JPH0246679B2 - - Google Patents

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JPH0246679B2
JPH0246679B2 JP61016471A JP1647186A JPH0246679B2 JP H0246679 B2 JPH0246679 B2 JP H0246679B2 JP 61016471 A JP61016471 A JP 61016471A JP 1647186 A JP1647186 A JP 1647186A JP H0246679 B2 JPH0246679 B2 JP H0246679B2
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plating
layer
coating
thickness
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Kazuya Ezure
Takao Saito
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明はシーム溶接性及び塗膜下腐食性に優れ
た製缶用表面処理鋼板に関するものである。 〔従来の技術〕 従来電解Snメツキ鋼板(以下ブリキと称す)、
電解クロム酸処理鋼板(以下TFS−CTと称す)、
又一部に電解Niメツキ鋼板(以下TFS−NTと
称す)が知られており、3ピース缶製缶法として
それぞれハンダ接合、接着接合、シーム溶接等に
よつて製缶されてきた。 ブリキは従来製缶用素材として最も広く使用さ
れてきたが、製缶コスト節限の中でSnが薄メツ
キ化され、製缶法も従来のハンダ付に替りシーム
溶接法が採用され始めたが、Snメツキ量が片面
当り0.20μm厚以下になると塗装耐食性、シーム
溶接性共劣化し、又シーム溶接缶用素材として一
部で使用されているTFS−NT(Niメツキ鋼板)
はシーム溶接性能が実用可能な範囲ではあるが十
分ではなく、又塗装耐食性も強酸性食品等腐食性
が高い内容物の場合不十分であることから、低コ
ストでしかも塗装耐食性、シーム溶接性に優れた
製缶用表面処理鋼板が要望されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 これに対し、本発明者等は特開昭60−75586号
で鋼板上に微量Niメツキ被覆を行つた後Snメツ
キ層を重層被覆する手法を、又特願昭60−242749
号で本発明と類似するSnメツキ被覆を有する容
器用メツキ鋼板もすでに出願した。これらは確か
に従来の単純な薄Snメツキ鋼板と比較して、シ
ーム溶接性、塗装耐食性等で効果を有するが、関
係需要家よりさらに改善を求められているのが現
状である。 本発明者等はこの趣旨から従来より食品保存性
能に実績があり、有効であるSnを活用しながら、
低コスト、高性能なシーム溶接性と塗膜下腐食性
に優れた表面処理鋼板を開発することを目的とし
て鋭意研究を行つた結果、本発明をなしたもので
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の要旨とするところは、鋼板上に凸部の
間隙が1〜30μmでミクロ的な凹凸を持ち、凹部
のメツキ厚が0.07μm以下、凸部のメツキ厚が
0.20μm以上でかつ平均メツキ厚さ0.17μm以下の
Snメツキ層、そしてこの上層に任意部分のクロ
メート被覆厚がその部分のSnメツキ厚と逆比例
関係にある分布を持つたクロメート被覆層を合せ
持つ点にあり、すなわちクロメート被覆厚がSn
メツキ層凸部で薄く、Snメツキ層凹部で厚い被
覆構造を有することにある。 そして本発明ではより優れた耐食性を得るた
め、Ni又はNiにFe、P、Zn、Cu、Crの一種又
は二種以上を含有するNi合金を被覆した鋼板
(以下Ni系前処理原板)、又はこれらNi、Ni合金
を被覆後加熱処理によつて一部又は全てを拡散処
理(以下Ni系拡散処理原板)を用いても良い。 かかる形態を有する製缶用薄Snメツキ鋼板は、
凸状の粗大Sn粒が鋼板表面に全面に渡つて散在
して分布し、時にこの部分はメツキ厚が片面当り
0.17μm以下と薄Snメツキになつた場合にも、平
均のSn膜厚よりも大であるため、リフロー時及
び塗装空焼時にもフリーSn層が残留すると共に、
クロメート被覆層はSnメツキ層の凸部で薄く、
凹部で厚い分布を呈するため、溶接時の通電起点
となるSnメツキ層凸部では絶縁被膜であるクロ
メート被覆層が薄いことで、シーム溶接性は向上
し、又、Sn層が薄く耐食性が低下する凹部はク
ロメート被膜が厚くなるため耐食性低下をクロメ
ート被膜の防食効果で抑制できる。すなわち本発
明に示すメツキ被膜構成とすることで、従来薄
Snメツキ鋼板の欠点とされていたシーム溶接性、
及び耐食性をバランス良く向上させることが可能
となる。 次に本発明をさらに詳細に説明する。 本発明のように製缶コスト低減化のためメツキ
被覆層を薄メツキ化した表面処理鋼板は製缶用塗
料を塗装して使用される場合が多く、シーム溶接
部分はシーム溶接時までに塗膜焼付による空焼を
受けることになり、この際Snメツキ被覆層と素
地Feとの間で固相拡散反応の進行によつて合金
層が形成される。このため単純な薄Snメツキ鋼
板では、過去学会等で公知なように、良好なシー
ム溶接性確保のため必要とされる未合金のフリー
Snが減少しシーム溶接性が不十分となる。この
ため前述のように本発明者等は特開昭60−75586
号及び特願昭59−166989号にて、それぞれ鋼板上
に微量Niメツキ被覆を施した後Snメツキ被覆を
重層被覆した鋼板及び特願昭60−242749号で本発
明と類似な局部的凹凸を持つ薄Snメツキ鋼板に
ついてすでに開示した。そしてこれらの提案によ
つて確かに空焼後のフリーSnの確保が可能とな
り、シーム溶接性が改善されるとの知見を得た
が、需要家に於ける要求が益々厳しくなり、さら
にシーム溶接性、耐食性を向上させることが望ま
れていた。そこで本発明者等はさらに鋭意検討を
行い、Snメツキ層に局所的凹凸を持たせるのみ
でなく、クロメート被覆をSnメツキ層と逆の分
布を持つよう電析させることで問題点を解決した
のである。すなわちクロメート被覆層は一種の絶
縁被覆であるためシーム溶接時安定した通電を妨
害し、シーム溶接性を低下させる悪影響を持つ一
方、例えば塗膜密着性、塗膜下腐食性等薄Snメ
ツキ鋼板の特性を向上させる効果も有する。従つ
て薄Snメツキ鋼板のシーム溶接性を向上させる
ためクロメート被覆量を減少させると耐食性が劣
化し、耐食性向上のためクロメート被覆量を増加
させると逆にシーム溶接性が劣化するというよう
に、均一被覆厚を持つたクロメート被覆では薄メ
ツキ鋼板のシーム溶接性、耐食性両方をバランス
良く確保することは困難であつた。そこで本発明
質等は前述したようにクロメート被覆分布を不均
一とし、シーム溶接時の通電起点となる部分では
クロメート被覆を薄くして通電状態を安定させる
ことでシーム溶接性を向上させ、又耐食性は局部
的にクロメート被覆が厚い部分で確保するという
思想を実現し、本発明の完成に到つたのである。 次に本発明によるメツキ層構造を従来のものと
対比してそれぞれ第1図、第2,3図に示す。な
お各図共Snメツキ厚が0.11μmの場合のイメージ
図である。第1図は本発明例であり、第2図は均
一なSnメツキ層、クロメート被覆を有する比較
例、第3図は局部的凹凸を持つSnメツキ層を有
するが、均一なクロメート被覆を有する比較例で
ある。各図中1は合金Sn層、2は金属Sn層、3
はクロメート被覆層、4は素地鋼を示す。溶接時
の通電は第1図、第3図の場合凸状を呈するSn
部で優先的に起こると考えられるが、第2図に示
す例では通電起点となるべき部分がなく何らかの
理由でクロメート被覆が破壊された部分等に集中
して溶接電流が流れる傾向と考えられるため、ス
プラツシユ等溶接欠陥が発生し易くなると推定で
きる。従つてシーム溶接性からは第1図、第3図
に示すメツキ層構造が有利となるが、本発明例第
1図のようにシーム溶接時の通電起点となるSn
メツキ層凸部でクロメート被覆が薄くそして耐食
性上弱点となるSnメツキ層凹部でクロメート被
覆が厚い方が先に述べた理由から第3図従来例と
比較すればシーム溶接性、又耐食性上から有利に
なることは容易に理解できる。 そして第1図に示すように本発明では合金Sn
層も、金属Sn層の局所的な凹凸と対応した凹凸
を持つ分布を有することが必要である。 次に本発明に於ける望ましいメツキ層構造、特
に望ましいクロメート被覆分布について説明す
る。本発明では任意の位置のクロメート被覆厚
が、その部分のSnメツキ厚と逆比例関係を持つ
ことが必須となるが、このような微小領域のSn
メツキ厚、クロメート厚は螢光X線分析等では定
量できないため、ビーム径を1μ程度に絞つた
EPMA(エレクトロンプローブマイクロアナリシ
ス法)等で定量する必要がある。この場合Sn及
びFe上でのCrバツクグランド及び素地鋼中に含
まれるCrの影響等を全て補正する必要があるが、
本発明に於けるSn及びCrの対応関係の例を第4
図に示す。この場合縦軸、横軸は前述補正後の
Sn及びCrのEPMA X線強度であるが、図中に示
すSnメツキ層凸部のCr量は凹部のCr量の約半分
程度である。この関係を定量化するため、Snメ
ツキ量が最も厚い凸部のSn量、Cr量を基準値1
として任意部分に於けるSn量Cr量をそれぞれx、
yと表わすと統計的回帰計算によつて y=−ax+b の関係を持つ、ここでa、bは正の定数である
が、本発明では望ましくは傾きaが −5≦a≦−0.1 の範囲であれば良く、切片bは必然的に1.1≦b
≦5の範囲を持つ。例えば第4図をこの方法で書
き換えると、第5図のようになり、その傾きaは
a=−0.89となる。 このような表現を行つた時、aが−0.1以上で
あると本発明の効果がほとんどなく、又−5以下
であるとSnメツキ層凹部のクロメート被覆厚が
増大し過ぎて溶接性が低下する。 以上本発明の特徴点である薄Snメツキ鋼板に
於ける望ましいメツキ形態について説明したが、
本発明メツキ鋼板を得る際に使用する鋼板に先に
述べたNi系前処理原板又はNi系拡散処理原板を
使用すれば、リフロー時や製缶空焼時に生成する
合金Sn層中に微量のNiが浸入することで合金Sn
層が緻密化し、耐食性がさらに向上すると共に、
加熱時のFe−Sn合金化も抑制されるためより多
くのフリーSn層を残留せしめることができる。 次に本発明容器用薄Snメツキ鋼板の限定理由
製造方法について説明する。 本発明は通常の方法で表面清浄化した鋼板に、
好ましくはNiメツキ被覆、又はNiにFe、P、
Zn、Cu、Crの一種以上を含有したNi合金メツキ
被覆を施こすが、この被覆方法については特に限
定条件を設定するものではなく公知の手法が適用
できる。そしてNi又はNi合金メツキ被覆した状
態のままでもよいし、あるいはこれらNiメツキ
被覆、Ni合金メツキ被覆を適切な加熱処理で鋼
板表面と拡散反応させてもよい。 加熱処理手段を利用する場合、特に加熱手段は
限定しないが鋼板の焼鈍工程の利用が合理的であ
り、Ni又はNi合金を全て鋼板と拡散させても、
一部を未合金のまま残留させても良い。なおNi
合金の元素Fe、Zn、Cu、Cr、PはいずれもNiと
合金化して加熱後フリーSnを残留せしめる効果
がある。 次にSnメツキ被覆を施こすが、Snメツキ被覆
手段として、電気メツキ法が合理的であるが、特
にこれに限定するものではない。そして本発明で
Snメツキ層は1〜30μmの凸部間隙を有するミク
ロ的凹凸を持ち、凹部のメツキ厚が0.07μm以下、
凸部のメツキ厚が0.20μm以上、かつ平均厚さが
0.17μm以下と規定したのは、まず本発明効果が
螢光線分析等による平均Snメツキ厚が0.17μm以
下で顕著となるからであり、特に平均Snメツキ
厚が0.12μm以下では本発明は非常に有効である。
そしてSnメツキ層凹部のメツキ厚が0.07μm以下、
凸部のメツキ厚が0.20μm以上と規定したのはこ
れ以上のSnメツキ層凹凸がないと、前述したよ
うなSnメツキ層に凹凸を持たせる意義が消失し、
第2図に示した平滑なSnメツキ分布を持つ場合
とその特性が事実上同一になるばかりか、本発明
のポイントとなる特徴的なクロメート被覆分布を
達成することが困難となるからである。なお本発
明に於ける平均Snメツキ厚は0.03μm以上が望ま
しく、これ以下では特に凸部のメツキ厚が確保で
きないからである。本発明に於いてはSnメツキ
層凹部では局所的にSn量が事実上0で合金Sn層
が露出する場合も当然含まれる。そしてこのよう
なSnメツキ層分布を達成するための手段は本発
明では特に限定するものではなく、Snメツキ時
の電解条件、例えば電流密度の調整、又Snメツ
キ浴組成の変更例えば光沢添加剤添加量の調整、
さらに特願昭60−242749号で本発明者等が開示し
たようにSnメツキ処理後のリフロー処理条件を
適切に調整する方法でも良いが、実生産を考慮す
れば作業性、安定性の点からリフロー処理条件、
例えばリフロー前のフラツクス条件、又リフロー
時の加熱条件、冷却条件の調整により実施するこ
とが好ましい。 又、凹凸を有するSnメツキ層の凸部の間隙を
1〜30μmに限定したのは、凸部間隙が1μ未満と
近接していると、事実上メツキ層が連接して本発
明の特徴であるクロメート被覆層の分布が一面に
Snメツキ層を覆い、シーム溶接性を阻害する。
一方、凸部の間隙が30μm超に離れて散在する
と、例え製缶空焼時極部的に残留フリーSn層が
残つても、全体として残留フリーSn層が少なく、
やはりシーム溶接性劣化は避けられない。 なお本発明では鋼板表裏でSnメツキ被覆量を
変えた差厚メツキとすることもでき、又、リフロ
ー処理の方法は一般的な抵抗加熱法、高周波誘導
加熱法が利用でき、その雰囲気として不活性ガス
中での無酸化リフローとしても良い。 次に最表面の不動態化処理としてクロメート処
理等を施こすが、クロメート処理を施す前に例え
ば炭酸ソーダ等中での陰極還元処理を行ない、
Snメツキ被覆表面のSn酸化膜を予め除去しても
良い。 クロメート処理方法は本発明のポイントであ
り、クロメート被覆厚がその部分のSnメツキ厚
と逆比例関係を持つためには下記の処理が好適で
ある。 本発明においてはクロメート下地のSnメツキ
層が凹凸分布を呈することから凹部と凸部の水素
過電圧が相違することに着目し、この差を利用し
て特別な分布を持つクロメート層を得ることに成
功したものである。 このSn層凹部、凸部の水素過電圧差を利用す
るためにはクロメート処理浴、処理条件を以下の
ようにするのが好適である。 処理浴 CrO3を主体としH2SO4を添加した処理浴又
はこれにさらに珪フツ化ソーダ、フツ化アンモ
ニウム等フツ化物を添加した処理浴において
CrO3に対するH2SO4添加比率をX(wt%)とし
て 0.2≦X<0.8 の範囲が必要で、望ましくは 0.5≦X≦0.7 が良い。 処理条件 に示した処理浴中で電解せずに浸漬させる
だけの時間(プレデツプ時間)を0.5sec以上確
保することが必要で、また浴温は45℃以上、ま
た電解時の陰極電流密度Y(A/dm2)は 10≦Y≦100 の範囲が必要で、望ましくは 15≦Y≦30 が良い。 以上の、に示した条件が必要であるのは前
述のSn層凹部、凸部の水素過電圧差、及び特に
酸化雰囲気におけるリフロー時に生成するSn層
表面のSn酸化物等に関連するものと推定される。
そして被覆するクロメート被覆量であるが、局所
的な被覆量はEPMA等で測定可能であるが、螢
光X線等による平均的なクロメート被覆量は本発
明では金属クロム換算で5〜30mg/m2の範囲が好
ましい。5mg/m2以下では本発明を適用しても耐
食性が不足する。又30mg/m2以上では溶接性が低
下する。なお従来はクロメート被覆量が25〜30
mg/m2程度の場合シーム溶接時の通電が妨害さ
れ、シーム溶接性が低下するため適用が困難であ
つたが、本発明では前述した理由でシーム溶接時
の通電ポイントとなるSnメツキ層凸部のクロメ
ート被覆厚が薄くなるため適用可能となり、クロ
メート被覆厚へのシーム溶接性上からの制約が緩
和されるので、耐食性向上にはさらに有利とな
る。なお公知の如く、本発明のクロメート被覆層
は、熱アルカリ不溶クロム層と熱アルカリ可溶ク
ロム層から形成されるが、両者の含有割合は特に
限定するものではないが、望ましくは凹部で熱ア
ルカリ不溶クロム層の比率が多い方がよい。 次に本発明を実施例によつて説明する。 〔実施例〕 実施例 1 通常の方法で表面清浄化化した鋼板両面にに
示す条件でSnを片面当り平均厚さ0.07〜0.14μm
電気メツキし、水洗後各種フラツクス中に浸漬し
乾燥するフラツクス処理を施すか、もしくはフラ
ツクス処理を省略した後、引き続き抵抗加熱法で
Snメツキ層を種々条件でリフロー処理した。そ
してに示すクロメート処理浴中で各種条件で陰
極電解処理し、金属クロム換算で片面当りの平均
被覆量12〜25mg/m2のクロメート被覆層を形成
し、供試料とした。 なおこのクロメート被覆層は濃度20〜80g/
、温度90℃以上のNaOH中に鋼板を浸漬した
際溶解するクロム(熱アルカリ可溶クロム)と、
この条件では溶解しないクロム(熱アルカリ不溶
クロム)から構成され、平均被覆量は金属クロム
換算でそれぞれ7〜19mg/m2、3〜15mg/m2であ
つた。 硫酸錫 フエノールスルフオン酸 エトキシ化α−ナフトール スルフオン酸 溶温 陰極電流密度 :25g/ :30g/ :2g/ :40〜50℃ 2〜30A/dm2 (1) 浴塑性 CrO3 H2SO4 Na2SiF6 :20〜100g/ :CrO3濃度に対し重量%で 0.46〜0.75wt% :0〜0.5g/ (2) 浴 温 :50℃ (3) 陰極電流密度 :15〜40A/dm2 (4) プレデツプ時間 :0.5〜2sec 実施例 2 実施例1に於いてSnメツキをに示す条件で
実施し、又フラツクス処理は行わず、水洗、乾燥
のみとした実施例であり、その他項目は実施例1
と同じ。 塩化第一錫 弗化ナトリウム 弗化水素カリウム 塩化ナトリウム 添加剤 :75g/ :25g/ :50g/ :45g/ :2g/ 浴温65℃ 陰極電流密度:48A/dm2 実施例 3 実施例1において表面清浄化した鋼板両面に
に示す条件でNiを片面当り15mg/m2電気メツキ
した後Snメツキした実施例であり、その他条件
は実施例1と同じ。 NiSO2・7H2O NiCl2・6H2O H3BO3 :200g/ :60g/ :50g/ 浴温:50℃ 陰極電流密度:5A/dm2 実施例 4 実施例3に於いてで示したNiメツキ被覆に
替えてに示す条件でNi−Fe合金メツキ被覆
(合金メツキ中のFe含有率:80wt%)をNi量で
片面当り30mg/m2被覆した実施例でその他項目は
実施例3と同じ。 NiSO4・7H2O NiCl2・6H2O FeSO4・7H2O H3BO3 :200g/ :40g/ :20g/ :50g/ 浴温:50℃ 陰極電流密度:10A/dm2 実施例 5 表面清浄化した鋼板両面に実施例3ので示す
条件でNiを片面当り50mg/m2電気メツキした後、
NHXガス(5%H2−95%N2)雰囲気中で720
℃、15secの条件で焼鈍し、該被覆層を素地鋼板
に拡散させた。しかる後2%の調質圧延を行な
い、引き続き通常の工程で脱脂、酸洗処理を施し
た。続けてSnメツキ被覆、フラツクス処理、リ
フロー処理、電解クロメート処理、塗油を施した
が、この工程は全て実施例3と同様に実施した。 実施例 6 実施例1に於いてリフロー処理後に示す条件
でリフロー時に生成したSn酸化皮膜を還元除去
後クロメート処理を於した実施例で、その他項目
は実施例1と同じ。 NaHCO3 PH :30g/ :8.0 浴温:35℃ 陰極電流密度:2.5A/dm2 そして以上と共に従来例として片面当りのSn
メツキ被覆厚0.38μmの#25ぶりきを使用して下
記(A)〜(D)の評価試験を実施しその結果を第1表に
示す。 (A) 顕微鏡観察 得られたメツキ鋼板はその表面状況を走査型
電子顕微鏡(以下SEM)で観察した。SEM観
察は主に1000倍で実施し、異なる位置で少なく
とも5視野以上観察したが、Snメツキ層に明
瞭な凹凸が認められる場合には凸部の間隙を1
視野中で3点以上測定し、これらの平均値で示
した。なお明瞭な凹凸が認められない時は「凹
凸認められず」と表示した。 (B) EPMA測定 (A)項に示した方法でSnメツキ層の分布状況
を調査した後、Snメツキ層上のクロメート被
覆量をビーム径を1μとしたEPMA(エレクトロ
ンプローブマイクロアナリシス法)を用いて調
査した。(A)項の観察によつてSnメツキ層に明
瞭な凹凸が認められる場合には、任意場所の
2000倍の視野中で凹部、凸部共それぞれれ3点
以上EPMAによるSn及びCrの特性X線強度
(CPS)を測定し、又(A)項の観察で明瞭な凹凸
が認められない場合には2000倍の視野中の任意
の6点以上に於いて同様に測定した。そしてこ
の測定を異なる位置で少なくとも5視野以上行
い、前述した第4図、第5図の例に示す手法で
係数aを求めた。 又Snメツキ層凹部、凸部のSnメツキ被覆厚
はここで測定したSnの特性X線強度を、標準
試料から求めた検量線と比較することで求め
た。 (C) シーム溶接性テスト 各試片を缶胴に成形した後、製缶用シーム溶
接機を使用して、缶胴接合部のラツプ幅0.4mm、
加圧力45Kgf、製缶速度45mpmの条件で、溶
接2次電流を変化させることによつて調査し
た。そして評価は良好な溶接が可能な溶接2次
電流範囲で表示した。 適正溶接2次電流の下限値は溶接部の強度の
下限で、又上限値はスプラツシユ発生の上限で
決定したが溶接部の強度は衝撃テスト及び溶接
部にV形のノツチを入れペンチで引きさく引き
さきテストにより判定し、シーム溶接部の外観
は目視で散りの有無等より判定した。なおシー
ム溶接性テストに供した試片は全て電気エアー
オーブン中で210℃、20分の空焼を行つた。 (D) 耐塗膜下錆性テスト 各試片に製缶用エポキシ−フエノール塗料を
片面当り55mg/dm2ロールコートし、205℃で
10分間焼付し、さらに190℃で10分間追焼処理
した。そしてカツターナイフを用いて塗膜にス
クラツチを入れ、エクセン試験機で5mmのエク
セン加工を施し供試サンプルとした。供試サン
プルは5%NaClを用いた塩水噴霧を1時間行
つた後25℃、相対湿度85%の恒温、恒湿試験機
中に14日間保定し、スクラツチ部から発錆状況
を目視評価した。判定は◎糸錆発生なし、〇発
生小、△やや大、×大とした。 以上テスト結果を第1表にまとめて示すが、本
発明限定範囲を満足するものは全てシーム溶接
性、耐塗膜下錆性共良好で、特にSnメツキ前に
Ni系前処理を施した素材は良好であるのに対し、
本発明限定範囲外の比較例はいずれも劣つてい
る。
【表】 溶接電流下限〜溶接電流上限 *無:溶接適正2
次電流範囲無
(B) 係数a:発明の詳細な説明の項で説明、第4図、
第5図参照
〔発明の効果〕 本発明は、クロメート被覆層が凹凸を有し、下
層Snメツキ層と逆比例関係にある構成であるた
め、薄Snメツキ層の従来の欠点を補填した、耐
食性及びシーム溶接性に優れた容器材料となる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図は各々鋼板表面に形成
されるSnメツキ層及びクロメート被覆層の断面
構成を示す概念図で第1図は本発明例、第2図及
び第3図は比較例である。第4図及び第5図は本
発明のSnメツキ層とクロメート被覆層との関係
を説明する特性図である。 1……合金Sn層、2……金属Sn層、3……ク
ロメート被覆層、4……素地鋼。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼板表面から順に合金Sn層、凸部の間隙が
    1〜30μmで、凹部のメツキ厚が0.07μm以下、凸
    部のメツキ厚が0.20μm以上でかつ平均厚さ0.17μ
    m以下の凹凸部を有するSnメツキ層、そしてク
    ロメート被覆層から構成されるメツキ鋼板に於い
    て、クロメート被覆厚がその部分のSnメツキ厚
    と逆比例関係にあるクロメート被覆分布を持つた
    耐食性、溶接性に優れた容器用薄Snメツキ鋼板。 2 鋼板として、予めNi又はNiにFe、P、Zn、
    Cu、Crの一種又は二種以上を含有するNi合金を
    被覆後、そのまま、あるいは熱拡散処理で鋼板表
    面に一部又は全てを拡散処理した鋼板を用いたこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の耐食
    性、溶接性に優れた容器用薄Snメツキ鋼板。
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