JP4316029B2 - ステンレス鋼の酸洗方法および酸洗液 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス鋼の表面に生成した酸化スケールを除去する酸洗方法および酸洗液に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレス鋼の表面には、その製造工程の熱間圧延や焼きなまし(焼鈍)工程で酸化スケールが生成する。この酸化スケールを除去する目的で酸洗がおこなわれるが、酸洗による酸化スケール自身の溶解速度は母材のそれに対して非常に遅い。そこで、酸洗液が酸化スケールに浸透し易くするため、熱間圧延後に予めショットブラストのような機械的方法で酸化スケールに亀裂を付与したり、冷間圧延後にソルトバス浸漬処理や中性塩電解処理のような化学的な方法で酸化スケールの改質が行われる。
【0003】
このような前処理を施すことにより、鋼板を酸洗液に浸漬したとき酸洗液でスケール直下の地金が溶解されてスケールが剥離される。
【0004】
酸洗に用いられる酸洗液としては、硝酸とふっ化水素酸の混合水溶液(以下、硝ふっ酸と呼ぶ)が最も一般的であり、特にオーステナイト系ステンレス鋼の酸洗に多用されている。
【0005】
しかし、硝ふっ酸による酸洗では、特に焼鈍後のステンレス鋼においては、結晶粒界(以下、単に粒界と記す)近傍が選択的に溝状に浸食される、いわゆる粒界溝が生成し、これが冷間圧延後の表面光沢を低下させる。そのため、高光沢仕上げが要求される場合に、鏡面に仕上げるバフ研磨が必要となるが、粒界溝を除去するのに長時間のバフ研磨が必要となり、生産効率が低下する。
【0006】
表面品質の要求が厳しい場合には、一般に酸洗工程の後に鋼板表面をベルト研磨する工程が追加され、その後バフ研磨されるが、工程が増えるため製造コスト高となる。そのため、酸洗時に粒界溝を発生させない酸洗方法の開発がなされてきた。
【0007】
例えば、特開昭61−245912号公報には、オーステナイト系ステンレス鋼を予熱後100〜400g/リットルの硝酸と75〜400g/リットルのふっ化水素酸を含む水溶液中で酸洗する方法が開示されている。
【0008】
特開平6−65765号公報には、50〜400g/リットルのふっ化水素酸、50〜400g/リットルの硝酸、0.5〜50g/リットルの塩酸を含み、必要によりPt、Pd、Rhを添加した混酸水溶液中で酸洗する、オーステナイトステンレス鋼の平滑酸洗方法が開示されている。
【0009】
しかしながら、これら何れの方法も、高濃度のふっ化水素酸を含有している。
【0010】
ふっ化水素酸は、他の酸に比較して原単位が高いため、酸洗液のコストが高騰する。さらに、ふっ化水素酸濃度が高いと、ふっ化水素ガス(HFガス)の発生が増加し、作業環境が悪化する問題も生じる。また、化水素酸の濃度が高い場合、粒界腐食が激しくなるため、粒界溝が深くなり肌荒れが生じる。高濃度のふっ化水素酸に耐えうる酸洗槽は少なく、既存の硝ふっ酸酸洗で用いられている酸洗槽では耐食性に問題があるため、その設備改造も必要になり多大な費用を要する。
【0011】
特開昭61−117291号公報には、100〜400g/リットルの硫酸と0〜200g/リットルの硝酸と0〜150g/リットルのふっ化水素酸からなる水溶液中で脱スケールし、さらに硝酸水溶液でデスマット処理する方法が開示されている。この方法により酸洗後の表面研削工程が省略でき、かつゴールドダストも生じないと記載されている。しかしながら、この方法はCr系ステンレス鋼の酸洗に限定され、さらに後工程として硝酸によるデスマット処理が必要となるため、工程が二重となる問題もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、粒界溝および酸洗ムラを発生させることなく高速で脱スケールができ、かつ既存の設備が使用できる、安価なステンレス鋼用の酸洗液を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
ステンレス鋼用酸洗液に係わる本発明の要旨は以下の通りである。
【0014】
(1)塩酸:50〜250g/リットル、硝酸:50〜200g/リットルおよびふっ化水素酸:5〜40g/リットル、残部水及び不可避不純物からなる酸性水溶液であるステンレス鋼用酸洗液。
【0015】
(2)全ふっ素濃度が5〜200g/リットルである上記(1)のステンレス鋼用酸洗液。
【0016】
(3)下記する鉄イオンおよびチタンイオンの一方または双方の合計で10〜50モル/m3を含む上記(1)または(2)に記載のステンレス鋼用酸洗液。
【0017】
鉄イオン :Fe3+およびFe3+とFまたはClとの錯イオンの合計
チタンイオン:Ti4+およびTi4+とFまたはClとの錯イオンの合計
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の酸洗液を使用してステンレス鋼を酸洗することを特徴とするステンレス鋼の酸洗方法。
(5)上記(1)に記載の酸洗液を使用してステンレス鋼を酸洗するに際し、酸洗液中の全ふっ素濃度と、下記する鉄イオンおよびチタンイオンの一種または二種の合計量との一方または双方が下記する範囲内の量となるように制御しながら酸洗することを特徴とするステンレス鋼の酸洗方法。
【0018】
全ふっ素濃度:5〜200g/リットル
鉄イオンおよびチタンイオンの一方または双方の合計:10〜50モル/m3
ただし、
鉄イオン :Fe3+およびFe3+とFまたはClとの錯イオンの合計
チタンイオン:Ti4+およびTi4+とFまたはClとの錯イオンの合計
本発明者らは、粒界溝ならびに酸洗ムラを発生させることなく、高速で脱スケールできる安価な酸洗液を開発すべく種々実験、検討した結果、以下に示す知見を得て本発明を完成するに至った。
【0019】
a)硝酸、塩酸およびふっ化水素酸を適切な濃度にすることにより、粒界溝の発生を防止することができ、かつ高速酸洗が可能となる。
【0020】
b)ふっ化水素酸を低減すると酸洗速度が低下するが、塩酸を多量に含有させることにより防止できると共に、粒界溝が生じない。
【0021】
c)酸洗ムラは、全ふっ素濃度により影響され、酸洗液中の全ふっ素量は5〜200g/リットルにするのがよい。
【0022】
d)一般の硝ふっ酸酸洗液では、連続的に酸洗を行った場合に液中の金属イオン濃度が増すにつれて酸洗能力が低下するが、酸洗液中の金属イオンのなかに酸洗能力を向上させるイオンがあり、その金属イオンは3価の鉄イオンおよび4価のチタンイオンであり、それらの1種以上を合計で10〜50モル/m3の量となるように制御するのがよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の酸洗液の成分、組成について説明する。
【0024】
1)塩酸
塩酸は、ステンレス鋼、特にCr濃度の高い母材部を溶解する能力が高いため重要な成分であり、濃度が高いほど溶解速度は増加する。また、従来の塩酸を含有していない硝ふっ酸では粒界が選択的に腐食され粒界溝になるが、塩酸を含有させると鋼板の全面が腐食されて粒界溝とならない。しかし、200g/リットル(リットル)を超えると肌荒れが大きくなるので上限を200g/リットルとした。また、50g/リットル未満ではその効果が得られないので、下限を50g/リットルとした。
【0025】
2)硝酸
硝酸は、ステンレス鋼の溶解を促進すると共に、スマットの付着を防止する働きもする。しかし、200g/リットルを超えるとステンレス鋼を不動態化する作用が強まり、かえって溶解速度が遅くなる。また、塩酸濃度が低い場合に硝酸濃度が200g/リットルを超えるとマクロ的な局部腐食を生じるため、上限を200g/リットルとした。また、50g/リットル未満では表面にスマットが付着し、さらに孔食も発生するため、下限を50g/リットルとした。
【0026】
3)ふっ化水素酸
ふっ化水素酸は、塩酸と同様にステンレス鋼を溶解するのに必要であり、濃度が高いほど溶解速度は速いが、50g/リットルを超えると、ふっ化水素ガスの発生が多くなるのみならず、設備の耐久性に問題が生じる他、肌荒れが生じる場合がある。また、前述の通り錯イオン生成により無駄に消費されふっ化水素酸が増加するため、上限を50g/リットルとした。また、5g/リットル未満では溶解速度が遅くなるため下限を5g/リットルとした。
【0027】
4)全ふっ素
全ふっ素量は、酸洗液中に含まれるHFおよびHF2 -、さらに酸洗中にステンレス鋼から溶出したFeとHFとが反応して生じる FeF2+、FeF2 +、FeF3などのイオンやふっ化物として含まれるふっ素の含有量の合計であり、酸洗液中の全ふっ素の占める量を全ふっ素濃度という。したがって、全ふっ素量は新しい酸洗液の場合にはふっ化水素酸の量とほぼ等しい。HF2 -、FeF2+、FeF2 +等のイオンの存在は酸洗ムラを防止する作用があるが、この全ふっ素濃度が200g/リットルを超えると黒色の酸洗ムラが生じる。また、酸洗ムラを防止する効果は、全ふっ素濃度が5g/リットル以上で得られる。なお、この酸洗ムラ防止効果が得られる理由は、未だ解明されていない。
【0028】
全ふっ素濃度の制御は、酸洗中に濃度を測定して200g/リットルを超えそうになると、酸洗液を所定量捨てて、新しい酸洗液を遊離ふっ化水素酸の量が5〜50g/リットルとなる範囲で補給するとよい。
【0029】
5)鉄イオン、チタンイオン
鉄イオンは、Fe3+およびFe3+とふっ素または塩素との錯イオンの合計とする。また、チタンイオンは、Ti4+およびTi4+とふっ素または塩素との錯イオンの合計とする。これらのイオンを適切な含有量とするとステンレス鋼の溶解速度をさらに速める働きをする。この適切な含有量は10モル/m3以上である。しかし、鉄およびチタンの一方または双方のイオンが合計で50モル/m3を超えると逆に溶解速度が遅くなりるため上限を50モル/m3とする。
【0030】
Fe、Tiイオン濃度が上限を超える場合、前ふ素濃度の制御と同様に適当量の酸洗液を捨てて新たな酸洗液を追加することにより制御が可能である。
【0031】
これらのイオンの効果が得られる理由は現在のところ明らかではないが、これらのイオンが次式のように反応して、金属の溶出に伴って過剰となった電子(e-)を消費するために溶解反応が促進されるものと推測される。
【0032】
Fe3+ + e- → Fe2+
Ti4+ + e- → Ti3+
本発明の酸洗液は、いわゆるバッチ方式の酸洗にも連続方式の酸洗にも適用することができる。バッチ方式の場合には切り板や管の形態のスケールの付いたステンレス鋼をショットブラスト処理した後、本発明の酸洗液に浸漬するか、酸洗液をスプレー噴射する方法が推奨される。
【0033】
また、板厚が薄い場合や形状が複雑でショットブラスト処理が適用できない場合にはアルカリ溶融塩浸漬処理(通称:ソルトバス処理)を施した後、酸洗液に浸漬すればよい。
【0034】
連続方式の場合には、いわゆる連続焼鈍酸洗ライン(通称:APライン)を使用して脱スケールが行われる。すなわち、ステンレス鋼の熱延鋼帯または冷延鋼帯は最初に燃焼加熱炉を用いて焼鈍される。次に、熱延鋼帯の場合にはショットブラスト処理のような機械的な方法でスケールに亀裂を付与したり、スケールの一部を剥離させる。また、冷延鋼帯の場合にはアルカリ溶融塩処理や中性塩電解法のような化学的方法でスケールを改質する。そして、これらの酸洗前処理の後、本発明の酸洗液に浸漬するか、酸洗液をスプレー噴射するとよい。
【0035】
なお、本発明による酸洗液の使用温度は特に限定されるものではないが、温度が高いほど酸洗速度は速まるが、あまりに温度が高すぎると酸の蒸発による消費が著しくなるため、50℃以上90℃以下で使用するのが望ましい。また、本発明の酸洗液は、全てのステンレス鋼に用いることができるが、特にオーステナイト系ステンレス鋼の酸洗に好適である。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
表1に示す化学組成の2種類のステンレス鋼の熱延鋼帯を焼鈍後ショットブラスト処理して供試材とした。
【0037】
【表1】
【0038】
この供試材から、幅70、長さ100mmの酸洗試験片を切り出し、表2に示す各種酸洗液に浸漬して酸洗した。
【0039】
【表2】
【0040】
液No.1〜28の全て酸洗液の温度を50℃と一定にした。液No.28は従来から使用されている酸洗液である。
【0041】
このような条件で浸漬処理により酸洗し、脱スケールが完了する時間を測定し、次に示す5段階で脱スケール能を評価した。
【0042】
すなわち、従来条件であるNo.28での所要時間を3とし、それより短時間の場合は2、1とし、また長時間の場合は4、5とした。また、脱スケールが完了した時点の酸洗ムラを目視で5段階評価し、さらに粒界溝の発生程度をSEMを用いて5段階評価した。また、表面粗さ計を用いて酸洗後の表面粗度Raを測定した。各評価基準は、表3の注欄に記載した通りとした。
【0043】
評価結果を表3、4に、供試材A、B別に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
表3、4に示す酸洗結果から明らかなように、本発明の酸洗液で酸洗した試験片は脱スケール能は向上し、酸洗ムラが全く無く、粒界溝も全く発生していない。さらに、Ti、Fe濃度が本発明で規定する範囲内の場合、さらに脱スケール能が向上していることが認められる。また、酸洗後の表面粗さは比較的小さい。
【0047】
これに対して、本発明の酸洗液組成と同じではあるが、塩酸濃度が本発明で規定する範囲より低い液No.20は脱スケール能が劣り(脱スケールが遅く)、高い液No.21は酸洗による肌荒れが激しい(表面粗度が大きい)。
【0048】
また、硝酸濃度が低い液No.22は酸洗ムラやスマット残留が認められ、また供試材AおよびBに粒界溝が深く発生している。硝酸濃度が高いもの(液No.23)は局部溶解が激しく表面肌荒れが激しくなっている。さらに、ふっ化水素酸濃度が低い液No.24は、脱スケールが不十分で酸洗ムラが発生し、高い液No.25はスケールは全て除去できたが肌荒れが激しい。
【0049】
従来の硝ふっ酸酸洗では、脱スケールや酸ムラの問題はないが、供試材Aや供試材Bでは粒界溝が深く発生した。
【0050】
(実施例2)
表3に示した試験片のうち、酸洗が終了した13種類の代表的な試験片を選び、バフ研磨性を比較した。
【0051】
まず、13種の試験片を、ロール直径100mmの2Hiの冷間圧延機を用いて、圧延速度50mpmで冷間圧下率60%まで圧延した。ロール粗度はRa=0.13μmのロールを使用した。
【0052】
次に、酸素過剰の炭酸ガス燃焼ガス雰囲気中の電気炉内を用いて、1050℃の温度で、1000℃以上での加熱時間が10秒間となる焼鈍を施した。
【0053】
続いて仕上げ酸洗は、先に中性塩電解した後、硝ふっ酸浸漬の順で行った。中性塩電解処理は20%硫酸ナトリウム水溶液(80℃)中で2秒間陽極電解後1秒間陰極電解(電流密度80mA/cm2)することを30回繰り返す方法で行った。その後、8%硝酸+0.7%ふっ化水素酸中(50℃)中に30秒間浸漬して脱スケールした。
【0054】
さらに、直径100mmのブライトロールを持つ2Hiの圧延機を用い、無潤滑で圧下率1%の条件で調質圧延した。
【0055】
以上のようにして得られた供試材についてバフ研磨試験を行った。バフ研磨試験にはバフ研磨装置を小型化した試験機を用い、研磨ブラシ目は#1200番を用い、湿式で一定圧力に調整して1パスから4パスまで研磨した。この際、1パス後と4パス後の試験片表面の光沢度と写像性を目視観察した。
【0056】
その結果を表6に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
同表から明らかなように、本発明の酸洗液で酸洗した場合(試験No.1〜19)はバフ研磨後の光沢、写像性等の表面性状に優れていた。
【0059】
これに対して、本発明の酸洗液と同じ液組成ではあるが、濃度が本発明で規定する範囲をはずれる液で酸洗した試験No.21、25や従来の硝ふっ酸で酸洗した試験No.28、29は粒界溝が研磨によって除去されにくいため表面性状が劣っていた。
【0060】
【発明の効果】
本発明の酸洗液によれば、通常の硝ふっ酸酸洗工程では必然的に発生していた粒界溝が発生しないため、バフ研磨性が改善でき、従来バフ研磨性を向上させるために必要とされている酸洗工程後のベルト研磨工程を省略することができる。さらに、酸洗可能な許容金属濃度が増加するためトータルでの酸洗コストをも低減できる等、工業的価値が非常に大きい。
Claims (5)
- 塩酸:50〜250g/リットル、硝酸:50〜200g/リットルおよびふっ化水素酸:5〜40g/リットル、残部水及び不可避不純物からなる酸性水溶液であるステンレス鋼用酸洗液。
- 全ふっ素濃度が5〜200g/リットルである請求項1記載のステンレス鋼用酸洗液。
- さらに下記する鉄イオンおよびチタンイオンの一方または双方の合計で10〜50モル/m3を含む請求項1または2記載のステンレス鋼用酸洗液。
鉄イオン :Fe3+およびFe3+とFまたはClとの錯イオンの合計
チタンイオン:Ti4+およびTi4+とFまたはClとの錯イオンの合計 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の酸洗液を使用してステンレス鋼を酸洗することを特徴とするステンレス鋼の酸洗方法。
- 請求項1記載の酸洗液を使用してステンレス鋼を酸洗するに際し、酸洗液中の全ふっ素濃度と、下記する鉄イオンおよびチタンイオンの一種または二種の合計量との一方または双方が下記する範囲内の量となるように制御しながら酸洗することを特徴とするステンレス鋼の酸洗方法。
全ふっ素濃度:5〜200g/リットル
鉄イオンおよびチタンイオンの一方または双方の合計:10〜50モル/m3
ただし、
鉄イオン :Fe3+およびFe3+とFまたはClとの錯イオンの合計
チタンイオン:Ti4+およびTi4+とFまたはClとの錯イオンの合計
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