JP3112257B2 - Ni焼鈍板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法 - Google Patents
Ni焼鈍板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法Info
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Description
主成分とする合金板(以下「Ni合金板」という)の製
造方法において、焼鈍工程からの酸化スケールを有する
前記Ni板又はNi合金板から焼鈍後にデスケーリング
を行う方法に関するものであり、特に前記酸化スケール
を高い効率で除去することができるようにしたデスケー
リングを行う方法に関する。
は、Ni又はNi合金のスラブを熱間圧延した後、熱処
理、酸洗を行い、その熱間圧延からの熱延Ni板又は熱
延Ni合金板(以下「熱延板」という)を冷間圧延し、
さらに熱処理、酸洗を行う工程を採用している。これ
は、熱延板は繊維状の金属組織を有し、圧延後の冷却も
不均一なために冷間圧延の前に熱処理が必要でこのよう
な熱処理を「焼鈍」と呼んでいる(以下、焼鈍したNi
板又はNi合金板を「Ni焼鈍板」又は「Ni合金焼鈍
板」という)。焼鈍の後の熱延板は、かなり厚いミルス
ケールを有しているため、酸洗前にショットブラストや
スケールブレイカーなど機械的処理によってスケールを
破壊除去又はひび割れを発生させ、次の酸洗を容易にし
ている。一般的な酸洗法は、硫酸槽による前処理と、硝
酸とフッ酸との混酸の槽を通して完全に脱スケールさせ
るようにしている。
するので、熱処理(焼鈍)により再結晶焼鈍をを行う。
その焼鈍工程を酸化性雰囲気下で行った場合には、前記
の焼鈍の場合と同様にスケールが生じるので、このスケ
ールを酸洗により除去する。この酸洗工程では、ソルト
バス浸漬−硫酸(硝酸)電解−硝フッ酸浸漬等の工程を
取ることが行われている。
又はNi合金板の熱処理工程や酸洗工程を伴う製造工程
によりNi板又はNi合金板を製造する方法において
は、Ni又はNi合金に生成する酸化スケールは密着性
がよく、Ni板又はNi合金板の熱間圧延及び焼鈍工程
で生成したスケールが、引き続き行われる短時間の酸洗
ではしづらく、次工程で研磨等の処理をしなければなら
ないという問題があった。本発明は、短時間の酸洗によ
り前記のスケールを十分に除去することができるデスケ
ーリング方法を提供することを目的とするものである。
前記のNi板又はNi合金板の製造方法において、短時
間の酸洗で、後工程で研磨を行う必要もない程度に、酸
化スケールを除去すべく研究を行った結果、硫酸電解時
にアノード分極の電位をNi又はNi合金の活性域の電
位になるように電流密度を維持して電解することが酸化
スケールの除去に有効である知見を得、それを基礎とし
て、本発明に到達した。
記の課題を解決したものである。 (1)焼鈍後にデスケーリングを行う工程を有するNi
板又はNi合金板の製造方法において、焼鈍工程からの
酸化スケールを有する前記Ni板又はNi合金板を硫酸
を含む水溶液からなる電解液中で、該電解液における前
記Ni板又はNi合金板の不動態化電流密度以下の電流
密度で電解処理することにより、前記Ni板又はNi合
金板の酸化スケールを除去することを特徴とするNi焼
鈍板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法。 (2)前記電解液の硫酸濃度を0.1〜3モル/リット
ルとしたことを特徴とする前記(1)記載のNi焼鈍板
又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法。 (3)電解液の液温を40〜80℃に維持することを特
徴とする前記(1)又は(2)記載のNi焼鈍板又はN
i合金焼鈍板の電解デスケーリング方法。
ついたNi板を陽極として配置して、そのアノード分極
曲線を測定したところ、その一例のアノード分極曲線は
図1に示すとおりであった。これは、前記のNi板を陽
極としてアノード溶解した場合、図1に示すように、活
性域、不動態域、過不動態域の3種の領域がみられる。
活性域では金属の溶解がみられるが(「活性溶解」とい
う)、不動態域では金属の溶解が抑制される。また、過
不動態域では、再び金属及び酸化スケールの溶解がみら
れるようになるが(「過不動態溶解」という)、水の電
気分解による酸素発生が同時に起こる。この過不動態域
における電解では、供給する電流が同時に起こる酸素発
生に消費され、デスケーリングに有効な金属及び酸化ス
ケールの溶解に供される電流の割合が低下する。したが
って、酸化スケールを迅速に溶解するためには、活性域
での電解が行われるようにする必要がある。
電解酸洗する際、電解電流を制御する方法(定電流法)
が一般的である。したがって、Ni板又はNi合金板を
活性域で溶解し、迅速に酸化スケールを除去するには、
活性域の電流密度の電流密度で電解すること、言い換え
れば不動態化電流密度以下の電流密度で電解すること
が、定電流法においては必要である。これは、直接電
解、間接電解を問わず、Ni焼鈍板又はNi合金焼鈍板
をアノードとして電解する場合には、この条件を満足す
ることが必要である。
Ni板又はNi合金鋼板の不動態化電流密度以下の電流
密度で電解処理する」としたのは、主として前記したよ
うな技術的理由によるものである。この事実に立脚し、
さらに酸化スケールが迅速にデスケーリングできる具体
的条件を種々検討したところ、硫酸を0.1〜3モル/
リットル含み、液温を40〜80℃の範囲に維持した電
解液で電解することにより、一層良好なデスケーリング
を行うことができる。硫酸濃度は0.5〜2モル/リッ
トルであることが好ましく、また液温を60〜80℃の
範囲とすることが好ましい。
解液を用い、前記したアノード分極曲線によって得られ
る不動態化電流密度以下の電流密度で電解を行うことに
より、Ni焼鈍板又はNi合金焼鈍板の酸化スケールの
デスケーリングを好ましく行うことができる。本発明に
おいて、電解液の硫酸濃度を0.1〜3モル/リットル
としたのは、0.1モル/リットル未満ではアノード電
解しても、不動態化電流密度が小さく、Ni焼鈍板又は
Ni合金焼鈍板の溶解速度が著しく小さくなるため酸洗
に多大の時間を要し、生産的ではないからである。ま
た、3モル/リットルを超える硫酸濃度では電解液中に
溶解できるNiイオンの低下をもたらし、完全にデイス
ケーリングされるまでの時間が短縮できない。このた
め、電解液の硫酸濃度は0.1〜3モル/リットルとす
ることが好ましい。
0〜80℃としたのは、40℃未満では不動態化電流密
度が小さく、Ni焼鈍板又はNi合金焼鈍板の溶解速度
が著しく減少するために酸洗に多大の時間を要し、生産
的でないからである。80℃を超えると、酸洗時間が短
縮するが、電解液からの酸ヒュームの蒸発が急激に増大
し、工業的に管理するには多大のリスクを強いられる。
このため、電解液の液温を40〜80℃とすることが好
ましい。なお、本発明によれば、電解のみでも完全にデ
スケーリングされるが、電解酸洗後に硝酸とフッ酸の混
合溶液中での浸漬酸洗を併用すると完全にデスケーリン
グできる時間が短縮する。本発明において、その処理の
対象とすることができるNi板又はNi合金板として
は、例えばJIS H−4551に挙げられているNi
板又はNi合金板をすべて含むものである。
る。ただし、本発明はこの実施例のみに限定されるもの
ではない。 実施例 供試材にはNLCP低炭素ニッケル板(通称「Ni20
1」)の厚さ1.0mmの冷延板を、通常の焼鈍酸洗ラ
イン(APL)の中、焼鈍ラインのみを通したものから
採取したものを用いた。なお、その焼鈍ラインにおける
焼鈍温度は800℃であり、その焼鈍ラインにおける雰
囲気は酸化性燃焼雰囲気下であった。その供試材の下地
金属の化学組成を第1表に示す。
て、模擬電解槽中で硫酸水溶液からなる電解液を用いて
電解し、電解デスケーリング性の評価を行った。図2
に、硫酸濃度1モル/リットル、アノード電解電気量Q
=6C/cm2 (アノード電解電流密度と電解時間の
積)条件下における供試材の電解温度、電解電流密度と
デスケーリング性判定結果を示した。デスケーリング性
判定結果は次に示す基準によって、目視によって判定し
た。 (評価基準) ○ :完全にデスケーリング △ :一部スケール残り × :スケール残り
ノード電流密度50mA/cm2 、電解時間120se
cのときの硫酸濃度とデスケーリング性判定の結果を示
した。図2及び第2表に示す実施例並びに比較例の結果
により、本発明の方法によると、Ni焼鈍板の電解を行
うことにより、短時間にNi焼鈍板のデスケーリングが
十分に行うことができることが分かる。
焼鈍板を迅速に電解デスケーリングすることができ、次
工程での研磨等の手入れを省略することができる。な
お、本発明によれば、電解のみでも完全にデスケーリン
グできるが、他の酸洗法と併用すると、電解時間がさら
に短縮することができる。
ード分極曲線を表した図を示す。
解電流密度とデスケーリング性判定結果を表わす図を示
す。
Claims (3)
- 【請求項1】 焼鈍後にデスケーリングを行う工程を有
するNi板又はNi合金板の製造方法において、焼鈍工
程からの酸化スケールを有する前記Ni板又はNi合金
板を硫酸を含む水溶液からなる電解液中で、該電解液に
おける前記Ni板又はNi合金板の不動態化電流密度以
下の電流密度で電解処理することにより、前記Ni板又
はNi合金板の酸化スケールを除去することを特徴とす
るNi焼鈍板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング
方法。 - 【請求項2】 前記電解液の硫酸濃度を0.1〜3モル
/リットルとしたことを特徴とする請求項1記載のNi
焼鈍板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法。 - 【請求項3】 電解液の液温を40〜80℃に維持する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のNi焼鈍
板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09135235A JP3112257B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | Ni焼鈍板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP09135235A JP3112257B2 (ja) | 1997-05-26 | 1997-05-26 | Ni焼鈍板又はNi合金焼鈍板の電解デスケーリング方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10324999A JPH10324999A (ja) | 1998-12-08 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3112257B2 (ja) |
-
1997
- 1997-05-26 JP JP09135235A patent/JP3112257B2/ja not_active Expired - Fee Related
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