tert−ドデシル基等が挙げられ、更に好ましいもの
としてn−ドデシル基が挙げられる。
【0033】芳香脂肪族炭化水素基としては、直鎖状或
いは分枝状の脂肪族炭化水素基の主鎖中に芳香環を通常
1〜3個、好ましくは1〜2個、更に好ましくは1個有
し、その最短部分のみを数えたときの直列する炭素結合
部分の総炭素数が8以上、好ましくは8〜18個、より
好ましくは9〜16個、更に好ましくは11〜16個、
特に好ましくは11〜13個のものが挙げられ、具体的
には、例えば
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】等が挙げられ、中でも下記一般式[4]
【0054】
【0055】(式中、pは1以上の整数を表し、qは0
又は1以上の整数を表し、且つp+qは2以上の整数を
表す。)で示されるような直鎖状脂肪族炭化水素の鎖中
に芳香環を有する基が好ましい例として挙げられる。
【0056】一般式[4]で示される基に於けるp+q
は通常2以上の整数、好ましくは2〜13、より好まし
くは4〜11、更に好ましくは6〜11、特に好ましく
は6〜8の整数である。
【0057】また、一般式[1]及び[2]に於けるR
で表されるアルキル基としては、直鎖状でも分枝状で
も或いは環状でもよく、通常炭素数1〜6、好ましくは
1〜3、より好ましくは1のものが挙げられ、具体的に
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブ
チル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペ
ンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、1−
メチルペンチル基、1,2−ジメチルブチル基、シクロ
プロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が
挙げられる。
【0058】一般式[1]及び[2]に於いてRで表
されるアリール基としては、通常炭素数6〜14のもの
が挙げられ、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル
基、フェナントリル基、アントリル基、o−メチルフェ
ニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフェニル
基、p−エチルフェニル基等が挙げられる。
【0059】一般式[1]及び[2]に於いてRで表
されるアラルキル基としては、通常炭素数7〜10のも
のが挙げられ、具体的には、例えばベンジル基、フェニ
ルエチル基、1−メチル−2−フェニルエチル基、1−
フェニル−1−メチルエチル基、フェニルプロピル基、
1−メチル3−フェニルプロピル基、フェニルブチル基
等が挙げられる。
【0060】一般式[1]で示されるスルホキシド化合
物の好ましい具体例としては、n−ドデシルメチルスル
ホキシド、イソドデシルメチルスルホキシド、sec−
ドデシルメチルスルホキシド、tert−ドデシルメチ
ルスルホキシド等が挙げられる。
【0061】一般式[2]で示されるスルフィド化合物
の好ましい具体例としては、n−ドデシルメチルスルフ
ィド、イソドデシルメチルスルフィド、sec−ドデシ
ルメチルスルフィド、tert−ドデシルメチルスルフ
ィド等が挙げられる。
【0062】一般式[2]で示されるスルフィド化合物
は、例えば一般式[5]
【0063】
【0064】(式中、R1は前記と同じ。)で示される
チオール化合物に、例えば水素化ナトリウム、水素化カ
リウム、水素化リチウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリ
ウム等の塩基の存在下、例えばヨードメタン、ヨードエ
タン、ヨードプロパン、クロロメタン、クロロエタン、
フルオロメタン、フルオロエタン等のハロゲン化アルキ
ルを反応させることによって得られる。
【0065】一般式[1]で示されるスルホキシド化合
物は、例えば上記一般式[2]で示されるスルフィド化
合物に、例えば過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化水素、メ
タ過安息香酸、酵素等の酸化剤を反応させることによっ
て得られる。
【0066】一般式[1]で示されるスルホキシド化合
物を、要すれば溶媒の存在下、塩基及び共酸化剤を用い
てアルコール化合物と反応させることにより、対応する
カルボニル化合物が得られる。
【0067】尚、一般式[1]で示されるスルホキシド
化合物を用いてアルコールの酸化反応(カルボニル化合
物の製造)を行うと、カルボニル化合物と同時にスルホ
キシド化合物に対応するスルフィド化合物が得られる。
【0068】また、一般式[2]で示されるスルフィド
化合物を、要すれば溶媒の存在下、塩基及び共酸化剤を
用いてアルコール化合物と反応させることにより、対応
するカルボニル化合物が得られる。
【0069】上記した如き一般式[1]で示されるスル
ホキシド化合物又は一般式[2]で示されるスルフィド
化合物を用いてカルボニル化合物を製造する際に用いら
れるアルコール化合物としては、水酸基を有しているも
のであればよいが、例えば一般式[6]
【0070】
【0071】(式中、R及びRは夫々独立して水素
原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基又はアシ
ル基を表し、RとRとが結合して環を形成していて
もよい。)で示されるものが挙げられる。
【0072】一般式[6]に於いて、R及びRで示
されるアルキル基としては、直鎖状でも分枝状でも或い
は環状でもよく、通常炭素数1〜20、好ましくは1〜
10、より好ましくは1〜6のものが挙げられ、具体的
には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
ペンチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル
基、2,2-ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、イソヘプ
チル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、
n−オクチル基、イソオクチル基、n−ノニル基、イソ
ノニル基、sec−ノニル基、n−デシル基、n−ウン
デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テ
トラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル
基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノ
ナデシル基、n−イコシル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル
基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテ
トラデシル基、シクロヘサデシル基、シクロヘプタデシ
ル基、シクロノナデシル基、シクロイコシル基、ビシク
ロ[2.1.0]ペンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル
基、ビシクロ[3.2.1]オクチル基、ビシクロ[5.2.0]
ノニル基、ビシクロ[4.3.1]デシル基、トリシクロ
[5.4.0.02.9]ウンデシル基、トリシクロ[5.3.1.1]
ドデシル基、トリシクロ[7.3.2.05.13]テトラデシル
基、スピロ[3.4]オクチル基、スピロ[3.3]ヘプチル
基、スピロ[4.5]デシル基等が挙げられる。
【0073】尚、上記アルキル基は、例えば塩素、臭
素、ヨウ素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメトキシ
基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基等の炭
素数1〜4のアルコキシ基、カルボニル基、オキソ基等
の置換基を有していてもよく、また、任意の位置に二重
結合を有していてもよい。このような置換基や二重結合
を有するアルキル基のうち、好ましいものの具体例とし
ては、例えば
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】等が挙げられる。
【0083】R及びRで示されるアリール基として
は、通常炭素数6〜14、好ましくは6〜10のものが
挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アント
リル基等が挙げられ、これらは、例えば塩素、臭素、ヨ
ウ素、フッ素等のハロゲン原子、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ
基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基、例え
ばベンジルオキシ基のアリールオキシ基等を置換基とし
て有していてもよい。このような置換基を有するアリー
ル基の具体例のうち、好ましいものとしては、例えば2-
メチルフェニル基、4-メチルフェニル基、2-クロロフェ
ニル基、2-ブロモフェニル基、4-ブロモフェニル基、
【0084】
【0085】
【0086】等が挙げられる。
【0087】R及びRで示されるアラルキル基とし
ては、そのアルキル部分が直鎖状でも分枝状でもよく、
全体として通常炭素数7〜14のものが挙げられる。こ
れらは、例えば塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等のハロゲ
ン原子、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基等の炭素数1〜4のアルキル基をその芳香環の置換
基として有していてもよく、また、例えば塩素、臭素、
ヨウ素、フッ素等のハロゲン原子、カルボニル基等をそ
のアルキル部分の置換基として有していてもよい。尚、
上記アラルキル基は、任意の位置に二重結合を有してい
てもよい。
【0088】上記アラルキル基の具体例としては、例え
ばベンジル基、フェニルエチル基、1−メチル−2−フ
ェニルエチル基、1−フェニル−1−メチルエチル基、
フェニルプロピル基、1−メチル−3−フェニルプロピ
ル基、フェニルブチル基、
【0089】
【0090】
【0091】等が挙げられる。
【0092】R及びRで示されるアシル基として
は、炭素数2〜10の脂肪族アシル基及び炭素数7〜1
4の芳香族アシル基が挙げられ、具体的には、例えばア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ナフト
イル基、トルオイル基等が挙げられる。
【0093】RとRとが結合して形成する環として
は、単環でも多環でもよく、また例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキ
ル基を置換基として有していてもよい。これら環の具体
例としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン
環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナ
ン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロド
デカン環、
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】等の環が挙げられる。
【0098】上記した如き一般式[1]で示されるスル
ホキシド化合物を用いてカルボニル化合物を製造する際
に用いられる共酸化剤としては、例えば無水酢酸、無水
トリフルオロ酢酸、無水メタンスルホン酸等の酸無水
物、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、イナミ
ン、ケテンイミン等の有機脱水剤、例えばオキサリルク
ロライド、塩化チオニル、オキシ塩化リン、ベンゾイル
クロライド、、アセチルブロマイド、メタンスルホニル
クロライド、クロロ蟻酸エチル等の酸ハロゲン化物、例
えば五酸化リン、オキシ塩化リン、三酸化硫黄、塩素等
の無機酸、イソチオシアネート等が挙げられ、中でも副
生成物が少ないという点でオキサリルクロライドが好ま
しい。
【0099】塩基としては、例えばトリエチルアミン、
1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジア
ザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン等の第三級アミン等が挙
げられ、中でもトリエチルアミンが好ましい。
【0100】要すれば用いられる溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類、例えば酢酸エチル等のエステル類、例え
ばヘキサン等の脂肪族炭化水素類、例えばトルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素類、例えばクロロホルム、ジ
クロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類
等、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等
の極性溶媒等が挙げられる。
【0101】一般式[1]で示されるスルホキシド化合
物を用いてカルボニル化合物を製造する際のスルホキシ
ド化合物の使用量は、反応させるアルコール化合物に対
して通常1〜10当量、好ましくは1〜3当量、より好
ましくは1〜2当量である。
【0102】共酸化剤の使用量は、反応させるアルコー
ル化合物に対して通常1〜5当量、好ましくは1〜3当
量、より好ましくは1.1〜2当量である。
【0103】塩基の使用量は、アルコール化合物に対し
て通常1〜30当量、好ましくは1〜10当量、より好
ましくは3〜6当量である。
【0104】溶媒を用いて反応を行う場合の溶媒の使用
量は、アルコール化合物1gに対して通常1〜300m
L、好ましくは1〜150mL、より好ましくは5〜1
00mLである。
【0105】上記一般式[1]で示されるスルホキシド
化合物を用いてカルボニル化合物を製造する際の反応温
度は、通常−100〜50℃、好ましくは−60℃〜室
温である。
【0106】反応時間は、反応させる化合物等や使用す
る共酸化剤の量、或いは反応温度等によって異なるが、
通常10分〜10時間、好ましくは10分〜5時間、よ
り好ましくは30分〜2時間である。
【0107】上記した如き一般式[2]で示されるスル
フィド化合物を用いてカルボニル化合物を製造する際に
用いられる共酸化剤としては、例えばイソチオシアネー
ト、塩素、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスク
シンイミド、次亜塩素酸エステル等が挙げられ、中でも
N−クロロスクシンイミドが好ましい。
【0108】塩基及び要すれば用いられる溶媒として
は、上記一般式[1]で示されるスルホキシド化合物を
用いてカルボニル化合物を製造する際に用いたものと同
様のものが挙げられる。
【0109】一般式[2]で示されるスルフィド化合物
を用いてカルボニル化合物を製造する際のスルフィド化
合物の使用量は、反応させるアルコール化合物に対して
通常1〜10当量、好ましくは2〜5当量、より好まし
くは2〜3当量である。
【0110】共酸化剤、塩基及び溶媒の使用量は、上記
一般式[1]で示されるスルホキシド化合物を用いた場
合と同様である。
【0111】一般式[2]で示されるスルフィド化合物
を用いてカルボニル化合物を製造する際の反応温度は、
通常−60〜50℃、好ましくは−40℃〜室温であ
る。
【0112】反応時間は、反応させる化合物等や使用す
る共酸化剤の量、或いは反応温度等によって異なるが、
通常30分〜20時間、好ましくは1〜10時間、より
好ましくは2〜6時間である。
【0113】上記した如き本発明のアルコールの酸化反
応に於いて使用又は生成される一般式[2]で示される
スルフィド化合物は、硫黄含有化合物特有の刺激臭や不
快臭等が極めて少ない化合物であることから、これらを
酸化剤として用いたり、これらが反応後に生成するよう
な一般式[1]で示されるスルホキシド化合物を酸化剤
として使用すれば、作業環境に特別の配慮をすることな
く工業的にアルコールの酸化反応を行うことが可能とな
る。
【0114】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるもの
ではない。
【0115】
【実施例】実施例1.スルホキシド化合物を用いたアル
コールの酸化反応 ドデシルメチルスルホキシド(0.41mmol)の塩化メチレン
(4ml)懸濁液に1.0Mオキサリルクロライドの塩化メチレ
ン溶液(0.41ml, 0.41mmol)を−60℃にて滴下し、15分
間撹拌した。その後、ベンズヒドロール(0.27mmol)の塩
化メチレン(1ml)溶液を滴下し、−60℃で30分間撹拌
した。さらに、トリエチルアミン 1.36mmolを加えた
後、反応温度を−60℃から−40℃まで200分かけて昇温
し、さらに室温まで昇温した。室温にて1時間撹拌した
後、反応液に水(10ml)、1N 塩酸(0.5ml)を加え、クロロ
ホルム(40ml×3回)で抽出した。クロロホルム層を飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ過し、
減圧下エバポレーターにて溶媒を留去した。シリカゲル
カラムクロマトグラフィーにて精製し、ベンゾフェノン
47mg(収率95%)及びドデシルメチルスルフィド60mg
(収率100%)を得た。
【0116】実施例2〜8.ベンズヒドロールの代わり
に表1に示す化合物を用いた以外は実施例1と同じ試薬
を同量用い、同様の操作を行って、対応するカルボニル
化合物を得た。トリエチルアミン(表中TEAと略記す
る。)添加後の反応時間、反応温度、得られたカルボニ
ル化合物、その収率及び生成したドデシルメチルスルフ
ィド(表中DMSと略記する。)の収率を表1に併せて
示す。
【0117】
【表1】
【0118】実施例9.スルフィド化合物を用いたアル
コールの酸化反応 N-クロロスクシンイミド(108mg, 0.81mmol)の塩化メチ
レン(2ml)溶液にドデシルメチルスルフィド(176mg, 0.8
1mmol)の塩化メチレン(2ml)溶液を−40℃にて滴下し、3
0分間撹拌した。その後、ベンズヒドロール(50mg, 0.27
mmol)の塩化メチレン(1ml)溶液を滴下し、−40℃で2時
間撹拌した。さらに、トリエチルアミン(189μl, 1.36m
mol)を加え、2時間撹拌した。室温まで昇温した後、室
温にて30分撹拌し、水(10ml)、1N 塩酸(0.5ml)を加え、
クロロホルム(40ml×3回)で抽出した。クロロホルム層
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ
過し、減圧下エバポレーターにて溶媒を留去した。シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、ベンゾフ
ェノン41mg(収率83%)を得た。
【0119】実験例1.スルフィド化合物の臭気官能試
験 下記表2及び3に示す各種スルフィド化合物について、
臭気の官能試験をA、B及びCの3名により行った。本
発明に係るスルフィド化合物の結果を表2に、また、従
来用いられているスルフィド化合物の結果を表3に合わ
せて示す。
【0120】尚、表2及び3に於いて、臭気の強さは以
下の程度を夫々示す。 5:極めて強い臭気 4:強い臭気 3:臭いを感じる 2:弱い臭気 1:微かに弱い臭気 0:臭いを感じない
【0121】
【表2】
【0122】
【表3】
【0123】表2及び3から明らかな如く、従来のスル
フィド化合物は、かなりの不快臭を有しているが、本発
明に係る一般式[2]で示されるスルフィド化合物は、
作業上困難となるほどの刺激臭或いは不快臭を有してい
ないことが分かる。
【0124】
【発明の効果】以上述べた如く、主鎖炭素数が7以上の
スルフィド化合物は、硫黄含有化合物特有の刺激臭或い
は不快臭を殆ど有しておらず、これを酸化剤として用い
る本発明の方法或いは、反応後に該スルフィド化合物と
なる、対応するスルホキシド化合物を酸化剤として用い
る本発明の方法によれば、作業環境等に特別の配慮をす
ることなくアルコールの酸化反応を行うことが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/04 C07C 49/04 A 49/437 49/437 49/784 49/784 49/786 49/786 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC44 AC45 BA50 BA51 BA52 BB12 4H039 CA62 CC20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[1] (式中、Rは分枝部分の炭素数を除き且つ環状部分に
    おいてはその最短部分のみを数えたときの直列する炭素
    結合部分の総炭素数が7以上の炭化水素基を表し、R
    はアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。)で
    示されるスルホキシド化合物又は一般式[2] (式中、R及びRは前記と同じ。)で示されるスル
    フィド化合物とアルコール化合物とを接触させることを
    特徴とする、アルコール化合物の酸化方法。
  2. 【請求項2】一般式[1] (式中、Rは分枝部分の炭素数を除き且つ環状部分に
    おいてはその最短部分のみを数えたときの直列する炭素
    結合部分の総炭素数が7以上の炭化水素基を表し、R
    はアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。)で
    示されるスルホキシド化合物又は一般式[2] (式中、R及びRは前記と同じ。)で示されるスル
    フィド化合物とアルコール化合物とを接触させることを
    特徴とする、該アルコール化合物に対応するカルボニル
    化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式[1]及び[2]に於いて、R
    表される炭化水素基の炭素数が7〜18である請求項2
    に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式[1]及び[2]に於いて、R
    表される炭化水素基の炭素数が9〜16である請求項2
    に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】一般式[1]及び[2]に於いて、R
    表される炭化水素基の炭素数が11〜16である請求項
    2に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】一般式[1]及び[2]に於いて、R
    表される炭化水素基の炭素数が11〜13である請求項
    2に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】一般式[1]及び[2]に於いて、R
    表される炭化水素基が炭素数12のアルキル基であり、
    が炭素数1〜4のアルキル基である請求項2に記載
    の製造方法。
  8. 【請求項8】一般式[1]及び[2]の於いて、R
    一般式[3] CH−(CH)n− [3] (式中、nは6〜17の整数を表す。)で示される基で
    ある請求項2に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】一般式[1]で示されるスルホキシド化合
    物が、ドデシルメチルスルホキシドである請求項2に記
    載の製造方法。
  10. 【請求項10】一般式[2]で示されるスルフィド化合
    物が、ドデシルメチルスルフィドである請求項2に記載
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005087753A1 (ja) * 2004-03-10 2005-09-22 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. 反応用試薬
JP2016079134A (ja) * 2014-10-17 2016-05-16 富士フイルムファインケミカルズ株式会社 ケトン化合物の製造方法
WO2017057460A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 富士フイルムファインケミカルズ株式会社 有機化合物の製造方法

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