JP3195144B2 - 含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方法 - Google Patents
含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方法Info
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- JP3195144B2 JP3195144B2 JP27716393A JP27716393A JP3195144B2 JP 3195144 B2 JP3195144 B2 JP 3195144B2 JP 27716393 A JP27716393 A JP 27716393A JP 27716393 A JP27716393 A JP 27716393A JP 3195144 B2 JP3195144 B2 JP 3195144B2
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はＣｒを含有する低合金鋼
およびオーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ス
テンレス鋼などの、含Ｃｒ鋼の酸洗方法に関するもので
ある。
およびオーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ス
テンレス鋼などの、含Ｃｒ鋼の酸洗方法に関するもので
ある。
【０００２】
【従来の技術】熱間圧延あるいは焼鈍処理などの熱履歴
を受けた含Ｃｒ鋼の表面に生成した酸化膜は、製品表面
の外観性を損なう問題から、特開昭５６−８１６８８号
公報で紹介される「硫酸水溶液、さらには硫酸第２鉄を
混合した酸洗水溶液」、特開昭６３−４５４８０号公報
で紹介される「硫酸水溶液にフルオロ珪酸塩もしくはフ
ルオロ硼酸塩に、硫酸塩と硝酸塩の１種または２種を混
合した酸洗水溶液」など、多くの種類の酸洗水溶液が使
用されている。このような酸洗水溶液は、含Ｃｒ鋼の酸
化膜を短時間に除去して美麗な鋼表面に仕上げるが、酸
洗作業時間の経過と共にスラジ（酸洗滓）が発生して液
比重、電気特性、粘性などを変化させ、酸洗効率を著し
く劣化する問題があった。また酸洗作業中に発生し酸洗
水溶液中に浮遊するスラジは、酸洗される含Ｃｒ鋼の外
観性を劣化する問題から、定期的に酸洗作業を一時停止
して除去しなければならない問題があった。
を受けた含Ｃｒ鋼の表面に生成した酸化膜は、製品表面
の外観性を損なう問題から、特開昭５６−８１６８８号
公報で紹介される「硫酸水溶液、さらには硫酸第２鉄を
混合した酸洗水溶液」、特開昭６３−４５４８０号公報
で紹介される「硫酸水溶液にフルオロ珪酸塩もしくはフ
ルオロ硼酸塩に、硫酸塩と硝酸塩の１種または２種を混
合した酸洗水溶液」など、多くの種類の酸洗水溶液が使
用されている。このような酸洗水溶液は、含Ｃｒ鋼の酸
化膜を短時間に除去して美麗な鋼表面に仕上げるが、酸
洗作業時間の経過と共にスラジ（酸洗滓）が発生して液
比重、電気特性、粘性などを変化させ、酸洗効率を著し
く劣化する問題があった。また酸洗作業中に発生し酸洗
水溶液中に浮遊するスラジは、酸洗される含Ｃｒ鋼の外
観性を劣化する問題から、定期的に酸洗作業を一時停止
して除去しなければならない問題があった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するものであって、酸洗作業を定期的に一時停止する
事なく、長時間にわたって連続的に酸洗作業が行い得る
含Ｃｒ鋼の高能率酸洗法を提供することを目的とする。
決するものであって、酸洗作業を定期的に一時停止する
事なく、長時間にわたって連続的に酸洗作業が行い得る
含Ｃｒ鋼の高能率酸洗法を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者らは、酸洗液の温度、濃度その他諸々の条件
について検討した結果、生成したスラジには、比重が２
〜３（酸洗液中での見かけ比重は、０．２程度）で濃緑
色を呈しさらさらした微粒状のＡ型スラジ［Ｎａ3 Ｆｅ
（ＳＯ4 ）3 ・３Ｈ2 Ｏ，ＮａＦｅ3 （ＳＯ4 ）2 （Ｏ
Ｈ）6 の混合物］と、比重が２〜３（酸洗液中での見か
け比重は、０．０５程度）で黄緑色を呈したねばい粘泥
土状のＢ型スラジ［Ｎａ3 Ｆｅ（ＳＯ4 ）3 ・３Ｈ
2 Ｏ，ＮａＦｅ3 （ＳＯ4 ）2 （ＯＨ）6 ，Ｃｒ（Ｏ
Ｈ）3 ，ＦｅＦ・４Ｈ2 ＯおよびＣｒ（ＳＯ4 ・１６Ｈ
2 Ｏ）の混合物］の２種類があること、健全な表面をも
つ含Ｃｒ鋼を得るためにはいずれのスラジも少ない程好
ましいが、これらの発生を抑制し皆無にすることは不可
能であること、従って、粘泥土状のＢ型スラジの発生が
少ない酸洗条件よりも、流動的で沈降し易いＡ型スラジ
が溶液槽底に嵩張って多く堆積しても回収除去し易い酸
洗条件で処理するほうが、有利な酸洗作業であることを
知見した。
に本発明者らは、酸洗液の温度、濃度その他諸々の条件
について検討した結果、生成したスラジには、比重が２
〜３（酸洗液中での見かけ比重は、０．２程度）で濃緑
色を呈しさらさらした微粒状のＡ型スラジ［Ｎａ3 Ｆｅ
（ＳＯ4 ）3 ・３Ｈ2 Ｏ，ＮａＦｅ3 （ＳＯ4 ）2 （Ｏ
Ｈ）6 の混合物］と、比重が２〜３（酸洗液中での見か
け比重は、０．０５程度）で黄緑色を呈したねばい粘泥
土状のＢ型スラジ［Ｎａ3 Ｆｅ（ＳＯ4 ）3 ・３Ｈ
2 Ｏ，ＮａＦｅ3 （ＳＯ4 ）2 （ＯＨ）6 ，Ｃｒ（Ｏ
Ｈ）3 ，ＦｅＦ・４Ｈ2 ＯおよびＣｒ（ＳＯ4 ・１６Ｈ
2 Ｏ）の混合物］の２種類があること、健全な表面をも
つ含Ｃｒ鋼を得るためにはいずれのスラジも少ない程好
ましいが、これらの発生を抑制し皆無にすることは不可
能であること、従って、粘泥土状のＢ型スラジの発生が
少ない酸洗条件よりも、流動的で沈降し易いＡ型スラジ
が溶液槽底に嵩張って多く堆積しても回収除去し易い酸
洗条件で処理するほうが、有利な酸洗作業であることを
知見した。
【０００５】本発明はこの知見に基づいて構成したもの
で、その要旨は、酸化膜が付着した含Ｃｒ鋼を、２０〜
４００グラム／リットル（ｇ／ｌ）の硫酸水溶液にフル
オロ珪酸塩もしくはフルオロ硼酸塩を添加し、さらに硫
酸塩と硝酸塩の１種または２種を添加してＮＯ3 - が２
０〜３００ｇ／ｌでかつ５ｇ／ｌ以下のＦｅ2+に抑制し
た酸洗溶液中で、電解酸洗する含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方
法である。
で、その要旨は、酸化膜が付着した含Ｃｒ鋼を、２０〜
４００グラム／リットル（ｇ／ｌ）の硫酸水溶液にフル
オロ珪酸塩もしくはフルオロ硼酸塩を添加し、さらに硫
酸塩と硝酸塩の１種または２種を添加してＮＯ3 - が２
０〜３００ｇ／ｌでかつ５ｇ／ｌ以下のＦｅ2+に抑制し
た酸洗溶液中で、電解酸洗する含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方
法である。
【０００６】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明は、酸化膜が付着してＣｒを含有する低合金鋼およ
びオーステナイト系やフェライト系などのステンレス鋼
の如き含Ｃｒ鋼を、２０〜４００ｇ／ｌの硫酸水溶液に
フルオロ珪酸塩もしくはフルオロ硼酸塩を添加し、さら
に硫酸塩などを選択添加した酸洗水溶液中で、電解酸洗
する。本発明において硫酸水溶液は、含Ｃｒ鋼の酸化膜
を溶解除去しかつ通電性を向上するために使用する主剤
で、酸洗水溶液中に２０ｇ／ｌ未満の薄い濃度では酸洗
効率が悪くまた４００ｇ／ｌを超える過剰な濃度では過
酸洗となり表面外観を害する。
発明は、酸化膜が付着してＣｒを含有する低合金鋼およ
びオーステナイト系やフェライト系などのステンレス鋼
の如き含Ｃｒ鋼を、２０〜４００ｇ／ｌの硫酸水溶液に
フルオロ珪酸塩もしくはフルオロ硼酸塩を添加し、さら
に硫酸塩などを選択添加した酸洗水溶液中で、電解酸洗
する。本発明において硫酸水溶液は、含Ｃｒ鋼の酸化膜
を溶解除去しかつ通電性を向上するために使用する主剤
で、酸洗水溶液中に２０ｇ／ｌ未満の薄い濃度では酸洗
効率が悪くまた４００ｇ／ｌを超える過剰な濃度では過
酸洗となり表面外観を害する。
【０００７】また、フルオロ珪酸ソーダやフルオロ珪酸
カリウムの如きフルオロ珪酸塩、フルオロ硼酸ソーダや
フルオロ硼酸アンモニウムの如きフルオロ硼酸塩は、酸
化膜の溶解速度を大幅に促進するもので、適宜に添加す
る。さらに過酸洗を抑制するために硫酸ナトリウムで代
表される硫酸塩と硝酸カリウムや硝酸アンモニウムなど
の硝酸塩の１種または２種を添加する。これらの添加量
については特に限定するものではないが、それぞれ１０
０ｇ／ｌ以下が望ましい。
カリウムの如きフルオロ珪酸塩、フルオロ硼酸ソーダや
フルオロ硼酸アンモニウムの如きフルオロ硼酸塩は、酸
化膜の溶解速度を大幅に促進するもので、適宜に添加す
る。さらに過酸洗を抑制するために硫酸ナトリウムで代
表される硫酸塩と硝酸カリウムや硝酸アンモニウムなど
の硝酸塩の１種または２種を添加する。これらの添加量
については特に限定するものではないが、それぞれ１０
０ｇ／ｌ以下が望ましい。
【０００８】このような組成に配合された酸洗水溶液
は、さらに前記したようにＢ型スラジが少なくＡ型スラ
ジが生成され易いＮＯ3 - とＦｅ2+の関係条件に調整す
る必要がある。図はＨＮＯ3 −Ｆｅ2+関係一部を、酸洗
スラジ発生状況で示したものである。すなわち、本発明
の酸洗水溶液において、ＮＯ3 - が２０ｇ／ｌを超え、
またＦｅ2+が５ｇ／ｌ未満の関係領域で、Ａ型スラジが
生成する。しかし、その量から逸脱したＮＯ3 - が２０
ｇ／ｌ未満では大量のＢ型スラジが生成し、酸洗作業が
厄介となり、酸洗した含Ｃｒ鋼の表面外観を劣化する問
題がある。従って、本発明においては、美麗な表面外観
を呈した含Ｃｒ鋼が高能率的に酸洗できる理由から、酸
洗溶液中のＮＯ3 - は２０〜３００ｇ／ｌ、またＦｅ2+
は５ｇ／ｌ以下に抑制する必要がある。
は、さらに前記したようにＢ型スラジが少なくＡ型スラ
ジが生成され易いＮＯ3 - とＦｅ2+の関係条件に調整す
る必要がある。図はＨＮＯ3 −Ｆｅ2+関係一部を、酸洗
スラジ発生状況で示したものである。すなわち、本発明
の酸洗水溶液において、ＮＯ3 - が２０ｇ／ｌを超え、
またＦｅ2+が５ｇ／ｌ未満の関係領域で、Ａ型スラジが
生成する。しかし、その量から逸脱したＮＯ3 - が２０
ｇ／ｌ未満では大量のＢ型スラジが生成し、酸洗作業が
厄介となり、酸洗した含Ｃｒ鋼の表面外観を劣化する問
題がある。従って、本発明においては、美麗な表面外観
を呈した含Ｃｒ鋼が高能率的に酸洗できる理由から、酸
洗溶液中のＮＯ3 - は２０〜３００ｇ／ｌ、またＦｅ2+
は５ｇ／ｌ以下に抑制する必要がある。
【０００９】このような浴組成に調整された酸洗溶液中
で含Ｃｒ鋼を電解酸洗しながら、該液中に生成し槽底に
沈降したＡ型スラジを定期的に掻き出しながら、酸洗作
業をする。しかして得られた含Ｃｒ鋼は、表面外観が美
麗な製品を製造することができる。
で含Ｃｒ鋼を電解酸洗しながら、該液中に生成し槽底に
沈降したＡ型スラジを定期的に掻き出しながら、酸洗作
業をする。しかして得られた含Ｃｒ鋼は、表面外観が美
麗な製品を製造することができる。
【００１０】
【実施例】ＳＵＳ４３０系のステンレス鋼板（板厚１．
０mm、板幅１０００mm）を連続焼鈍ラインで焼鈍し、Ｈ
2 ＳＯ4 １００ｇ／ｌ、Ｎａ2 ＳｉＦ6 ５ｇ／ｌ溶液中
で連続的に電解酸洗するに際し、ＮａＮＯ3 で添加した
ＮＯ3 - を種々の濃度でコントロールした。基本的酸洗
条件は、温度５０℃、電流密度３０Ａ／ｄｍ2 である。
０mm、板幅１０００mm）を連続焼鈍ラインで焼鈍し、Ｈ
2 ＳＯ4 １００ｇ／ｌ、Ｎａ2 ＳｉＦ6 ５ｇ／ｌ溶液中
で連続的に電解酸洗するに際し、ＮａＮＯ3 で添加した
ＮＯ3 - を種々の濃度でコントロールした。基本的酸洗
条件は、温度５０℃、電流密度３０Ａ／ｄｍ2 である。
【００１１】
【表１】
【００１２】条件番号３の操業でスラジ連続排除装置を
機能させた。その結果、酸洗槽内へのスラジの堆積は防
止された。鋼板処理面積が２３０，０００ｍ2 の時点で
他の要因で操業を停止するまでスラジの堆積による不都
合な問題は起こらなかった。
機能させた。その結果、酸洗槽内へのスラジの堆積は防
止された。鋼板処理面積が２３０，０００ｍ2 の時点で
他の要因で操業を停止するまでスラジの堆積による不都
合な問題は起こらなかった。
【００１３】
【発明の効果】以上示したように本発明は電解酸洗作業
においてスラジ（酸洗滓）が大量に発生することによっ
て引き起こされる諸問題、例えば槽内からのスラジ排
除、浸漬ロール停止などによる操業率低下、商品表面へ
のスラジ固着による性能低下、操業要員の削減による商
品コストの低減、などを解決する。その結果、高品質製
品を従来より低廉に製造し得る。
においてスラジ（酸洗滓）が大量に発生することによっ
て引き起こされる諸問題、例えば槽内からのスラジ排
除、浸漬ロール停止などによる操業率低下、商品表面へ
のスラジ固着による性能低下、操業要員の削減による商
品コストの低減、などを解決する。その結果、高品質製
品を従来より低廉に製造し得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】ＮＯ3 - 、Ｆｅ2+の存在量と生成するスラジの
種別の関係図。
種別の関係図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−90600（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C25F 1/06
Claims (1)
- 【請求項１】 酸化膜が付着した含Ｃｒ鋼を、２０〜４
００ｇ／ｌの硫酸水溶液にフルオロ珪酸塩もしくはフル
オロ硼酸塩を添加し、さらに硫酸塩と硝酸塩の１種また
は２種を添加してＮＯ3 - が２０〜３００ｇ／ｌでかつ
５ｇ／ｌ以下のＦｅ2+に抑制した酸洗溶液中で、電解酸
洗することを特徴とする含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27716393A JP3195144B2 (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27716393A JP3195144B2 (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07126899A JPH07126899A (ja) | 1995-05-16 |
| JP3195144B2 true JP3195144B2 (ja) | 2001-08-06 |
Family
ID=17579686
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27716393A Expired - Fee Related JP3195144B2 (ja) | 1993-11-05 | 1993-11-05 | 含Ｃｒ鋼の高能率酸洗方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3195144B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE19828811C1 (de) * | 1998-06-27 | 1999-12-09 | Goldschmidt Ag Th | Beizaktivierungslösung für die Vorbehandlung von Aluminium-Stahl-Verbundwerkstoffen vor einer Tauchverzinnung und Beizaktivierungsverfahren |
-
1993
- 1993-11-05 JP JP27716393A patent/JP3195144B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07126899A (ja) | 1995-05-16 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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