JP3454538B2 - 温風暖房機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、石油温風暖房機等の温
風暖房機に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】この種の温風暖房機は特公平４−４５３
５５号公報等に記載されている。即ち、従来の温風暖房
機について図４を参照して説明すると、１は外装ケー
ス、２は外装ケース１の前面に設けられた温風吹出口、
３は外装ケース１内に設けられた通気室、４は燃焼装
置、５はこの燃焼装置のバーナケースであり、バーナケ
ース５、燃焼筒６、熱交換器７及び排気フード８が順次
接続されている。９は前記燃焼装置４で加熱された室内
空気を温風吹出口２から吐出させる送風機、１０はバー
ナファンである。 【０００３】また、図５において、１１は前記燃焼装置
４のバーナケース５内に設けられたバーナ本体であり、
このバーナ本体１１は電気ヒ−タ１２と、電気ヒ−タ１
２が埋設された気化器１３と、この気化器１３に装着さ
れたバ−ナヘッド１４より成っている。１５、１５…は
このバ−ナヘッド１４に多数設けられた炎孔である。ま
た、１６は気化器１３に燃料を供給する燃料パイプであ
り、この燃料パイプ１６の先端部には燃料噴出部１７が
設けられている。１８は気化器１３内に燃焼用空気を供
給する空気供給管であり、燃料噴出部１７の先端部は空
気供給管１８に挿通して気化器１３の内部に臨ませてあ
る。１９は燃焼筒６の下部に取付けられ外装ケース１の
内部を上下に仕切る仕切板である。 【０００４】上述した構成において、その動作について
説明すると、燃料パイプ１６を通り先端部の燃料噴出部
１７より気化器１３内に噴出された液体燃料は、気化器
１３の内壁で気化される。この時、気化燃料は、バーナ
ファン１３より空気供給管１８を介して気化器１３内に
供給された燃焼用空気と混合され、混合ガスとしてバ−
ナヘッド１４に設けられた炎孔１５、１５…から噴出さ
れる。炎孔１５、１５…から噴出された混合ガスは、点
火プラグ（図示せず）からの放電を受けて着火され燃焼
する。熱交換器７の温度が上昇すると、送風機９が作動
し、室内空気を通気室３に送り込み、熱交換器７及び燃
焼装置４で熱交換し加熱した後、温風吹出口２から吐出
させることで温風が送り出される。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】通常、この種の液体燃
料燃焼装置においては、気化器内の温度を均一に保つこ
とにより、気化器内壁での液体燃料の気化を均一にし、
混合ガスの濃度を一定としている。 【０００６】しかしながら、上述した液体燃料燃焼装置
では、燃料パイプ１６の先端部の燃料噴出部１７より噴
出する液体燃料は気化器１３内の温度（約３５０℃）と
比較して低温であるため、噴出する液体燃料によって気
化器１３内に局部的な温度低下が発生する問題があっ
た。これにより、液体燃料の気化に時間がかかるため、
悪臭やタール等の発生の原因となっていた。 【０００７】本発明は、上述した事実に鑑みて成された
ものであり、気化器内の局部的な温度低下を防止するこ
とにより、悪臭やタール等の発生を抑制することを目的
とする。 【０００８】 【課題を解決するための手段】本発明では、前面に温風
吹出口を有する箱状の外装ケースと、この外装ケース内
に設けられた通気室と、この通気室に配置され、気化器
を収容したバーナケース、燃焼筒、熱交換器及び排気フ
ードを順次接続して成る燃焼装置と、前記バーナケース
の下部に設けられて外装ケースの内部を上下に仕切る仕
切板と、前記燃焼装置にて加熱された室内空気を温風吹
出口から吐出させる送風機と、前記燃焼装置に液体燃料
を供給する燃料パイプとを備え、この燃料パイプは、通
気室内の風下側に挿通させるとともに、略Ｌ型を成した
取付金具によって前記バーナケースと仕切板の双方に固
定保持されている構成である。 【０００９】 【作用】このように構成すると、燃料パイプ内を通過す
る液体燃料が燃焼装置からの輻射熱及び燃焼装置で加熱
された室内空気によって温められるため、気化器の局部
的な温度の低下が少なくなり、悪臭やタール等の発生を
抑制できる。しかも、燃料パイプ内を通過する液体燃料
は、バーナケース及び仕切板からの熱伝導によっても温
められるため、その温度を一層上昇させることができ
る。また、燃料パイプは、略Ｌ型を成した取付金具によ
って前記バーナケースと仕切板の双方に固定保持される
ため、回転が規制されて安定的な取り付けが可能にな
る。 【００１０】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。即ち、図１において１は外装ケース、２は外装
ケース１の前面に設けられた温風吹出口、３は外装ケー
ス１内に設けられた通気室、４は通気室３に配置された
燃焼装置であり、この燃焼装置４のバーナケース５に
は、燃焼筒６、熱交換器７及び排気フード８が順次接続
されている。９は前記燃焼装置４で加熱された室内空気
を温風吹出口２から吐出させる送風機、１０はバーナフ
ァンである。 【００１１】また、図２において、１１は前記燃焼装置
４のバーナケース５内に設けられたバーナ本体であり、
このバーナ本体１１は電気ヒ−タ１２と、電気ヒ−タ１
２が埋設された有底円筒状の気化器１３と、この気化器
１３に装着された円板状のバーナプレート２０より成っ
ている。尚、気化器１３は放熱性の良いアルミダイキャ
ストにて成形されており、バーナプレート２０は、ヒー
トショックに強く、かつ、耐衝撃性に優れたペタライト
等のファインセラミックスによって成形されている。バ
ーナプレートには多数の炎孔２１、２１…が周方向に複
数列並べて設けている。また、２２は空気導入口であ
り、この空気導入管２２は外側から内側に向かって漏斗
状に縮小するように形成されてある。２３は燃料ポンプ
（図示せず）から送られた液体燃料（灯油）を気化器１
３内に供給する燃料パイプであり、この燃料パイプ２３
はバーナケース５の周壁を貫通してバーナケース５内に
導入されるとともに、前記空気導入口２２に挿通されて
いる。燃料パイプ２３の先端部には燃料噴出部２４が設
けられ、この燃料噴出部２４先端の噴出口２４Ａは斜め
下向きにして前記気化器１３内部に臨ませている。２
５、２５…は前記気化器１３の内底面の略全域に設けら
れた多数の小突起であり、気化面積を拡大させるもので
ある。 【００１２】２６は空気導入口２２よりも上方の気化器
１３内部に装着した絞り板、２７は絞り板２６の絞り口
２８の下に配置された絞り板２６と一体成形の邪魔板、
２９はバーナケース５の下部に取付けられ外装ケース１
の内部を上下に仕切る仕切板である。 【００１３】上述の構成において、電気ヒータ１２への
通電により、気化器１３が液体燃料の気化温度まで上昇
すると、バーナファン１０及び燃料ポンプ（図示せず）
が作動し、燃料パイプ２３の先端部に設けられた燃料噴
出部２４部より液体燃料が気化器１３内に供給され、空
気導入口２２からは燃焼空気が一次空気として気化器１
３内部に供給される。ここで、気化器１３内部に供給さ
れた液体燃料は、空気導入口２２から噴出する一次空気
流と燃料ポンプの吐出圧との相乗作用で微粒子となって
飛散され、気化器１３の内周面及び内底面の小突起２
５、２５…と接触して気化される。 【００１４】そして、気化ガスと一次空気との混合ガス
は、絞り板２６の絞り口２８を通過する際に均一な混合
状態となり、バーナプレート２０の各炎孔２１、２１…
から上方に噴出し、この噴出した混合ガスは、点火器
（図示せず）の火花放電により着火され、バーナプレー
ト２０上に火炎を形成して燃焼を開始する。一方、バー
ナファン１０より供給された燃焼空気の一部は、二次空
気として火炎の上部に供給され、二次燃焼を促進する。
また、バーナプレート２０上に形成された火炎によって
気化器１３の上部が加熱され、この熱は気化器１３の下
部に伝導して気化部を気化可能温度に維持するため、燃
焼開始から所定時間経過した時点で、電気ヒータ１２へ
の通電は停止されるが、燃焼は継続させることができ
る。 【００１５】熱交換器７の温度上昇を温度センサ（図示
せず）で感知すると、送風機９が作動し、室内空気を通
気室３に取込み、通気室３内で燃焼装置４及び熱交換器
７で熱交換し加熱した後、温風吹出口２から吐出させる
ことで室内に温風を送り出すものである。この時、燃料
パイプ２３は通気室３内の風下側に設置されており、ま
た、バーナケース５の周壁を貫通してバーナケース５内
に導入されるため、燃料パイプ２３内の液体燃料は温風
及び熱交換器７からの輻射熱によって温められると同時
にバーナケース５からの熱伝導により温められ、気化器
１３内に供給されるため、気化器８の局部的な温度の低
下を少なくでき、悪臭やタール等の発生を抑制できる。 【００１６】また、液体燃料燃焼装置の配管取付けにつ
いて説明する。図３は図２における燃料パイプ取付部を
拡大して示すものである。図３において、５はバーナケ
ース、２３は燃料パイプであり、この燃料パイプ２３の
先端部には燃料噴出部２４が設けられている。２９はバ
ーナケース５の下部に取付けられ外装ケース１の内部を
上下に仕切る仕切板、３０は燃料パイプ２３をバーナケ
ース５に取付けるために紐だし加工等により設けられた
ビード部、３１はビード部３０をバーナケース５に固定
する配管取付金具である。 【００１７】配管取付金具３１は、バーナケース５にビ
ス等で固定される取付板３１Ａと、この取付板３１Ａか
らＬ型を成すように下端から延び、仕切板２９に固定さ
れる支持板３１Ｂとからなり、取付板３１Ａには切欠３
２とビス穴３３、３３を備え、支持板３１Ｂには前記切
欠３２と燃料パイプ２３を保持する溝３４を備えてあ
る。また、燃料パイプ２３はビード部３０より上流側を
クランク状にしてある。 【００１８】上述した構成において、ビード部３０がバ
ーナケース５に当るまで燃料パイプ２３をバーナケース
５内に差し込んだ後、燃料パイプ２３のクランク部に取
付板３１Ａに設けられた切欠３２に挿入させるととも
に、取付板３１Ａとバーナケース５との間に燃料パイプ
２３に設けられたビード部３０を挟持し、また、支持板
３１Ｂに設けられた溝３４に燃料パイプ２３の上流側の
一端を保持することで仕切板２９に燃料パイプ２３を接
触固定させ、前記取付板３１Ａに設けられたビス穴３
３、３３にビスを捩込むことにより、燃料パイプ２３を
取付けるものである。 【００１９】これにより、燃料パイプ２３の回転を規制
しつつ固定でき、また、燃料パイプ２３内を通過する液
体燃料は、バーナケース５及び仕切板２９からの熱伝導
によって、ビート部３０及び配管取付金具３１を通して
の広い範囲で直接温められ、液体燃料の温度をより高温
にすることができるため、気化器１３の局部的な温度の
低下を少なくでき、悪臭やタール等の発生を抑制でき
る。 【００２０】 【発明の効果】本発明は以上説明したように、燃料パイ
プは通気室内の風下側に設置され、かつ、バーナケース
の周壁を貫通してバーナケース内に導入されるため、燃
料パイプ内の液体燃料は、温風及び熱交換器からの輻射
熱によって温められて、温度上昇した後に気化器内に供
給されるため、気化器の局部的な温度の低下を減少で
き、悪臭やタール等の発生を抑制できるのはもちろんの
こと、バーナケース及び仕切板からの熱伝導によっても
温められるため、その温度を一層上昇させることが でき
る。また、燃料パイプは、略Ｌ型を成した取付金具によ
って前記バーナケースと仕切板の双方に固定保持される
ため、回転が規制されて安定的な取り付けが可能にな
る。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の一実施例を示す温風暖房機の断面図で
ある。 【図２】同じく温風暖房機の燃焼装置部分を示す拡大断
面図である。 【図３】同じく配管取付金具の取付状態を示す拡大説明
図である。 【図４】従来例を示す温風暖房機の断面図である。 【図５】同じく温風暖房機の燃焼装置部分を示す拡大断
面図である。 【符号の説明】 １ 外装ケース ２ 温風吹出口 ３ 通気室 ４ 燃焼装置 ９ 送風機１３ 気化器 ２３ 燃料パイプ２９ 仕切板 ３１ 配管取付金具（取付金具） ３１Ａ 取付板 ３１Ｂ 支持板 ３２ 切欠 ３３ ビス穴 ３４ 溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉本 実 大阪府守口市京阪本通２丁目18番地 三 洋電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭56−119944（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−8726（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F23D 11/10 F23D 11/40 - 11/44 F24H 3/08

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 前面に温風吹出口を有する箱状の外装ケ
   ースと、この外装ケース内に設けられた通気室と、この
   通気室に配置され、気化器を収容したバーナケース、燃
   焼筒、熱交換器及び排気フードを順次接続して成る燃焼
   装置と、前記バーナケースの下部に設けられて外装ケー
   スの内部を上下に仕切る仕切板と、前記燃焼装置にて加
   熱された室内空気を温風吹出口から吐出させる送風機
   と、前記燃焼装置に液体燃料を供給する燃料パイプとを
   備え、この燃料パイプは、通気室内の風下側に挿通させ
   るとともに、略Ｌ型を成した取付金具によって前記バー
   ナケースと仕切板の双方に固定保持されていることを特
   徴とする温風暖房機。