JP2000144462A - 高Crステンレス鋼板の表面仕上げ方法 - Google Patents

高Crステンレス鋼板の表面仕上げ方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】Crを19%以上含有する高クロムステンレス
鋼板に優れた防眩性を安価に付与することができる表面
処理方法の提供。 【解決手段】ステンレス鋼板を、硝酸ナトリウムに換算
して0.5〜8質量%の硝酸塩を含有する溶融アルカリ
塩浴に浸漬するか、または硝酸ナトリウムに換算して
0.5〜40質量%の硝酸塩、およびふっ化ナトリウム
に換算して1〜20質量%のふっ化物を含有する溶融ア
ルカリ塩浴に浸漬した後、酸洗する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融アルカリ塩と
酸洗液を用いて、Crを19質量%以上含有する高Cr
ステンレス鋼板の表面を防眩性に優れた表面に仕上げる
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板の製造工程には、焼鈍後
の鋼帯を溶融アルカリ塩浴に浸漬した後、酸洗して表面
に生成した酸化スケールを除去する脱スケール工程があ
る。
【0003】ステンレス鋼の脱スケール用の溶融アルカ
リ塩は、通常、水酸化ナトリウム等のアルカリと硝酸ナ
トリウム等の硝酸塩を主成分とするものであり、古くは
米国コーレン社の特許(特公昭45−18001号公
報)等で知られている。
【0004】溶融アルカリ塩によるステンレス鋼板の脱
スケール作用は、下記(1)および(2)式の通りとな
る。これらの式に示されるように、スケール中の酸化ク
ロム(Cr23)が溶融アルカリ塩(通常480℃程
度)中の水酸化ナトリウムや硝酸ナトリウムと反応して
水溶性のクロム酸ナトリウム(Na2CrO4)となるの
で、これを水洗して除去すればスケールの緻密さは失わ
れ、鉄を主成分とする酸洗の容易な酸化スケールに変化
する。
【0005】 Cr23+2NaOH→2NaCrO2+H2O ・・・・(1) 2NaCrO2+3NaNO3+2NaOH →2Na2CrO4+3NaNO2+H2O ・・・・(2) 溶融アルカリ塩浴の組成に関しては、例えば米国特許N
o.2458661号公報には、硝酸塩:水酸化物:塩
化物の重量比が1.0:1.5〜3.0:0.1〜0.
5の溶融アルカリ塩が開示されている。
【0006】また、特公昭45−18001号公報には
重量%で、硝酸ナトリウム9〜15%、塩化ナトリウム
5〜15%、水酸化カリウム8〜20%、水酸化ナトリ
ウム50〜78%の溶融アルカリ塩が開示されている。
【0007】さらに、特公昭62−61113号公報に
は重量%で、硝酸ナトリウムと硝酸カリウムの1種また
は2種が5〜40%、過マンガン酸カリウムと過マンガ
ン酸ナトリウムの1種または2種が0.5〜10%であ
り、必要に応じて塩化ナトリウムを5〜15%、水酸化
カリウムを5〜20%を含み、残部が水酸化ナトリウム
および不純物からなる高Crステンレス鋼用溶融アルカ
リ塩浴が開示されている。
【0008】ステンレス鋼は、一般にCrを11%以上
含有する鋼であり、最も多く使用されるのが18%Cr
−8%Niオーステナイト系ステンレス鋼である。最近
では、無塗装の屋根材としてのステンレス鋼板の需要が
多くなっており、この用途にはCrを20〜30%程度
含有する高Crフェライト系ステンレス鋼が多く用いら
れている。
【0009】ステンレス鋼板を無塗装の屋根材として使
用する場合の問題点は、耐銹性と防眩性(ぼうげんせ
い)である。前者は海から飛来した海塩粒子の付着等に
よって引き起こされる発銹の問題であり、これはステン
レス鋼のCr含有率を20〜30%程度に高め、Moを
2〜5%程度含有させることによってほぼ防止できる。
【0010】一方、後者は屋根面で反射した太陽光線が
目に眩しいという問題であり、これを防止または軽減す
るためには屋根材表面での光の乱反射をなるべく多くし
て、特定方向への集中的な反射を少なくするのが有効な
手段である。
【0011】一般的な防眩方法として、特開平5−16
3588号公報などに開示されているような、微細な凹
凸を付与した冷間圧延ロールを用いて圧延することによ
り鋼板表面の粗度を大きくする方法がある。
【0012】しかし、この方法では、圧延ロールの表面
が徐々に磨耗するため、圧延量が増すにつれて鋼板表面
の粗度が低下するという問題がある。また、この方法で
は、鋼板表面に比較的大きな凹凸を付与することは容易
であるが、光の乱反射を多くして白色度を高める作用を
する極微細な凹凸を付与することはできないので、屋根
材としての防眩性が十分に得られない。
【0013】ステンレス鋼表面に極微細な凹凸を付与し
て防眩性を高める手段としては、酸洗によって表面を肌
荒れさせる方法が考えられるが、一般に高Crステンレ
ス鋼は耐酸性が優れるため肌荒れが起こりにくい。ま
た、強いて肌荒れを起こすために強い酸洗条件を適用す
ると、不均一な肌荒れが起きて、光沢むらが発生すると
いう問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、Cr
を19%以上含有する高クロムステンレス鋼板に優れた
防眩性を安価に付与することができる表面処理方法を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】高Crステンレス鋼板の
表面仕上げ方法に係わる本発明の要旨は以下の通りであ
る。
【0016】(1)Crを19質量%以上含有するステ
ンレス鋼板を、硝酸ナトリウムに換算して0.5〜8質
量%の硝酸塩を含有する溶融アルカリ塩浴に浸漬した
後、酸洗する高Crステンレス鋼板の表面仕上げ方法。
【0017】(2)Crを19質量%以上含有するステ
ンレス鋼板を、硝酸ナトリウムに換算して0.5〜40
質量%の硝酸塩、およびふっ化ナトリウムに換算して1
〜20質量%のふっ化物を含有する溶融アルカリ塩浴に
浸漬した後、酸洗する高Crステンレス鋼板の表面仕上
げ方法。
【0018】本発明者らは、溶融アルカリ塩浴を用いて
ステンレス鋼板に優れた防眩性を付与する方法を開発す
るため、溶融アルカリ塩浴中におけるステンレス鋼板の
溶解挙動を詳細に調べた結果、以下の知見を得て本発明
を完成するに至った。
【0019】a)ステンレス鋼板のCr含有率が19質
量%以上の高Crステンレス鋼板を、溶融アルカリ塩浴
に浸漬すると、前述の(1)および(2)式による酸化
スケールの溶解反応以外に金属地金も溶解される。
【0020】b)この金属地金の溶解反応は、一般に使
用されている組成の溶融アルカリ塩浴を用いると局所的
に起こり、激しく侵食される部位とほとんど侵食されな
い部位ができるため、光沢むらが発生する。
【0021】c)このような局所的な激しい侵食は、溶
融アルカリ塩浴中の硝酸塩含有率を従来よりかなり低め
の0.5〜8質量%とすることによって防止でき、かつ
均一で適度な溶解反応となり、高Crステンレス鋼板表
面に極微細な凹凸が付与され、防眩性の優れた表面が得
られる。
【0022】d)硝酸塩含有率が硝酸ナトリウムに換算
して0.5〜40質量%と高くても、溶融アルカリ塩浴
中にふっ化物を共存させることによって、局所的な激し
い侵食は防止され、均一で防眩性の優れた表面が容易に
得られる。
【0023】e)溶融アルカリ塩浴中における高Crス
テンレス鋼板の溶解反応は、浴中の硝酸塩濃度が高いほ
ど速まるので、硝酸塩濃度を高め、ふっ化物を添加した
溶融アルカリ塩浴を使用することによって、処理時間を
短縮することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の表面仕上げ方法で規定し
た各条件について説明する。なお、ステンレス鋼の化学
組成、溶融アルカリ塩の組成および酸洗液における%表
示は総て質量%である。 1)ステンレス鋼板 本発明の表面仕上げ方法の対象となるステンレス鋼板
は、Crを19%以上含有する高Crステンレス鋼板で
ある。
【0025】通常の溶融アルカリ塩(硝酸塩を10〜4
0%含有)に浸漬すると、スケール直下の地金までもが
不均一に侵食され光沢むらが発生し、好ましい防眩性が
得られない19%以上のCrを含有するステンレス鋼板
が対象となる。Crが19%未満では、光沢むらが発生
しないので本発明の表面仕上げ方法の適用外とした。
【0026】Cr以外の成分は特に限定されないが、特
にNiを含有しないフェライト系ステンレス鋼板が好適
である。
【0027】2)硝酸ナトリウムに換算して0.5〜8
%の硝酸塩を含有する溶融アルカリ塩浴 本発明の方法では2種類の溶融アルカリ塩浴を用いるこ
とができる。一つは、ふっ化物を含まない溶融アルカリ
塩浴であり、この場合には溶融アルカリ塩浴中の硝酸塩
の濃度を硝酸ナトリウムに換算して0.5〜8%とす
る。他の一つは、ふっ化物を含む溶融アルカリ塩浴で、
これについては下記3)で述べる。
【0028】硝酸塩の濃度が上記0.5〜8%の範囲よ
り低い場合には脱スケールが不十分になりやすく、高い
場合には溶融アルカリ塩浴中で局部的な激しい溶解がお
こり、光沢むらが発生しやすい。望ましい濃度は1〜5
%である。
【0029】硝酸塩以外の成分としては、水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウム等のアルカリが必須であり、この
ほかに塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩化物、硫酸
ナトリウムや硫酸カリウム等の硫酸塩、あるいは炭酸ナ
トリウムや炭酸カリウム等の炭酸塩がナトリウム塩に換
算して0.5〜20%程度含まれてもよい。
【0030】また、酸化力の強い過マンガン酸ナトリウ
ムや過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩がナトリ
ウム塩に換算して0.5〜8%、亜硝酸ナトリウムや亜
硝酸カリウム等の亜硝酸塩がナトリウム塩に換算して1
〜16%共存してもよいが、この場合にはそれらの濃度
に応じて硝酸塩の濃度を低めることが光沢むら発生防止
のために望ましい。
【0031】すなわち、過マンガン酸塩や亜硝酸塩が共
存する場合には、ナトリウム塩に換算して、硝酸塩の量
(質量%)+過マンガン酸塩の量(質量%)+亜硝酸塩
の量(質量%)×0.5の値が0.5〜8の範囲になる
ことが望ましい。
【0032】3)硝酸ナトリウムに換算して0.5〜4
0%の硝酸塩、およびふっ化ナトリウムに換算して1〜
20%のふっ化物を含有する溶融アルカリ塩浴 本発明の方法で用いることのできる他の一つの溶融アル
カリ塩浴は、ふっ化ナトリウムやふっ化カリウム等のふ
っ化物をナトリウム塩に換算して1〜20%含有するも
のであり、この場合には溶融アルカリ塩浴中の硝酸塩の
濃度を硝酸ナトリウムに換算して0.5〜40%、さら
に望ましくは1〜30%とする必要がある。
【0033】硝酸塩の濃度がこの範囲より低い場合に
は、脱スケールが不十分になりやすく、高い場合には溶
融アルカリ塩浴中での局部的な激しい溶解のため、光沢
むらが発生しやすい。
【0034】硝酸塩以外の成分としては、水酸化ナトリ
ウムや水酸化カリウム等のアルカリが必須であり、この
ほかに塩化ナトリウムや塩化カリウム等の塩化物、硫酸
ナトリウムや硫酸カリウム等の硫酸塩、あるいは炭酸ナ
トリウムや炭酸カリウム等の炭酸塩がナトリウム塩に換
算して0.5〜20%程度含まれてもよい。
【0035】また、酸化力の強い過マンガン酸ナトリウ
ムや過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩がナトリ
ウム塩に換算して0.5〜20%、亜硝酸ナトリウムや
亜硝酸カリウム等の亜硝酸塩がナトリウム塩に換算して
1〜40%共存してもよいが、この場合にはそれらの濃
度に応じて硝酸塩の濃度を低めることが光沢むら発生防
止のために望ましい。
【0036】すなわち、過マンガン酸塩や亜硝酸塩が共
存する場合には、ナトリウム塩に換算して、硝酸塩の量
(質量%)+過マンガン酸塩の量(質量%)+亜硝酸塩
の量(質量%)×0.5の値が0.5〜40の範囲にな
ることが望ましい。
【0037】なお、溶融アルカリ塩浴中にふっ化物を含
有する場合に、酸化力の強い硝酸塩、過マンガン酸塩お
よび亜硝酸塩の合計が高濃度(最大40%)まで許容さ
れるのは、これらの強酸化性物質による局部的な激しい
侵食作用がふっ化物によって抑制されるためと推測され
る。
【0038】溶融アルカリ塩浴の温度は特に厳密に限定
されないが、450〜550℃程度が推奨される。これ
より温度が低い場合には、脱スケールが不十分になりや
すく、高い場合には浴成分の分解による脱スケール能力
低下や浴槽の腐食が進行しやすい。
【0039】また、溶融アルカリ塩浴への浸漬時間も特
に厳密には限定されないが、通常、2〜30秒間程度が
適当である。これより浸漬時間が短いと脱スケールが不
十分になりやすく、長いと光沢むらが発生しやすい。
【0040】4)溶融アルカリ塩浴への浸漬処理後の酸
洗 溶融アルカリ塩浴への浸漬処理後の酸化スケールは、鉄
を主成分とする残存スケールとなっており、この残存ス
ケールとその直下のクロム欠乏金属層を除去するために
酸洗をおこなう。
【0041】地金金属を溶解して肌荒れを発生させるよ
うな強い酸洗条件は好ましくない。したがって、具体的
な酸洗条件は厳密に規定されるものではないが、例えば
温度が20〜60℃の5〜15%HNO3+0.5〜3
%HF水溶液に10〜60秒間浸漬する方法、および3
0〜60℃の5〜20%HNO3中で20〜120秒間
交番電解する方法等が推奨される。
【0042】上記の溶融アルカリ塩浴処理や酸洗処理
は、ステンレス鋼板が切り板であっても鋼帯であっても
適用できるが、特に後者の場合には、従来のステンレス
鋼帯の連続焼鈍酸洗ライン(APライン)が利用できる
ので、新たな設備開発や設備投資が省略でき、防眩性の
優れた高Crステンレス鋼板が安価に製造できる。
【0043】
【実施例】表1に示す5種類の化学組成のステンレス鋼
の冷延鋼帯(板厚0.4〜0.5mm)から、幅50m
m、長さ100mmの試験片を切り出し、電気炉で表1
に示す1000〜1130℃の温度で90秒間焼鈍し
た。常温まで冷却後、試験片の重量を測定して、表2〜
表4に示す組成および温度の11種類の溶融アルカリ塩
浴中に30秒間浸漬した後、水洗して付着した溶融アル
カリ塩を溶解、除去した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】次に、50℃の硝ふっ酸酸洗液 (10%
HNO3−2%HF水溶液)中に試験片を60秒間浸漬
した後水洗し、乾燥した。再び試験片の重量を測定した
後、光沢計を用いてJIS Z 8741-1997に規定の
鏡面光沢度(入射角20度)を測定した。
【0049】また、分光光度計を用いて試験片の表面色
を測定し、JIS Z 8715−1991の規定に従
って白色度を計算した。
【0050】さらに、試験片表面の光沢むらの程度を目
視観察によって5段階に評価した。なお、評価基準は、
1:光沢むら全く無し、2:わずかに光沢むらあり、
3:少し光沢むらあり、4:かなり光沢むらあり、5:
著しい光沢むらあり、とした。試験前後の試験片の重量
差から溶解減量を求めた。比較のために、溶融アルカリ
塩浴処理をおこなわず、代わりに中性塩電解処理をおこ
ない、その他の条件は上記と全く同じ条件で処理した試
験片についても、同じ調査を行った。
【0051】なお、表1の供試材のうち、eのみは本発
明で規定する化学組成の範囲をはずれた比較材であり、
表2の硝酸塩およびふっ化物はそれぞれ、硝酸ナトリウ
ムおよびふっ化ナトリウムに換算した全量の含有率を示
す。
【0052】表2〜表4からわかるように、本発明の対
象となる供試材(表1の記号a〜d)を溶融アルカリ塩
浴処理するに際して、溶融アルカリ塩浴中にふっ化物を
含まず、硝酸塩が0.5〜8%の範囲に入るものを使用
した場合(記号B〜E)には、比較的光沢度が小さくて
白色度が大きく、光沢むらは全く発生しなかった。
【0053】また、溶融アルカリ塩浴中にふっ化物を含
み、硝酸塩が0.5〜40%の範囲に入るものを使用し
た場合(記号H〜J)も、比較的光沢度が小さくて白色
度が大きく、光沢むらは全く発生しなかった。
【0054】これに対して、硝酸塩の含有率が0.5%
未満の溶融アルカリ塩浴を用いた場合(記号Aおよび
G)は、脱スケールが不十分となり、白色度が著しく小
さく、かなり〜著しい光沢むらが発生した。また、ふっ
化物を含まず、硝酸塩含有率が8%を超える場合(記号
F)およびふっ化物を含み、硝酸塩含有率が40%を超
える場合(記号K)には著しい光沢むらが発生した。
【0055】溶融アルカリ塩浴処理の代わりに中性塩電
解処理を行った場合(記号L)は、光沢むらは発生しな
かったが、光沢度が大きく白色度の小さい表面となり、
防眩性が不十分であった。
【0056】なお、Cr含有が本発明で規定する下限に
満たない比較例の供試材eは、溶融アルカリ塩浴中の硝
酸塩が0.5%以上であれば脱スケールが可能であり、
硝酸塩含有率およびふっ化物の有無にかかわらずほぼ一
定の光沢および白色度の表面が得られた。
【0057】
【発明の効果】本発明の表面仕上げ方法によれば、近
年、屋根材等の用途に需要が増大している、Crを19
%以上含有する高クロムステンレス鋼板の防眩性を低コ
ストで高めることが可能となり、その工業的効果は大き
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Crを19質量%以上含有するステンレス
    鋼板を、硝酸ナトリウムに換算して0.5〜8質量%の
    硝酸塩を含有する溶融アルカリ塩浴に浸漬した後、酸洗
    することを特徴とする高Crステンレス鋼板の表面仕上
    げ方法。
  2. 【請求項2】Crを19質量%以上含有するステンレス
    鋼板を、硝酸ナトリウムに換算して0.5〜40質量%
    の硝酸塩、およびふっ化ナトリウムに換算して1〜20
    質量%のふっ化物を含有する溶融アルカリ塩浴に浸漬し
    た後、酸洗することを特徴とする高Crステンレス鋼板
    の表面仕上げ方法。
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