JPH025366B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、牽引車体に対して植付部を油圧昇
降装置を介して上下動させたり、あるいは、植付
部を一体的に設けた機体に油圧昇降装置を介して
走行車輪を上下動させたりして植付部が昇降動さ
れる田植機に関するもので、更に、詳述すると、
植付部の下方に設けられ整地フロートを接地圧感
知装置に兼用して、接地圧が大になるときには植
付部を上昇する方向へ油圧昇降装置の油圧切替バ
ルブを切替え、逆に、接地圧が小なるときには下
降する方向へ切替えるように整地フロートと油圧
切替バルブとを連動した自動昇降制御が行われる
田植機に係るものである。

従来、この種の田植機において、土壌面の硬・
軟を検出する検出体を設けて、土壌面が硬いとき
は植付部の上昇制御感度を鈍くし、逆に、軟かい
ときは鋭くするように連動していた。

ところが、田植機では、苗植付深さを変更調節
する手段として、整地フロートの後部を田植機体
に対して上下調節するようになつている。

ところが、この苗植付深さの調節をすると、土
壌面の硬・軟検出をする検出器の検出基準が狂つ
てしまう欠点があり、植付深さ調節をすると、上
下制御の感度が適正状態にならないという欠点が
あつた。この発明は、このような欠点を解消せん
とするものである。

この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説
明すると、１は走行部で、図例では乗用型のトラ
クターであり、前輪２と後輪３とを有した車体４
の前部にボンネツトで覆われた原動機を搭載して
あり、後輪３の上部に操縦席５を設けている。６
は操縦ハンドル、７は車体４の左右両側に設けら
れたチエンケースで、この後端に前記の後輪３を
軸承している。

８は油圧昇降装置で、前記左右のチエンケース
７を背面視が門型状の枠９で連結し、この枠９に
上リンク１０と下リンク１１を枢着し、この両リ
ンク１０と１１との後部をヒツチ枠１２で枢結し
て平行リンク機構１３を構成し、左右のチエンケ
ース７を連結する連結パイプ１４と前記上リンク
１０との間に油圧シリンダー１５、油圧ピストン
１６を介在させている。１７は油圧ピストン１６
と上リンク１０に枢着した取付金具との間に設け
た緩衝ばねである。

１８は植付部で、機枠１９に左右に往復動する
苗タンク２０と該苗タンク２０から苗を分割挿植
する苗植付杆２１とから構成されている。２２，
２３は左右方向に所定の間隔で配記した中央及び
側方のそれぞれ整地フロートで、前記機枠１９
に、上下調節レバー２４を介して該整地フロート
２２，２３の後側部を枢着している。

そして、前記ヒツチ枠１２に植付部１８の機枠
１９を前後方向に回動自在なローリング軸２５を
介して連結している。

２６は動力伝達用の伝動軸である。

２７は前記油圧昇降装置８の油圧シリンダー１
５と油圧ポンプ２８との間に設けられた油圧切替
バルブで、このバルブの切替によつて植付部１８
を昇降動させるものであり、この油圧切替バルブ
２７は、機枠１９の前部に枢着の支持枠２９にピ
ン３０を介して枢着され、このバルブ２７のスプ
ール３１を前記中央の整地フロート２２にピン３
２で連結している。

そして、上記支持枠２９は、苗植付深さを調節
するための前記整地フロートの上下調節レバー２
４にロツド３３、アーム３４を介して連動してい
る。

３５，３６はリンク杆で、リンク杆３５の基部
は前記ピン３０で枢着し、リンク杆３６の基部は
整地フロート２２に前記ピン３２で枢着し、両者
のリンク杆３５，３６をピン３７で中間を枢着
し、整地フロート２２の前側が昇降動自在となる
ように構成している。

３８はバルブ切替抵抗調節機構で、前記ピン３
０によつて枢着された調節アーム３９と前記リン
ク杆３６との間に引張りばね４０を介装して設け
られ、調節アーム３９を矢印イ方向へ調節すると
きは、ばね４０で整地フローヘト２２の上動を押
えて前記スプール３１の矢印ロ方向への抵抗を増
大するよう設けられている。

４１は土壌面内へ介入するレーキ状の土壌の
硬・軟を検出する検出体で、前記中央の整地フロ
ート２２の左右両側に配設され、整地フロート２
２に取付けられている軸４２に金具４３を介して
止着されている。

そして、該金具４３と前記調節アーム３９とを
ロツド４４を介して連結し、検出体４１に大きな
走行抵抗が掛つて該検出体４１が矢印ハ方向へ大
きく回動するときには調節アーム３９を矢印イ方
向へ回動するように構成している。

４５は油圧切替レバーで、前記整地フロート２
２とスプール３１との連結ピン３２にワイヤー４
６で連動連結され、油圧切替バルブ２７を適宜切
替え得るよう設けられている。

４７は油圧タンク、４８はリリーフバルブであ
る。

上例の構成について、トラクターを走行させる
と共に、植付部１８を下降して圃場の土壌面に整
地フロート２２，２３を接地させ、苗タンク２０
に苗を搭載後、植付部１８の回転各部を伝動回転
する。

すると、植付部１８が牽引されて整地フロート
２２，２３が土壌面を整地し、苗植付杆２１が苗
タンク２０から苗を分割して植付ける。

このようにして苗植付けが行われるが、耕盤が
深くなつてトラクター側が沈下すると、植付部１
８の整地フロート２２，２３が土壌に強く接圧さ
れる。

すると、整地フロート２２，２３の前部が接地
圧で押上げられ、該整地フロート２２によつて油
圧切替バルブ２７のスプール３１が矢印ロ方向へ
押上げられて切替られ、油圧ポンプ２８のオイル
が油圧シリンダー１５内へ送込まれてピストン１
６を突出させ、平行リンクの上リンク１０を押上
げて植付部１８を上昇させる。そして、整地フロ
ート２２の接地圧が次第に減少して苗植付け作業
に適正な状態になるとスプール３１が下動してき
て油圧バルブ２７が切替えられ植付部１８の上昇
が停止される。

逆に、耕盤が浅くなつて、植付部１８が浮き気
味になり、整地フロート２２が下動するとスプー
ル３１が反矢印ロ方向へ引き抜かれ、油圧切替バ
ルブ２７が切替えらにれて植付部１８を下降さ
せ、整地フロート２２の接地圧を適正状態に保持
する。

然るに、整地フロート２２の左右両側部には、
整地フロート２２，２３では整地されない位置に
レーキ状の検出体４１が設けられていて、該検出
体４１の下端は土壌中へ突込まれて土壌面を掻き
均しているが、土壌面が硬いと大きな前進抵抗を
受けて大きく矢印ハ方向へ検出体４１が回動され
る。すると、金具４３、ロツド４４を介して調節
アーム３９を矢印イ方向へ回動し、ばね４０の張
力を大とする。したがつて、整地フロート２２の
接地圧が相当に大となつても、スプール３１が矢
印ロ方向へ移動され難くなり、植付部１８の上昇
制御が鈍感となつて、むやみに植付部１８が上下
にハンチングせず、安定した整地が行われること
となる。

また、逆に、土壌面が軟いとき、検出体４１に
かかる抵抗が少なくなつて、検出体４１は反矢印
ハ方向にばね４０の力で回動されることとなり、
したがつて、ばね４０の弾発力は弱くなる。この
ため、スプール３１が極めて弱い力で押込められ
ることとなり、植付部１８の上昇制御が鈍感とな
つて、整地フロート２２が軽く土壌面に接地した
状態に植付部１８が昇降制御され、土壌面の泥土
を押寄せて既に植付けられた隣の苗列を押しつぶ
したりすることをなくすることができる。

このように植付部は、土壌面の硬・軟に応じて
自動的に上昇動作の感度が変更されるけれども、
この感度は、苗植付け深さを変更しても変動され
ない。

即ち、フロートの上下調節レバー２４を第２図
で後方へ回動設定すると、フロートの後部は浮上
して苗植付け深さが深くなるが、このとき、ロツ
ド３３が前方へ押されて、アーム３４を介して支
持枠２９が上方へ回動し、リンク杆３５，３６を
介してフロートの前部も上動すると共に、調節ア
ーム３９も同時に上動し、この調節アーム３９に
ロツド４４、金具４３を介して装着されている検
出体４１もフロート２２の上動に伴なつて同じ関
係のもとで上動することになる。

したがつて、上下調節レバー２４で整地フロー
ト２２を上動して苗植付深さを深くしても、検出
体４１による硬・軟検出感度には変更が生じな
い。

また、調節レバー２４を前方へ回動設定する
と、フロートの後部が下動し、ロツド３３、アー
ム３４、支持枠２９、リンク杆３５，３６を介し
てフロートの前部も下動し、更に、調節アーム３
９からロツド４４、金具４３を介して連設される
検出体４１への連動機構も同じように下動して検
出体４１の検出状態には変更を生じさせない。

以上、この発明は、走行部に対して植付部を油
圧昇降装置を介して昇降動可能に設け、植付部側
に取付けられる整地フロートの接地圧の変化によ
つて前記油圧昇降装置の切替バルブを、該整地フ
ロートが常に所定の適正圧の範囲内に保持される
状態に切替えられるよう関連ならしめて設け、前
記油圧切替バルブの切替抵抗を調節できるバルブ
切替抵抗調節機構を設けると共に、土壌中へ介入
して推進時に土壌の硬・軟度合を検出する検出体
を設けて、この検出体により土壌が硬いことを検
出するときは前記バルブ切替抵抗調節機構の切替
抵抗を大となし、土壌が軟いことを検出するとき
は切替抵抗を小とするよう連動構成し、かつ、こ
の検出体と整地フロートを上下調節して植付深さ
を変更する植付深さ調節装置とを、植付深さ調節
により整地フロートを上下動するときにその上下
調節方向と同じ方向へ検出体が動くように連動機
構を介して互いに連動してなる。田植機としたか
ら、土壌面の硬・軟に応じて自動的に、植付部の
上昇制御が調整されて、的確な整地性能を発揮
し、苗植付作業が確実になるものでありながら、
苗植付深さを調節すべく整地フロートを上下調節
しても検出体による検出度合が変動せず、常に確
実な検出が行える効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例であつて、第１図は
側面図、第２図はその要部の拡大側面図、第３図
はその平面図、第４図は油圧回路図である。 図中の記号、１は走行部、８は油圧昇降装置、
１８は植付部、２２は整地フロート、２７は切替
バルブ、３８はバルブ切替抵抗調節機構、４１は
検出体を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 走行部に対して植付部を油圧昇降装置を介し
   て昇降動可能に設け、植付部側に取付けられる整
   地フロートの接地圧の変化によつて前記油圧昇降
   装置の切替えバルブを、該整地フロートが常に所
   定の適正圧の範囲内に保持される状態に切替えら
   れるよう関連ならしめて設け、前記油圧切替バル
   ブの切替抵抗を調節できるバルブ切替抵抗調節機
   構を設けると共に、土壌中へ突入して推進時に土
   壌の硬・軟度合を検出する検出体を設けて、この
   検出体により土壌が硬いことを検出するときは前
   記バルブ切替抵抗調節機構の切替抵抗を大とな
   し、土壌が軟いことを検出するときは切替抵抗を
   小とするよう連動構成し、かつ、この検出体と整
   地フロートを上下調節して植付深さを変更する植
   付深さ調節装置とを、植付深さ調節により整地フ
   ロートを上下動するときにその上下調節方向と同
   じ方向へ検出体が動くように連動機構を介して互
   いに連動してなる田植機。