JPH0255679B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、比較的小型の携帯用電源として使用
される携帯発電機に関するものである。

［従来の技術］ エンジンで駆動される比較的小型の携帯発電機
は、屋外、屋内においての作業、レジヤー等に使
用されているが、周囲環境への配慮から運転音を
なるべく低く抑えるために、機器全体を防音用の
カバーで覆つたものも多い。

［発明が解決しようとする課題］ この種の全体がカバーで覆われる形式の携帯発
電機においては、メンテナンスを行う場合にカバ
ーを取り外す必要があるが、全周を覆うカバーの
全てを取り外すのでは、カバーの脱着が面倒、煩
雑であり、メンテナンス上たいへん不便である。
これに対して、カバーの一部を取り外し得るよう
にして、この取り外した部分から各機器について
のメンテナンスを行うように構成した場合、この
種の携帯発電機は小型化を図るべく実装密度を高
めるように構成されている点もあつて、メンテナ
ンス作業がたいへんやりにくくなる等改善の余地
がある。

そこで本発明の目的は、後カバーを取り外すだ
けで、機器のメンテナンスが容易に行えるように
した携帯発電機を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 以上の課題を解決すべく本発明は、エンジン及
びこのエンジンで駆動される発電機を支持する底
カバーと、前記エンジン及び発電機の長手方向一
側方へ膨出形状に形成した前カバーと、前記エン
ジン及び発電機の他側方へ膨出形状に形成した後
カバーとで前記エンジン及び発電機全体を覆うケ
ースを形成すると共に、前記エンジンのシリンダ
部分を前記後カバー方向に傾斜させて配設し、前
記シリンダ側にエアクリーナ、気化器、マフラか
らなる吸排気補機部品を並設するとともに、操作
系は前記前カバー側に全て配設し、後カバーを合
成樹脂で形成して前カバー及び底カバーに対し前
記エンジン及び発電機の側面部分で着脱自在に接
合固定し、この後カバーを外した状態で前記シリ
ンダのヘツド部分及び前記吸排気補機部品のそれ
ぞれが露出するように構成したことを特徴とす
る。

実施例においては、前記底カバーは、鋼板素材
のプレス成形品で形成され、前記前カバーは、ア
ルミニウム合金のダイカスト鋳造品で形成されて
いる。

［作用］ 携帯発電機のケースは、エンジン及び発電機を
支持する底カバーと、そのエンジン及び発電機の
長手方向一側方へ膨出形状の前カバーと、エンジ
ン及び発電機の他側方へ膨出形状の後カバーとの
三分割で構成され、底カバー及び操作系の全てを
配設した前カバーに対して、エンジン及び発電機
の側面部分で着脱自在に接合固定した後カバーを
取り外すことで、エンジンの後傾したシリンダ部
のヘツド部分と、これに並設したエアクリーナ、
気化器、マフラからなる吸排気補機部品が露出状
態となる。

つまりエンジン及び発電機を支持する底カバー
と操作系の全てを配設した前カバーとで防音用の
カバーの主要筐体部分を形成しておき、後カバー
はこの主要筐体部分に対する蓋的な機能を持たせ
るようにしている。そしてこのように単なる蓋的
な機能しか有していない後カバーを外すだけで、
シリンダヘツド部分の点火プラグ、エアクリー
ナ、気化器、マフラ等が露出するため、これらに
対するメンテナンスが容易に行える。

そしてシリンダ部分及びマフラ等の発熱部は後
カバー部分に集められるが、この部分を覆う後カ
バーが合成樹脂製であり、金属に比べ遮熱効果に
優れるので、外部から後カバーに触れた際の接触
物への熱的影響も少ない。

尚、例えば鋼板素材のプレス成形品で底カバー
を形成することにより、エンジン及び発電機等の
重量物の支持を強固にして安定・確実化でき、ま
たアルミニウム合金のダイカスト鋳造品等の重厚
な成形によつて前カバーを形成することにより、
優れた防音性、あるいは操作系の取付精度が得ら
れる。

［実施例］ 以下に添付図面を基に本発明の好適一実施例を
説明する。

第１図は本発明に係る携帯発電機の正面図を、
第２図は同側面図を、第３図は後カバーを取り外
した状態の背面側からの斜視図を、第４図はカバ
ーのみの縦断側面図を示し、第５図乃至第８図で
その内部機器を示した。

携帯発電機１は、その全周外側を覆う防音カバ
ーとして、基台をなす底カバー２と前カバー３及
び後カバー４を備え、前カバー３及び後カバー４
は底カバー２上に固定される。これら前カバー３
及び後カバー４は、両側面の前後方向中間部及び
上面の前後方向中間部で前後に分割可能であり、
特に後カバー４が底カバー２及び前カバー３から
取り外し自在に構成されている。

基台をなす底カバー２は、鋼板素材のプレス成
形品で形成され、左右方向が前後方向より長い皿
状をなす。この底カバー２は、水平な底板２０１
と、これの四周から上方に起設された周枠２０２
を備え、この周枠２０２の後面部２０２Ａの中間
部から一側寄り部、具体的には、エンジン５が上
方に臨む部分にはスリツトからなる外気取入部２
０３を設ける。

この底カバー２の底板２０１上には、エンジン
５及び発電機６をそれの軸方向が長さ方向である
左右方向を向くように取付支持する。エンジン５
は、下位のクランクケース５０１、これの上のシ
リンダブロツク５０２、これの上のシリンダヘツ
ド５０３及びシリンダヘツドカバー５０４を備え
る。シリンダブロツク５０２、シリンダヘツド５
０３及びシリンダヘツドカバー５０４からなるシ
リンダ部は、後上傾する如く傾斜して配設されて
おり、シリンダヘツド５０３は、前カバー３より
も後方に臨む。

第３図において、シリンダ部の手前に気化器５
０５を配設し、更にその手前にエアクリーナ５０
６を配設し、これら吸気補機部品をなす気化器５
０５及びエアクリーナ５０６は、前カバー３の後
方に臨む。

シリンダヘツド５０３の一部から後下方に排気
管５０７が延出され、発電機６の後方に配設され
たマフラ５０８に排気管５０７が接続され、排気
補機部品をなすマフラ５０８は、前カバー３の後
方に臨み、且つその高さ方向の中間部から下部に
わたつて設けられる。このマフラ５０８の上方に
排気及び前記外気取入部２０３から取り入れた冷
却風の集合チヤンバ５０９が設けられ、この集合
チヤンバ５０９は、マフラ５０８の上方に臨んで
ボツクス状をなし、後面にスリツト状の排気口５
１０を備える。これらは底カバー２の周枠２０２
上に臨む。

前カバー３は、アルミニウム合金のダイカスト
鋳造品で形成され、前片３０１、左右の側片３０
２，３０３、前片上方の傾斜片３０４及び上片３
０５からなる。前片３０１と左右の側片３０２，
３０３の下部が、底カバー２の周枠２０２の上部
前面及び両側面に結合され、側片３０２，３０３
は、底カバー周枠２０２の両側面上部の前後方向
中間部まで達し、シリンダ部５０２，５０３，５
０４、気化器５０５、エアクリーナ５０６、排気
管５０７及びマフラ５０８は、前カバー３の側片
３０２，３０３よりも後方に臨む。

この前カバー３左右の側片３０２，３０３は、
第１図のように前片３０１の最前部が幅狭となる
如く傾斜し、前片３０１上方の傾斜片３０４は、
前下傾している。一方の側片３０２の上部には、
エンジン運転・停止操作用ノブ５１１が配設さ
れ、前片３０１上方の傾斜片３０４には、エンジ
ン運転・停止操作用ノブ５１１に近い側に開口５
１２を設けて、この開口５１２にリコイルスター
タノブ５１３を臨ませる。更に前片３０１上方の
傾斜片３０４の中間部には、左右にパイロツトラ
ンプ、安全スイツチ、計器等の操作系表示部６０
１を設け、他方の側片３０３の上部には、コンセ
ント等の出力部６０２を設ける。

このように操作系は、前カバー３の上部前面側
に向けて全て配設されており、従つて見やすく、
操作しやすいものとなつている。

そして前カバー３の上片３０５の上方には、そ
の長さ方向と平行する如く把手３０６を設け、こ
の把手３０６の両端部３０７，３０７が垂下され
て上片３０５の両側上方に連結されている。この
把手３０６は、前カバー３と一体成形されたもの
でも、或いは別体に成形して結着一体化したもの
でも良い。

尚、図中、３０８は、傾斜片３０４の下部に設
けたガード、３１２は、側片３０３の下部に設け
た交流ターミナルである。

更に前カバー３の前片３０１上方の傾斜片３０
４の背面には、上片３０５、底片３０９及び一方
の側片３０２、中間部の隔片３１０で囲まれて後
方に開放された空所３１１を設け、この部分に前
方へ開放した凹部材７０１を夫々の開放端を突き
合わせる如く接着等して一体化し、燃料タンク７
を形成する。燃料タンク７は、凹部材７０１部分
が、前カバー３の上部後方でエンジン５、気化器
５０５、エアクリーナ５０６の上方に突出する。
この燃料タンク７の凹部材７０１の上面７０２に
は、給油口７０３が突出し、図示せぬキヤツプで
開閉される。

底カバー２の後部上で前カバー３の後方に露出
したエンジン５、気化器５０５、エアクリーナ５
０６、マフラ５０８及び排気集合チヤンバ５０９
は、後カバー４で覆われる。

この後カバー４は、後片４０１、左右の側片４
０２，４０３、上片４０４を備え、耐熱性の合成
樹脂で成形されている。上片４０４の一側寄り部
には、前カバー３の上片３０５の接合縁方向に開
放された燃料タンク給油口７０３を受容する凹部
４０５を設け、また後片４０１の他側寄り部の上
部には、排気集合チヤンバ５０９の後面５０９Ａ
と嵌合する窓４０６を設ける。

他方において、前カバー３の上片３０５の接合
後縁の一側寄り部には、後方に突出する取付片３
１２を設け、また燃料タンク上面７０２の他側寄
り部には、上方に突出する取付ボス部７０４を設
ける。一方、底カバー２の周枠２０２の両側部２
０２Ｂには、前カバー２との接合部近傍に取付片
２０４を設ける。更に後カバー４には、各取付片
３１２，２０４及び取付ボス部７０４と対応する
部分に取付孔４０７…を設けておく。

そして後カバー４を、その左右の両側片４０
２，４０３及び上片４０４が、前カバー３の両側
片３０２，３０３及び上片３０５と夫々当接する
如くかぶせ、各取付片３１２，２０４及び取付ボ
ス部７０４に取付孔４０７…でビス８…により結
着する。

これにより機器全体を底カバー２と前カバー３
及び後カバー４で覆つた防音型の携帯発電機１が
構成され、排気集合チヤンバ５０９の排気口５１
０が後カバー４の窓４０６から露出する。

そして後カバー４を取り外した状態において、
第３図に示す通り、エンジン５の後傾したシリン
ダ部５０２，５０３，５０４と、これに接続レイ
アウト上の面からも有利に並設した気化器５０
５、エアクリーナ５０６、排気管５０７及びマフ
ラ５０８が露出状態となる。

［発明の効果］ 以上のように本発明の携帯発電機によれば、エ
ンジン及び発電機を支持する底カバーと、エンジ
ン及び発電機の長手方向一側方へ膨出形状の前カ
バーと、エンジン及び発電機の他側方へ膨出形状
の後カバーとの三分割構造によるケースを構成す
るとともに、底カバー及び操作系の全てを配設し
た前カバーに対して、後カバーをエンジン及び発
電機の側面部分で着脱自在に接合固定するように
構成し、この後カバーを取り外した状態でエンジ
ンの後傾したシリンダ部分と、これに並設したエ
アクリーナ、気化器、マフラからなる吸排気補機
部品が露出状態となるため、操作系に影響のない
後カバーを外すだけで、シリンダ部分（点火プラ
グ等）、エアクリーナ、気化器、マフラ等に対す
るメンテナンスを容易に行うことができる。

またエンジン及び発電機を支持する底カバーと
操作系の全てを配設した前カバーとで防音用のカ
バーの主要筐体部分を形成しているため、後カバ
ーを外した場合でも十分な強度を確保することが
でき、また持ち運び用の把手を取り付けるについ
ても、前カバーと一体あるいはこれに直接取り付
けることができる。

しかもシリンダ部分及びマフラ等の発熱部は後
カバー部分に集められるが、この部分を覆う後カ
バーが合成樹脂製であり、金属に比べ遮熱効果に
優れることから、外部から後カバーに触れた際の
接触物への熱的影響も少ない。

また実施例のように、例えば鋼板素材のプレス
成形品で底カバーを形成することにより、エンジ
ン及び発電機等の重量物の支持を強固にして安定
化・確実化できるものであり、またアルミニウム
合金のダイカスト鋳造品等の重厚な成形によつて
前カバーを形成することにより、優れた防音性、
操作系の取付精度が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る携帯発電機の正面図、第
２図は同側面図、第３図は後カバーを取り外した
状態の斜視図、第４図はカバーのみを縦断側面
図、第５図は内部機器を示す縦断背面図、第６図
はその縦断一側面図、第７図は同縦断他側面図、
第８図は同横断平面図である。 尚、図面中、１は携帯発電機、２は底カバー、
３は前カバー、４は後カバー、５はエンジン、６
は発電機、３０６は把手、５０２，５０３，５０
４はシリンダ部、５０５，５０６は吸気補機部品
（気化器及びエアクリーナ）、５０８は排気補機部
品（マフラ）、５１１，５１３，６０１，６０２
は操作系部品である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エンジン及びこのエンジンで駆動される発電
   機を支持する底カバーと、前記エンジン及び発電
   機の長手方向一側方へ膨出形状に形成した前カバ
   ーと、前記エンジン及び発電機の他側方へ膨出形
   状に形成した後カバーとで前記エンジン及び発電
   機全体を覆うケースを形成するとともに、前記エ
   ンジンのシリンダ部分を前記後カバー方向へ傾斜
   させて配設し、前記シリンダ側にエアクリーナ、
   気化器、マフラからなる吸排気補機部品を並設す
   るとともに、操作系は前記前カバー側に全て配設
   し、後カバーを合成樹脂で形成して前カバー及び
   底カバーに対し前記エンジン及び発電機の側面部
   分で着脱自在に接合固定し、この後カバーを外し
   た状態で前記シリンダのヘツド部分及び前記吸排
   気補機部品のそれぞれが露出するように構成した
   ことを特徴とする携帯発電機。 ２ 前記底カバーは、鋼板素材のプレス成形品で
   形成し、前記前カバーは、アルミニウム合金のダ
   イカスト鋳造品で形成したことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の携帯発電機。