JPH0256562B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、燃料管を介して供給される液体燃料
を吸収・拡散蒸発させる燃料吸収体をキヤリヤ
（支持体）上に配置しかつ、燃焼空気が送り込ま
れる燃焼室を有する、特に自動車用ヒーターの如
き、ヒーター用蒸発バーナーに関する。

この種の従来のバーナー（DE−AS1918445及
びDE−AS2129663並びに実願昭50−130617号
（実開昭52−43734号）の願書に添付した明細書及
び図面の内容を撮影したマイクロフイルム）にお
いて、吸収体保持用キヤリヤは、熱をうまく伝達
するバーナーの外側ハウジングにそれ自身接続し
た燃焼室の前壁に直接、形成されている。即ち、
前記従来の蒸発バーナーは、燃焼室の前壁キヤリ
ヤと燃料吸収体の三者が密着状に当接しているた
め、キヤリヤと吸収体の熱が燃焼室壁部から放熱
され、吸収体の温度が上昇せず、吸収体へ供給さ
れた液体燃料の蒸発が不十分になると言う問題が
あつた。特に自動車用ヒーターの如きは、ヒータ
ーの外側寸法を最小にするような努力が払われて
いるため、燃焼室の寸法が小さくなり、燃料の蒸
発を充分に速やかに行わせることは次第にむづか
しくなつている。

本発明は、燃焼室のバーナーが特に小さい時で
さえ、ガソリンやオイルのような供給液体燃料を
蒸気位相に確実に迅速に変えるような前述の型の
蒸発バーナーを作るという目的に基づいている。

本発明によれば、この目的は、燃焼室にある吸
収体用キヤリヤが、燃焼室からの熱の放散を防ぐ
ように支持されているという事実により達成され
る。

そこで、キヤリヤと燃焼室の前壁との間にエア
クツシヨンを生じさせるのが好ましい。この方法
では、キヤリヤはヒーターの燃焼管に対して遮熱
体として働く。キヤリヤからの熱の放散を出来る
だけ少くするために、燃焼室に於けるキヤリヤの
装着は、横断面の小さな支持体によつて行うか、
或いは熱をうまく伝達しない材料で作られる支持
体によつて行う。本発明の好ましい実施例におい
て、キヤリヤが燃焼室壁に接することなく懸架さ
れるように、燃料管の端部にキヤリヤを支持する
ことが特に効果的であることがわかつた。

そのキヤリヤは、燃焼室の前壁の近くで、そこ
から或る距離おいた所に配置される基本的に平ら
なキヤリヤ円盤として簡単に作ることができる。
又、必要であれば、吸収体を容易に取替えること
ができるように、又は燃焼室をきれいににするこ
とができるように、バーナーから取りはずすこと
のできるバーナーを前壁として備えることも効果
的である。

燃料管は、バーナーの縦軸上方に位置してキヤ
リヤの一部を通つて貫通する。そのような構造の
場合、吸収体での燃料分布は重力によつて促進さ
れる。吸収体として、多孔性材料で成る耐熱層
は、例えばフリース、又はセラミツクの多孔層の
ようなもので、簡単に成形できる。ガソリンのよ
うに、容易に蒸発する燃料の場合、その多孔層は
キヤリヤを全面的に閉鎖状態にカバーするので、
燃焼室に対面する層側から蒸発が生じる。しかし
ながら、バーナーが、オイルのような、蒸発しに
くい燃料により操作される場合、その層は、燃焼
室に対向するキヤリヤ側の一部を露出するように
開口を、１〜数個備えることが好ましい。この場
合、燃料の少くとも一部は、蒸発に必要な温度ま
で特に迅速に加熱されるキヤリヤの表面から蒸発
する。この場合、キヤリヤ円盤の中心に１〜数個
の開口が配置され、その開口の横断面が燃焼室に
対向するキヤリヤ側の表面の40％より大きくない
場合、蒸発は特に有効に生じる。燃料入口の部分
には、開口がない方が好ましい。点火装置は燃焼
室の、特にこの部分の近くに位置づけるのが好ま
しい。

本発明のこれらの目的及び他の目的は、添付図
面に関連して説明する次の説明から明らかとなる
であろう。その図面には、本発明の１つの実施例
が示されている。

第１図に示すヒーター１０の場合、加熱空気は
加熱空気ブロワー１１により入口開口１４を通つ
てフード１５へ流入する。そのブロワーは、電気
モーター１３により駆動され、この電気モーター
は又、再生ブロワー１２の駆動体としても働く。
そのブロワー１２は取入れ接続部１６を通つて燃
焼空気を引き込む。燃料は燃料管１７を通つてヒ
ーター１０へ送られる。その燃料は、燃焼管１８
により形成される燃焼室１９内で蒸発し、再生ブ
ロワー１２により送られる燃焼空気と混合する。
ヒーターが作動する時、その混合燃料は、例えば
グロープラグ、又はスパークプラグのような点火
装置２０により点火される。燃焼室１９からの燃
焼ガスは熱交換器２１へ流れ、そこで、ブロワー
１１により送られた加熱空気を加熱する。そこで
温められた加熱空気はフード２３にある排出開口
２２を通つてヒーター１０から出る。排気ガスは
排出接続部２４を通つて排出される。火炎モニタ
ーは符号２７で示す。

第２図は詳しく示すように、その全体を符号２
５で示す蒸発バーナーは、取りはずし自在のカバ
ー３０で開鎖される。図示のように、カバー３０
はバーナーの前端、即ち第２図で左側に取付ら
れ、この場合、カバー３０とバーナーヘツドの壁
３３との間に環状シール３１が位置し、もう１個
の環状シールはカバー３０と燃焼管１８の前端と
の間に位置する。燃料管１７はバーナーの縦軸３
４の上方位置で、カバー３０を貫通する。多孔材
で出来た耐熱層からなる吸収体３７を保持するた
めのキヤリヤ３６は、それが燃焼室１９内に宙づ
り状に懸架されるように、燃料管１７の屈曲端３
５に支持される。例えば、フリース（fleece）、
又は多孔セラミツク体から形成される吸収体３７
は、燃料管１７の出口３８をカバーし、その中心
部分に開口３９を備え、その開口３９はキヤリヤ
３６の燃焼室１９に対向する側部の一部４０を露
出させる。

キヤリヤ（支持体）３６は基本的に平らなキヤ
リヤ円盤であり、カバー３０の近くで、そこから
或る距離をおいて配置されるので、カバー３０と
キヤリヤ３６との間にエアクツシヨン４１が形成
される。このエアクツシヨン４１は、キヤリヤ３
６からの熱の放散を最少にするため、ヒーターの
取巻部分に対して遮熱体として作用する。この熱
の放散を最少にする効果は、キヤリヤ３６が燃焼
管１８の壁と接触せず、それが燃料管１７の比較
的小さな端部３５によつてのみ支持されるという
事実により強化される。

ヒーター１０が作動する時、再生ブロワー１２
は、バーナーヘツドの燃焼空気入口４２から、燃
焼管１８のねじりスロツト４３を通つて燃焼室１
９へ燃焼空気を送る。同時に、燃料ポンプ（図示
せず）は燃料管１７を通つて液体燃料を供給す
る。その燃料は出口３８から多孔層からなる燃料
吸収体３７へ達する。この吸収体３７と、燃焼管
１８の内側壁にある任意の隣接リング形多孔層４
４において、燃料は毛管作用により分配される。
表面張力及び／又は重力効果のために、好ましく
は金属製キヤリヤ３６の表面の露出部分に、うす
い燃料膜が形成される。キヤリヤ３６は燃焼室１
９内に支持され、点火装置によりバーナーが点火
された後は熱の放散を防止する。キヤリヤ３６と
吸収体３７は有効な蒸発によつて必要な温度、例
えば、400℃の範囲の温度に容易に達する。

吸収体３７と、備えている場合は層４４とは、
分配器及び蒸発器として作用するばりでなく、同
時に又、或る保管機能をも有する。これは、燃料
がインパルス式に供給される場合でさえ、連続的
な燃焼が行われ、基本的には連続した火炎が生じ
ることを可能にする。

吸収体３７に開口３９を有する図示の実施例は
特に、油又はその類似燃料を使用するのに適す
る。しかし、例えばガソリンのような、より揮発
性の高い燃料を使用する場合、キヤリヤ表面の露
出部分４０は熱くなり過ぎることがある。従つ
て、そのような燃料を使用する場合は、開口のな
い閉鎖層３７を使用するのが孔ましい。更に、比
較的大きな開口を１つ形成する代りに、小さな開
口を複数個、備えることもできる。又、本発明の
蒸発バーナーはエアヒーターに使用されるばかり
でなく、水ヒーターにも有効に使用できることを
も理解されるべきである。

これまで本発明に従つて図示かつ説明してきた
けれども、本発明はその例に制限されるものでは
なく、この技術に熟達した人々にとつて知られて
いるように、多くの変形が可能であり、従つて、
本発明をここに図示かつ説明したものに制限する
ものではなくて、クレームの範囲によつて包含さ
れるような全ての変形を含むものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に従つた蒸発バーナーを有する
ヒーターの概略縦断面図であり、第２図は、第１
図に示すヒーターの一部、即ち燃焼室部分の拡大
図である。 １０……ヒーター、１１……加熱空気ブロワ
ー、１２……再生ブロワー（横行チヤンネルブロ
ワー）、１３……電気モーター、１４……入口開
口、１５……フード、１６……空気取入接続部、
１７……燃料管、１８……燃焼管、１９……燃焼
室、２０……点火装置、２１……熱交換器、２２
……排出開口、２３……フード、２４……排気接
続部、２５……蒸発バーナー、２７……火炎モニ
ター、３０……カバー、３３……バーナー頭部の
壁、３６……キヤリヤ、３７……吸収体（耐熱
層）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端が前壁３０で閉寒され且つ内部に燃焼室
   １９を形成した燃焼管１８と、該前壁３０側の燃
   焼室１９内に配置されたキヤリヤ３６に装着され
   且つ燃料管１７を介して液体燃料を受け入れる燃
   料吸収体３７と、該燃料吸収体３７を介して前記
   前壁３０側とは反対側の前記燃焼管１８に形成さ
   れた燃焼空気導入用スロツト４３とを備えたヒー
   タ用蒸発バーナーにおいて、 前記キヤリヤ３６から周囲部分への熱の放散を
   防ぐために、該キヤリヤ３６と前記前壁３０との
   間に、エアクツシヨン４１を形成して成る放熱防
   止装置が設けられたことを特徴とする蒸発バーナ
   ー。 ２ 前記キヤリヤ３６は、前記燃焼室１９壁に接
   することなく懸架状に、前記燃料管１７の端部に
   支持されていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載の蒸発バーナー。 ３ 前記キヤリヤ３６は、円盤状であり、しか
   も、前記燃焼室１９の前壁３０の近くでかつ前壁
   ３０から或る距離をおいて配置されていることを
   特徴とする特許請求の範囲第２項記載の蒸発バー
   ナー。 ４ 前記前壁は取りはずし自在なカバーであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の蒸発
   バーナー。 ５ 前記燃料管１７の端部は、バーナーの縦中心
   軸の上方に位置して前記キヤリヤ３６を貫通して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第２項記載
   の蒸発バーナー。 ６ 前記燃料吸収体３７は、多孔性材料で成る耐
   熱層により形成されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第３項に記載の蒸発バーナー。 ７ 前記燃料吸収体３７は、前記燃焼室１９に面
   する側で前記キヤリヤ３６を完全にカバーするこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第６項記載の蒸発
   バーナー。 ８ 前記燃料吸収体３７は、前記燃焼室１９に面
   する前記キヤリヤ３６側の一部を露出させる開口
   ３９を少くとも１個備えていることを特徴とする
   特許請求の範囲第６項記載の蒸発バーナー。 ９ 前記少くとも１個の開口３９は、前記キヤリ
   ヤ３６の中心部分に配置されることを特徴とする
   特許請求の範囲第８項記載の蒸発バーナー。 １０ 前記少くとも１個の開口３９の全横断面積
   は、前記燃焼室１９に面する前記キヤリヤ３６側
   の部分の表面の40％に対応することを特徴とする
   特許請求の範囲第９項記載の蒸発バーナー。 １１ 前記燃料吸収体３７は、前記燃料管１７端
   部の燃料入口の部分では開口がないことを特徴と
   する特許請求の範囲第８項記載の蒸発バーナー。 １２ 点火装置２０が、前記燃焼室１９の燃料入
   口部分に取付られていることを特徴とする特許請
   求の範囲第１１項記載の蒸発バーナー。