JPH02501730A - 涙の出ない目を治療するためのリポソーム組成物 - Google Patents
涙の出ない目を治療するためのリポソーム組成物Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は涙の出ない目(dry eye )を治療するための組成物および方法
に関する。
2、参考文献
Lawrance、D、J、ら、Ann NY Acad Sci 106:6
46(1963)。
Lemp、 M、A、、 Int Ophthalmol C11n 13:1
85(1973)。
Maurice、 D、ら、 Toxicology Lett、(1986)
出版中。
Sjδgren、H,ら、5urv Ophthalmol 16:145(1
971)。
5zoka、F、、Jr、ら、Ann Rev Biophys Bioeng
9:467(1890)。
3、背景
涙の出ない目は、眼球表面における涙の膜が不連続になることにより特徴づけら
れる目の状態である。この状態には。
多くの異なる病因が存在する。この病因には、涙腺による水分の分泌が少ないこ
と(Sjogren) 、ゴブレット細胞による粘液の分泌が少ないこと(Le
mp)、ビタミンAが欠乏していること(Lawrence)、および慢性のプ
レザレサティス(bletharits)が原因で膜形成脂質が変化することな
どが包含される。
涙の出ない目は1通常、この目に滴状でわずかに粘性のあるポリマー溶液を塗布
して治療され、この溶液が蒸発するか。
あるいは瞬きをして拭い去られるまでに、この目は一時的に潤される。これらの
ポリマー溶液は、かなり早く目から排除される傾向があるので、頻繁に投与する
必要がある。
涙の出ない目のための通常の処方物は、室温で貯蔵することを意図された液体で
ある。従って、この製品は、数カ月間にわたって室温で貯蔵しても、安定である
ことが望ましい。
今述べたようなタイプのポリマー溶液にとって、貯蔵上の主要な問題は、細菌の
増殖である。細菌の増殖は、静菌化合物の存在により制御され得る。広く用いら
れている静菌化合物の1つに塩化ベンザルコニウムがあり、約0.01%の溶液
濃度で用いられる。眼への使用は一般的には、安全であるが、この化合物が場合
によっては眼に刺激を与えることが知られている。
発明者らはすでに、共有する特許出願「眼用リポソーム」(1986年6月19
日付で出願)において、涙の出ない目を治療するためにリポソーム組成物を使用
することを提案した。この治療方法は、ポリマー溶液を用いる従来技術の治療よ
り潜在的に有利な点をいくつか提供する。リポソームは、眼球表面に付着した場
合には、水溶性流動物をカプセル化して結合保持するためのマトリックスを提供
し、リポソームが眼球表面に保持されている限り、効果的な湿り気を与える。こ
れらのリポソームはまた。安定な涙の膜を目に形成するための粘膜を模倣した特
性を提供し得る。以前に述べた発明と、ここに開示された発明とによれば、リポ
ソームは数時間までにわたって眼球表面に保持されるように処方され得、従って
頻繁な投与の必要性がなくなる。さらに、リポソームは、治療を受けている患者
に欠如している膜形成脂質および/またはビタミンAを補給するように処方され
得る。
リポソームには、涙の出ない目の治療を改良する可能性があるが、涙の出ない目
を治療する効果的な処方物を設計するには、いくつかの問題がある。ある問題は
、数カ月までの期間にわたって製品が安定でなければならないということである
。リポソームは、数カ月間にわたって冷蔵庫温度で貯蔵した場合でさえ、様々な
脂質の酸化/過酸化および加水分解反応を受けることは周知である。他方の聞届
は、リポソームが視野を損なったり、視野を曇らせないように、処方物を光華的
に透明にすることである。最後に、リポソーム懸濁液は。
許容される静菌剤と適合しなければならない。
4、発明の要旨
本発明の一般的な目的は、涙の出ない目を治療するための改良されたリポソーム
組成物および方法を提供することにある。
本発明のより特定の目的は、以下のような組成物を提供することにある;(a)
室温で数カ月間貯蔵しても安定である;(b)光学的に良好な透明度を有する;
および(C)適当な静菌剤と適合し得る。本発明の他の局面によれば、この処方
物は目に対する刺激が少ないという特性も有している。
本発明のさらに他の目的は、比較的簡単な処理方法により。
殺菌した形態に調製し得るようなリポソームの処方物を提供することにある。
目に対する刺激が少ない傾向を有する。涙の出ない目のための処方物を提供する
ことは9本発明のさらに他の目的である。
本発明の組成物はリポソームの水性懸濁液を含有する。このリポソームの脂質組
成物は、実質的に飽和した中性の小胞形成脂質と、少なくとも12個の炭素原子
からなる脂肪族炭化水素鎖を有する10〜40モル%の第4級ベンジルアミンと
を含有する。水性媒体は、好ましくはp)Iが約6.2と6.8との間に調整さ
れ、静菌剤とカルシウムイオンキレート剤とを含有する。カルシウムイオンキレ
ート剤は、リン脂質の加水分解を制限し、さらに静菌剤としても作用する。この
リポソーム組成物は、さらにビタミンAおよび/または膜形成脂質(例えハ、長
鎮の脂肪族アルコールおよびコレステロールエステル)を含有する。
好ましい実施態様では、上記のリポソームは、約70〜85モル%の水素化ホス
ファチジルコリン(RPC)と、約15〜30モル%のベンジルジメチルステア
リルアンモニウムクロリド(BDSA)とから構成されており、全組成物の約0
.02重量%および0.04重量%の量で懸濁液中に存在する。好ましい静菌剤
は塩化ベンザルコニウムであり、濃度は約0.01重量%またはそれ以下である
。この静菌剤は、リポソームの存在下では、目に対する刺激が少ない。
本発明には、以下の工程を包含する。涙の出ない目の治療方法も含まれる:(a
)眼球表面における保持力を高めるために処方されたリポソームの水性懸濁液を
提供すること;および(b)眼球表面を被覆する水性リポソームマ)IJフック
ス形成するのに充分な量で、該懸濁液を眼球表面に塗布すること。この懸濁液は
、上記のリポソーム組成物の特性を有している。
本発明のこれらの目的や特徴および他の目的や特徴は、以下の本発明の詳細な説
明を添付の図面と共に読むことにより。
さらに明確になる。
図面の簡単な説明
第1図は眼の組織における5tlVの保持力を示す。白丸は水素化ホスファチジ
ルコリン(IIPc)だけを用いて調製したSUVの場合、黒丸はベンジルジメ
チルステアリルアンモニウムクロリド(BDSA)と水素化PC(RPC)とを
HPC:BDSA=4:1の割合で用いて調製したSUvの場合を示す;
第2図は、眼の組織における1tPc/BDSA S[JVの保持力を示す。
白丸はポリマーを添加して処方したSUvの場合、黒丸はポリマーを添加せずに
処方したSUVの場合を示す;第3図は眼の組織におけるHPC/BDSA S
UVの保持力を示す。
該HPC/BDSA SUVは以下の量のりゾホスファチドおよび遊離脂肪酸を
用いて処方された:黒丸は0モル%;黒三角は10モル%;および白丸は30モ
ル%。
第4図は、遊離のRPC,遊離のBDSA、およびHPC/BDSA 5IIv
ニ関する示差走査熱量測定のサーモグラムを示す。
第5図は、ポリマーを含有するI(PC/BDSA SUVの懸濁液中における
リン脂質の加水分解率を示す:該懸濁液は、70℃にてpH6,0(白三角)
、 pH6,8(黒三角)、P+17.4(白丸)、およびpH8,0(黒丸)
で、それぞれインキュベートした。
第6図は、 pH6,gでのリポソーム処方物中におけるリン脂質の加水分解反
応のアルニウスプロットである;第7図は螢光色素の角膜への浸透度をプロット
したものであり、 BDSAの濃度を上昇させた場合[BDSAがリポソーム形
態でないとき(白丸)あるいはリポソーム形態であるとき(黒丸)〕と、塩化ベ
ンザルコニウム(BAC)の濃度を上昇させた場合CBACがリポソーム形態で
ないとき(白三角)あるいはリポソーム形態であるとき(黒三角)〕とのププロ
トである:そして
第8図はリポソームを数回滴下した後のウサギの目における脂質の飽和を示す。
(以下余白)
溌」トλ謀週」I【肌
本組成物のリポソームは種々の小胞形成脂質から形成される。この小胞形成脂質
は、2個の脂肪族鎖を有する脂質(例えばリン脂質、ジグリセリドおよび2個の
脂肪族鎖を有する糖脂質)、およびコレステロールおよびその誘導体を包含す
、る。この脂質成分は、リポソーム中で、全脂肪成分の約60〜90の間の量で
存在する。残りは後述の項で述べる表面成分である。
本明細書中で定義されるように、「リン脂質」は、ホスファチジン酸(PA)お
よびホスファチジルグリセロール(pc) 。
ホスファチジルコリン(pc) 、ホスファチジルエタノールアミン(PE)
、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルセリン(ps) 、プ
ラスマロゲン、およびスフィンゴミエリン(SM)を包含する。「コレステロー
ル」という用語は。
例えば次のコレステロール誘導体を包含する:3−(ヒドロキシ−5,6−コレ
スタン)、およびその類似体(例えば3−アミノ−5,6−コレスタンおよび5
,6−コレスタン);コレスタン、コレスタノールおよびその類似体(例えば、
3−ヒドロキシーコレスクン);および帯電したコレステロール誘導体(例えば
コレステリルβ−アラニンおよびコレステリルヘミサクシネート)1本明細書中
で用いられる「糖脂質」という用語は、2個の脂肪酸類(その1つがスフィンゴ
シンの炭化水素鎖である)、および1個あるいはそれ以上の糖残基を存する脂質
を包含する。本発明を実施するのに適した糖脂質の例には、セレブロシド、ガラ
クトセレブロシド、グルコセレブロシド、スルファチド、および先頭の極性基と
してジサッカライドおよびトリサツカライドを有するスフィンゴ脂質(例えば、
ジヘキソシドおよびトリへキソシド)が包含される。
リン脂質のような2個の脂肪族鎖を有する脂質(好ましくは小胞形成脂質の大部
分を構成する)において、脂肪族鎖は。
好ましくは、少なくとも約12原子の長さであり、最適には約15原子と20原
子の間の長さである。この鎖もまた。実質的に飽和している。つまり、各類はせ
いぜい1個の不飽和結合を含むことを意味する。この飽和脂肪鎖が存在すると、
より容易にリポソーム中に脂質が被包される。このことは、粘膜表面に結合する
リポソームが増えることにより見い出された。
さらに重要なことには、そして9本発明を支持するために行った実験では、飽和
類が存在すると数ケ月間にわたって室温で貯蔵しても脂質の酸化/過酸化による
変質が生じない。酸化による変質が起こらないということは、α−トコフェロー
ルのように親油性のフリーラジカルクエンチャ−が存在しないときでさえ観察さ
れる。しかし、このような脂質保護剤が必要により添加され得る。同様に、ステ
ロイド型の脂質がリポソーム中に含有される場合には、これらはコレスタノール
およびその類似体のような飽和種であることが好ましい。
本発明のリポソーム組成物を形成するために用いられる脂質は帯電していても、
中性であってもよい。すべてのリポソーム表面が正に帯電していることが本組成
物の保持力を、高めるために望ましいので、中性あるいは正に帯電した脂質が好
ましい。しかし、負に帯電した脂質でも次のような場合には、ある程度リポソー
ム内に取りこまれる。つまり、脂質のって付与された全正電荷と比べて比較的低
い場合には、ある程度リポソーム内に取り込まれる。
好ましい処方では、全脂質の30〜90モル%がリン脂質であり、さらに好まし
くは、全脂質の60〜90モル%が飽和された中性のリン脂質(例えば水素化ホ
スファチジルコリン(RPC) )である。全脂質の40モル%までが飽和コレ
ステロール誘導体で代表される。このリポソーム組成物は後述の実施例■および
■、そしてその後のいくつかの実施例で例示され、小胞形成脂質は80モル%の
RPCを含有する。
この小胞形成脂質は、さらにビタミンAを含み、このビタミンAはリポソーム形
成時にリポソームの二重層に優先的に捕捉される。ビタミンAの濃度は好ましく
は約0.5モル%と約5.0モル%の間である。この組成物はビタミンA欠乏性
に関連する涙の出ない目を治療するのに有用である。
涙を形成する脂質の欠如に関連する涙の出ない目の状態をアルコール、脂肪酸お
よび/またはコレステロールエステルを含有するように処方される。但し、この
少量の脂質成分は次のような条件を備えていなければならない:(a)粘膜組織
へのリポソームの結合親和力が有意に弱められないこと、(b)実質的に不飽和
であること、(C)目に対して毒性あるいは刺激性がないこと。まず、リポソー
ム中に含有される負電荷の脂質の量を制限し、そして、脂質を包み込むリポソー
ム二重層を破壊するような該脂質量についても制限しなければならない。
2.1里旦太表皿威圀
リポソームはまた。ベンジル/脂肪族鎖アミンを10〜40モル%の割合で含有
する。この(a)ベンジル/脂肪族鎖アミンは。
その脂肪族鎖およびベンジル基の効果によりリポソーム二重層に固定され、 p
Hが約6.2と6.8の間では正に帯電している。
このアミンは、好ましくはベンジルアミン、ジアルキルアミン、脂肪族鎖を有す
る四級アミンであり、これらのアミンの正電荷は、pHに依存しない。
アミンの脂肪族鎖は、少なくとも12個の炭素原子の長さであり、そして、好ま
しくは約15個〜20個の炭素原子の長さである。四級アミン化合物では、残り
の窒素結合基は約5個未満の炭素原子を有するアルキル置換基で飽和されている
。このベンジル基は9アルキル基あるいは他の疎水基で置換され得る。好ましい
ベンジルアルキルは、塩化ベンジルメチルステアリルアンモニウム(BDSA)
、、および脂肪族鎖が約15〜20個の原子を有するベンジルジメチル脂肪族
鎖アミンである。
このアミンの長鎖の脂肪族基およびベンジル基の両者とも。
脂質二重層の内側の疎水域に分子を固定するような疎水性の基である。ただひと
つの疎水性の部分によって二重層に固定される従来の技術におけるアミンに比べ
て1本発明の組成物は、このアミンに存在する2つの疎水性でかつ固定できる官
能基の効果によって、安定性を増強している。
ある好ましいリポソーム(HPCおよびBDSAを4=1のモル比で含有する)
の安定性は、実施例■および第4図において認められる。ここでは、遊離のRP
C(上の曲線)、遊離のBDSA(下の曲線)およびHPC/BDSAリポソー
ム(真中の曲線)は。
示差走査熱量測定のサーモグラムである。リポソーム組成物は、検知し得る遊離
のBDSAを含有していない。
添加されたアミンが眼の組織にリポソーム保持力を有意に高めることは実施例■
に報告された研究で示される。ここでは、PCおよび20モル%BDSAで形成
されたリポソームが使用されている。第1図で見られるように、 BDSAの添
加(第1図の黒丸)により投与1時間後で、眼におけるリポソームの保持力が3
〜4倍高められる。
本発明の重要な特色として、帯電したアミン含有リポソームは、目の刺激試験(
実施例■およびXに示す)においてほとんどあるいは全く、目の刺激を示さなか
った。特に、 BDSAは遊離の形で目に投与した時より、リポソームに結合さ
せた時のほうが有意に刺激が少なかった。
3、土乞二上M
二の組成物は、リポソーム中の脂質の分解を減じ、そして。
静菌作用に寄与する両機能を有するカルシウムイオンキレート剤を包含し得る。
脂質の加水分解の阻害は、ホスホリパーゼA2の阻害に起因する。このホスホリ
パーゼA2は懸濁液中に夾雑物として存在し、コファクターとしてカルシウムを
必要とする。このキレート剤の静菌作用は金属を利用できない形態にして除くこ
とに関与する。
これらイオンのそれぞれの錯体を形成する上で存用であるキレート剤の例には、
エチレンジアミン四酢a (EDTA) 、エチレンジアミン酢酸(ED3A)
およびジエチレントリアミン五酢酸がある。キレート剤は、懸濁液中のカルシウ
ムイオンより多量に1代表的には約25から50μmの間の量で加えられる。
4、 庁に 、するポリマー
眼の表面でのリポソーム組成物の保持力をさらに改良するために、多くの高分子
量の重合体が水性分散液に含有され得る。適当なポリマーには、セルロースポリ
マー(例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース。
メチルセルロース)、ビニルポリマー(例えばポリビニルピロリドンおよびポリ
ビニルアルコール)、およびそれらの混合物があるが、これらに制限されない。
これらのポリマーは、眼の表面におけるリポソームの保持力を高めるように作用
し、おそらくそれは、水性懸濁媒体の粘度を上げることおよび/または眼の表面
で、結合したリポソーム凝集物を形成するという理由による。リポソームの保持
力を高めることは、実施例■および第2図に示されており。
ここでは、0.8%ヒドロキシメチルセルロースおよび0.2%のポリビニルア
ルコールのポリマー混合物が添加される。簡単に述べれば、この図でわかるよう
に、このポリマーの混合物は1時間後に眼における保持力を60〜70%の割合
で増大した。
たとえポリマーが貯蔵時にリポソームの凝集を引き起こしても、この凝集物は、
ゆるやかに振るとすぐに分散し、わずかに不透明な懸濁液を形成する。安定性を
促進させる実験におけるこのリポソーム/ポリマーの懸濁液の安定性は、実施例
■に示される。
(以下余白)
5、懸濁液のpHおよび緩衝液
本発明を支持するために行ない、実施例Vで示される実験では、リン脂質の脂質
加水分解は、懸濁液のpHに非常に関係があることが示される。pH6、0から
p)18.0の間の4つのpH値における70℃で5日間にわたる加水分解率を
第5図に示す。
pH6、0では試験期間を通じて加水分解はほとんど観察されなかったが、 p
Hの上昇にともなって加水分解率上昇が生じた。
実施例■で報告した研究では、38℃、 pH6,86で4.5ケ月後に観察さ
れる加水分解量は約12%にすぎず、 pH6,7ではほとんど分解されなかっ
た。室温では、 pH6,86での4.5ケ月後の分解率は約6.7%にすぎな
かった。
これらの結果に基づいて、至適pHとして約6.8より低いpH。
好ましくはpH16,3と6.7との間のp++が選択された。13mMのリン
酸緩衝液は長期間の貯蔵において、良好な緩衝能力を有する。
このリポソーム組成物は、好ましくは、懸濁液中に含まれるカルシウムイオンキ
レート剤に加えて静菌剤を含有する。本発明を支持するために行った実験によれ
ば、リポソーム中に含有されるBDSAがテスト濃度<0.05%BDSA)で
は、有効な静菌剤とならないことを示した。他の静菌剤とともに行った試験では
、0.01%塩化ベンザルコニウム(BAC)は、0.01%の濃度で、良好な
静菌効果を示した。この化合物はBDSAに関するものであるが、主として12
〜14個の炭素原子の脂肪族鎖を含む。そのため、この化合物はリポソームに対
する親和性が低いと予想される。しかし、この化合物とリポソームの間には、い
くつかの相互関係が生じるようであり、そのことはこの化合物をリポソームと共
に処方したとき(実施例■)に観察される目への刺激が減じることで明白である
。BDSAおよびBACにより目への刺激を回避するときのリポソームの影響は
。
第7図に示される。第7図によれば、遊離の形で存在する両孔合物において認め
られる。濃度に依存して上昇する刺激を。
リポソームが防ぐということがわかる。本発明の1つの新規な点は、上記のよう
に、 BACが見かけ上の静菌活性を喪失せずに目への刺激を減じさせることで
ある。
B、リポソーム組成物の調製
本発明のリポソーム懸濁液は、リポソームを調製し大きさを整えるという一般的
な方法により、調製され得る。この調製法には、リポソーム膜の水和、溶媒の注
入、逆相蒸発(らが詳述している)が包含される。実施例Iには、米国特許第4
.235.871号に開示されている逆相蒸発相法(reverse−evap
oration phase method)による逆相蒸発小胞(REV )
の調製法が述べられている。実施例Hには、脂質膜の溶媒和による多層ラメラ小
胞(MLV )の調製法が記載されている。後者の方法が一般に好適であり、こ
の方法では、適当な溶媒に溶解させたリポソーム形成脂質の混合物を容器内でエ
バボレートシ、薄い膜を形成させ、この薄膜を水性緩衝液で覆う。
この脂質膜は9代表的には約0.1〜1.0μmの大きさの1.4Lνを作るよ
うに水和する。
REVあるいはMLVの調製物は、さらに処理して、より小さく、比較的大きさ
がそろったリポソーム(0,1〜1.0μmの大きさの範囲)を含む懸濁液を調
製することもできる。小さくて大きさがそろったリポソームの利点は2次のとお
りである=(1)はとんど凝集しない傾向にあること;(2)粘膜組織表面で高
密度のリポソームを存在させることが可能であること。
および(3)目に適用したときに視覚的に非常に透明であること。
大きさを整えるひとつの効果的な方法は9選択された均一のポアサイズ(代表的
には0.2.0.4.0.6.0.8あるいは1μm)を有するポリカーボネー
ト膜にリポソームの水性懸濁液を通すこと(Szokaら)を包含する。この膜
のポアサイズは、該層を通じて押出された調製されたリポソームの最も大きいサ
イズにほぼ対応する。ここでは、同じ膜を2回以上通し押し出すことによって調
製が行われる。より最近の方法には、左右非対称のセラミックフィルターを通し
て押し出す方法がある。この方法は、 1986年2月13日出願の同時係属米
国特許出願第829.710号「リポソーム押出法」に開示されている。
あるいは、 REVあるいはMLVの調製には、その大きさが0.04〜0.0
8μmの範囲にあることが特徴である小さい単ラメラの小胞を製造する方法があ
る。粒子サイズが小さいため、 SUV懸濁液は視覚的に全く透明であり、従っ
て眼への適用に有利である。5LIVのもう一つの有利な点は、上記で示唆され
たように、粘膜表面上でのリポソームの密度が増すことであり。
これはより小さなリポソーム粒子により達成され得る。
SUvを製造するためのひとつの好ましい方法は、ミルクを均質にするための商
業用の高圧ホモジナイザーを用いて、 MLV調製物を均質にすることである。
ここで、 MLV調製物はホモジナイザー中を循環するため、これを定期的にサ
ンプリングして粒子サイズを測定し、 MLVが実質的にSUVに転換する時点
を決定する。この方法を実施例■で述べる。実施例■では。
常圧および高圧における均質化によるMLVからSUvへの転換が記載されてい
る。
■、使用方法
涙の出ない目の治療においては、上述の処方物は、流動性をよくするために眼の
表面に付与され、必要に応じて、ビタミンAおよび/または膜形成脂質が眼の組
織に供給される。
この組成物は、眼の表面でのなめらかさおよび湿気の保持を増すのに充分な量お
よび回数で付与される。
最適なリポソームの用量
この処方物中のリポソーム濃度は、生成物の効能に直接影響を与え得る。提案さ
れたリポソーム濃度0.4%(リン脂質0、362%、 BDSA O,05%
)は、この濃度は目の表面に有効なリポソームの数の理論計算値およびウサギの
目での保持力実験、そして、目への刺激の測定に基づいている。
眼の表面における単層リポソームに基づく計算ヒトの目の全表面積を推定すると
、結膜および角膜を含めて約20cnfであり、小さな単層リポソームは50n
mであるので。
眼の表面をリポソーム単層で覆うには1.0X1012個の小胞が必要であると
推測され得る。0.4%リポソーム処方物1回の点眼量25μlは、約3.7X
10′2個の小胞を有する。そのため。
1回の点眼により目の表面に単層のリポソームを飽和するためには、およそ4倍
量過剰の小胞を供給すべきである。
上記の事柄から9本発明は、いかに種々の目的と特色とを達成するかがわかる。
本発明は、涙の出ない目に適用するための液状の組成物を提供し、この組成物は
、脂質組成、キレート剤および静菌成分、そしてPJ濁液のpHの効能により、
室温で数ケ月間貯蔵しても安定である。この生成物は、視覚的に透明に処方され
得る。それはリポソームのサイズが小さく。
リポソームと高粘性ポリマーとがよく適合していることに関係する。
上記のような利点が、帯電リポソーム組成物において達成される。帯電リポソー
ム組成物は、目の組織への結合能が高められている。特に、リポソーム上の表面
の帯電したアミン基および高粘性ポリマーの組みあわせにより、ポリマーを有さ
ず電荷を持たないリポソームよりも目におけるリポソーム保持の力が3〜4倍高
められる。
本発明の別の利点によれば、この組成物には、静菌剤が存在するため、目への刺
激が減じられていることが示される。
この影響は、おそらく、リポソームが刺激がなく、かつ適当な静菌作用を提供し
得る静菌剤のある割合を減らし得ることによる。
本発明の他の利点は、涙の出ない目に欠乏していることが知られているビタミン
Aまたは膜形成性脂質のような親油剤を供給し得ることにある。
以下の実施例では9本発明のリポソーム組成物の調製法および使用法を例示する
。しかし、これは本発明の範囲を制限するものではない。
れぞれアメリカンレシチンカンパ= −(American Lecithin
Company ; At1anta、 GA )およびアサヒケミカルインダ
ストリー(Asahi Chemical Inclustry、日本)から得
た。塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムは、アルトリ・ソチケミカル
Co、<Aldrich Chemical Co、、 Milwaukee、
Wl)から。
そして塩化ベンザルコニウム(BAC)は、ハーネスーヒンドInc、 (Ba
rnes−Hind、 Inc、、 5unnyvale、 CA)から得た。
本実施例は、サイズ調整した逆相蒸発小胞(REV )の調製について記述して
おり、このREVは80モル%の水素化大豆ホスファチジルコリン(tlPc
’)および20モル%の塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウムを含有す
る。RPCの脂肪酸組成は2次のとおりである: 16: O(7,7%) ;
18: O(85,3); 112 (0,9%) 、 18: 2 (0,
7%);および20: O/20: 1(0,8%)。このように不飽和脂肪酸
アシル残基の全割合は2.5%未満である。
上の脂質組成物の全部で80mgを、ジエチルエーテル10rn j7に溶解さ
せた。131リン酸、 140mM NaC1を含有するpH6,7の緩衝液を
、有機溶媒に最終容量が13mfとなるように加えた。
そして、この混合物を室温またはそれを下まわる溶液の温度を維持しながら1時
間音波処理することにより乳化した。エーテル溶媒を、室温にて減圧下で除去し
、そして生成したゲルを上記緩衝液1〇−中にとり、激しく振盪した。得られた
REV懸濁液は、顕微鏡試験によって決定すると、約0.1〜0.2μmの間の
粒子サイズを有しており、主として1層のあるいは。
たった数層の二層ラメラを有する比較的大きな(1μmより大きい)小・胞で形
成される。
REVは、0.2μmのポリカーボネートフィルター(バイオラド(Richm
ond、 CA)から得た)を数回通すことによりサイズを調整した。押し出し
圧力は約50ps iであった。押し出された小胞は、約0.2μmおよびそれ
より小さい大きさのものが優先し9次に滅菌のために0.45μmの濾過膜で容
易に濾過さ本実験では、多層ラメラ小胞をホモジナイズすることにより、小さな
単ラメラ小胞を調製する方法を述べる。
水素化大豆PC(80モル%)およびBDSA (20モル%)の総量7.2g
を500艷の第3ブタノールに溶解させた。溶解した脂質/アミン組成物を凍結
乾燥し1次に、 13mMJン酸、 140 mMNaCl、 0.02%ED
TAを含有するpH7,4の生理食塩緩衝液が脂質薄膜に加えられた。60℃で
2時間緩やかに振盪して形成したMLVは、約0.05〜20μmの間であって
、異なる大きさを有し。
そして多層構造が優先する。
上記により得られる約11のMLV u濁液を、ガラリンホモジナイザーモデル
15M (Everett、 MA)にかけ、至適作動圧力である約9000p
siで循環させた。ダイナミックレーザーによって粒子サイズの分析を行なうた
めに多数回循環させた後。
その一部を回収した。粒子サイズの分布は、また、2%アガロースゲル(バイオ
ゲルA40M)カラムを用いた分子ふるいクロマトグラフィーによって調べられ
た。カラムから溶出されるリン脂質のプロフィールは、ボイドボリュームに含ま
れる大きい多層ラメラ小胞が、カラムに入り、ブロードなピークとして溶出され
る小さな単層ラメラ小胞にまでの変化することを反映している。
脂質懸濁液は、ホモジナイザーにより循環するため、小胞の平均粒子サイズは、
徐々に小さくなる。カラムの溶出プロフィールに基づくと、 MLVの約60%
、75%、87%、および90%がそれぞれ10回、20回、30回および50
回の循環後には、 5UV(約0.06μmより小さい)に転換された。最終的
な調製物は。
視覚的には、非常に透明であった。
同様のMLV懸濁液を、非常に高圧のホモジナイザー(フレンチプレッシャーセ
ルホモジナイザー、モデルJ4−3338. SLM−アミン:l、 Urba
na、 IL)中で約20.0OOpsiの圧力で作動させてホモジナイズする
と、より小さなリポソームが得られ、そして、より視覚的な透明さが達成された
。脂質小胞のわずかに約5%がMLVからSUvに完全に転換されなかったこと
がカラムの溶出により示された。
(以下余白)
実施例■
卵PC80モル%、および20モル%のBDSAを含有するSUV。
および卵PCのみを含有する対照のSUvを、実施例Hのようにして調製した。
両調製物は100nモルの脂質あたり約105カウント/分(CPM)の”l−
PEを含有していた。両調製物におけるSUvの最終濃度は、約10μモル脂質
/rdであった。
インビボでの眼における保持力の研究は、ウサギ目でシンチレーションプローブ
法を用いて行なった。各実験では、約100nモルの脂質および+251標識し
たPE 1105cpを含有するリポソーム10μlを、ウサギの目に付与した
。保持力は、ウサギの目の上に配置されたガンマプローブで評価した。このプロ
ーブをプレキシグラススリーブホールダーに固定することにより、目とプローブ
との間を2cmの一定間隔とした。178インチ厚の鉛隔壁を、兎の涙を分泌す
る器官の涙液鼻腔領域に置いた。この隔壁は、鼻涙領域に排出される放射性物質
を。
効果的に遮断する。保持時間は、他に指示されていない限り。
1時間にわたって追跡された。チャートの記録から、ピークの高さが読みとられ
た。全放射活性の値は、放射活性リポソームの標準希釈液のインビトロ測定によ
る標準曲線から、算出された。保持率(%)は、最初の10μl試料の1分間あ
たりのカウント数(CPM )に基づいて、計算された。
保持率は、2. 5.10.15.30.30.45.および60分後に測定さ
れた。2つのSUv調製物の保持時間を第1図に示す。
第1図において、 BDSA SUVを黒丸で、そして対照のSUvを白丸で表
わす。全ての値は4匹のウサギの目の測定値の平均である。この図かられかるよ
うに中性の5LIV (黒四角)は、1時間後にはわずか7%保持されたにすぎ
なかった。これに比較して、 BDSAリポソームは1時間後に約20%保持さ
れた。
80モル%の卵PCおよび20モル%のりシニルホスファチジルエタノールアミ
ン(リシニルPE)を含有するSUvを、実施例■に従って調製した。リシニル
PEは、アミド結合によってリジンのカルボキシル基に遊離のPHのアミンをカ
ップリングすることによって形成されるアミン誘導体PEであり、詳しくは。
上記に引用された特許出願「眼用リポソーム」に開示されている。SUv調製物
の一部を0.8%ヒドロキシメチルセルロースおよび0.2%ポリビニルアルコ
ールを含有するポリマー溶液の等容量と混合し、残り(対照)を等容量の緩衝液
と混合した。
両懸濁液は、実施例■に記述のように、眼における保持力をテストした。得られ
た結果を第2図に示す。時間毎の点は。
4匹の動物について得られた結果の平均値を表している。第2図では、ポリマー
含有SUvを白丸で、そして非ポリマ−リポソームを黒丸で表した。ここでわか
るように、帯電したリポソーム懸濁液中にポリマーが存在することによって、1
時間のテスト期間にわたって、保持力が有意に増大した。
実施例■
脂肪酸におけるカルボキシル基のpK、は、約5である。中性pHでは、脂質の
加水分解(後述の実施例■)によって生成する遊離の脂肪酸はイオン化され、負
に帯電する。正に帯電したリポソームの眼における保持力は、中和されるために
減衰する。
部分的に加水分解されたリポソームの目における保持力に対する影響を決定する
ために、実施例Hに記述したように調製したBDSA SUVを、0モル%、1
0モル%あるいは30モル%の遊離脂肪酸およびリゾリン脂質(Iysopho
spholipid)を含有するように処方された。このSt+ν懸濁液は、実
施例■および■で述べたウサギの目のモデルで評価された。この実験の結果を第
3図に示す。第3図では遊離脂肪酸をそれぞれ0モル%(黒丸)、10モル%(
黒三角)および30モル%(白丸)含有するSUVの保持力をプロットした。こ
のデータは、1時間にわたってリポソームの保持力が脂肪酸およびリゾリン脂質
の含量には影響されないことを示している。
実施例■で記述のように調製したSUvの構造安定性は、示差走査熱量測定法に
よって評価された。第4図で示すように。
PCおよびBDSAはそれぞれ単独で、約52℃および34℃で特徴的な吸熱転
移を行う。混合したリポソーム処方物においては。
PCおよびBDSAのペアレント転移ピーク(parent transiti
onpeak)はなくなり、45℃で新たな吸熱転移を示した。凍結(−34℃
)および加熱(70℃)を繰り返すことによって、相転移のプロフィールは変化
しなかった。相分離は高温でも低温でも観察されなかったので、この結果により
、PCおよびBDSAが約4=1のモル比で調製されたリポソームは、構造的に
安定であることが示される。
(以下余白)
実施例■
実施例■と同様にPC:BDSAを4:1のモル比で含有するSUvをp)16
.0.6.8.7.4および8.0に調整したリン酸緩衝液中で調整した。4つ
の調製物をすべて実施例■のポリマー溶液と混合した。この4つの調製物はpH
および脂質加水分解を決定するためにそれぞれの時間でサンプルを取り出しなが
ら5日間70℃でインキュベートした。
溶媒のpHは、この5日間を通して、3つの最低P)Iの懸濁液においてほんの
わずかに影響があっただけである。pH8の懸濁液は5日間のテスト期間にわた
り最終pHが約7.5まで落ちた。pH変化はおそらく遊離脂肪酸の生成、およ
び溶媒中のポリビニル酢酸の存在による遊離酢酸の生成に起因したものである。
リゾリン脂質および遊離脂肪酸の生成を引きおこす脂質加水分解の程度は後述の
実施例■に記述のように決定された。
その結果を第5図に示す。第5図では白玉角はpH6,0での加水分解を表して
おり、黒三角はpH6、8,白丸はpH7,4,黒丸はpH8,0での加水分解
をそれぞれ表している。このように。
加水分解の程度はテストされたpH範囲内でpHに対し非常に影響を受けやすい
。
pH6,7の13mM !Jン酸緩衝液および26mMのリン酸緩衝液中で調製
された2種のSUV懸濁液については、逆滴定法を用いてその緩衝能をテストし
た。両緩衝液は、脂質の70%より多くが加水分解されたときの有意なpHの降
下(pH単位で0.2を越える)を充分に防いだ。
実施例■において、調製された2種のSolν懸濁液は、 pH6,86あるい
は、さらに至適なpHであるp)16.70に調製して処方された。両処方物は
、防腐剤を添加せずに)IPC/BDSA リポソームおよび実施例■のポリマ
ーで構成された。サンプルは、4℃、30℃および38℃で殺菌状態下、キャッ
プしたポリエチレンチューブ中に保管した。脂質の加水分解が主に安定性に関係
するようなので、リン脂質の加水分解は2つの異なる分析法、即ちTLC濃度計
走査法および直接リン酸法(最近LTIで開発された)によって厳密に評価され
た。両リポソーム調製物では。
ポリマーとリポソームを混合後、凝集物が速やかに現れた。
数日放置すると沈澱が生じた。主にリポソームを含有する沈澱物は、緩やかに混
合すると、容易に再懸濁する。分散溶液は半透明な白色をしており、数時間にわ
たって静まらなかった。光学顕微鏡観察によるとリポソームは、直径が数ミクロ
ンの小さな凝集物として現れた。凝集物を作る傾向は9種々の温度で4.5ケ月
貯蔵したのちも変わらなかった。貯蔵期間中9色の変化は見られず、サンプルは
すべて無臭のままであった。わずかなpH降下がほとんどのサンプルで認められ
、この変化は温度依存性であった。
pHの変化は、脂質分解の結果として生じる遊離脂肪酸の生成(上記参照)とい
うよりむしろ、ポリマー中に不純物として存在するポリ酢酸ビニルの分解による
と考えられる。
TLCスキャニング法で得られた値は、一般には直接リン酸法で得られる数字よ
り低い値を示した。pH6,86のSUvは、4℃、30℃および38℃で4.
5ケ月貯蔵すると、それぞれおよそ1.9%、6.7%、および12.7%の脂
質加水分解を示した。pH6,7のS[JVでは1分解速度がより遅いことが観
察された。
B、室温での18ケ月後の加水分解の予想値加水分解の予想値を評価するために
アレニウス方程式を適用した。直接リン酸法から得られた加水分解のデータを用
いて1種々の温度(T)における分解速度(K)が次式に従って計算された:
第6図はI/Tに対するKの対数(In K)のアレニウスプロットを表してい
る。30℃およびp)16.86でのリン脂質の加水分解の一定速度(cons
tant rate)は、1.2%/月であると評価される。貯蔵期間を通して
の加水分解の速度が同じであると仮定すると、18ケ月の終わりまでに21.6
%の加水分解が生じる。加水分解は直線関数というよりむしろ指数関数的である
(第5図)ので、実際の加水分解はこの予想を下回るべきでSUvの中のBDS
AおよびBACによって生じる目への刺激眼への処方におけるBDSAの許容値
を決定するために、 BDSAを0.01%および0.05%含有するSUV懸
濁液がドライズラビットの目の刺激テストおよびインビトロの細胞毒性実験によ
ってテストされた。急性角膜毒性に対するマウスのモデル(Maur 1ce)
もまた、 BDSAおよびBACに起因する目への刺激を評価するために用いら
れた。
BDSAを含有する両リポソーム処方物は、単一の局所適用で番まこのウサギの
目に何の刺激も与えなかった。
cytotoxicity assay)は、0.01%BDSAを含有する上
記の1ノポソーム処方を用いて行われた。0.01%塩化ベンザルコニウムを含
有するハーネスーヒンド カンフオート テイアーズ(Barnes−Hind
comfort Tears” )が対照として用いられた。鈍鋸歯状化、空
胞化、細胞単層の不均一化、および細胞溶解のような細胞変性の変化に基づくと
、塩化ベンザルコニウムを含有する二種のサンプルはリポソーム処方物よりも細
胞毒性があることがわかった。
緩衝液中で、あるいはリポソーム中で処方された4つの値のBDSAはマウスの
刺激モデルでテストされた。このテストでは、テスト化合物投与後の螢光染色剤
、つまりスルフオルホダミンの角膜透過性が測定される。眼の螢光がBDSA濃
度の関数として観察される。このテストの結果を、第7図に示す。
第7図では遊離のBDSAは白丸で、そしてリポソームのBDSAは黒丸で表さ
れる。この図かられかるように、遊離のBDSAが0.001%から0.1%ま
で増加すると染色剤の浸透性が増すが、リポソームの形態でのB[lSAでは染
色剤の浸透性に何の変化もない。
同様の結果が0.001%および0.01%の塩化ベンザルコニウム(BAC)
を用いても認められ、この結果もまた第7図にプロットした。第7図で白玉角は
遊離のBACを、そして黒三角はリポソーム形態のBACを表している。
目に対する刺激におけるリポソーム接触時間の影響を評価するために、目への刺
激に対する上記染色剤浸透性テストで。
染色剤を付与する45〜60分前に、リポソームを一滴、−匹のマウスに点眼し
た。第2の目に生理食塩水を一滴点眼し、対照として用いた。6匹のマウスにお
いて螢光の測定をすると。
染色剤の浸透性には、何ら違いを示さず(45±10mV対51±17mV)
、これはBDSA SOνを目に接触させても全く刺激がないことを示す実施例
■の実験を支持した。
インビボでのリポソームの眼における飽和値を決定するために、実施例■と同様
に10μm2 BDSA 5IIVを1251−脂質で標識して複数の用量で調
合し、1時間毎にウサギに点眼した。点眼後1時間において目に残留して放射能
を、シンチレーションプローブ法で測定した。第8図に示すように、保持される
リポソームは点眼を繰り返すに従って徐々に増し、5回点眼を行うと飽和した。
眼に付与される一滴の平均量は、約25μlであるので、2X25μlの量の点
眼を行うことによって飽和が達成され得るといえる。
本発明は、より好ましい特定の実施態様および使用を組み合わせて記述してきた
が9本発明から外れることなく種々の改変および修飾がなされ得ることが明らか
である。
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.涙の出ない目を治療するためのリポソーム組成物であって, (a)pHが約6.2と6.7との間に調整された水性媒体;(b)該水性媒体 中に分散したリポソームであって,その小胞形成脂質が実質的に飽和したリボソ ーム;および(c)該リポソームの脂質二重層内に含有され,少なくとも12個 の炭素原子からなる脂肪族炭化水素鎖を有する,10〜40モル%の第四級ベン ジルアミン, を含有するリポソーム組成物。 2.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記リポソームは,主として約 0.02〜0.08ミクロンのサイズ範囲内にある。 3.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記リポソームおよびアミンは ,該組成物の約0.02〜0.08重量を構成する。 4.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記小胞形成脂質は約60〜9 0%の飽和した中性リン脂質を含有する。 5.60%〜90%の水素化ホスファチジルコリンを含有する,請求の範囲第4 項に記載の組成物。 6.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記アミンは,15〜20個の 炭素原子からなる飽和脂肪族鎖を有するベンジルジアルキルアンモニウム塩であ る。 7.請求の範囲第6項に記載の組成物であって,該組成物は,15%〜30%の べンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリドと,約70〜85モル%の水 素化ホスファチジルコリンとを含有する。 8.前記組成物の粘度を実質的に増大させる濃度で,さらに高分子量ポリマーを 含有する,請求の範囲第1項に記載の組成物。 9.請求の範囲第8項に記載の組成物であって,前記ポリマーは,ヒドロキシエ チルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロース,ポリビニ ルピロリドン(poIyvinylpyroljdone),およびポリビニル アルコール,ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。 10.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記水溶液中のリポソーム濃 度は約0.02重量%と0.04重量%との間である。 11.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記リポソームは約1〜10 モル%のビタミンAを含有する。 11.さらに静菌剤を含有する,請求の範囲第1項に記載の組成物。 12.請求の範囲第11項に記載の組成物であって,前記静菌剤は約0.004 %と約0.01%との間の濃度の塩化ベンザルコニウムである。 13.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記静菌剤はカルシウムイオ ンキレート剤を包含する。 14.涙の出ない目を治療するためのリポソーム組成物であって, pHが約6.2〜6.7に調整された水性媒体;該水性媒体中に分散した,直径 が約0.2μmより小さいリポソームであって,その小胞形成脂質が,約10モ ル%と30モル%との間のベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド, および約70モル%と90モル%との間の飽和したホスファチジルコリンを有す るリポソーム; ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロー ス,ポリビニルピロリドン(poIyvinyl−pyrolidone),お よびポリビニルアルコール,ならびにこれらの混合物からなる群から選択される ,約0.02〜0.06重量%の間のポリマー;および 水溶性のカルシウムイオンキレート剤,を含有するリポソーム組成物。 15.涙の出ない目を治療する方法であって,眼球表面における保持力を高める ために処方されたリポソームの水性懸濁液を提供すること;および眼球表面を被 覆する水性リポソームマトリックスを形成するのに充分な量で,該懸濁液を眼球 表面に塗布すること,を包含する治療方法。 16.請求の範囲第15項に記載の方法であって,前記懸濁液は次の(a),( b),(c).および(d)を含有するように処方される:(a)pHが約6. 2と6.7との間に調整された水性媒体;(b)該水性媒体中に分散したリポソ ームであって,その小胞形成脂質が実質的に飽和した,リポソーム;(c)該リ ポソームの脂質二重層内に含有され,少なくとも12個の炭素原子からなる脂肪 族炭化水素鎖を有する,10〜40モル%の第四級ベンジルアミン;および (d)カルシウムイオンキレート剤。
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