JP3791063B2 - 鋼材の酸洗前処理用溶融塩 - Google Patents

鋼材の酸洗前処理用溶融塩 Download PDF

Info

Publication number
JP3791063B2
JP3791063B2 JP25406796A JP25406796A JP3791063B2 JP 3791063 B2 JP3791063 B2 JP 3791063B2 JP 25406796 A JP25406796 A JP 25406796A JP 25406796 A JP25406796 A JP 25406796A JP 3791063 B2 JP3791063 B2 JP 3791063B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molten salt
steel
pickling
amount
bath
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP25406796A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10102269A (ja
Inventor
啓 松本
滋 木谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP25406796A priority Critical patent/JP3791063B2/ja
Publication of JPH10102269A publication Critical patent/JPH10102269A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3791063B2 publication Critical patent/JP3791063B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステンレス鋼帯などの鋼材の酸洗の前処理として使用される溶融塩に係わり、特に鋼帯に連続的に焼鈍と酸洗とを施す連続焼鈍酸洗工程の酸洗の前処理に使用するのに好適な溶融塩の組成に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステンレスの冷延鋼帯は、熱間圧延鋼帯を焼鈍し、表面に生成した酸化スケールを除去し、次いで冷間圧延を施し、焼鈍後酸洗する方法により製造される。近年、前記焼鈍と酸洗とを連続的に行う連続焼鈍酸洗ラインが工業的に広く採用されている。
【0003】
この焼鈍工程で鋼帯の表面に生成された緻密な酸化スケールを酸洗のみで除去しようとすると非常に長い時間を要し、かつ鋼帯の表面に肌荒れが生じた製品になることが多い。
【0004】
そのため、一般にステンレス鋼帯では、酸洗の前処理として水酸化ナトリウムと硝酸ナトリウムを主成分とした溶融塩浴中を通過させて、酸化スケール中の3価のクロム酸化物を6価に酸化せしめてから酸洗する方法が採られている。
【0005】
溶融塩組成物として、米国特許2,458,661号公報には、鉄金属の表面を清浄にするための溶融塩浴として重量%で、アルカリ金属硝酸塩22.2〜38.5%、アルカリ水酸化物50〜73%およびアルカリ塩化物2.4〜16.7%からなる塩浴が開示されている。
【0006】
特公昭45−18001号公報に、重量%で、硝酸ナトリウム9〜15%、塩化カリウム8〜20%、水酸化ナトリウム50〜78から成り、水酸化カリウムの水酸化ナトリウムに対する重量比が0.1以上0.4以下である実質上無水の金属表面清浄用溶剤が開示されている。
【0007】
また、特開昭59−157288号公報には、ステンレス鋼の冷延鋼帯を酸洗するに当たり、鋼帯を溶融塩浴に浸漬した後、中性塩水溶液にて電解処理し、次いで硝酸または硝酸とふっ酸からなる混酸にて酸洗する方法が示されている。その溶融塩浴として、苛性ソーダ、硝酸ソーダおよび塩化ナトリウムを主成分とする組成物が使用されている。
【0008】
このような溶融塩をステンレス鋼帯の酸洗の前処理として使用すると、溶融塩は粘度が高いため塩が鋼帯表面に付着し、鋼帯を溶融塩浴から引き上げてもその表面に残る。それをそのまま酸洗すると、酸洗むらが生じたり、圧延時に塩が鋼帯表面に押し込こまれて疵になったりする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、鋼材の表面に生成した酸化スケールを酸洗で除去するに際し、酸洗の前処理として用いられる溶融塩浴において、浴から鋼材を引き上げる際に鋼材が持ち出す溶融塩の量を低減することのできる溶融塩を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、溶融塩浴から鋼材を引き上げる際に鋼材が持ち出す溶融塩の量を低減する手段として、溶融塩の組成を種々変えて検討した結果、水酸化ナトリウム(NaOH)および水酸化カリウム(KOH)の1種または2種を主成分とし、硝酸ナトリウム(NaNO3)および硝酸カリウム(KNO3)の1種または2種を含む溶融塩に、硫酸ナトリウム(Na2SO4)および硫酸カリウム( K2SO4) の1種または2種を合計で0.5〜5重量%加えることにより、浴からの鋼材の持ち出し量が激減するとの知見を得た。
【0011】
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は、
「重量%で、硝酸ナトリウムおよび硝酸カリウムの1種または2種を合計で10〜40%、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムの1種または2種を合計で0.5〜5%、残部水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの1種または2種と不純物からなる鋼材の酸洗前処理用溶融塩」にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の溶融塩の組成を上述のように規定した理由および作用につき以下に説明する。なお、以下「%」は重量%で表すものとする。
【0013】
硝酸ナトリウム(NaNO 3 )、硝酸カリウム(KNO 3 ):
これらは、溶融塩の酸化性を高める効果があり、鋼材の酸化スケール中の3価のクロム酸化物を6価に酸化して、後工程の酸化スケールの溶解を容易にする。
NaNO3 、KNO3 のどちらでも酸化性に差はなくいが、NaNO3 、KNO3の一方または双方とNaOH、KOHの一方または双方がそろうことにより、はじめて酸化性を高めることができる。
【0014】
NaNO3 、KNO3の含有量は、これらどちらか1方または双方の合計が、10%未満ではその効果が小さく、また40%を超えると浴の酸化力が強すぎてかえって脱スケール性が低下する。
【0015】
硫酸ナトリウム(Na 2 SO 4 )および硫酸カリウム( 2 SO 4 ):
これらは、鋼材の溶融塩浴からの塩の持ち出し量を削減する効果がある。その理由は必ずしも定かではないが、Na2SO4または K2SO4 を塩浴に添加すると溶融塩の融点が下がり、粘度が低下するためと考えられる。
【0016】
Na2SO4、K2SO4のどちらでも持ち出し量に及ぼす効果は同じであり、どちらか1方または双方を含有させることができる。
【0017】
これらの合計量が0.5%未満では効果が小さいく、5%を超えると逆に持ち出し量が増加する。したがって、Na2SO4、K2SO4は、それらの1種または2種を合計で0.5〜5%とした。好ましくは0.8〜2%である。
【0018】
水酸化ナトリウム(NaOH)および水酸化カリウム(KOH):
これらは、溶融塩の酸化性を高める効果があり、鋼材の酸化スケール中の3価のクロム酸化物を6価に酸化して、後工程の酸化スケールの溶解を容易にする。
NaOH、KOHのどちらでも酸化性に差はなくいが、NaOH、KOHの一方または双方とNaNO3 、KNO3 の一方または双方がそろうことにより、はじめて酸化性を高めることができる。
【0019】
NaOH、KOHの含有量は、NaNO3 およびKNO3 とNa2SO4およびK2SO4と不純物の合計含有量の残部である。
【0020】
不純物:
不純物としては、塩浴の使用中にNa2CO3、Cr23や鉄系酸化物が混入してくる。これらは鋼帯の表面への塩の付着を容易にする作用があるので、少なければ少ないほどよく10%以下、できれば5%以下とするのが好ましい。
【0021】
本発明の上記溶融塩の使用に当たっては、350〜550℃の浴温にすることによってその効果が発揮される。
【0022】
なお、本発明の溶融塩は、オーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼や低Cr鋼等の鋼帯、棒鋼、鋼管等酸洗のみでは酸化スケールの除去が困難な鋼材の酸洗の前処理として使用できる。
【0023】
【実施例】
表面にスケールが付着した板厚が0.5mmのオーステナイト系ステンレス鋼、SUS304の冷延鋼板から、厚さ0.5mm、幅35mm、長さ60mmの試験片を作成し、溶融塩浴に浸漬して引き上げた後、試験片が浴から持ち出した溶融塩の量を測定した。
【0024】
表1は、本実施例で使用した溶融塩の組成を示し、溶解直後のものであるため不純物はほぼ0であった。また、溶融塩浴の温度は430℃、480℃及び530℃の3種とした。
【0025】
【表1】
Figure 0003791063
【0026】
試験片の上部に直径4mmの穴をあけ、針金をひっかけて吊した状態で溶融塩浴に5秒浸漬した後、0.9mm/分の速度で引き上げた。引き上げ速度を遅くしたのは、試験片が小さいので引き上げ時のエッジなどの影響を除外するためである。引き上げて冷却した後、各試験片の溶融塩の持ち出し量を測定した。持ち出し量は、浸漬前後の重量差から持ち出し量を求めた。測定結果を表1に示す。
図1は、表1のNa2SO4 の含有量を変化させたNo.1〜6の測定結果を図にしたものである。同図から明らかなように、Na2SO4を含む溶融塩の場合、含まない溶融塩に比べ何れの温度でも大幅に持ち出し量が削減されてる。480℃の場合、Na2SO4を1%含有する場合、含有しない場合に比べ約3割も持ち出し量が削減されてる。また、表1から分かるように、K2SO4を含む溶融塩の場合もNa2SO4を含む溶融塩の場合と同様に、試験片に溶融塩の持ち出し量が少ない。。
【0027】
【発明の効果】
本発明の溶融塩を用いて酸洗の前処理をおこなうと、鋼材の溶融塩の持ち出し量が非常に少なくなるため、溶融塩のロスが少なくなり、脱スケールの低コスト化が達成でき、かつ表面の良好な製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Na2SO4の含有量と鋼板の溶融塩の持ち出し量との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 重量%で、硝酸ナトリウムおよび硝酸カリウムの1種または2種を合計で10〜40%、硫酸ナトリウムおよび硫酸カリウムの1種または2種を合計で0.5〜5%、残部水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの1種または2種と不純物からなる鋼材の酸洗前処理用溶融塩。
JP25406796A 1996-09-26 1996-09-26 鋼材の酸洗前処理用溶融塩 Expired - Lifetime JP3791063B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25406796A JP3791063B2 (ja) 1996-09-26 1996-09-26 鋼材の酸洗前処理用溶融塩

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25406796A JP3791063B2 (ja) 1996-09-26 1996-09-26 鋼材の酸洗前処理用溶融塩

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10102269A JPH10102269A (ja) 1998-04-21
JP3791063B2 true JP3791063B2 (ja) 2006-06-28

Family

ID=17259768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25406796A Expired - Lifetime JP3791063B2 (ja) 1996-09-26 1996-09-26 鋼材の酸洗前処理用溶融塩

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3791063B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10102269A (ja) 1998-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2040786C (en) Method for descaling hot-rolled stainless steel strip
US5490908A (en) Annealing and descaling method for stainless steel
KR100720278B1 (ko) Nb첨가 고 Cr 페라이트계 안정화 스테인리스강의 고속산세방법
JP3791063B2 (ja) 鋼材の酸洗前処理用溶融塩
JP3216571B2 (ja) 高Crステンレス鋼の脱スケール用アルカリ溶融塩浴
JP2842787B2 (ja) ステンレス冷延鋼帯の焼鈍・脱スケール方法
JPS6261113B2 (ja)
JP3506127B2 (ja) 酸洗後の表面性状に優れる熱延鋼帯の酸洗方法
JPS6345480B2 (ja)
JP2000073192A (ja) フェライト系ステンレス鋼板の製造方法
JP2002348700A (ja) Cr系ステンレス冷延焼鈍鋼板の脱スケール方法
JP2966188B2 (ja) フェライト系ステンレス焼鈍鋼帯のデスケーリング方法
JP2965423B2 (ja) 高Cr含有フェライト系ステンレス鋼板の酸洗法
JP2000144462A (ja) 高Crステンレス鋼板の表面仕上げ方法
JPH0665765A (ja) ステンレス鋼帯の高速酸洗処理法
JP2962185B2 (ja) 連続焼鈍酸洗用溶融塩浴組成
JPS6261672B2 (ja)
JP3195144B2 (ja) 含Cr鋼の高能率酸洗方法
JPS57192294A (en) Manufacture of surface treated steel strip for welded can
JP2640565B2 (ja) ステンレス鋼板の連続製造装置
JP3232197B2 (ja) 耐食性に優れたCr含有耐食性鋼帯の製造方法
JPH09143768A (ja) ステンレス鋼の酸洗方法
KR20150055504A (ko) 고크롬 페라이트계 스테인리스 강판의 혼산 용액을 이용한 산세 방법
JP2981167B2 (ja) ステンレス鋼板の溶接方法
JP2005232546A (ja) ステンレス冷延焼鈍鋼板の脱スケール方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120414

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130414

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130414

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130414

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140414

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term