JP2664362B2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本発明は石油ファンヒータ等の室内開放燃焼式の燃焼
装置に関する。 （ロ） 従来の技術 従来の此種燃焼装置に於て、周側部に炎孔を有するバ
ーナヘッドの外周に位置してバーナ本体の上端部に熱回
収リングを設けると共に、この熱回収リングの環状立壁
とバーナ本体との間の水平部に複数個の小孔を設け、前
記バーナ本体の外周を囲むバーナケース内に導入した二
次空気を、前記小孔を通して炎孔と環状立壁との間に供
給するようにしたものが特開昭60−4713号公報にて周知
となっている。 （ハ） 発明が解決しようとする問題点 上記従来の技術においては、バーナケースの上端部と
熱回収リングの環状立壁との間隔が広い為、通気抵抗の
少ないこの広い間隔をバーナケース内に導入された二次
空気の殆んどが通過し、熱回収リングの水平部に設けた
小孔を通って炎孔と環状立壁との間に供給される二次空
気は僅かな量であり、空気供給路の入口に設けたフィル
ターに目詰りが生じた場合や弱燃焼時において空気供給
量を絞った場合には効率よく二次空気を供給できない欠
点があった。 本発明は上記せる問題点に鑑みて成されたものであ
り、燃焼特性及び燃焼範囲の拡大を一層助長し得る燃焼
装置の提供を目的としたものである。 （ニ） 問題点を解決するための手段 本発明では、バーナ本体と、このバーナ本体の上部に
設けられ、周壁部に炎孔を有するバーナヘッドと、この
バーナヘッドの外周を囲むようにバーナ本体の上端部に
取付けられた熱回収リングと、バーナ本体の外周を囲
み、かつ、内部に二次空気が導入されるバーナケースと
を備え、熱回収リングはバーナケースとバーナヘッドの
間に位置し、かつ、炎孔に対向する環状立壁と、この環
状立壁とバーナ本体との間に位置し、かつ、複数個の小
孔があけられた水平部とを備え、バーナケースに導入さ
れた二次空気を熱回収リングの環状立壁の内側と外側に
沿って流すようにした燃焼装置において、バーナケース
の上端部に熱回収リングの環状立壁に向かう内向き壁を
設け、この内向き壁と環状立壁との間には環状小透間が
形成されている構成である。 （ホ） 作用 バーナケース（24）とバーナ本体（９）との間隔内に
導入された二次空気は、バーナケース（24）の上端部に
設けた内向き壁（25）が通気抵抗となって小孔（23）
（23）を通過する量が増加し、炎孔（21）と環状立壁
（22C）との間に効率よく多量の二次空気を供給でき
る。又、内向き壁（25）と環状立壁（22C）との間の環
状小透間（26）より、環状立壁（22C）の外側面に沿っ
てエアーカーテン状に空気が噴出するので、環状立壁
（22C）が異常に加熱されて熱変形するのを防止できる
と共に炎の広がりを効果的に抑制できる。 （ヘ） 実施例 以下本発明の一実施例を図に基づいて説明する。図
中、（１）は給気ファン（２）及びバーナモータ（３）
を内蔵せる給気ケースで、該給気ケース（１）の下部外
周にはフィルター（図示せず）を介して室内空気を給気
ケース（１）内に導入する給気パイプ（４）が連結して
ある。又、前記給気ケース（１）は上体（1A）と下体
（1B）とを互いの開口端側を接合してなり、下体（1B）
には仕切板（５）が嵌合してある。（６）は前記上体
（1A）の上部略中央部に開設した一次空気孔、（７）
（７）…は一次空気孔（６）の外側に環状に列設した複
数の二次空気孔、（８）（８）…は一次空気孔（６）を
中心として上体（1A）の上部内面に放射状に垂下した複
数個の円弧状整流羽根である。 （９）は断熱材（10）を介して前記給気ケース（１）
上に連通連結したバーナ本体で、周壁にシーズヒータ
（11）を埋設している。（12）は燃料供給管（13）から
供給される燃料を遠心力にてバーナ本体（９）の気化室
（14）内に噴霧する露化器で、前記バーナモータ（３）
のモータ軸（15）に直結している。又、前記燃料供給管
（13）は汲上げ量を多段階に可変できる電動ポンプ（1
6）を介してレベラー等の貯油槽（17）と連通してい
る。更に前記バーナモータ（３）は直流電源電圧を変え
ることによりその回転数をリニヤに或いは多段階に可変
できるDCモータを使用しており、このバーナモータ
（３）の回転数と比例して前記電動ポンプ（16）の汲上
げ量を可変させることにより燃焼量を変えることができ
る。（18）は前記バーナ本体（９）の上部開口に配設し
た絞り板、（19）は該絞り板（18）の上方からバーナ本
体（９）の上部開口に装着したバーナヘッドで、その周
壁部には金網（20）を添設した複数個の炎孔（21）（2
1）…が形成され、気化室（14）より送られた混合ガス
を側方に噴出させるようになっている。 （22）は嵌合部（22A）を前記バーナ本体（９）の上
端部外周に嵌着したステンレス鋼板製の熱回収リング
で、複数個の小孔（23）（23）…を穿設した水平部（22
B）の外周縁には炎孔（21）と対向して炎孔（21）の周
囲を囲む環状立壁（22C）を形成している。 （24）はバーナ本体（９）の外周を囲むバーナケース
で、前記断熱材（10）を介して給気ケース（１）上に固
定したケース下体（24A）と該ケース下体（24A）の上部
開口に連結したケース本体（24B）とから成り、このバ
ーナケース（24）とバーナ本体（９）との間隔内には前
記二次空気孔（７）（７）…を通して燃焼二次空気が導
入される。又、前記ケース上体（24B）はその上端部全
周に、前記熱回収リング（22）の環状立壁（22C）に向
って内向き壁（25）が折曲形成され、該内向き壁（25）
の内側端と環状立壁（22C）との間には幅ｔが約1.5〜3m
mの環状小透間（26）を形成している。そして、この環
状小透間（26）からは環状立壁（22C）の外側面に沿っ
て二次空気が噴出するようになっている。 （27）は炎孔（21）より噴出する混合ガスに点火する
点火プラグ、（28）は炎孔（21）に形成される炎（29）
を検知するフレームロッド、（30）は燃焼筒である。 上記構成において、燃料供給管（13）から供給された
燃料は霧化器（12）の遠心力によって気化室（14）内に
飛散されて気化され、その気化ガスは給気ファン（２）
の回転によって一次空気孔（６）より気化室（14）内に
圧送される一次空気と気化室（14）内で予混合し、その
混合ガスは絞り板（18）を通ってバーナヘッド（19）内
に流入し、周壁部の炎孔（21）から側方へ噴出した際に
点火プラグ（27）の火花放電によって着火され、炎（2
9）を形成して燃焼する。そして炎（29）が環状立壁（2
2C）を加熱することによって、この熱回収リング（22）
の熱がバーナ本体（９）側に伝導し、シーズヒータ（1
1）への通電を停止しても気化を継続できる。 一方、二次空気孔（７）（７）…からバーナケース
（24）内に導入された二次空気は、バーナケース（24）
上端部に設けた内向き壁（25）が通気抵抗となって小孔
（23）（23）…を多量に通過し、炎孔（21）と環状立壁
（22C）との間隔内に流入する二次空気量を適度に増加
できて二次燃焼を大幅に促進できる。 更にバーナケース（24）内に導入された二次空気の残
りの一部は、環状小透間（26）を通り、環状立壁（22
C）の外側面全周に沿って上昇し、環状立壁（22C）を冷
却しつつエアーカーテン状に噴出し、炎（29）の広がり
を抑制する。 （ト） 発明の効果 本発明は以上の如く構成したものであるから、下記に
列挙したような効果を奏する。 バーナケースの上端部に熱回収リングの環状立壁に
向う内向き壁を形成したので、内向き壁がバーナケース
と熱回収リング間の通気抵抗を増大させることによって
環状立壁と炎孔との間に供給する二次空気量を増加で
き、燃焼特性及び燃焼範囲の拡大を一層助長できる。 バーナケース上端部の内向き壁と環状立壁との間に
環状小透間を形成したので、環状立壁の外側面に沿って
エアカーテン状に空気を噴出させることができ、環状立
壁の異常加熱による熱変形を防止できると共に、炎の広
がりを効果的に抑制できて燃焼筒を保護できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は第２図の要部拡大断面図、第２図は本発明の一
実施例である燃焼装置の断面図を示す。 （９）……バーナ本体、（19）……バーナヘッド、（2
1）……炎孔、（22）……熱回収リング、（22B）……水
平部、（22C）……環状立壁、（23）……小孔、（24）
……バーナケース、（25）……内向き壁、（26）……環
状小透間。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．バーナ本体と、このバーナ本体の上部に設けられ、
   周壁部に炎孔を有するバーナヘッドと、このバーナヘッ
   ドの外周を囲むようにバーナ本体の上端部に取付けられ
   た熱回収リングと、バーナ本体の外周を囲み、かつ、内
   部に二次空気が導入されるバーナケースとを備え、熱回
   収リングはバーナケースとバーナヘッドの間に位置し、
   かつ、炎孔に対向する環状立壁と、この環状立壁とバー
   ナ本体との間に位置し、かつ、複数個の小孔があけられ
   た水平部とを備え、バーナケースに導入された二次空気
   を熱回収リングの環状立壁の内側と外側に沿って流すよ
   うにした燃焼装置において、バーナケースの上端部に熱
   回収リングの環状立壁に向かう内向き壁を設け、この内
   向き壁と環状立壁との間には環状小透間が形成されてい
   ることを特徴とする燃焼装置。