JPH0245934B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は光輝性メタリツク加飾印刷を施した金
属製容器蓋体等の製造方法に関する。さらに詳し
くは、金属成型品の成型前におけるシート状で文
字、図形等を印刷加飾した後、所望の成型を行な
う光輝性メタリツク加飾印刷を施した金属製容器
蓋体等の製造方法に関する。

従来の技術 従来、金属製又はガラス製などの容器蓋体等の
成型品の表面に光輝性メタリツク状の文字、図形
模様等を印刷する場合、使用するインキは金粉又
は銀粉を粘稠性のある合成樹脂系接着剤に混入し
たものであり、このインキを用いて着肉量を厚く
かつ十分な色彩濃度のある印刷を得るには多量の
インキを盛り上げ転移せしめることを要し、この
盛金手法をスクリーン印刷によつて行なう場合、
スクリーンの耐久性、印刷速度等に難点があり、
作業能率が上がらずコスト高となることを避けら
れず、製品歩留りが悪くなる欠点があつた。

また、スクリーン印刷法においても、インキの
転移が多く、殊にロータリースクリーン法によれ
ばシヤープな解像力をもつた精密な印刷が可能に
なるが、ホツトスタンピングに比してメタリツク
な光沢や光輝性などは望み得ない。一方、ホツト
スタンピングはホツトスタンピングホイルの感熱
接着剤層を被転写物の上に重ね、ベースフイルム
を上面としてその上から加熱、加圧するが、これ
を実施する場合、絵際が鮮明に抜けない点、被転
写物である成型品の形状や、バラツキがあること
等からも表面押しには強圧を要し、版型の両端部
をシヤープに転写することは困難であり、版型の
位置ずれを生ずる虞れが多かつた。

このような欠点を解決するために、出願人等は
さきに特開昭51−118507号及び特開昭52−29313
号の日本特許出願、さらに米国特許出願を行なつ
ている。就中、後者の日本特許出願に対応する米
国特許出願は米国特許第4053344号、1977年（昭
和52年）10月11日権利が確立している。その要旨
とするところは、金属製又はプラスチツク製の容
器等の被転写物の表面上にスクリーンプロセスに
より文字、図形などを印刷する工程と、その印刷
面上にラバー押し手法によるホツトスタンピング
を併用した印刷方法に関するものである。本発明
は上記提案を改良し、さらに発展せしめることを
目的とするものである。

また、化粧品容器や、蓋体等の成型品の表面で
の文字、図形などの盛上がりや、美麗なメタリツ
ク感が要求され、これに伴なつて光輝性メタリツ
ク加飾方法が数多く提案されている。たとえば、
特公昭59−36599号、凸状の金属光沢模様および
その金属光沢模様の現出方法、特公昭55−6514
号、金属製品の印刷方法等の他、特開昭50−
73710号、非変色性高温短時間硬化型インキ組成
物およびそのインキの印刷方法、特開昭52−
45417号、接着用インキを利用した箔押印刷方法
等である。また、容器蓋体等の成型品の表面にメ
タリツク加飾を施す方法として、特開昭54−
50752号では、所定のフイルム上に透明もしくは
半透明の剥離層及び金属色被膜層を順次形成する
と共に、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を主成分
としたインキにより文字や図柄を印刷して接着層
を形成した箔をつくり、この接着層を形成した箔
をつくり、これを被加飾物に当て金属色被膜を転
写するようにしたもの、特開昭54−51678号では、
被加飾物の表面に熱硬化性、紫外線硬化型等の塗
料により塗膜を形成し、この上に印刷インキを用
いて塗膜より隆起する如く文字、図柄を印刷して
隆起部を形成した後、上面からホツトスタンピン
グ箔を当て、加熱弾性体により圧着して隆起部に
のみ光輝性メタリツク転写を施すようにしたも
の、特開昭56−140042号では、ガラス表面にアン
ダーコートを施し、その上に所望の文字、図柄な
どを隆起させて印刷し、次いで印刷部分の上面か
らホツトスタンピング箔を当てて、印刷部分にの
み光輝性メタリツク転写を施し、さらに光硬化型
または電子線硬化型透明塗料等の耐摩耗性硬質塗
料で透明のオーバーコートを施すもの、さらに、
特開昭57−170843号では、剥離性のよい基材フイ
ルム表面に文字、図柄を合成樹脂系インキを用い
て印刷して転写フイルムを予め作成し、これを予
熱されたガラス表面に加熱転写した後、転写され
た文字、図柄上にホツトスタンピング箔を当て加
圧し転写を施した後、乾燥を行なうもの等であ
る。

これらの提案では、化粧品容器、蓋体などの非
吸収性被印刷面への印刷において、所望の光輝性
メタリツクの文字、図形等に加飾を施す方法とし
てホツトスタンピング法が採用されており、この
種のホツトスタンピング法で被加飾物に形成され
メタリツク加飾部分に凸状の鮮明な画線を現出せ
しめ、また、盛り上がりに欠け平板的な加飾効果
しか得ない点等の他、これらの文字、図形等を形
成するためにこれに相応した凹部をもつた金型が
かなり手数を要し、金型コストも増大するなどの
欠点を解決しようとするものである。

しかしながら、これらの方法の多くは合成樹脂
を主成分とするインキで文字、図形等を印刷し、
この印刷した隆起部分にホツトスタンプにより被
転写体へメタリツク転写を施すようにしたスクリ
ーンプロセスとホツトスタンピングを併用した方
法であるが、所定の前処理も加え、文字、図形等
の印刷、ホツトスタンピング、加熱又は乾燥処理
等と工程がかなり長いこと、さらに被吸収性印刷
面および印刷インキ間の密着性を高めるために印
刷インキ、金属製品の表面に対する制限があり、
また、金型の面倒な手間、コスト増大の他、色彩
の多様化を求めるのは難しく、加飾手段そのもの
の煩雑さもさることながら作業工程上も手数を要
し製造コストも増大する。要するに、この種作業
では、通常金属製品の素材選定から下地プライマ
ー処理、アルキツド系オフセツトインキによる印
刷を経て、スクリーン印刷を行ない、さらにホツ
トスタンピングホイールを印刷されたパターンに
圧着せしめる等の如き、かなり手数のかかる長い
工程を経るものである。また、被転写体は平板状
に限らず、曲面又は凹面なども少なくないため加
飾手段をさらに手数のかかるものとしている。こ
れら一連の作業工程の手数を簡略化し、かつ製品
仕上がりの歩留りを向上せしめる面からみても未
だ十分ではない。

さらに、前記特公昭55−6514号についてみて
も、文字、模様などの下地印刷に次いで、熱硬化
性樹脂のトツプコーテイングを設け、加熱して該
樹脂を完全に硬化せしめた後、所望の加飾部分の
みの印刷を熱硬化性樹脂で行ない、加熱して樹脂
が完全に硬化する直前に、スタンピングホイルを
印刷面に圧着させ、スタンピングした後、さらに
加熱して完全に硬化せしめるものであり、所望の
加飾部分に金属光沢のある印刷を容易、かつ能率
的に行なうことができるとの記載にかかわらず、
その工数においても決して少ないとはいえず、ま
た、熱硬化性樹脂を限定的に採択した点に特徴が
あるはといえ、文字、模様などの下地印刷に次い
で、ポリエステル樹脂の如き熱硬化性樹脂のトツ
プコーテイングを設け、該金属製品を加熱炉内に
入れポリエステル樹脂を完全に硬化せしめる。さ
らに、光輝性メタリツク加飾部分のみの印刷をフ
エノール樹脂を架橋剤としたエポキシ樹脂などの
熱硬化性樹脂で行なつているため、前段では加熱
して該樹脂を完全に硬化せしめる手段、後者でも
加熱して樹脂が完全に硬化する直前に、スタンピ
ングホイルを印刷面に圧着せねばならず、さら
に、最終工程でもスタンピングした後、加熱して
完全硬化せしめる等、この種表面処理で周知の一
般的な熱硬化性樹脂を工程を通じて使用した処理
方法であるため、当然のことながら熱硬化性樹脂
固有の処理がとられねばならないことは自明であ
る。したがつて、いずれにしても、上記提案で
は、文字、模様などの下地印刷を行ない、次いで
熱硬化性樹脂によるトツプコーテイングを設けた
点ならびに一連の工程を通じて熱硬化性樹脂を採
択した処理方法に特徴を有するものの、所望の光
輝性メタリツク文字、模様を得る加飾印刷方法と
して、決して作業が簡略化され、かつ工数の短か
いコストダウンに寄与する方法とはいえない。

本発明は上記した出願人等の提案にかかる技術
を改良し、さらに発展させることを目的とするも
のであり、併せて上記の数多い提案にみられる光
輝メタリツク加飾方法の問題点を解消し、光輝性
メタリツク転写印刷を施した金属製容器蓋体等の
製造方法にかかるものである。本発明は、光輝性
メタリツク加飾印刷を施した金属製容器蓋体等の
製造方法において、シート状金属板の表面に下地
層を形成し、次いでオフセツト印刷等により印刷
したアンダーコートを施した後、前記金属板を所
定の大きさに裁断し、次にスクリーン印刷法等に
より熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を主成分とす
るインキで文字、図形等を転写し、転移したイン
キの指触乾燥もしくは蒸発乾燥後、該インキ上に
ホツトスタンピングホイルを載置し、ラバー押し
手法等により加熱しつつ、転移したインキ上にホ
ツトスタンピングホイルを転写せしめ、次いで加
飾した転写体のほか表面全体にわたり実質的に膜
厚の熱可塑性樹脂等を被覆形成せしめた後、所望
の成型プレスを行なう光輝性メタリツク加飾印刷
を施した金属製容器蓋体等の製造方法を提供する
ものである。

問題点を解決するための手段 本発明者等は上記の如き問題点を解決するに際
して、さきに提案した特開昭51−118507号他の如
き、金属製品等の容器、蓋体など、非吸収性表面
に金属光沢のある文字、図形等をスクリーンプロ
セスとホツトスタンピングを併用して印刷方法の
改良を行ない、印刷不良の発生を少なくし、かつ
文字、図形等の印刷加飾作業の簡略化、安定した
品質維持、操業性の向上につき鋭意検討の結果、
本発明に到達したものである。

まず、本発明においては、各種金属製品の被転
写体がシート状のものに限らず、たとえば化粧品
容器、蓋体などの曲面或いは凹面上で転写される
点を改良し、印刷加飾作業終了の後、実質的に被
膜層を厚くした熱可塑性樹脂等を積層被覆せし
め、ついで所望の形状にプレス成型を行なうもの
であり、従来１個単位で行なつていた作業が１枚
のシート状金属板で多数個加飾することができる
ようにしたものである。すなわち、化粧品容器蓋
体等に供するアルミニウム平板素材の表面に下地
処理を行ない、さらに、顔料着色アルキツド樹脂
などでアンダーコートを施与した後、以後の印刷
加飾作業上取扱いの容易な所定の大きさに裁断す
る。そして、裁断したシート状金属板の表面にス
クリーン印刷等により印刷を施し、印刷インキの
加熱乾燥又は蒸発乾燥状態において、該インキ上
にホツトスタンピングホイルを載置し、転写せし
め、美麗なメタリツク転写体を得る。次に、金属
板の下地層ならびにメタリツク転写体の表面全体
にわたり、熱可塑性樹脂等を用いて実質的に膜厚
の被膜層を形成せしめる。さらに、外径プレスを
経て、温度60〜150℃に加熱し曲絞プレス等のプ
レス成型を施し仕上げることにより、所望の形状
の光輝性メタリツク文字、図形を有する金属製容
器蓋体製品が得られる。

また、本発明においては、上記特公昭55−6514
号の如き、熱硬化性樹脂によるトツプコーテイン
グを設ける必要もなく、また、光輝性を付与する
部分の印刷インキは、適宜熱硬化性樹脂であるエ
ポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキツド樹脂な
ど、或いは熱可塑性樹脂インキを使用し、スクリ
ーン印刷法など公知の印刷法により所望の文字、
図形等の印刷を行なう。さらに、メタリツク転写
作業後にメタリツク転写体のほか全体にわたつ
て、熱可塑性樹脂、又は必要により熱硬化性、紫
外線硬化型もしくは電子線硬化型樹脂を用い、膜
厚の被膜層を形成せしめる。この場合、メタリツ
ク転写体の盛り上がり表面とアンダーコート層の
表面とでは、被覆形成される被膜の厚さは異なる
が、熱可塑性樹脂等により、10〜40μ、好ましく
は15〜25μの実質的に膜厚の被膜層を積層形成せ
しめることにより、メタリツク加飾体が摩耗し易
いこと、また、以後のプレス成型作業での塗膜の
切断、剥離などを防止することができると共に、
透明感をもつた美麗で深みのある金属光沢を有す
る光輝性メタリツク加飾印刷を施した金属製容器
蓋体等の製品を得ることができる。

実施例 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明の方法を
説明するが、本発明は実施例に記載のものに限定
されるものではない。

第１図は本発明の方法により光輝性メタリツク
加飾印刷を施した一実施例を示す断面図であり、
第２図は金属板の裁断状態の一例を示す平面図で
ある。

予め表面清浄処理を行なつた化粧品容器蓋体に
供する厚さ0.5mmのアルミニウム金属板１の表面
３に対して親和性、密着性を有する塩化ビニール
系樹脂で下地処理を施与し、210℃、15分乾燥し
て下地層４を形成せしめた。さらに、オフセツト
印刷法により黄赤色顔料着色アルキツド樹脂でア
ンダーコート層５の印刷を行なつた。次いで第２
図に示すように、縦400mm、横600mmの金属板１を
シート状のまま裁断線２に沿つて縦400mm、横200
mmに縦割に３分割する。続いてエポキシ樹脂を主
成分とするインキを使用して、スクリーン印刷法
により転移せしめ、文字、図形を転写し、印刷イ
ンキ層６を形成せしめた。これを、130℃、28分
加熱し、転移した印刷インキ層６の表面を指触し
て付着しない乾燥状態において、該インキ層６上
にホツトスタンピングホイルを載置し、ロール式
箔押し機（図示せず）のシリコンロールを190〜
220℃に加熱し、下部のテーブル上に予めホツト
スタンピングホイルを装着せしめ、その下に金属
板１を載置し、シリコンロールを加圧し、テーブ
ルを移動せしめながらホツトスタンピングを行な
つた。

かくして、転移したインキの面上にホツトスタ
ンピングホイルに積層されている接着剤層が圧着
すると共に、蒸着層が離型しスクリーン印刷法に
より印刷した文字、図形の凸面上に金属光沢を有
するメタリツク転写体７が鮮明に得られた。この
場合、スクリーン印刷法によつて、一旦パターン
を決定しておくと連続して同一絵柄が転写され、
また、使用インキにに適合するホツトスタンピン
グホイルは、両者の性質、被転写物の種類などを
考慮して適宜決めることができる。

次いで、メタリツク転写処理終了した金属板１
の下地層４ならびに転写体７の表面の全体にわた
り、メラミン架橋型アクリル系樹脂により150〜
210℃にて積層処理し、被膜層８を形成せしめた。
アンダーコート層５の表面上の被膜層８の厚さは
約15μで、実質的に膜厚の被膜層８で被覆した。
さらに、外径プレスを経て、温度80℃に加熱して
第１工程で80mm径、深さ４mm、第２工程で74mm
径、深さ10mmの曲絞プレス加工を行ない、かくし
て、表面に光輝性メタリツク加飾文字、図形を有
する化粧品金属製容器蓋体製品が得られた。

発明の効果 上記したように、本発明では従来金属製容器蓋
体等でのメタリツク加飾作業により要求される美
麗な加飾体が得られると共に、コスト高騰の要因
でもある長い工程数からなる加飾作業の簡略化、
能率化ならびに印刷不良率の発生を少なくするこ
とができる。就中、光輝性メタリツク転写印刷他
の処理をプレス成型の前に行なう作業工程とし、
また、メタリツク加飾体形成後、表面全体にわた
り、熱可塑性樹脂等により実質的に膜厚の被膜層
を形成せしめているため、加飾体はもとよりアン
ダーコート層の着色がいずれであつても透明感や
深みのある色彩を期待し得るし、さらに、以後の
プレス成型作業においても加飾体や塗膜などの切
断、剥離等を防止し得る。しかも、これら印刷加
飾作業では、シート状の金属板を用いるので、従
来、１個単位で行なつていた作業が一度に多数個
得られる利点があるのみならず、取扱い上もきわ
めて簡便で、印刷不良の発生も少なくすることが
できる。このように、光輝性メタリツク加飾効果
と併せて製造工程の簡略化、操業の能率化とコス
ト節減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
本発明の方法により光輝性メタリツク加飾印刷を
施した一実施例を示す断面図、第２図は金属板の
裁断状態の一例を示す平面図である。 １……金属板、２……裁断線、３……金属板表
面、４……下地層、５……アンダーコート層、６
……印刷インキ層、７……転写体、８……被膜
層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 光輝性メタリツク加飾印刷を施した金属製容
   器蓋体等の製造方法において、シート状金属板の
   表面に下地層を形成し、次いでオフセツト印刷等
   により印刷したアンダーコートを施した後、前記
   金属板を所定の大きさに裁断し、次にスクリーン
   印刷法等により熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を
   主成分とするインキで文字、図形等を転写し、転
   移したインキの指触乾燥もしくは蒸発乾燥後、該
   インキ上にホツトスタンピングホイルを載置し、
   ラバー押し手法等により加熱しつつ、転移したイ
   ンキ上にホツトスタンピングホイルを転写せし
   め、次いで加飾した転写体のほか表面全体にわた
   り実質的に膜厚の熱可塑性樹脂等を被覆形成せし
   めた後、所望の成型プレスを行なうことを特徴と
   する光輝性メタリツク加飾印刷を施した金属製容
   器蓋体等の製造方法。