JP2501220B2 - ヒ―ト・スクラッチのないステンレス冷延鋼板の製造方法 - Google Patents
ヒ―ト・スクラッチのないステンレス冷延鋼板の製造方法Info
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- JP2501220B2 JP2501220B2 JP62326710A JP32671087A JP2501220B2 JP 2501220 B2 JP2501220 B2 JP 2501220B2 JP 62326710 A JP62326710 A JP 62326710A JP 32671087 A JP32671087 A JP 32671087A JP 2501220 B2 JP2501220 B2 JP 2501220B2
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- steel sheet
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はステンレス冷延鋼板の製造方法にかかわり、
特に表面にヒート・スクラッチ等の欠陥のないステンレ
ス冷延鋼板の製造方法に関するものである。
特に表面にヒート・スクラッチ等の欠陥のないステンレ
ス冷延鋼板の製造方法に関するものである。
<従来の技術> 一般にステンレス鋼板の冷間圧延においては、その加
工硬化率が大きいため、仕上板厚が薄い場合あるいは圧
下率が大きい場合には、中間板厚で冷間圧延を一端中止
し、中間焼鈍により軟化させた後、仕上冷間圧延によ
り、所定の板厚まで圧延する2回圧延法が採用されてい
る。
工硬化率が大きいため、仕上板厚が薄い場合あるいは圧
下率が大きい場合には、中間板厚で冷間圧延を一端中止
し、中間焼鈍により軟化させた後、仕上冷間圧延によ
り、所定の板厚まで圧延する2回圧延法が採用されてい
る。
2回圧延法における中間焼鈍は、主としてAPL(Annea
ling and Pickling Line)と呼ばれる大気焼鈍−酸洗ラ
インで行なわれており、光輝焼鈍炉乃至BAL(Bright An
nealing Line)と呼ばれる酸化スケールの発生を防止す
るために還元雰囲気で焼鈍処理するラインを使用する場
合は少ない。しかしAPLの設備能力が不足したときにはB
ALを使用する場合が多々あった。
ling and Pickling Line)と呼ばれる大気焼鈍−酸洗ラ
インで行なわれており、光輝焼鈍炉乃至BAL(Bright An
nealing Line)と呼ばれる酸化スケールの発生を防止す
るために還元雰囲気で焼鈍処理するラインを使用する場
合は少ない。しかしAPLの設備能力が不足したときにはB
ALを使用する場合が多々あった。
この場合でもAPL並みのヒート・スクラッチのない表
面光沢を確保する必要があることは当然要求される。
面光沢を確保する必要があることは当然要求される。
しかし光輝焼鈍炉BALで中間焼鈍処理した材料を仕上
冷間圧延処理を行うと、その表面にヒート・スクラッチ
と呼ばれる焼付模様が生じ、仕上焼鈍後も残存し、製品
の表面品質を著しく劣化させている状況にあった。
冷間圧延処理を行うと、その表面にヒート・スクラッチ
と呼ばれる焼付模様が生じ、仕上焼鈍後も残存し、製品
の表面品質を著しく劣化させている状況にあった。
従って、BALで中間焼鈍する場合には、従来は中間圧
延および仕上圧延時のワークロール表面粗度、圧延速度
等を制御していたが、未だ十分満足すべき表面品質が得
られていなかった。
延および仕上圧延時のワークロール表面粗度、圧延速度
等を制御していたが、未だ十分満足すべき表面品質が得
られていなかった。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明は中間焼鈍にBALを使用しても、ヒート・スク
ラッチの発生のないステンレス冷延鋼板の製造方法を提
供するものである。
ラッチの発生のないステンレス冷延鋼板の製造方法を提
供するものである。
また中間圧延および仕上圧延時のワークロール粗度、
圧下率、圧延速度等の特別な制御を必要としないステン
レス冷延鋼板の製造方法を提供するものである。
圧下率、圧延速度等の特別な制御を必要としないステン
レス冷延鋼板の製造方法を提供するものである。
<問題点を解決するための手段> 本発明は、光輝焼鈍炉での中間焼鈍を挾む2回の冷間
圧延によるステンレス冷延鋼板の製造方法において、仕
上冷間圧延に先立ち、温度20〜40℃、濃度10〜20%の硝
酸水溶液中で電気量10クーロン/dm2以上で電解処理する
ことを特徴とするヒート・スクラッチのないステンレス
冷延鋼板の製造方法である。
圧延によるステンレス冷延鋼板の製造方法において、仕
上冷間圧延に先立ち、温度20〜40℃、濃度10〜20%の硝
酸水溶液中で電気量10クーロン/dm2以上で電解処理する
ことを特徴とするヒート・スクラッチのないステンレス
冷延鋼板の製造方法である。
<作用> 本発明者らは、大気焼鈍−酸洗を行うAPLでは、その
処理後の鋼板表面が酸の侵食により荒らされているのに
対し、BAL処理材は酸化スケールが薄くて硬質であり、
その表面はAPL処理材に比べ滑らかである点に着目し本
発明に到った。
処理後の鋼板表面が酸の侵食により荒らされているのに
対し、BAL処理材は酸化スケールが薄くて硬質であり、
その表面はAPL処理材に比べ滑らかである点に着目し本
発明に到った。
また、一般的に冷間圧延時に、圧延油のロールバイト
部への持込量が少ないと、ヒート・スクラッチが発生し
易いことは知られており、この持込量は鋼板の表面状況
に大きく依存していることが推定される。
部への持込量が少ないと、ヒート・スクラッチが発生し
易いことは知られており、この持込量は鋼板の表面状況
に大きく依存していることが推定される。
本発明者らはBAL処理材の表面状況をヒート・スクラ
ッチの点から最適にする処理方法を見出した。
ッチの点から最適にする処理方法を見出した。
本発明では硝酸水溶液中での電解酸洗処理を採用して
いるが、酸洗として硝酸を選択した理由は、APLで利用
される硝弗酸に比べ安価なことによる。
いるが、酸洗として硝酸を選択した理由は、APLで利用
される硝弗酸に比べ安価なことによる。
次に第1回の冷間圧延処理したステンレス冷延鋼板
(SUS430)にBALによる中間焼鈍を施し、種々の硝酸濃
度、液温および電気量で酸洗処理した後、90%の圧下率
にて第2回目の冷間圧延した後の表面性状の評価を第1
図に示す。
(SUS430)にBALによる中間焼鈍を施し、種々の硝酸濃
度、液温および電気量で酸洗処理した後、90%の圧下率
にて第2回目の冷間圧延した後の表面性状の評価を第1
図に示す。
この図からも明らかなように、電解液の硝酸濃度は10
%以上20%以下に限定される。10%未満では肌荒れが不
足し、ヒート・スクラッチを生じ易く、また20%を越え
ると表面品質の向上効果が横這いになることおよび酸原
単位が増加するので経済的でないからである。
%以上20%以下に限定される。10%未満では肌荒れが不
足し、ヒート・スクラッチを生じ易く、また20%を越え
ると表面品質の向上効果が横這いになることおよび酸原
単位が増加するので経済的でないからである。
また電解浴の液温は20〜40℃の範囲に限定される。20
℃未満では肌荒れが不足しヒート・スクラッチが発生し
易いこと、40℃を越えると表面品質改善効果が飽和し、
エネルギー原単位も増加するからである。
℃未満では肌荒れが不足しヒート・スクラッチが発生し
易いこと、40℃を越えると表面品質改善効果が飽和し、
エネルギー原単位も増加するからである。
電解電気量は10クーロン/dm2以上に限定されるが、10
クーロン/dm2未満では、肌荒れが不足し、ヒート・スク
ラッチが発生し易くなるからである。
クーロン/dm2未満では、肌荒れが不足し、ヒート・スク
ラッチが発生し易くなるからである。
<実施例> SUS430のステンレス鋼を第1回の冷間圧延により中間
厚1.2mmにした。この時点で雰囲気(H275%,N225%,露
点−50℃)を有するBALで900℃で95秒間焼鈍した。
厚1.2mmにした。この時点で雰囲気(H275%,N225%,露
点−50℃)を有するBALで900℃で95秒間焼鈍した。
次に20%,20℃の硝酸溶液中で10クーロン/dm2の電気
量で酸洗後、0.4mmまで仕上冷間圧延を施した。その結
果スクラッチの発生のない良好な表面性状の冷延鋼板が
得られた。
量で酸洗後、0.4mmまで仕上冷間圧延を施した。その結
果スクラッチの発生のない良好な表面性状の冷延鋼板が
得られた。
一方比較例として、BAL焼鈍後、電解酸洗処理を施さ
ず、直接冷間圧延したものはヒート・スクラッチが多数
発生し良好な表面性状は得られなかった。
ず、直接冷間圧延したものはヒート・スクラッチが多数
発生し良好な表面性状は得られなかった。
なお、第1回目の冷間圧延ワークロールおよび第2回
目の冷間圧延ワークロールの粗度Raは夫々通常の0.3μ,
0.03μであり、また圧延速度は通常の速度を採用した。
目の冷間圧延ワークロールの粗度Raは夫々通常の0.3μ,
0.03μであり、また圧延速度は通常の速度を採用した。
<発明の効果> 本発明によれば、BAL処理を経た材料でも、強度の冷
間圧延によるヒート・スクラッチの発生が防止でき、良
好な表面を有するステンレス冷延鋼板が得られるので、
工場の総合的生産能力の向上が容易にはかれる。
間圧延によるヒート・スクラッチの発生が防止でき、良
好な表面を有するステンレス冷延鋼板が得られるので、
工場の総合的生産能力の向上が容易にはかれる。
第1図はBAL処理材を電解酸洗し冷延したのちの表面状
況の良否を電解酸洗条件と対応させて示した図である。
況の良否を電解酸洗条件と対応させて示した図である。
Claims (1)
- 【請求項1】光輝焼鈍炉での中間焼鈍を挾む2回の冷間
圧延によるステンレス冷延鋼板の製造方法において、仕
上冷間圧延に先立ち、温度20〜40℃、濃度10〜20%の硝
酸水溶液中で電気量10クーロン/dm2以上で電解処理する
ことを特徴とするヒート・スクラッチのないステンレス
冷延鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62326710A JP2501220B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | ヒ―ト・スクラッチのないステンレス冷延鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62326710A JP2501220B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | ヒ―ト・スクラッチのないステンレス冷延鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01168899A JPH01168899A (ja) | 1989-07-04 |
JP2501220B2 true JP2501220B2 (ja) | 1996-05-29 |
Family
ID=18190810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62326710A Expired - Lifetime JP2501220B2 (ja) | 1987-12-25 | 1987-12-25 | ヒ―ト・スクラッチのないステンレス冷延鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2501220B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0637361Y2 (ja) * | 1987-03-02 | 1994-09-28 | 東レ株式会社 | 除電性を有する多層反射防止光透過板 |
JP2004135177A (ja) * | 2002-10-11 | 2004-04-30 | Sharp Corp | 携帯電話機 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5638499A (en) * | 1979-09-06 | 1981-04-13 | Nisshin Steel Co Ltd | Preparation of ba (bright annealing finish) product of chrome stainless steel with retarded generation of whitening on product surface |
JPS61170599A (ja) * | 1985-01-23 | 1986-08-01 | Kawasaki Steel Corp | 表面光沢および耐水素脆性に優れたステンレス鋼板の製造方法 |
-
1987
- 1987-12-25 JP JP62326710A patent/JP2501220B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01168899A (ja) | 1989-07-04 |
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