JPH0244980B2 - Puurunokaishukoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は老朽化したプールの改修工法に関する
ものである。

＜従来の技術とその問題点＞ 従来使用されているプールはコンクリート製、
金属製、FRP製に大別できるが、長期間の使用
によりコンクリート製の場合はひび割れ、風化浸
食による表面の凹凸化が発生し使用不能となつた
り、金属製の場合はプールに使用される塩素滅菌
剤の影響も受け特に溶接部分で激しく局部腐食が
起こり漏水を生じ、さらにFRP製の場合は紫外
線により表面色が退色したり傷や微細なひび割れ
が発生し、漏水はないものの外観上見苦しいとい
う問題がありいずれの場合も改修工事が必要とな
る。

このため改修法として従来、改修するプール本
体の内壁面全域に亘つて不飽和ポリエステルやエ
ポキシ系の樹脂を塗布し、この上にガラス繊維を
敷いて脱泡し、また上記の樹脂を塗布するという
作業が何回も繰り返される方法が主として行なわ
れている（これにより形成されるものが所謂
FRPである）。

しかしこのような方法を用いると、作業が繁雑
で手間がかかり、従つて相当な工期を要するため
コストが高くなるという問題点がある。

＜発明が解決しようとする技術的課題＞ 本発明が解決しようとする技術的課題は、老朽
化したプールの改修に際し、短い工期で手間のか
からない経済的なプールの改修工法を提供するた
めに、FRPのライニング材を塗布する面積を大
幅に減少させることにある。

＜技術的課題を解決するための手段＞ 上記課題を解決するために本考案が講じる技術
的手段は、平面四角状を呈するFRP製の表面仕
上パネルをプール本体の内壁面に多数枚貼り付け
ると共に、各表面仕上パネル相互間に形成される
間〓にFRPのライニング材を充填し、該ライニ
ング材が硬化する前に、FRP製の被覆パネルを
前記ライニング材の上面に接着することを特徴と
する。

＜実施例＞ 本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１工程は、プール本体Ｂの内壁面B′に表面
仕上パネルＡを多数枚貼り付けるものである（第
１図及び第２図参照）。

プール本体Ｂは第７図に示すように、発泡材を
FRP層で被覆してなる側壁部b₁と底壁部b₂を連設
して構成されている。

表面仕上パネルＡは、FRPを用いて平面四角
状に形成したシート１裏面に粘着体２を備えたも
のである。

シート１は裏面に、所定の高さの凹部１ａを設
けて周縁部に段部１ｂを有する断面〓状に形成し
たもので、該凹部１ａに上記粘着体２を収納す
る。

なお、シート１の表面には、プールの表面とな
る色を予め着色しておくのが望ましい。

粘着体２はゴム系あるいは合成樹脂系材料を用
いて、上記凹部１ａの高さと同じかやや高い厚み
を有し且つ両面粘着性を備えたシート状に形成し
たもので、一面をシート１の上記凹部１ａの内面
に粘着し、かつ他面がシート１の裏面と略面一に
なるよう凹部１ａ内に収納されてシート１と一体
化する。

このようにして構成された表面仕上パネルＡ
を、隣り合わせたシート１，１の外周縁１ｄ，１
ｄ相互間に所望幅の〓間C′を残しつつ、この外周
縁１ｄ，１ｄ同士が互いに平行になるよう、粘着
体２のシート１裏面側に露出する面（他面）を介
して、プール本体Ｂの内壁面B′全域にわたつて
貼り付ける（第２図参照）。

第２工程は、上記のようにして貼り付けた表面
仕上パネルＡ相互間に形成される間〓ＣにFRP
のライニング材３を充填するものである（第３図
及び第４図参照）。

FRPのライニング材３は従来周知の如く、硬
化剤、促進剤等の添加剤を含む不飽和ポリエステ
ルやエポキシ系等の熱硬化性樹脂とガラス繊維よ
り成つており、この樹脂剤を上記間〓Ｃの下部に
埋め込み、この上にガラス繊維を載せて脱泡し、
再び上記の樹脂剤を埋め込むという操作を繰り返
すことにより、隣り合わせたシート１，１の外周
縁１ｄ，１ｄ間の〓間C′と、この〓間C′に連続す
る段部１ｂの上部とを含む間〓Ｃ内に充填され
る。

このライニング材３の充填により隣り合わせた
表面仕上パネルＡ，Ａ相互を水密状に接続して、
老朽化したプール本体Ｂの漏水を防止する。

尚、この時、プール本体Ｂの側壁部b₁側に貼り
付けた表面仕上パネルＡの上側の段部１b′と、プ
ール本体Ｂの内壁面B′の上縁B₁′との間にもライ
ニング材３を充填する。

また、上述した全てのライニング材３はやや過
剰に加えておく。

第３工程は、上記ライニング材３が硬化する前
に、被覆パネルＤを前記ライニング材３の上面に
接着するものである（第５図及び第６図参照）。

被覆パネルＤはFRPを用いて、上記間〓Ｃ内
に充填されたライニング材３の上面を被覆可能な
平面四角形のシート状に形成したもので、このラ
イニング材３が硬化する前に載置し上方より押圧
することにより、ライニング材３の上面に接着す
る。この時、上述した過剰のライニング材を介し
て、被覆パネルＤの外縁部分下面を、表面仕上パ
ネルＡの上面に接着し、かつこの接着部分から押
し出された余分なライニング材を拭き取る。

尚、プール本体Ｂにおけるコーナー部分B₂用
の被覆パネルＤは、そのコーナー部分B₂の形状
に沿う湾曲状に形成し、また、側壁部b₁の上部
b₁′用の被覆パネルＤはその上端をプール本体Ｂ
の内壁面B′の上縁B₁′の形状に沿う湾曲状に形成
し、上記平面四角形状の被覆パネルＤ同様、ライ
ニング材３の上面に接着することは言うまでもな
い。

上述した全ての被覆パネルＤの表面にはプール
の表面となる色を予め着色しておくのが望まし
い。

以上の手段によれば、ライニング材３によつて
隣り合わせた表面仕上パネルＡ，Ａ相互を水密状
に接続すると共に、このライニング材３を被覆パ
ネルＤで被覆して改修壁Ｅが形成される。

尚、上述した表面仕上パネルＡは、図示するよ
うに段部１ｂに固定用の止め孔１ｃを多数設け、
この表面仕上パネルＡを内壁面B′に貼り付けた
後、第２工程に入る前に止め孔１ｃにビス５を挿
入して側壁部b₁、底壁部b₂にビス止め固定しても
よい。この場合は、表面仕上パネルＡの内壁面
B′への貼り付けをより強固に行え、改修壁Ｅの
信頼性をより向上できる。

また、上記表面仕上パネルＡのシート１周縁部
に形成される段部１ｂを、図示する側壁部b₁側の
もののように２段に形成し、さらに被覆パネルＤ
をその第２段部１b″と面一になるよう接着すれ
ば、改修壁Ｅを平坦に形成することができる。

また、上記粘着体２のシート１裏面側に露出す
る面（他面）に剥離紙を貼り付けて使用時に剥離
するようにしておけば、表面仕上パネルＡの保
管、輸送時等に多数積重ねても相互に貼り付くこ
とがなく、使用上便利である。

尚、本実施例ではプール本体ＢをFRP製のも
のとして説明したが、本発明の改修工法はこれに
限定されるものではなく、コンクリート製及び金
属製のプールにも対処できることもちろんであ
る。

＜発明の作用効果＞ 本発明は叙上の如く、平面四角形状を呈する
FRP製の表面仕上パネルをプール本体の内壁面
に多数枚貼り付け、その後、各表面仕上パネル相
互間に形成される間〓のみの小さな面積部分に
FRPのライニング材を充填すると共に、このラ
イニング材が硬化する前に、FRP製の被覆パネ
ルを前記ライニング材の上面に接着して改修壁を
形成する。このため、上記表面仕上パネル及び被
覆パネルの貼り付け、接着工程が主体となり、ラ
イニング材の塗布面積が少なくてすむ。

また上記間〓に充填したライニング材の上面
に、FRPで形成した被覆パネルを、このライニ
ング材が硬化する前に接着するため、表面仕上パ
ネル相互の接合部は二重構造となり、強度がより
増加するばかりでなく、硬化後のライニング材表
面のサンデイング工程を必要としない。

従つて、改修作業が容易であり、従来のように
脱泡操作を有するFRPのライニング材の塗布作
業を繰り返して行なう工程をプール全体に亘つて
施す繁雑な方法に比べて、手間がかからず、工期
が短くて済み、経済的である。

依つて、所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明のプールの改修工法の一実施例を
示し、第１図は表面仕上パネルを貼り付けた状態
を示す縦断面図、第２図は表面仕上パネルを貼り
付ける過程を示す斜視図、第３図はライニング材
を充填した状態を示す縦断面図、第４図は第３図
の斜視図、第５図は被覆パネルを接着した状態を
示す縦断面図、第６図は第５図の斜視図である。
また、第７図は改修前のプール本体の縦断面図で
ある。 尚、図中、Ａ：表面仕上パネル、Ｂ：プール本
体、B′：内壁面、Ｃ：間〓、３：ライニング材、
Ｄ：被覆パネル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 平面四角状を呈するFRP製の表面仕上パネ
   ルをプール本体の内壁面に多数枚貼り付けると共
   に、各表面仕上パネル相互間に形成される間〓に
   FRPのライニング材を充填し、該ライニング材
   が硬化する前に、FRP製の被覆パネルを前記ラ
   イニング材の上面に接着することを特徴とするプ
   ールの改修工法。