JPS6228683Y2

JPS6228683Y2 -

Info

Publication number: JPS6228683Y2
Application number: JP1982071612U
Authority: JP
Priority date: 1982-05-17
Filing date: 1982-05-17
Publication date: 1987-07-23
Also published as: JPS58173756U

Description

【考案の詳細な説明】本考案はエンジンシリンダの吸気部にインシユ
レータを介して気化器を装着し、上記気化器にエ
アクリーナを連着した構成のエンジンの吸気部構
造に関するものである。

この種の吸気部構造では、インシユレータによ
つてエンジンシリンダから気化器に向けて伝わる
熱の遮断が行なわれているが、エアクリーナカバ
ーとシリンダとの間の空気を介して熱せられ、ま
た輻射熱で気化器が熱せられ、更にはエアクリー
ナも熱せられ、ベーパロツクを起すことがある。
また、最近は、気化器が樹脂で作られるものが多
いが、この場合には、熱せられると、エンジンと
の組付けにゆるみを生ずる欠点がある。また、エ
アクリーナカバーを大きくして、エアクリーナと
一緒に気化器もカバーすることができるが、この
場合には、収容空間内温度が上昇し、吸入空気密
度を低下させ、エンジン出力の低下の原因とな
る。

本考案は、上記事情にもとずいてなされたもの
で、エンジンシリンダと気化器およびエアクリー
ナ側とを熱的に遮断する遮熱板を、上記シリンダ
と気化器との接続に使用するインシユレータと一
体的に構成し、上記遮熱板とエアクリーナカバー
とで構成された空間内に上記気化器、エアクリー
ナを収容するようにして、シリンダからの熱的影
響を除去し、エアクリーナ、気化器を充分、保護
被覆した状態でも、エンジン機能を良好に保つな
どの利益が得られるようにしたエンジンの吸気部
構造を提供しようとするものである。

以下、本考案を図示の実施例にもとづいて具体
的に説明する。図において、符号１は、背部にフ
アンスクロール部１ａおよび冷却風取入口１ｂを
一体的に構成したクランクケースであり、左側に
は、保持突起１ｃが設けてある。また、クランク
ケース１の正面部には、始動操作用把手２ａを備
えたリコイルスタータ２が配置されている。上記
クランクケース１の上にはエンジンシリンダ３が
設けてあり、シリンダ３は、放熱フイン３ａをシ
リンダ壁３ｂの外側に多数形成していて、燃焼室
３ｃ内での混合気燃焼によつて生ずる熱を空冷に
よつて外部に放出できるようにしている。上記シ
リンダ３の左側には吸気管３ｄが一体的に構成さ
れていて、その中の吸気通路３ｅはシリンダ内壁
に開口した吸気口３ｆを介してシリンダ３内に連
通されている。そして、図示しないピストンは上
記シリンダ３内で上下に往復動され、ピストンに
コネクチングロツドを介して連繋されたクランク
軸は公知のように、クランクケース１内に配設さ
れる。上記クランク軸にはフライホイールを兼ね
たフアンホイール４が設けられており、これを取
囲むようにして上記エンジンの背部にはフアンカ
バー５が装着されている。そして、上記フアンカ
バー５には、作業機（図示せず）に接続するため
の取付け座５ａが用意されている。また、上記フ
アンカバー５の頂部には点火栓用のガード５ｂが
一体的に構成されており、シリンダ３の正面には
排風口６ａを開口したシリンダカバー６が装着さ
れている。また、上記シリンダカバー６の頂部に
は点火栓取付け部を被覆保護する膨出部６ｂが形
成されてい。また、符号７は、エンジンの腰部に
装着された燃料タンクであり、その燃料注入口は
正面一側にあり、キヤツプ７ａが着脱自在に装着
してある。また、エンジン下部には、板材で構成
したスタンド８が装着されている。シリンダ３の
頂部には点火栓９が装着され、また、右側にはマ
フラー１０が装着されている。

そして、本考案では、とくに、吸気管３ｄの外
端に、吸気通路３ｅと連通する吸気路１１ａを有
するインシユレータ１１が配置され、上記吸気路
１１ａを介して吸気通路３ｅと連通する気化器１
２が共締めボルトにて、上記インシユレータ１１
を間にしてシリンダ３に接続されている。そし
て、上記インシユレータ１１には、板状の遮熱板
１６が一体的に構成されており、上記遮熱板１６
は、気化器１２およびその上に配置されたエアク
リーナ１３と、上記エンジン側とを物理空間的に
遮断している。上記気化器１２およびエアクリー
ナ１３はエアクリーナカバー１４で被覆され、上
記エアクリーナカバー１４と遮熱板１６とで囲ま
れた収容空間に収容されていて、外部から保護さ
れている。

上記遮熱板１６には、気化器１２側に突出する
周壁部１６ａがあり、その下縁部には係合孔１６
ｂが穿つてあつて、これには、エアクリーナカバ
ー１４の開口周縁の下縁部に設けた係合突起１４
ａが嵌脱可能に係合されている。また、上記遮熱
板１６の頂部には舌片１６ｃが形成されていて、
ここには係合孔１６ｄが形成されており、対応す
るエアクリーナカバー１４の開口周縁の上縁部に
は舌片１４ｂが形成され、そこに設けた係合突起
１４ｃを上記係合孔１６ｄに嵌脱自在に係合させ
ている。上記係合突起１４ｃは、係合突起１４ａ
を係合孔１６ｂに嵌入した状態でエアクリーナカ
バー１４を遮熱板１６側に押圧する時、舌片１４
ｂを撓ませながら、係合突起１４ｃを係合孔１６
ｄに嵌入させるためにガイド傾斜面１４ｄを具備
しており、また、エアクリーナカバー１４の頂部
には、舌片１６ｃをうけ入れるＵ字形の突提１４
ｅが一体に形成されている。また、エアクリーナ
カバー１４内において、エアクリーナ１３のクリ
ーナエレメント１３ａを、通気筒１３ｂに嵌装し
た状態で保持するために、両側に嵌合縁１７ａを
形成した延出板１７が上記遮熱板１６に対して一
体的に構成されている。なお、図中、符号はスト
ツプボタンである。また、上記遮熱板１６の背面
下部には前記突起１ｃに近接しており、また、背
面上部には、シリンダカバー６に近接する突条１
６ｅが設けてあり、たとえ、エアクリーナカバー
１４を介して機械的衝撃が遮熱板１６に加わつて
も、大きく撓んで破損されるのを防止している。

このような構成では、上記遮熱板１６はインシ
ユレータ１１と一体的に構成されることで、エン
ジン側にとりわけて取付け部を構成する必要がな
く、エアクリーナカバー１４と共に、堅固な函形
を構成できる。したがつて、機械的衝撃に対して
は、エアクリーナ１３、気化器１２を保護すると
ともに、エンジン側に対して、上記エアクリーナ
１３および気化器１２を物理空間的に遮断するこ
ととなる。また、エアクリーナカバー１４は上記
遮熱板１６に対して着脱可能である。

その結果、本考案では次のような作用効果が得
られる。

１気化器およびエアクリーナは遮熱板により物
理空間的にエンジン側と遮断されるため、気化
器、エアクリーナがエンジン側の熱的影響を免
れるから、ベーパロツクを起すことがなく、導
入空気が高温化されないので、これが原因とな
るエンジン出力の低下をもたらさない。

２気化器が樹脂製であつても、エンジン側から
の輻射熱などによる影響が、上記遮熱板で除か
れるから、熱せられることによつて起る組み付
けのゆるみなどが起らない。

３遮熱板は、気化器と吸気管との間に設けられ
るインシユレータと一体的に構成されること
で、部品点数を増すことなく、また、組立工数
も特に増すわけでなく、それでいて、上記のよ
うな効果が得られる。

４エアクリーナカバーが遮熱板に対して着脱自
在であるから、エアクリーナの点検、清掃が容
易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す正面図、第
２図は同背面図、第３図は一部を縦断して示した
正面断面図、第４図は一部平面図、第５図は遮熱
板とエアクリーナカバーの接続構造を示す分解平
面図である。３……シリンダ、１１……インシユレータ、１
２……気化器、１３……エアクリーナ、１４……
エアクリーナカバー、１６……遮熱板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンジンシリンダの吸気部にインシユレータを
介して気化器を装着し、上記気化器にエアクリー
ナを連着したものにおいて、上記エンジンシリン
ダ側と気化器およびエアクリーナ側とを熱的に遮
断する遮熱板を上記インシユレータに対して一体
的に構成し、上記エアクリーナを覆うエアクリー
ナカバーを上記遮熱板に着脱可能に装着し、上記
遮熱板およびエアクリーナカバーで形成された収
容空間内に上記気化器およびエアクリーナを収容
してなることを特徴とするエンジンの吸気部構
造。