JPH024973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、コンクリート壁、コンクリート柱等
コンクリート構造物を構築する際におけるコンク
リート型枠の間隔を維持固定するためのコンクリ
ート型枠締着用コーンに関する。

（従来の技術） 従来、コンクリート型枠締着用コーンは、内部
にセパレータ、軸足等と螺合させるため、ネジ部
を刻設した貫通孔を設け、しかも型枠と当接する
端部を拡巾して広い衝接面を形成する構造であつ
た。この従来のコーンをセパレータに螺合して軸
足ナツト等を使用して型枠を間隔保持した状態で
コンクリートを打込み、コンクリート固化後にお
いて軸足ナツトをはずしたり、あるいはコンクリ
ート壁面より突出したセパレータ部分を砕き落と
すものであつた。しかしながら、コンクリート内
の液の浸透、セパレータ外周におけるブリージン
グ現象による空隙のため、コンクリート内外の水
圧差によつて内部に貯つた水・液あるいは埋設し
た外側地盤水・雨水がコーンの貫通孔、セパレー
タ外周空隙等を介して移動し、漏水するばかり
か、セパレータ、コーンの金属部分を腐食させる
という問題点が発生していた。この漏水は、コン
クリート型枠締着用コーンの内部空間から漏水す
る場合と、コーンの外周面とこれを埋設したコン
クリートとの間の空隙から漏水する場合とがあ
る。しかも、その漏水の方向もコンクリート壁内
側から外部へ移動する方向の場合と、コンクリー
ト壁の外部から内側へ移動する方向の場合とがあ
る。特にプール、浄化槽、化学槽、暗渠において
問題となつていた。そのため、従来ではコーンの
貫通孔の外方開口部にキヤツプを嵌合して塞いで
止水させていたが、これではキヤツプを必要と
し、しかもキヤツプの装着忘れ、キヤツプがはず
れたりするため完全な漏水を防止することが出来
なかつた。又このコーンでは、軸足は別体となつ
ていて、軸足を別個用意してコーンに螺着する作
業が必要で手間がかかるものとなつていた。この
問題を一部解消させるコーンが特開昭55−155864
号公報に開示されている。これはコーン内部の雌
ねじ部の中間に隔壁を設けてねじ部からの漏水を
防ごうとするものである。又中間に拡巾したフラ
ンジを有するコンクリート型枠締着用コーンが実
開昭51−72337号公報に開示されている。このコ
ーンは拡巾したフランジの一方にセパレータと軸
足とを互いに反対側から挿入して螺着する筒胴部
を突設し、又フランジの他方には筒胴部の内部と
連通した軸足の挿通筒を突設した構造のものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） この特開昭55−155864号公報記載の隔壁のある
コーンでは、確かにねじ部からの漏水に対してか
なり有効であるが、コーン外周とコンクリート壁
との間の空隙からの漏水に対しては不充分であ
る。又、コーンの外側の雌ねじ部には別体の軸足
を螺合せねばならないので、作業に手間どるとと
もに別に軸足を用意せねばならないという問題点
があつた。又実開昭51−72337号公報記載のコー
ンは中間に拡巾したフランジを有してはいるが、
従来通りセパレータと軸足ともに貫通した筒胴部
と挿通筒に挿入して螺着するものであり、水は筒
胴部及び挿通筒の内部を通つて内から外へ又は外
から内へ漏水するものである。又挿通筒は軸足の
代用となるものでなく単なる型枠パネルとの間ま
でのスペーサーに過ぎず、従来通り軸足を別個必
要とし、軸足を筒胴部に螺着させる作業を必要と
するもので、漏水及び軸足の必要性とその螺着作
業の問題は何ら解決できたものではなかつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案はかかる問題点を解決し、漏水を少なく
できるとともにコンクリート型枠締着が迅速にで
きるという実用的なコンクリート型枠締着用コー
ンを提供せんとするものであり、その要旨は、雄
ねじを表面に刻設した軸足部１８と拡巾した中実
の鍔部３とセパレータのねじ部と螺合する雌ねじ
部２とを順に合成樹脂で一体成形して連設したコ
ンクリート型枠締着用コーンにある。

（作用） この考案では軸足部１８と中実の鍔部３と雌ね
じ部２とが一体成形で連設されているので、セパ
レータ、軸足との螺合部分からのコーン内部空間
を介して水漏れすることは全くない。又コーンと
その外周のコンクリートとの空隙からの漏水に対
しては拡巾した鍔部３によつて効果的に漏水を防
止している。更に、軸足部１８が軸足の機能を果
たすので別個に軸足を用意する必要もなく、且つ
軸足のコーンへの取付作業がなくなり型枠締着作
業が迅速に行える。

（実施例） 第１図に示す実施例は、雌ねじ部２が筒状でそ
の筒内周面に雌ねじが刻設され、又鍔部３の位置
まで雌ねじが刻設され、更に軸足部１８の基端に
工事完了後に軸足部打落としが容易に出来るよう
にするための切欠部１９を設けた例である。

この実施例ではセパレータの先端にコーンの雌
ねじ部２を螺合させ、その後鍔部３の外面に型枠
を当接させ、型枠の外側に突出した軸足部１８に
ナツトを螺着して型枠を鍔部３とナツトの間で締
着して固定する。その後コンクリートを型枠内に
流し込み、コンクリート硬化後に型枠を脱して軸
足部１８を切欠部１９から打ち落とすものであ
る。本実施例の鍔部３は中実であるので雌ねじ部
２の内部空間を介しての内から外及び外から内へ
の漏水はない。又、雌ねじ部２の外周及び軸足部
１８外周に沿つての内から外及び外から内への漏
水は鍔部３が中実であること及び拡巾しているこ
とから充分に防ぐことができるものである。

更に、軸足部１８はコーンに一体的に付属して
いるので軸足の螺着作業が必要なく作業が迅速に
行える。

第２図の実施例は、雌ねじ部２のねじ部分と鍔
部３との間に径の小さい連接部を設けた例であ
る。他の構成・作用効果は第１図の実施例と同様
である。

（考案の効果） 以上の様に、本考案によればセパレータ軸足の
ねじ螺合部からの漏水は全くなく、又コーン外周
からの漏水も鍔部によつて大巾に抑えられるとと
もに、軸足部をコーに設けているので軸足を別個
に用意してコーンに螺着する必要もなく、型枠締
着作業が迅速にできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例を示す一部切欠正面図、第２図
は他の実施例を示す一部切欠正面図である。 ２……雌ねじ部、３……鍔部、１８……軸足
部、１９……切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 雄ねじを表面に刻設した軸足部１８と拡巾した
   中実の鍔部３とセパレータのねじ部と螺合する雌
   ねじ部２とを順に合成樹脂で一体成形して連設し
   たコンクリート型枠締着用コーン。