JP2006248992A - ホスホリルコリン類の製造方法 - Google Patents

ホスホリルコリン類の製造方法 Download PDF

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Yuichi Kobayashi
雄一 小林
Hukum Prasad Acharya
プラサド アチャリャ フクム
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Abstract

【課題】 本発明は、5,6−エポキシ・イソプロスタンA等を含むホスホリルコリン類(特に、1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(1))のジアステレオマー混合物もしくは個々のジアステレオマーを効率的に製造しうる製造方法を提供するものである。
【解決手段】 5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)またはジアステレオマー混合物(42e)を、リゾホスファチジルコリン(3)と縮合剤を用いて縮合させて、それぞれホスホリルコリン類・ジアステレオマー(4a)、(4b)、(4c)もしくは(4d)またはジアステレオマー混合物(4e)を得ることを特徴とするホスホリルコリン類の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、5,6−エポキシ・イソプロスタンA等を含むホスホリルコリン類の製造方法に関する。
5,6−エポキシ・イソプロスタンAを構成成分とする1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(1)
Figure 2006248992
は、高脂血症や高コレステロール血症の成人にみられるアテローム性動脈硬化の原因分子のひとつであることが最近明らかになっている(非特許文献1)。この化合物はLDL(低密度リポタンパク質)に含まれるアラキドン酸含有ホスホリルコリンのアラキドン酸部位が酸化されて生成したものである。動脈硬化を予防するために、この分子に関する研究が今後も継続していくと考えられるが、この化合物の入手は困難であり、平面構造しか判明しておらない。したがって、この化合物の製造方法の開発および立体構造を明らかにすることが急務となっている。
一方、アラキドン酸含有ホスホリルコリンを酸化剤にさらすと、アラキドン酸部位が酸
化されて、他の酸化生成体とともに化合物(1)が生成する(非特許文献1)。しかしながら、化合物(1)の収率は1%以下であり、効率的ではない。そして、5,6−エポキシ・イソプロスタンA(2)
Figure 2006248992
に類似した化合物(ω鎖が2Z−オクテニル基の代わりにアリル基CH=CH-CH-)に替わった化合物)を、プロスタグランジンを化学合成するための有力な方法のひとつであるプロスタグランジン三成分連結法を用いて合成することが提案されている(非特許文献2)。しかし、この方法も製造効率が極めて低いことが示されている。
さらに、化合物(1)を合成する最終段階では、化合物(2)部分、パルミチン酸部分およびホスホリルコリン部分をグリセロールにエステル化する必要がある。簡単な脂肪酸からなる1,2−ジアシルホスホリルコリン類の合成について数多くの報告があり、それらを応用すれば化合物(1)を簡単に合成できると考えられなくもないが、化合物(2)は酸性条件でもアルカリ条件でも不安定であり、効率の良い合成方法については報告されていない。
J.Biol.Chem.,1999,274,24787-24798 Chem.Commun.,2003,196-197
本発明は、5,6−エポキシ・イソプロスタンA等を含むホスホリルコリン類(特に、1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(1))のジアステレオマー混合物もしくは個々のジアステレオマーを効率的に製造しうる製造方法を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の発明を提供する。
(1) 5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくはジアステレオマー混合物(42d)または(42e)
Figure 2006248992
(式中、R
Figure 2006248992
もしくは
Figure 2006248992
を示す。lおよびnは2から10、mは5から13を表す。)
を、リゾホスファチジルコリン(3)
Figure 2006248992
(式中、Rは11〜19の奇数炭素数を有するアルキル基を示す。)
と縮合剤を用いて縮合させて、それぞれホスホリルコリン類・ジアステレオマー(4a)、(4b)、(4c)もしくは(4d)またはジアステレオマー混合物(4e)
Figure 2006248992
(式中、R、R、l、mおよびnは前記と同義である。)
を得ることを特徴とするホスホリルコリン類の製造方法;
(2)縮合剤が2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド、2,6−ジクロロベンゾイルクロライドおよびジシクロヘキシルカルボジイミドから選ばれる(1)記載のホスホリルコリン類の製造方法;
(3)5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)またはジアステレオマー混合物(42e)が、シクロペンテノン類(48)
Figure 2006248992
をエポキシアルデヒドジアステレオマー(49a)もしくは(49b)またはジアステレオマー混合物(49e)
Figure 2006248992
とアルドール縮合させてアルドール付加物を得、ついでこれらのアルドール付加物をメシレート化し、ついで脱メシルオキシ化してシクロペンテノンエポキシド・ジアステレオマー(411a)、(411b)、(411c)もしくは(411d)またはジアステレオマー混合物(411e)
Figure 2006248992
を得、ついでこれらのシクロペンテノン・エポキシドを加水分解して得られる(1)もしくは(2)記載のホスホリルコリン類の製造方法;
(4)5,6−エポキシ・イソプロスタンAジアステレオマー(2a)、(2b)、(2c)もしくは(2d)またはジアステレオマー混合物(2e)
Figure 2006248992
を、リゾホスファチジルコリン(3)
Figure 2006248992
と縮合剤を用いて縮合させて、それぞれ1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン・ジアステレオマー(1a)、(1b)、(1c)もしくは(1d)またはジアステレオマー混合物(1e)
Figure 2006248992
を得ることを特徴とするホスホリルコリン類の製造方法;
(5)縮合剤が2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド、2,6−ジクロロベンゾイルクロライドおよびジシクロヘキシルカルボジイミドから選ばれる(4)記載のホスホリルコリン類の製造方法;
(6)5,6−エポキシ・イソプロスタンAジアステレオマー(2a)、(2b)、(2c)もしくは(2d)またはジアステレオマー混合物(2e)が、(R)−4−[(2Z)−オクテニル]−2−シクロペンテン−1−オン(8)
Figure 2006248992
をエポキシアルデヒドジアステレオマー(9a)もしくは(9b)またはジアステレオマー混合物(9e)
Figure 2006248992
とアルドール縮合させてアルドール付加物を得、ついでこれらのアルドール付加物を脱メシルオキシ化し、ついでエステル化してシクロペンテノンエポキシド・ジアステレオマー(11a)、(11b)、(11c)もしくは(11d)またはジアステレオマー混合物(11e)
Figure 2006248992
を得、ついでこれらのシクロペンテノン・エポキシドを加水分解して得られる(4)もしくは(5)記載のホスホリルコリン類の製造方法;
(7)次式(1a)で示される1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン・ジアステレオマー
Figure 2006248992
;ならびに
(8)次式(1b)で示される1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン・ジアステレオマー
Figure 2006248992
、である。
本発明によれば、5,6−エポキシ・イソプロスタンA等を含むホスホリルコリン類(特に、1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(1))のジアステレオマー混合物もしくは個々のジアステレオマーを効率的に製造しうる製造方法を提供しうる。
本発明のホスホリルコリン類の製造方法において、ホスホリルコリン類・ジアステレオマー(4a)、(4b)、(4c)もしくは(4d)またはジアステレオマー混合物(4e)は、それぞれ5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)またはジアステレオマー混合物(42e)は、リゾホスファチジルコリン(3)と縮合剤を用いて縮合することにより得られる。
Figure 2006248992
上記ホスホリルコリン類・ジアステレオマー(4a)、(4b)、(4c)もしくは(4d)またはジアステレオマー混合物(4e)、ならびに5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)またはジアステレオマー混合物(42e)において、(a)、(b)、(c)、(d)および(e)体は次のとおりである。
Figure 2006248992
この縮合反応に際しては、縮合剤として2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド、2,6−ジクロロベンゾイルクロライドおよびジシクロヘキシルカルボジイミド等が効率的な反応を行うために好適であり、2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライドが最も好適である。反応は有機溶媒中で、たとえば20〜40℃で12〜48時間程度、行われる。
上記の5,6−エポキシ・カルボン酸(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)または(42e)は、好適には次のような方法により得られる。
すなわち、シクロペンテノン類(48)をエポキシアルデヒドジアステレオマー(49a)もしくは(49b)またはジアステレオマー混合物(49e)とアルドール縮合させてアルドール付加物を得、ついでこれらのアルドール付加物をメシレート化し、ついで脱メシルオキシ化してシクロペンテノン・エポキシドジアステレオマー(411a)、(411b)、(411c)もしくは(411d)またはジアステレオマー混合物(411e)を得、ついでこれらのシクロペンテノン・エポキシドを加水分解して得られる。
上記のアルドール縮合は通常−50〜−80℃で、5〜30分間程度、好適には−78℃で、10〜20分間程度、メシレート化は通常−20〜20℃で、10〜120分間程度、そして脱メシルオキシは通常−20〜20℃で、0.5〜24時間程度、有機溶媒中で行われる。シクロペンテノン・エポキシドの加水分解は、通常0〜25℃で、10分〜10時間程度、好適にはリパーゼを用いて行われる。
本発明のホスホリルコリン類の製造方法において、5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)またはジアステレオマー混合物(42e)として最も好適には5,6−エポキシ・イソプロスタンAジアステレオマー(2a)、(2b)、(2c)もしくは(2d)またはジアステレオマー混合物(2e)が挙げられる。この場合、これらの5,6−エポキシ・イソプロスタンA(2a)、(2b)、(2c)もしくは(2d)または(2e)をリゾホスファチジルコリン(3)と縮合剤を用いて縮合することによりそれぞれ1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン・ジアステレオマー(1a)、(1b)、(1c)もしくは(1d)またはジアステレオマー混合物(1e)が得られる。
上記の5,6−エポキシ・イソプロスタンA(2a)、(2b)、(2c)もしくは(2d)または(2e)は、好適には(R)−4−[(2Z)−オクテニル]−2−シクロペンテン−1−オン(8)をエポキシアルデヒド(9a)もしくは(9b)または(9e)とアルドール縮合させてアルドール付加物を得、ついでこれらのアルドール付加物を脱メシルオキシ化し、ついでエステル化してシクロペンテノン・エポキシド(11a)、(11b)、(11c)もしくは(11d)または(11e)を得、ついでこれらのシクロペンテノン・エポキシドを加水分解して得られる。
これらの反応ルートは次のように示される。
Figure 2006248992
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
Figure 2006248992
((1R,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-シクロペンテン-1-イル アセテート(5).
5員環モノアセテート (1.52 g, 10.7 mmol) の DMF (22 mL) 溶液に t-BuMe2SiCl (2.42 g, 16.04 mmol) を加え,室温下,2時間反応させた。飽和重曹水とヘキサンを加え反応を停止した後,激しくかきまぜた。ヘキサン層を分離し,水層をヘキサンで抽出した。抽出液を1つに集め,乾燥後,減圧濃縮し,得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製するとシリルエーテル 5 が 2.58 g 得られた (収率 94%):1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.08 (s, 3 H), 0.09 (s, 3 H), 0.89 (s, 9 H), 1.60 (dt, J = 14, 5 Hz, 2 H), 2.04 (s, 3 H), 2.80 (dt, J = 14, 7.5 Hz, 1 H), 4.66-4.75 (m, 1 H), 5.42-5.50 (m, 1 H), 5.88 (dt, J = 6, 1.5 Hz, 1 H), 5.97 (dt, J = 6, 1.5 Hz, 1 H).
Figure 2006248992
ジメチル(1R,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-シクロペンテン-1-イル マロネート.
t-BuOK (2.19 g, 19.5 mmol) の THF サスペンジョン (18 mL) の中にジメチルマロネート (2.46 mL, 21.4 mmol) を加え,30 分かきまぜた。その後,Pd(PPh3)4 (564 mg, 0.49 mmol) と THF (2 mL) に溶解したシリルエーテル 5 (2.50 g, 9.76 mmol) を加え,反応は 55 °C に加温して3時間反応させた。反応終了後,飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。有機層を分かち,水層を hexane で抽出した。抽出液を1つに集め,乾燥し,減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製するとマロネート付加体が 2.98 g 得られた (収率 93%): 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.06 (s, 6 H), 0.88 (s, 9 H), 1.40 (ddd, J = 14, 11, 5 Hz, 1 H), 2.44 (dt, J = 14, 7 Hz, 1 H), 3.15-3.26 (m, 1 H), 3.37 (d, J = 10 Hz, 1 H), 3.74 (s, 6 H), 4.77-4.84 (m, 1 H), 5.80 (s, 2 H).
Figure 2006248992
メチル(1R,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-シクロペンテン-1-イル アセネート(6).
マロネート付加体 (2.8 g, 8.52 mmol), KI (11.32 g, 68.2 mmol), DMI (30 mL), および 水 (3 mL) から成る混合物を 130 oC に熱しながら 10 時間反応させた。室温に戻し,水と hexane を加え,激しくかき混ぜた後,2層を分離し,水層を hexane で4回抽出した。抽出液を1つに集め,減圧下溶媒を留去し,得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製するとアセテート誘導体 6 が 2.05 g 得られた (収率 89%): [α]31 D -19 (c 0.56, CHCl3); IR (neat) 1742, 1252, 1085, 836, 776 cm-1; 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.07 (s, 6 H), 0.89 (s, 9 H), 1.30 (ddd, J = 13, 6, 5 Hz, 1 H), 2.38 (dd, J = 16, 8 Hz, 1 H), 2.46 (dt, J = 13, 7.5 Hz, 1 H), 2.48 (dd, J = 16, 7 Hz, 1 H) 2.86-3.00 (m, 1 H), 3.68 (s, 3 H), 4.78-4.86 (m, 1 H), 5.74 (dt, J = 6, 2 Hz, 1 H), 5.80 (dt, J = 6, 2 Hz, 1 H).
Figure 2006248992
(1S,4R)-4-[(2Z)-オクテニル]-1-[(t-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-シクロペンテン(7).
エステル 6 (1.80 g, 6.66 mmol) の入っている CH2Cl2 溶液 (25 mL) を -70 oC に冷却し,この中に i-Bu2Al-H のヘキサン溶液 (7.98 mL, 0.95 M, 7.58 mmol) をゆっくり滴下した。45 分後,H2O (2.5 mL, 140 mmol) とエーテル (15 mL) の入っているフラスコにあけた。続いて NaF (2.8 g, 67 mmol) を加え,30 分かき混ぜ,セライトろ過した。ろ液を減圧下濃縮し,シリカゲルカラム精製すると (1R,4S)-4-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-2-シクロペンテン-1-イル エタナールが 1.42 g 得られた (収率 89%)。
Rf value 0.56, hexane/EtOAc (5 : 1); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.05 (s, 6 H), 0.87 (s, 9 H), 1.29 (ddd, J = 13, 6, 5 Hz, 1 H), 2.41-2.68 (m, 3 H), 2.92-3.04 (m, 1 H), 4.78-4.85 (m, 1 H), 5.71-5.80 (m, 2 H), 9.79 (s, 1 H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ -4.44, -4.42 18.3, 26.1, 38.1, 40.9, 50.6, 77.2, 135.0, 135.4, 201.6; [α]30 D -23 (c 0.38, CHCl3).
i-Bu2Al-H のヘキサン溶液 : 関東化学
NaF : 小宗化学薬品
(Ph3PC6H13)+Br- (1.80 g, 4.21 mmol) と THF (20 mL) の入ったフラスコを氷浴に浸し,この混合物の中に NaN(TMS)2 の THF 溶液 (4.56 mL, 1.0 M, 4.56 mmol) を滴下した。氷浴をはずして 30 分かき混ぜた後,-50 °C 以下に冷却した。次に,上で合成したアルデヒド (500 mg, 2.08 mmol) を加えた。反応は,-70 ~ -50 °C にて1時間,その後冷却浴をはずしてから,室温下で 12 時間行なった。飽和塩化アンモニウム水溶液に反応溶液を注ぎ,生成物をヘキサンで3回抽出した。抽出液を1つに集め,無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。減圧下濃縮し,粗生成物をシリカゲルカラム精製するとオレフィン 7 が 610 mg 得られた (収率 95%)。
Rf value 0.76, hexane/EtOAc (8 : 1); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.07 (s, 3 H), 0.08 (s, 3 H), 0.84-0.94 (m, 12 H), 1.22-1.42 (m, 7 H), 1.96-2.28 (m, 4 H), 2.37 (dt, J = 13, 7 Hz, 1 H), 2.46-2.58 (m, 1 H), 4.78-4.86 (m, 1 H), 5.29-5.50 (m, 2 H), 5.71 (dt, J = 5.5, 2 Hz, 1 H), 5.89 (dt, J = 5.5, 2 Hz, 1 H).
(Ph3PC6H13)+Br- : 当該研究室で n-C6H13Br と PPh3 から合成した
NaN(TMS)2 の THF 溶液 : Aldrich
Figure 2006248992
(R)-4-[(2Z)-オクテニル]-2-シクロペンテン-1-オン(8).
オレフィン 7 (610 mg, 1.98 mmol) を THF (4 mL) に溶解し,この中に Bu4NF の THF 溶液を加えた (3 mL, 1.0 M, 3.0 mmol)。室温にて,3時間かき混ぜた後,飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。粗生成物を3回酢酸エチル抽出した。抽出液を1つに集め,無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。減圧下濃縮し,粗生成物をシリカゲルカラム精製すると (1S,4R)-4-[(2Z)-オクテニル]-2-シクロペンテン-1-オールが 341 mg 得られた (収率 89%)。
Rf value 0.42, hexane/EtOAc (4 : 1); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.89 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.42 (m, 7 H), 1.49 (br s, 1 H), 2.03 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.06-2.28 (m, 2 H), 2.47 (dt, J = 14, 8 Hz, 1 H), 2.60-2.72 (m, 1 H), 4.78 (br s, 1 H), 5.30-5.53 (m, 2 H), 5.80 (dt, J = 5.5, 2 Hz, 1 H), 5.87 (dt, J = 5.5, 2 Hz); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 14.1, 22.6, 27.4, 29.4, 31.6, 33.7, 39.9, 44.6, 77.4, 127.3, 131.8, 133.5, 138.4.
Bu4NF の THF 溶液 : アルドリッチ
上記のように合成したアルコール (501 mg, 2.58 mmol) を CH2Cl2 (30 mL) に溶解し,この中に PCC (833 mg, 3.86 mmol) を加えた。室温にて,2時間激しくかき混ぜ,その後エーテルを加えて希釈した。生じた混合物をセライトろ過し,ろ過を減圧下濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム精製するとシクロペンテノン 8 が 462 mg 得られた (収率 93%)。
Rf value 0.55, hexane/EtOAc (4 : 1); 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 0.88 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.16-1.46 (m, 6 H), 1.88-2.10 (m, 3 H), 2.14-2.36 (m, 2 H), 2.51 (dd, J = 19, 6 Hz, 1 H), 2.92-3.08 (m, 1 H), 5.25-5.42 (m, 1 H), 5.43-5.59 (m, 1 H), 6.17 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H), 7.63 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 14.1, 22.6, 27.4, 29.3, 31.6, 32.0, 40.6, 41.5, 125.4, 133.0, 134.2, 168.2, 210.1.
PCC : 東京化成
Figure 2006248992
5,6-エポキシ-イソプロスタン A2 メチルエステル(11a).
LDA (1.31 mmol) の THF 溶液は THF 中 (8 mL),i-Pr2NH (0.22 mL, 1.57 mmol) に n-BuLi のヘキサン溶液 (0.71 mL, 1.84 M, 1.31 mmol) を作用させて合成した (0 °C, 30 min)。
この LDA 溶液を -78 °C に冷却し,この中にシクロペンテノン 8 (100 mg, 0.52 mmol) の THF 溶液 (2 mL) を加えた。20 分後,エポキシアルデヒド 9a (134 mg, 0.78 mmol) を加えた。同じ温度で 20 分かき混ぜ,その後,飽和塩化アンモニウム水溶液とエーテルの混合液の中に注いだ。有機層を分かち,水層を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を1つに集め,無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。減圧下濃縮し,粗生成物をヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒を用いて短いシリカゲルカラムを通すとアルドール付加物 10a が得られた。こうして合成した生成物はこのまま次の反応に用いた。
i-Pr2NH : 東京化成
n-BuLi のヘキサン溶液: 当該研究室で合成した
エポキシアルデヒド 9a : 下記の文献にしたがって合成した。
文献:A. M. Kornilov, A. E. Sorochinskii, I. A. Butovich, V. P. Kukhar,
Zh. Org. Khim. 1987, 23, 2470-2471; J. Org. Chem. USSR. 1987, 23,
2183-2184.
このアルドール付加物 10a を CH2Cl2 (5 mL) に溶解し,0 °C に冷却後,Et3N (0.73 mL, 5.24 mmol) と MsCl (0.21 mL, 2.71 mmol) を加えた。そのままの温度で1時間かき混ぜ,飽和重曹水と酢酸エチルを加えた。有機層を分かち,水層を酢酸エチルで2回抽出した。抽出液を1つに集め,無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。減圧下濃縮し,粗生成物をヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒を用いて短いシリカゲルカラムを通すと相当するメシレートが得られた。こうして合成した生成物はこのまま次の反応に用いた。
Et3N : 東京化成
MsCl : 東京化成
このメシレートを CH2Cl2 (7 mL) に溶解し,この中にアルミナ (530 mg, 5.20 mmol) を加えた。混合物を室温にて6時間激しくかき混ぜ,その後,セライトろ過し,ろ過を減圧下濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラム精製するとシクロペンテノン・エポキシド 11a が 92 mg 得られた (エノン 8 からの収率 51%)。
アルミナ : Alumina N - Super I, ICN
以下に 11a のデータを示すが,このうち 1H NMR スペクトルは CDCl3 中の残存 CHCl3 をδ7.26 ppm と 7.24 ppm にセットした場合の2つのデータを示した。
Rf value 0.55, hexane/EtOAc (2 : 1); 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.26 ppm) δ 0.87 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.38 (m, 6 H), 1.54-1.64 (m, 2 H), 1.76-1.88 (m, 2 H), 1.97 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.28-2.42 (m, 3 H), 2.50-2.58 (m, 1 H), 2.96-3.04 (m, 1 H), 3.38 (dd, J = 9, 2 Hz, 1 H), 3.62-3.74 (m, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 5.28-5.40 (m, 1 H), 5.46-5.56 (m, 1 H), 6.18 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.35 (dd, J = 6, 1 Hz, 1 H), 7.54 (dd, J = 6, 3 Hz, 1 H). 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.24 ppm) δ 0.85 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.18-1.36 (m, 6 H), 1.52-1.62 (m, 2 H), 1.74-1.86 (m, 2 H), 1.95 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.26-2.40 (m, 3 H), 2.48-2.56 (m, 1 H), 2.94-3.02 (m, 1 H), 3.36 (dd, J = 9, 2 Hz, 1 H), 3.60-3.72 (m, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 5.26-5.38 (m, 1 H), 5.44-5.54 (m, 1 H), 6.16 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.33 (dd, J = 6, 1 Hz, 1 H), 7.52 (dd, J = 6, 3 Hz, 1 H); 13C NMR (300 MHz, CDCl3) δ 14.1, 21.4, 22.6, 27.4, 29.2, 30.9, 31.3, 31.6, 33.5, 43.1, 51.7, 54.3, 60.4, 124.3, 131.0, 133.6, 134.6, 141.8, 162.2, 173.6, 195.8.
Figure 2006248992
5,6-エポキシ-イソプロスタンA2 (2a).
エステル 11a (25 mg, 0.072 mmol) をアセトン (0.7 mL) とリン酸緩衝液 (pH 7, 3.5 mL) に溶かし,その中に PPL (150 mg) を加えた。室温にて2時間かき混ぜ,酢酸エチルで希釈後,セライトろ過した。得られたろ液を減圧下濃縮し,粗生成物をシリカゲルカラム精製するとカルボン酸 2a が 21 mg 得られた (収率 89%)。
Rf value 0.24, hexane/EtOAc (1 : 2); 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.24 ppm) δ 0.86 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.17-1.38 (m, 6 H), 1.54-1.66 (m, 1 H), 1.74-1.88 (m, 3 H), 1.95 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.25-2.35 (m, 1 H), 2.38-2.46 (m, 3 H), 2.49-2.55 (m, 1 H), 2.94-3.00 (m, 1 H), 3.38 (dd, J = 8, 2 Hz, 1 H), 3.60-3.67 (m, 1 H), 5.24-5.36 (m, 1 H), 5.44-5.53 (m, 1 H), 6.17 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.33 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H), 7.52 (dd, J = 6, 2.5 Hz, 1 H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 14.1, 21.2, 22.6, 27.4, 29.3, 31.2, 31.6, 31.9, 33.3, 43.4, 55.0, 59.9, 124.5, 131.0, 133.5, 134.5, 141.2, 162.1, 177.6, 195.9.
PPL (150 mg) : lipase from porcine pancreas, Type II, シグマ
Figure 2006248992
5,6-エポキシ-イソプロスタンA2 メチルエステル (11b).
11a の合成法に従い,エノン 8 からジアステレオマー 11b を合成した。使用した試薬類と収量・収率は以下の通り。
(1) アルドール反応による 10b の合成: エノン 8 (150 mg, 0.78 mmol),i-Pr2NH (0.27 mL, 1.93 mmol),n-BuLi (0.89 mL, 1.75 M in hexane, 1.56 mmol),THF (16 mL)。
(2) 10b のメシレート化: 上で合成した 10b,MsCl (0.36 mL, 4.65 mmol),Et3N (1.10 mL, 7.90 mmol),CH2Cl2 (8 mL)。
(3) エポキシ・エステル 11b の合成: 上で合成したメシレート,Al2O3 (800 mg, 7.85 mmol),CH2Cl2 (16 mL)。11b の収量: 141 mg, エノン 8 からの収量 53%。
以下に 11b のデータを示すが,このうち 1H NMR スペクトルは CDCl3 中の残存 CHCl3 をδ7.26 ppm と 7.24 ppm にセットした場合の2つのデータを示した。
Rf value 0.54, hexane/EtOAc (2 : 1); 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.26 ppm) δ 0.87 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.20-1.38 (m, 6 H), 1.61-1.88 (m, 4 H), 1.98 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.32-2.42 (m, 3 H), 2.62-2.70 (m, 1 H), 2.98-3.02 (m, 1 H), 3.38 (dd, J= 9, 2 Hz, 1 H), 3.62-3.72 (m, 1 H), 3.67 (s, 3 H), 5.30-5.38 (m, 1 H), 5.48-5.56 (m, 1 H), 6.12 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.36 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H), 7.56 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H). 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.24 ppm) δ 0.85 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.18-1.36 (m, 6 H), 1.59-1.86 (m, 4 H), 1.96 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.30-2.40 (m, 3 H), 2.60-2.68 (m, 1 H), 2.96-3.00 (m, 1 H), 3.36 (dd, J= 9, 2 Hz, 1 H), 3.60-3.70 (m, 1 H), 3.65 (s, 3 H), 5.28-5.36 (m, 1 H), 5.46-5.54 (m, 1 H), 6.10 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.34 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H), 7.54 (dd, J = 6, 2.5 Hz, 1 H).
Figure 2006248992
5,6-エポキシ-イソプロスタンA2 (2b).
2a の合成法に従い,メチルエステル 11b から 2b を合成した。使用した試薬類と収量・収率は以下の通り。
メチルエステル 11b (45 mg, 0.13 mmol),PPL (270 mg),acetone (1 mL),リン酸緩衝液 (pH 7, 5 mL)。カルボン酸 2b の収量: 38 mg, 87%。
Rf value 0.23, hexane/EtOAc (1 : 2); 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.24 ppm) δ 0.86 (t, J = 7 Hz, 3 H), 1.18-1.36 (m, 6 H), 1.60-1.88 (m, 4 H), 1.97 (q, J = 7 Hz, 2 H), 2.28-2.48 (m, 3 H), 2.60-2.68 (m, 1 H), 2.96-3.02 (m, 1 H), 3.37 (dd, J = 9, 2 Hz, 1 H), 3.60-3.68 (m, 1 H), 5.29-5.36 (m, 1 H), 5.48-5.54 (m, 1 H), 6.10 (d, J = 9.5 Hz, 1 H), 6.35 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H), 7.55 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δ 14.1, 21.1, 22.6, 27.4, 29.2, 30.9, 31.2, 31.5, 33.4, 43.1, 54.3, 60.4, 124.3, 131.1, 133.6, 134.6, 141.8, 162.4, 178.8, 195.9.
Figure 2006248992
1-パルミトイル-2-(5,6-エポキシ-イソプロスタンA2)-sn-グリセロ-3-ホスホリルコリン (1a).
lyso-PC 3 (12 mg, 0.024 mmol),Et3N (0.10 mL, 0.73 mmol),および DMAP (18 mg, 0.144 mmol) の入っている CH2Cl2 (1.5 mL) の中にカルボン酸 2a (24 mg, 0.073 mmol) の CH2Cl2 (1 mL) 溶液を滴下した。10分後,2,4,6-Cl3C6H2COCl (0.023 mL, 0.16 mmol) を加えて反応を開始させた。室温にて 36 時間かき混ぜた後,H2O を数滴滴下した。反応液を濃縮し,得られた粗生成物をシリカゲルカラム精製したところ,目的のエステル 1a と DMAP の混合物が得られた。次に,この混合物を逆層シリカゲルカラム精製すると,DMAP が分離され,エステル 1a が 10 mg 得られた (収率 53%)。
Rf value 0.19, MeOH; 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.24 ppm) δ 0.86 (t, J = 7 Hz, 6 H), 1.1-2.6 (m, 44 H), 2.94-2.99 (m, 1 H), 3.24-3.42 (m, 10 H), 3.58-4.42 (m, 9 H), 5.16-5.24 (m, 1 H), 5.26-5.36 (m, 1 H), 5.44-5.54 (m, 1 H), 6.13 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.32 (dd, J = 6.5, 2 Hz, 1 H), 7.52 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H).
Et3N : 東京化成
DMAP : アルドリッチ
2,4,6-Cl3C6H2COCl : アルドリッチ
Figure 2006248992
1-パルミトイル-2-(5,6-エポキシ-イソプロスタンA2)-sn-グリセロ-3-ホスホリルコリン(1b).
上記の 1a の合成に従い,2b (16 mg, 0.048 mmol),lyso-PC 3 (8 mg, 0.016 mmol),Et3N (0.067 mL, 0.481 mmol),DMAP (12 mg, 0.098 mmol),2,4,6-Cl3C6H2COCl (0.015 mL, 0.096 mmol) および CH2Cl2 (2 mL) を用いて 1b を合成した。収量 8 mg (収量 56%)。
Rf value 0.19, MeOH; 1H NMR (500 MHz, CHCl3 in CDCl3 at 7.24 ppm) δ 0.86 (t, J = 7 Hz, 6 H), 1.1-2.7 (m, 44 H), 2.93-3.05 (m, 1 H), 3.18-3.43 (m, 10 H), 3.58-4.43 (m, 9 H), 5.14-5.24 (m, 1 H), 5.26-5.38 (m, 1 H), 5.45-5.54 (m, 1 H), 6.07 (d, J = 9 Hz, 1 H), 6.33 (d, J = 6 Hz, 1 H), 7.54 (dd, J = 6, 2 Hz, 1 H).
本発明は、5,6−エポキシ・イソプロスタンA等を含むホスホリルコリン類(特に、1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン(1))のジアステレオマー混合物もしくは個々のジアステレオマーを効率的に製造しうる製造方法を提供するものである。

Claims (8)

  1. 5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)またはジアステレオマー混合物(42e)
    Figure 2006248992
    (式中、R
    Figure 2006248992
    もしくは
    Figure 2006248992
    を示す。lおよびnは2から10、mは5から13を表す。)
    を、リゾホスファチジルコリン(3)
    Figure 2006248992
    (式中、Rは11〜19の奇数炭素数を有するアルキル基を示す。)
    と縮合剤を用いて縮合させて、それぞれホスホリルコリン類・ジアステレオマー(4a)、(4b)、(4c)もしくは(4d)またはジアステレオマー混合物(4e)
    Figure 2006248992
    (式中、R、R、l、mおよびnは前記と同義である。)
    を得ることを特徴とするホスホリルコリン類の製造方法。
  2. 縮合剤が2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド、2,6−ジクロロベンゾイルクロライドおよびジシクロヘキシルカルボジイミドから選ばれる請求項1記載のホスホリルコリン類の製造方法。
  3. 5,6−エポキシ・カルボン酸ジアステレオマー(42a)、(42b)、(42c)もしくは(42d)またはジアステレオマー混合物(42e)が、シクロペンテノン類(48)
    Figure 2006248992
    をエポキシアルデヒドジアステレオマー(49a)もしくは(49b)またはジアステレオマー混合物(49e)
    Figure 2006248992
    とアルドール縮合させてアルドール付加物を得、ついでこれらのアルドール付加物をメシレート化し、ついで脱メシルオキシ化してシクロペンテノンエポキシド・ジアステレオマー混合物(411a)、(411b)、(411c)もしくは(411d)またはジアステレオマー混合物(411e)
    Figure 2006248992
    を得、ついでこれらのシクロペンテノンエポキシドを加水分解して得られる請求項1もしくは2記載のホスホリルコリン類の製造方法。
  4. 5,6−エポキシ・イソプロスタンAジアステレオマー(2a)、(2b)、(2c)もしくは(2d)またはジアステレオマー混合物(2e)
    Figure 2006248992
    を、リゾホスファチジルコリン(3)
    Figure 2006248992
    と縮合剤を用いて縮合させて、それぞれ1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン・ジアステレオマー(1a)、(1b)、(1c)もしくは(1d)またはジアステレオマー混合物(1e)
    Figure 2006248992
    を得ることを特徴とするホスホリルコリン類の製造方法。
  5. 縮合剤が2,4,6−トリクロロベンゾイルクロライド、2,6−ジクロロベンゾイルクロライドおよびジシクロヘキシルカルボジイミドから選ばれる請求項4記載のホスホリルコリン類の製造方法。
  6. 5,6−エポキシ・イソプロスタンAジアステレオマー(2a)、(2b)、(2c)もしくは(2d)またはジアステレオマー混合物(2e)が、(R)−4−[(2Z)−オクテニル]−2−シクロペンテン−1−オン(8)
    Figure 2006248992
    をエポキシアルデヒドジアステレオマー(9a)もしくは(9b)またはジアステレオマー混合物(9e)
    Figure 2006248992
    とアルドール縮合させてアルドール付加物を得、ついでこれらのアルドール付加物を脱メシルオキシ化し、ついでエステル化してシクロペンテノンエポキシド・ジアステレオマー(11a)、(11b)、(11c)もしくは(11d)またはジアステレオマー混合物(11e)
    Figure 2006248992
    を得、ついでこれらのシクロペンテノン・エポキシドを加水分解して得られる請求項4もしくは5記載のホスホリルコリン類の製造方法。
  7. 次式(1a)で示される1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン・ジアステレオマー。
    Figure 2006248992
  8. 次式(1b)で示される1−パルミトイル−2−(5,6−エポキシ・イソプロスタンA)−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン・ジアステレオマー。
    Figure 2006248992
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US8916206B2 (en) 2005-12-26 2014-12-23 Ltt Bio-Pharma Co., Ltd. Nanoparticles containing water-soluble non-peptide low-molecular weight drug

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