JPH024807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車両用ドアガラスの雨水排出装置に
関するものである。

自動車等の車両用ドアガラスで、ドア本体側に
レール枠を設け、このレール枠に対し、ドアガラ
スを前後方向にスライド自在に支持させるように
したものがある。このようなスライド式のドアガ
ラス装置において、レール枠と、ドア本体側のド
ア枠との間を、ゴムのようなウエザストリツプで
被うことが行なわれている。

一般的に、自動車等の車両が例えば高速走行す
るとき、車室内外に圧力差を生じることが知られ
ており、かかる現象を生じると、前記ウエザスト
リツプとドア枠との接続部を通して雨水がドア枠
とレール枠との間の領域に進入し易くなる。

本考案は、ウエザストリツプの部分から、雨水
が進入したとき、この進入雨水を車外に自然に排
出できるようにした、車両用ドアガラスの雨水排
出装置を提供することを目的とする。

以下、図示の実施例により本考案を説明する。

第１図は車両用ドアを外側から見たものとなつ
ていて、このドア１の固定側のドアガラス２に対
し、符号３で示すドアガラスは、レール枠４に案
内されて車両の前方向（図において左方向）にス
ライド可能となつている。即ち、ドアガラス３は
前後方向にスライド自在となつていて、固定側の
ドアガラス２に対し車室内へ接近する側に設けら
れている（第３図参照）。

第２図は、第１図においてＡ−Ａ線に沿う断面
図であり、図中のドアガラス３は、水切りチヤン
ネル６，７を備えたガラス枠５に固定保持されて
いる。ドア枠８と一体的にドア本体側に設けられ
たレール枠４は、これに固定された樹脂製の案内
部材１１を介して、ガラス枠５を釣下げるように
支持し、所謂、モノレール式でガラス枠５をスラ
イド可能に支持している。

レール枠４にはウエザストリツプ１２が設けら
れている。このウエザストリツプ１２は、レール
枠４に沿うように、その下側部がレール枠４に固
定され、その上側部がドア枠８の外側面に接触し
ていて、レール枠４とドア枠８との間を覆つてい
る（第１図参照）。ウエザストリツプ１２は下端
側をレール枠４に固定され、上端はドア枠８の外
面に当接した状態となつている。

第３図は、第１図においてＢ−Ｂ線に沿う断面
図であり、ドアガラス３はガラス枠５もろとも矢
印方向に移動可能となつている。固定側のドアガ
ラス２の片側は、レール枠４に設けられた車体の
上下方向に長いセンタサツシユ１３に、ウエザス
トリツプ１４を介して固定保持されている。

センタサツシユ１３の中央壁部１３ａと対向す
る開口部１３ｂには、ウエザストリツプ１２（第
１図参照）から連続延長するウエザストリツプ１
２Ａが固く嵌め込まれていて、このウエザストリ
ツプ１２Ａや中央壁部１３ａ等で包囲される密閉
空間は雨水流下路を形成している。この雨水流下
路を符号１５で示す。

第４図は、第１図のＥ部を拡大したものであつ
て、この第４図でＣ−Ｃ線に沿つて断面にしたも
のが第５図に示してある。この図において、第２
図のレール枠４から連続して一体に延長された下
部傾斜壁４ａには、孔４a₁が穿設され、また、下
部傾斜壁４ａの外端には下ウエザストリツプ１６
が取付けられ、この下ウエザストリツプ１６の下
端は、ドア本体のアウターパネル１７の上面に接
している。

ここで、第２図において、車両走行時等に、ウ
エザストリツプ１２の上縁に沿つて雨水が流動し
つつ、ウエザストリツプ１２とドア枠８との間の
接触接続部から、ドア枠８とレール枠４との間の
領域に向けて雨水が進入すると、この進入雨水は
樋状のウエザストリツプ１２に沿つて流れ、か
つ、センタサツシユ１３の部分に至つて雨水流下
路１５を落下する。落下した雨水は、第５図に示
す如く、孔４a₁を通して矢印方向にアウタパネル
１７の上面に沿つて流動し、車外に自然に排出さ
れる。

このように、ウエザストリツプ部分を通して雨
水が進入しても、この進入雨水が自然に排出され
るようになつているので、雨水がある部分で局所
的に溜まることはないし、また、車室内に対し、
雨水を完全に遮断することもできる。

以上本考案によれば、ドア枠と、ドアガラスを
スライド自在に支持するためのレール枠との間
を、ウエザストリツプで被うようにした車両用ド
アガラス装置に対し、ウエザストリツプとドア枠
との接触接続部を通して進入した雨水が、センタ
サツシユ内の雨水流下路を介して車外へ排出され
るようにしたものであるから、車室内に対して進
入雨水を完全に遮断することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両用ドアを外部から見
た構成図、第２図は第１図においてＡ−Ａ線に沿
う断面図、第３図は第１図においてＢ−Ｂ線に沿
う断面図、第４図は第１図のＥ部を拡大した図、
第５図は第４図においてＣ−Ｃ線に沿う断面図で
ある。 １……ドア本体、３……ドアガラス、４……レ
ール枠、８……ドア枠、１２……ウエザストリツ
プ、１３……センタサツシユ、１５……雨水流下
路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ドア本体に形成されたドア枠に固定されてい
   て、ドアガラスが固定されたガラス枠を車両の前
   後方向にスライド自在に支持したレール枠と、 上記レール枠に沿うと共に下側部が同レール枠
   に固定され、上側部が上記ドア枠に接触してい
   て、上記レール枠と上記ドア枠との間を覆うウエ
   ザストリツプと、 上記レール枠に設けられた、本体の上下方向に
   長いセンタサツシユとからなり、 上記ウエザストリツプの車内側に、上記ウエザ
   ストリツプと上記ドア枠との接触部から侵入した
   雨水を上記センタサツシユの方に導く水路を形成
   し、 上記水路によつて導かれた雨水を上部から受け
   入れて上記レール枠の下部へ流下させる雨水流下
   路を上記センタサツシユ内に形成し、 上記雨水流下路を流下した雨水を車両の外部に
   導く雨水排出路を上記レール枠の下部に設けた 車両用ドアガラスの雨水排出装置。