JPH0247501Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は可動磁石式計器に関し、特に帰零用磁
石のボビンへの配置に関する。

（従来技術） 車輌の燃料計等に採用されている可動磁石式計
器は、普通第１図に示すように、アンダボビン１
の凹部１ａとアツパボビン２の凹部２ａとにより
形成した収納部３に指針軸４貫設した円板状の磁
石５を回転可能に収納し且つ当該指針軸４の両端
を軸支すると共に、アンダボビン１とアツパボビ
ン２の収納部３の側壁所定箇所に設けた凹部１
ｂ，２ｂにより形成される収納部内に帰零用磁石
６を収納し、アンダボビン１及びアツパボビン２
に設けた複数の端子保持部１ｃ，２ｃにコイル８
と外部コード等とを接続するセツトボルト７を貫
設してアンダボビン１とアツパボビン２とを固定
すると共に、駆動コイル８を巻回して各端末をセ
ツトボルト７に設けたターミナルに接続し、アツ
パボビン２に文字板（共に図示せず）を取り付
け、指針軸４の先端に指針９を固着して構成され
ている。

しかしながら、上記従来の構成においては、ア
ンダボビン１の凹部１ｂとアツパボビン２の凹部
２ｂとにより帰零用磁石６を挟み込んで内蔵する
構造であるために、コイル８を巻回した後は磁石
６の有無を目視確認することは極めて困難であ
り、計器の帰零を確認するためには実際にコイル
８に通電して作動を確認することが必要であり、
手間が掛かる。また、ボビンにコイル８を巻回し
た後は、非分解のままで磁石６を配設することが
不可能であり、磁石６が配設されていなかつた場
合にはコイル８を巻き戻し、再度最初から組立て
しなければならず極めて手間が掛り、場合によつ
ては不良品として放棄されることとなり無駄にな
る等の問題がある。

（考案の目的） 本考案は上述の点に鑑みてなされたもので、ボ
ビンへの帰零用磁石の取付を容易とすると共に取
付忘れ（未組）及び極性誤り（誤組）を防止する
ことを目的とする。

（考案の概要） 上記目的に達成するために本考案においては、
ボビンに指針軸を貫設した可動用磁石を回転可能
に内蔵し且つ該指針軸の両端を軸支し、前記ボビ
ンにコイルを巻回すると共に当該ボビンの周縁に
軸方向に突出形成した複数の端子保持部に前記コ
イルと外部コードとを接続するセツトボルトを貫
設するようにした可動磁石式計器において、前記
複数の端子保持部の中の所定の端子保持部の外周
面所定箇所に略台形状の断面を有する嵌合溝を形
成し、該嵌合溝内に略台形状の断面を有する帰零
用磁石を嵌合装着するようにし、前記ボビンの組
み付けの順序に無関係に且つ容易に帰零用磁石の
取付を可能とすると共に未組及び誤組を防止する
ようにした可動磁石式計器を提供するものであ
る。

（考案の実施例） 以下本考案の一実施例を添付図面に基づいて詳
述する。

第２図は本考案を適用した可動磁石式計器の断
面を示し、可動磁石式計器１０は、アンダボビン
１１、アツパボビン１２、指針軸１３、可動用磁
石１４、駆動用コイル１５、帰零用磁石１６、セ
ツトボルト１８及びケース１９等から成る。

アンダボビン１１は第２図及び第３図に示すよ
うに略碗状の収納部１１ａと複数例えば４本の端
子保持部１１ｅ〜１１ｈを有し、収納部１１ａの
開口端内周面には全周に亘り環状に凸状帯１１ｂ
が形成され、底面中央には軸受穴１１ｃが設けら
れている。各端子保持部１１ｅ〜１１ｈは収納部
１１ａの周縁に周方向に亘つて等間隔に且つ軸方
向に当該収納部の上下方向の両側に突出して形成
されている。これらの端子保持部１１ｅ〜１１ｇ
の中の所定の端子保持部１１ｅの外周面には第３
図に示すように、軸方向に沿つて溝１１ｉ，１１
ｋが連設して設けられ、溝１１ｉは外周面に断面
略コ字状に開口して形成され、溝１１ｋは収納部
１１ａの上部開口端近傍位置まで延び、外周面に
断面略台形状に幅狭に開口するように形成されて
おり、溝１１ｉと１１ｋとの間には係止用突起部
１１ｍが突設されている。溝１１ｋは後述の帰零
用磁石を嵌装するための嵌合溝である。かかる形
状のアンダボビン１１は樹脂部材で一体に形成さ
れる。

アツパボビン１２の円板状の蓋体部１２ａの一
端面には軸受部１２ｂが突設され、他端面には収
納部１１ａの開口端に嵌合する環状の嵌合部１２
ｃが突設され、この嵌合部１２ｃの外周面には収
納部１１ａの開口端内周面に設けられた環状の凸
状帯１１ｂに嵌合する形状のアツパボビン１２は
アンダボビン１１と同様に樹脂部材で一体に形成
される。そして、これらのアンダボビン１１とア
ツパボビン１２とにより１個のボビンが構成され
る。

帰零用磁石１６は第４図に示すように、断面略
台形状をなし、前記アンダボビン１１の嵌合溝１
１ｋ内に嵌合し得る大きさに設定され、一方の面
１６ａには例えばＮ極が、他方の面１６ｂにはＳ
極が形成されている。この磁石１６を端子保持溝
１１ｉに嵌合し、次いで突起部１１ｍを超えて嵌
合溝１１ｋ方向に押圧し、当該嵌合溝１１ｋに圧
入嵌挿する。この磁石１６は嵌合溝１１ｋに嵌挿
された状態において第５図に示すように収納部１
１ａの側壁の略中央に位置し、下端面１６ｃが突
起部１１ｍに当接し、この結果、当該磁石１６の
溝１１ｉからの逸脱が防止される。

斯くして、帰零用磁石１６のアンダボビン１１
への配設は極めて容易に行うことができ、且つ外
部からその有無が一目瞭然に判別し得る。また、
磁石１６の形状が台形のため磁極が一義的に決ま
り、組込時に磁極を確認しなくても誤組のおそれ
がない。

指針軸１３を貫設された円板状の可動用磁石１
４はアンダボデイ１１の収納部１１ａの回転可能
に収納され、指針軸１３の下端は軸受穴１１ｃに
軸支される。アツパボビン１２を収納部１１ａの
上方から載置し、軸受部１２ｂの軸受孔１２b′に
指針軸１３の上端を貫通させ、蓋体部１２ａを収
納部１１ａの開口端に圧接し、嵌合部１２ｃを当
該収納部１１ａの開口端に嵌合させ且つ凸状帯１
１ｂに環状溝１２ｄを嵌合させ、収納部１１ａを
密封すると共に指針軸１３の上端を軸支する。こ
のようにしたアンダボビン１１にアツパボビン１
２を嵌着した後、アンダボビン１１の各端子保持
部１１ｅ〜１１ｈにターミナル１７を介してセツ
トボルト１８を貫設する。これらのセツトボルト
１８はコイル１５と電源、浮子に接続されたセン
サ等の外部のコードとを電気的に接続すると共に
アンダボビン１１即ち、計器の固定用として兼用
される。

次いで、コイル１５を巻回する。コイル１５は
可動磁石１４を回転させるための磁界を発生させ
る駆動コイルで、例えば３相巻きに巻回され、各
端末は夫々所定のターミナルに接続される。ま
た、各ターミナル１７にはコイル１５、当該コイ
ル１５の発熱を抑えるための電流制限用抵抗、指
針を広角に振らせるための電流増加用抵抗（共に
図示せず）等が接続される。

このアンダボビン１１は第２図に示すようにケ
ス１９に圧入収納される。このケース１９は外部
磁界の影響特に置針時の影響を防止する磁界を強
めるヨークとしての機能を有する。

このようにして組み立て構成された可動磁石式
計器１０は各セツトボルト１８を介して計器収納
ボツクスに固着され、文字板が装着され、指針軸
１３の上端に指針（いずれも図示せず）が固着さ
れる。

（考案の効果） 以上説明したように本考案によれば、ボビンに
指針軸を貫設した可動用磁石を回転可能に内蔵し
且つ該指針軸の両端を軸支し、前記ボビンにコイ
ルを巻回すると共に当該ボビンの周縁に軸方向に
突出形成した複数の端子保持部に前記コイルと外
部コードとを接続するセツトボルトを貫設するよ
うにした可動磁石式計器において、前記複数の端
子保持部の中の所定の端子保持部の外周面所定箇
所に略台形状の断面を有する嵌合溝を形成し、該
嵌合溝内に略台形状の断面を有する帰零用磁石を
嵌合装着するようにしたので、前記ボビンの組み
立て順序に無関傾に且つ極めて容易に前記帰零用
磁石を配設することが可能となり、且つ当該帰零
用磁石の未組及び誤組を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の可動磁石式計器の縦断面図、第
２図は本考案に係る可動磁石式計器の一実施例を
示す縦断面図、第３図は第２図に示すボビンの斜
視図、第４図は第３図の要部拡大斜視図、第５図
は第２図の要部拡大図である。 １１……アンダボビン、１１ａ……収納部、１
１ｋ……嵌合溝、１２……アツパボビン、１３…
…指針軸、１４……可動用磁石、１５……コイ
ル、１６……帰零用磁石、１８……セツトボル
ト、１９……ケース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ボビンに指針軸を貫設した可動用磁石を回転可
   能に内蔵し且つ該指針軸の両端を軸支し、前記ボ
   ビンにコイルを巻回すると共に当該ボビンの周縁
   に軸方向に突出形成した複数の端子保持部に前記
   コイルと外部コードとを接続するセツトボルトを
   貫設するようにした可動磁石式計器において、前
   記複数の端子保持部の中の所定の端子保持部の外
   周面所定箇所に略台形状の断面を有する嵌合溝を
   形成し、該嵌合溝内に略台形状の断面を有する帰
   零用磁石を嵌合装着するようにしたことを特微と
   する可動磁石式計器。