JPH0254787A - 合金鉄鋼帯の脱スケール方法及び装置 - Google Patents

合金鉄鋼帯の脱スケール方法及び装置

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JPH0254787A
JPH0254787A JP20464788A JP20464788A JPH0254787A JP H0254787 A JPH0254787 A JP H0254787A JP 20464788 A JP20464788 A JP 20464788A JP 20464788 A JP20464788 A JP 20464788A JP H0254787 A JPH0254787 A JP H0254787A
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descaling
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alloy steel
scale
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Kazuo Sakurai
一生 桜井
Koji Goto
宏二 後藤
Akimasa Fujita
藤田 昭正
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23GCLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
    • C23G1/00Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts
    • C23G1/02Cleaning or pickling metallic material with solutions or molten salts with acid solutions
    • C23G1/08Iron or steel
    • C23G1/086Iron or steel solutions containing HF

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スケール除去に使用される薬液の管理及びそ
の廃液処理が簡単であり、スケール除去能力が大きくて
ラインスピードを高速化しても追従可能であり、ライン
で発生する廃液やスラッジについて環境汚染などの公害
上の問題も無く、そして何よりも最終製品の表面品質を
良好にさせる少なくともニッケル及び/又はクロムを含
有する合金鉄鋼帯の脱スケール方法及び装置に関するも
のである。
〔従来の技術〕
少なくともニッケル及び/又はクロムを含有する合金鉄
鋼帯の代表的なものと言えるJIS G 4306「熱
間圧延ステンレス鋼帯」に規定される熱間圧延ステンレ
ス鋼帯製品は、一般に熱間圧延されたステンレス鋼帯を
素材としてこれを焼鈍などを含む熱処理、Wi洗又は;
の酸洗に準じる処理を施すために一連のライン化された
焼鈍酸洗工程を通板されて製造されている。そして、こ
の焼鈍酸洗工程を経て製造された熱間圧延ステンレス鋼
帯を剪断してJIS G 4304 r熱間圧延ステン
レス鋼板」に規定される熱間圧延ステンレス鋼板製品が
製造されている。
また、JIS G 4307 r冷間圧延ステンレス鋼
帯」に規定されるNa2O,Nα2B、N13.Nα4
.BA等の各種表面仕上の冷間圧延ステンレス鋼帯製品
は、前記焼鈍酸洗工程を経て製造された熱間圧延ステン
レス鋼帯を素材とし、これをそれぞれライン化された冷
間圧延工程、焼鈍酸洗工程を必要に・応じて繰り返し通
板し、しかもこれらの工程間にあって素材表面の残存ス
ケールや地疵を除去するために必要に応じてライン化さ
れた中間研磨工程に通板され、更にWR質圧延工程、剪
断や裁断処理等がなさ九る精整工程を経て製造されてい
る。そして。
このようにして製造された冷間圧延ステンレス鋼帯を剪
断してJIS G 4305 r冷間圧延ステンレス鋼
板」に規定される冷間圧延ステンレス鋼板製品が製造さ
れているのである。
以上に述べた如く、ステンレス鋼帯製品及び同鋼板製品
等の合金鉄の製品は、熱間圧延、この熱間圧延後の焼鈍
を含む熱処理及び冷間圧延により加工硬化された素材の
軟化焼鈍等が施されるので、程度の差こそあれその都度
その素材表面に主としてFeやCrなどの酸化物から成
るスケールが生成す″る。この素材表面に生成したスケ
ールを完全に除去して各工程を推進しないと良好な表面
品質の最終製品を得ることが出来ないので、その都度脱
スケール処理が施されるのである。
しかしながら、合金鉄鋼帯、特にステンレス鋼帯等の素
材表面に生成するスケールは、一般に緻密なために非常
に除去困難である。そこでこの合金鉄鋼帯の素材表面に
生成するスケールの脱スケールに関して、従来から種々
な脱スケール方法が実施されたり提案されたりしている
先ず、古くから最も基本的で且つ広〈実施されてきた処
理方法は、硫酸、硝酸、塩酸、弗酸又はこれらを混合し
た混酸薬液で処理して脱スケールを行うもので、均一で
適度の不動態化処理を施す酸洗処理であった。また、こ
れらの酸洗液に第二鉄塩を含有せしめた処理液に合金鉄
鋼帯を浸漬せしめて脱スケール効果を向上させる処理方
法も近年開示されている。
しかしながら、この酸洗処理のみによる処理方法では、
合金鉄鋼帯を高速処理して生産性を向上せしめ尚且つ完
全な脱スケール処理を行い、最終製品として表面品質の
良好なものを得るという要求に対応し切れなくなり、こ
の酸洗処理の前に。
機械的、化学的又はこれらを組合せた前処理が併用され
るようになってきたのである。その機械的前処理として
は、酸洗処理に先立ってショツトブラストやスケールブ
レーカ−などによってスケール層に亀裂を生じさせて酸
洗処理での脱スケールを容易にする処理方法であり、化
学的前処理としては、溶融苛性アルカリ処理やNa2S
O4を電解質とする水溶液中での陽極電解等の化学的処
理によって一部の成分を変質させてスケールの組成や金
属素地との結合力を弱める処理方法である。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述のようなショツトブラストやスケールブレーカ−等
の機械的前処理にあっては1合金鉄鋼帯の素地に圧痕を
残したり加工硬化を起こさせたりする欠点を有していた
。一方の溶融苛性アルカリ処理等の化学的前処理にあっ
ては、溶融苛性アルカリが高粘性であることから高速化
によって液持出し量が大きくなり、ワイピング装置を使
用しても速度に追従して液持出し量の増加を防止するこ
とが困難でコスト高となる欠点があった。また、」二記
の前処理は高速化することが回連であることからその脱
スケール能力を弱体化して高速化せしめることが出来ず
、その弱体化分を補足し強化するために酸濃度及び液温
を上げて酸洗を行う方法も採られるが、その場合には酸
洗液の老化が早まる結果、酸濃度管理、追酸、廃液処理
等にかがる労力、費用が多大のものとなる欠点があった
。更に、 Na2SO4を電解質とする水溶液中での陽
極電解による化学的前処理にあっては、スケール量の比
較的少ない冷間圧延材にあっては効果があるが。
スケール量の多い熱間圧延材に対しては効果が少なく、
しかも合金鉄がクロムを含有する場合にはCr″6イオ
ンを溶出させるのでその廃液処理が公害防止」二甚だ厄
介であった。従ってNa、 SO4水溶液中での電解に
よる前処理においても熱間圧延材に対しては高速化し雅
い上、熱間、冷間いずれの圧延材に対しても高速化した
場合はそれだけCr+Gイオン溶出量が増して電解液の
老化を早めると共にその処理が一層厄介となる欠点があ
った。
このように丁寧に低速で行ってこそ良い結果を得る脱ス
ケールとその高速化とは上記の如〈従来両立し難いもの
であった。
そこで本発明は、熱間圧延材及び冷間圧延材のいずれの
合金鉄鋼帯においても前処理におけるスケール除去能力
が大きく、従って高速化が可能で且つ廃液処理の問題が
少なく、しかも表面品質の優れた合金鉄鋼帯が得られる
脱スケール方法及び装置を提供することを課題とするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等はかかる課題を解決すべく鋭意検討の結果、
最終の処理としてはスケール直下の金属素地をも積極的
に除去して表面をきれいにする利点を有する弗酸を含む
酸洗液による酸洗処理を採用し、その前処理として主と
して塩化第二鉄を含有する水溶液から成る電解液中で陽
極電解処理を行うようにすれば、この前処理の段階で大
部分のスケールが除去され、従って最終処理である酸洗
処理の負担が軽減されて高速化が可能になると共にCr
”イオンが生成しないため廃液処理の問題も少なくなる
こと、またスケール直下の金属素地まで除去されて表面
品質の優れた合金鉄鋼帯が得られることを究明して本発
明を完成したのである。
〔構成の説明〕
本発明において適用できる合金鉄鋼帯は、少なくともN
i及び/又はCrを含有する合金鉄鋼帯であり、熱間圧
延材、冷間圧延材のいずれの鋼帯であってもよい。
又、前処理に用いる電解液としては主として塩化第二鉄
を含有する水溶液から成り、最終の処理の酸洗液として
は弗酸と硝酸の如き弗酸と他の酸との混酸から成ってい
ることが必要である。
ところで1本発明の前処理に用いる上記の塩化第二鉄を
含有する水溶液から成る電解液は、次に詳述する如く濃
度が250〜400g/lで液温か40〜80℃の範囲
とすることが好ましい。すなおち、第6図〜第8図は板
厚3.8膿の熱間圧延ステンレス鋼帯5US304を用
い、塩化第二鉄を含有する水溶液の濃度と温度とを種々
変化させて(電流密度は10A/dJで一定)電解処理
したときの合金鉄#l帯の減量、電圧、導電率を示した
グラフであり、これらの図から明らかなように、塩化第
二鉄の濃度が250 g / Q以下、特に200 g
 / Q以下に低下すると金属の減量が減少する(脱ス
ケール能力が低下する)と共にピットが発生し易くなる
。一方、塩化第二鉄の濃度が400 g / Qを超え
ても脱スケール能力が低下する傾向にあると共に供給電
圧が高くなって電解効率が低下する。又、電解液温度は
高い方が脱スケール能力が高くなり且つ供給電圧が下る
と共に導電率が上るため′電解効率が向上する。
しかし、電解液温度が80℃を超えると水の蒸発量が急
に増加することから、濃度が変化(高くなる)して上記
理由から脱スケール能力や電解効率が低下するようにな
る。一方、液温が低下すると金属減量が減少し、供給電
圧が上り且つ導電率が下って電解効率が低下するため、
脱スケール能力の点から液温としては40℃以上とする
ことが望ましい。
従って、電解液の濃度は250〜400 g /βで液
温か40〜80℃の範囲とすることが望ましいのである
更には塩化第二鉄の持出し現象、a度変化による脱スケ
ール能力低下、エネルギーロス等を総合的に考慮すれば
濃度が300±30g/l、液温が60±10℃の範囲
がより望ましい。
又、陽極電解処理時の電流密度は、5A/drrt’よ
り小さいと脱スケール効果が低下し、一方30A/ d
 rdより大きいと電流密度不均一による電解模様が発
生し易くなることから、5〜30A/drrrの範囲と
することが望ましい。
次に、本発明方法を実施するための装置を図面によって
詳細に説明する。
第1図は本発明方法を実施するための装置の1例の概略
図、第2図は第1図の電解液槽の拡大平面図、第3図は
本発明方法を実施するための装置の他の例の概略図、第
4図は第3図の電解液槽の拡大平面図、第5図は本発明
方法を実施するための装置の更に他の例の概略図である
図面中、第1図及び第2図において、1は焼鈍炉と冷却
装置(図示なし)によって熱処理を受けた少なくともN
i及び/又はCrを含有する合金鉄鋼帯、2は主として
塩化第二鉄を含有する水溶液から成る電解液、3は電解
液2が建浴された電解液槽、4は電解液槽3内に設けら
れた陽極板、5は同じく電解液槽3内に設けられた陰極
板、6は電解用直流電源、7は弗酸と他の酸とから成る
酸洗液8が建浴された酸洗槽、9は送板ロール、 10
は浸漬ロール、11はプラッシュロール、12はプラッ
シュロール11のバックアップロール、13は洗浄ノズ
ルである。また第3図及び第4図において、14は硫酸
の如き導電性液15が建浴された導電性液槽、16は導
電性液槽14内に設けられた耐酸性を有するP&電極板
17は電極板から成る陰極板、18は電解用直流電源6
とは別に切り替え用スイッチ19を介して接続されてい
る小容量の印加電圧用の直流電源、20はガス抜き用孔
である。更に第5図において、21は電解液槽3と酸洗
槽7との間に設けられていて陽極となる通電ロールであ
る。
以−ヒのような構成より成る本発明に係る合金鉄鋼帯の
脱スケール装置は、基本的には次に詳述するように3つ
の装置がある。第1の装置は第1図及び第2図に、第2
の装置は第3図及び第4図に、第3の装置は第5図にそ
れぞれ示しである。
先ず第1の装置は、第1図及び第2図に示すように、陽
極板4と陰極板5とが共に電解液槽3内部に設けられて
おり、この電解液槽3の後に酸洗槽7,7が配設されて
いる装置であり、この装置における陽極板4としては白
金、ルテニウム酸化物、鉛酸化物のいずれか1種が適用
され、陰極板5としては白金、チタン、オーステナイト
系ステンレス鋼のいずれか1種が適用される。中でも陽
極板4は白金、113j4板5はチタンが特に好適であ
る。このような第1の装置において、焼鈍炉、冷却装置
(図示なし)によって熱処理を受けた合金鉄鋼帯1は、
先ず送板ロール9を経て主として塩化第二鉄を含有する
水溶液から成る電解液2が建浴された電解液槽3へ送板
され、前後の浸漬ロール10.10にて電解液2中に浸
漬された状態で通過し、ここで主として塩化第二鉄を含
有する水溶液による溶解作用及び陽極電解作用を受けて
合金鉄鋼帯1表面のスケールの大部分が電解液2中に溶
解除去される。そして大部分のスケールが溶解除去され
た合金鉄鋼帯1は、電解液槽3の後に設けられている送
板ロール9を経てプラッシュロール11とバックアップ
ロール12との間を通過し、この際に陽極電解によって
金属素地との結合力が弱まっているが未だ付着残存して
いるスケールの大半が除去される。次に、合金鉄鋼帯1
は送板ロール9を経て、次の1槽目の酸洗槽7内に送板
され、前後の浸漬ロール10.10によって浸漬された
状態で通過し、その間に僅かに残存しているスケールの
全部が溶解されると共にスケール層の直下に存在する金
属素地の金属素地まで溶解される。更に合金鉄鋼帯1は
、2槽目の酸洗槽7を通過する間に再度スケール層直下
の金属素地が溶解されて仕上げされる。しかる後に合金
鉄鋼帯1は、送板ロール9を経てプラッシュロール11
とバックアップロール12との間を通過し、合金鉄鋼帯
1表面に付着している金属や結合力が弱い状態で残存し
ている金属素地がきれいに除去される。
第2の装置は、第3図及び第4図に示すように、陰極板
17とその前後に浸漬ロール10.10とが設けられで
いる電解液槽3の前に、硫酸の如き導電性液15が建浴
された導電性液槽14が配設されており、且つこの導電
性液槽14内に耐酸性を有する陽極板16とその前後に
浸漬ロール10.10が設けられており、また電解液槽
3の後に酸洗層7,7が配設されており、更に耐酸性を
有する陽極板16と陰極板17とに電解用向流電g6が
接続されていると共にこの電解用直流電源6とは別に切
り替え用スイッチ19を介して付加電圧用直流電源18
が接続されている装置である。以上のような第2の装置
においては、合金鉄鋼帯1は送板ロール9及び前後の浸
漬ロール10.10によって導電性液15が建浴された
導電性液槽14内の陽極板16の間を非接触状態で送板
される。この際、合金鉄鋼帯1は陽極板16の作用を受
けて陰極に帯電し、この時に陽極板16からは酸素ガス
が発生する。一方、陰極に帯電した合金鉄鋼帯1からは
水素ガスが発生する。そして、この水素ガスの作用で一
部の結合力の弱いスケールが除去されるようになる。そ
の結果、次の塩化第二鉄を含有する水溶液から成る電解
液2での陽極電解処理の効果がより大きくなるのである
なお、この第2の装置では一つの電解液槽3内に陽極と
陰極とが混在しないことから電極間での迷走電流がなく
、電解電流効率が向上するようになる。また、それぞれ
の素材として陽極板16は白金、陰極板17はチタンが
前述した理由と同様に塩素ガスの発生量が少なく、寿命
も延長するためより好適であるが、比較的安価なステン
レス鋼も使用でき、その場合はコスト面で有利である。
更にこの際、陽極板16と陰極板17とに接続されてい
る電解用直流電源の他に、別に小容量の印加電圧用直流
電源18が接続されていると、導電性液槽14において
も成る程度の脱スケールが起るため次の電解液槽3での
脱スケール作用を更に助長せしめるようになり、しかも
通常の電解処理待以外の場合にあっては、その陽極板1
6.17が保護されるようになるのである。
第3の装置は第5図に示すように、塩化第二鉄を含有す
る水溶液から成る電解液2が建浴されており且つ陰極板
5が設けられている電解液槽3と酸洗槽7,7との間に
陽極となる通電ロール21が設けられており、この通電
ロール21と陰極板5とに電解用直流電源6が接続され
ている装置である。
尚、この第3の装置においても第2の装置のように陰極
板5と通電ロール21とに接続されている電解用直流電
源6の他に、別に小容量の印加電圧用直流電源18が接
続されていることが電極保護の面でより好ましい。以上
のような第3の装置においては、合金鉄鋼帯1は送板ロ
ール9.浸漬ロール1o、10を介して電解液槽3に送
板され、陰極板5の間を非接触状態で送板される。この
時に通電ロール21が陽極となり、これに合金鉄鋼帯1
が接触することによって合金鉄鋼帯1自体が直接陽極と
なる。また電解液槽3中の陰極板5との間に電解用直流
電源6より供電される。そして、この装置においては1
通電ロール21は電解液槽3の後に配設されていること
が重要である。すなわち、スケールの導電性が低いため
に、スケールを有したままの合金鉄鋼帯1に直接通電す
るとスパークが発生し易くなる。従って、塩化第二鉄水
溶液2中での電解処理によって、スケールのほとんどを
除去した後に直接通電することが重要となってくるので
ある。また1通電ロール211士プライドル方式であっ
て且つロール表面は荒いほうがより確実な供電が可能と
なる。
以上のように、通電ロール21を用いて直接通電するこ
とは、電解効率が大きく、又脱スケール効果も優れてい
るため最も好ましい装置である。そして、このような好
ましい通電ロール21の採用を可能にしたのは、塩化第
二鉄水溶液を用いて電解処理することによって、前処理
段階でスケールのほとんどを除去可能になったことによ
るのである。
〔作 用〕。
上述のように本発明方法は最終処理である酸洗処理の前
処理において、主として塩化第二鉄を含む水溶液2中で
合金鉄鋼帯1を陽極電解処理することによって、合金鉄
鋼帯1のスケールの大部分を除去し、引き続く酸洗処理
において残存スケールの除去とスケール直下の金属素地
を積極的に除去するものである。
すなわち、酸洗処理の前処理において大部分のスケール
が除去されることから次の酸洗処理では、僅かな残存ス
ケールを仕上げ用として除去するだけで良くなり、従来
の種々な脱スケール方法と違って酸洗処理における脱ス
ケール負荷が大幅に軽減されて合金鉄鋼帯1の金属素地
のエツチング作用が強まり、表面品質の優れた製品とな
るのである。
また、電解液が塩化第二鉄水溶液2であるためにCr1
1イオンの発生が無いため電解液槽3より排出される廃
液中のCr”イオンの処理が不要となると共にその水溶
液中で陽極電解処理すると、第6図に示すように電解処
理でなく単に塩化第二鉄水溶液2中に浸漬した場合と比
較して、脱スケール時間がかなり短縮されるようになり
、ラインスピードが高速化されても追従可能となるので
ある。
更に酸洗処理時には、酸洗液中のスケールの堆積が少な
くなるため、酸洗液の寿命も延長されて長時間の高いエ
ツチング作用が維持されると同時に。
酸洗流管環や廃液処理の簡素化が可能となるのである。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明す
る。
実施例1 焼鈍工程を経て走行して来た3種類の熱間圧延ステンレ
ス鋼帯(板厚3.8nn+の5US304 、板厚3.
6園の5US430 、板厚3.6mの5US410)
 と板厚4.0mの42%Ni合金鉄鋼帯との計4種に
ついて、第5図に示す脱スケール方法及び装置により次
に示す種々の条件下で脱スケールを行った。その結果を
第1表に示した。
1、電解処理(前処理) (1)処理液:塩化第二鉄水溶液 (2)液濃度:300g/fi (3)液温:60℃ (4)電解密度:20A/dイ (5)電解処理時間: 10.20.40.80秒(6
)陰極板ニステンレス鋼 2、酸洗処理 (1)処理液及び濃度: 70g/1211NOi+1
0g/lHF(2)液温:60℃ 比較例1 実施例1と同じステンレス鋼帯を用い且つ第5図の装置
を適用し、また前処理における電解処理として中性塩電
解液を用いて次の条件下で脱スケールを行った。その結
果を第2表に示した。
1、’a電解処理前処理) (1)処理液:硫酸ソーダ水溶液 (2)液濃度:200g/R (3)液温:80℃ (4)電解密度:20A/dイ (5)It電解処理時間 10.20.40.80秒(
6)陰極板ニステンレス鋼 2、酸洗処理 実施例1と同一条件で処理した。
なお、合金鉄鋼帯の処理減量は10am角のサンプルを
採取し、高精度天秤にてその重量を秤量し、処理前後の
単位面積当りの重量差を以て減量とした。
脱スケール状態の評価(有無の判定)は、拡大鏡(x 
10)を使用した目視により、1視野当り10点以上の
スケール残を有、10点未満を無と判定して行った。
又、脱スケール後の金属素地の除去状態の評価は、充分
表面を研摩した各対象サンプルを比較材として電子顕微
鏡(X 1000)によりl!察し、金属素地と異なる
金属(これをサブスケールと称す)の有無により行った
以上の結果、第1表及び第2表から明らかな如く9本発
明方法によるものは、従来の化学的前処理方法の1つで
ある硫酸ソーダ等の中性塩電解処理によるものよりも短
時間で脱スケールが完了すると共に合金鉄鋼帯の処理減
量が多く、脱スケール効果が優れていることが判る。
実施例2 熱間圧延ステンレス鋼帯を製造し、これを冷間圧延を行
って、いずれも板厚1.0mの5US304.5US4
30、5US410の3種類のステンレス鋼帯を得、こ
れと板厚1.0−の42%Ni合金鉄とについて、実施
例1と同様に第5図に示す脱スケール方法及び装置によ
り、実施例1と全く同一条件下で脱スケールを行った。
その結果を第3表に示す。
比較例2 実施例2で用いた4種の銅帯を比較例1と全く同一条件
下で脱スケールを行った。その結果を第4表に示した。
なお、脱スケール状態及び金属素地の除去状態の評価は
実施例1及び比較例1の場合と全く同一方法で行った。
以上の結果、第3表及び第4表から明らかな如く、本発
明方法によるものは、実施例1と同様に従来方法による
ものよりも短時間で脱スケールが完了すると共に処理減
量が示すように、大きな脱スケール効果を示した。又、
本発明方法に基づいて得られたものよりも表面光沢の均
一性、肌荒れ等について、いずれも優れたものであった
以下余白 第1表 第2表 第3表 第4表 〔発明の効果〕 以上詳述した如き本発明に係る合金鉄鋼帯の脱スケール
方法及び装置は、以下に列挙するようなT=l々の利点
を有しており、その工業的価値は非常に大きなものがあ
る。
1 )前処理によって大部分のスケールが短時間で除去
されることから、酸洗槽における脱スケール負荷が軽減
されることになり、酸洗液の寿命も延び脱スケール能力
が安定した。従って、酸洗液の〆虐度管理及び追酸に要
する労力、費用も軽減されると同時に脱スケールの高速
化が可能となった。
2)熱間圧延材、冷間圧延材のいずれであって同じライ
ンで兼用して充分な脱スケール能力が得られるようにな
ったことから、生産能力の向上が図られた。
3)前処理として、主として塩化第二鉄を含有する水溶
液を使用した陽極電解を採用したことで、電解槽より排
出される廃液中のCr’″6イオンの処理が不要となり
その処理費用が軽減された。
4)前処理が充分な脱スケール能力を有ししかも溶融塩
の如く粘性が高くなくて液持出しが少ないことから、コ
スト的にも優れている。
5)前処理にて大部分のスケール除去が可能となったこ
とから、酸洗処理においては残存するスケールの除去が
確実に実施されると同時に、スケール直下の金属素地を
も溶解することになるので、脱スケールが不充分である
ことに起因する合金鉄鋼帯の表面欠陥である肌荒れや光
沢むらが減少出来た。
6)本発明を実施するときの設備面に関しては、電解槽
及び酸洗槽のいずれも従来のものをそのまま使用するこ
とが出来るから、殆んど設備改造を要せず、しかも脱ス
ケール能力の向上が図れた。
7)本発明装置に関しては、陰極板が設けられている電
解液槽の前に陽極板が設けられている導電性液槽を配設
した構成とした場合には、導電性液槽において合金鉄鋼
帯に予備的な脱スケール作用を生−じせしめるため、次
の電解液槽における脱スケールをより増大せしめる効果
を奏するようになった。
8)また、電解液槽の後に陽極と成る通電ロールを設け
て合金鉄鋼帯に直接給電する構成とした場合には、電解
効率及び脱スケールをより向上せしめることが可能とな
った。
9)更に、メインの電解用直流電源とは別に印加電圧用
直流電源が接続されている構成とした場合には、電極が
保護されるようになって電極の寿命が延長されるように
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するための装置の1例の工程
図、第2図は第1図の電解液槽の拡大平面図、第3図は
本発明方法を実施するための装置の他の例の工程図、第
4図は第3図の電解液槽の拡大平面図、第5図は本発明
方法を実施するための装置の更に他の例の工程図、第6
図は本発明方法と本発明によらない方法との電解液の塩
化第二鉄濃度と合金鉄鋼帯の減量との関係を電解液温度
別に示すグラフ、第7図は電解液の塩化第二鉄濃度と供
給電圧との関係を電解液温度別に示すグラフ、第8図は
電解液の塩化第二鉄濃度と導電率との関係を電解液温度
別に示すグラフである。 1・・・・合金鉄鋼帯 2・・・・電解液 3・・・・電解液槽 4・・・・陽極板 5・・・・陰極板 6・・・・電解用直流電源 7・・・・酸洗槽 8・・・・酸洗液 9・・・・送板ロール 10・・・・浸漬ロール 11・・・・プラッシュロール 12・・・・バックアップロール 13・・・・洗浄ノズル 14・・・・導電性液槽 15・・・・導電性液 16・・・・耐酸性を有する陽極板 17・・・・耐酸性を有する陰極板 18・・ 19・・ 20・・ 21・・ ・・印加電圧用の直流電源 ・・切り替えスイッチ ・・ガス抜き用孔 ・・通電ロール

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくともニッケル及び/又はクロムを含有する合
    金鉄鋼帯を主として塩化第二鉄を含有する水溶液から成
    る電解液中で陽極電解処理を行い、しかる後に弗酸を含
    む酸洗液によつて酸洗処理してスケール直下の金属素地
    まで除去することを特徴とする合金鉄鋼帯の脱スケール
    方法。 2 塩化第二鉄の濃度が250〜400g/lで液温が
    40〜80℃の水溶液から成る電解液を使用して5〜3
    0A/dm^2の電流密度で陽極電解処理を行い、しか
    る後に硝酸と弗酸とから成る酸洗液で酸洗処理してスケ
    ール直下の金属素地まで除去する請求項1に記載の合金
    鉄鋼帯の脱スケール方法。 3 白金,ルテニウム酸化物,鉛酸化物のいずれか1種
    から成る陽極板と白金,チタン,オーステナイト系ステ
    ンレス鋼のいずれか1種から成る陰極板とが共に主とし
    て塩化第二鉄を含有する水溶液から成る電解液が建浴さ
    れている電解液槽内部に設けられており、該電解液槽の
    後に弗酸を含む酸洗液が建浴されている酸洗処理槽が配
    設されていることを特徴とする合金鉄鋼帯の脱スケール
    装置。 4 陰極板が設けられている主として塩化第二鉄を含有
    する水溶液から成る電解液が建浴されている電解液槽の
    前に陽極板が設けられている導電性液槽が配設されてお
    り、また電解液槽の後に弗酸を含む酸洗液が建浴されて
    いる酸洗処理槽が配設されており、前記陰極板と陽極板
    とに電解用直流電源が接続されていることを特徴とする
    合金鉄鋼帯の脱スケール装置。 5 電解液槽内の陰極板と導電性液槽内の陽極板とに電
    解用直流電源が接続されていると共に該電解用直流電源
    とは別に印加電圧用直流電源が接続されている請求項4
    に記載の合金鉄鋼帯の脱スケール装置。 6 陰極板が配設された主として塩化第二鉄を含有する
    水溶液から成る電解液が建浴されている電解液槽と弗酸
    を含む酸洗液が建浴されている酸洗処理槽との間に陽極
    となる通電ロールが設けられており、該通電ロールと前
    記陰極板とに電解用直流電源が接続されていることを特
    徴とする合金鉄鋼帯の脱スケール装置。 7 通電ロールと陰極板とに電解用直流電源が接続され
    ていると共に該電解用直流電源とは別に印加電圧用直流
    電源が接続されている請求項6に記載の合金鉄鋼帯の脱
    スケール装置。
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