JPH0244959Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はプレス機械のクランク軸とスライドと
を連結するために用いるグリース封入コネクチン
グロツドに関するものである。

コネクチングロツドを以下簡略にコンロツドと
いう。

〔従来の技術〕

従来、プレス機械のクランク軸とスライドとを
連結するために用いたコンロツドは、クランク軸
の偏心部と連結するその端部が大径の軸受となつ
ており、この軸受の潤滑は上方の機体にグリース
ポンプを設け、機体からコンロツドの給油口まで
配管を渡していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のコンロツドの給油方法では、コンロツド
はプレスを運転する際にクランク軸の偏心部の回
転に伴つて、スライドの連結部を中心として揺動
するので、配管は振られて切断事故を起こすこと
が多かつた。またグリースポンプは定期的に動か
してグリースをコンロツドの軸受に送り込む必要
があるが作業者が忘れ易く、軸受の焼付事故を起
こすおそれがあると共に、一定量のグリースの供
給が難しく、給脂の過不足を起こし易かつた。更
に配管工数が必要であるなどの欠点があつた。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案はこれらの欠点を除き、コンロツドのキ
ヤツプとブツシユとの間に大きなグリース溜りを
設け、ブツシユの軸方向両端部にグリースシール
を設けると共に、グリース溜りから軸受面に至る
グリース滴下穴と、滴下穴から軸受面の各部に至
る油溝を設けた。グリースは軸受の温度上昇に伴
い適量が溶けて滴下穴から流出し軸受面を潤滑す
る。グリース溜りの容量を大きくすることによつ
て長期間、すなわち半永久的に給脂の必要がな
く、配管が不要であり、保守整備の煩わしたを除
くことができる。

〔実施例〕 第１図及び第２図において、本考案によるコン
ロツド１の構造を示している。コンロツド１の上
部はクランク軸の偏心軸に連結するための大径の
軸受となつており、上下２分割のブツシユ２をコ
ンロツドキヤツプ３とブロツク４とで押さえ、ロ
ツド１３と共にボルト１１で締め付けている。ブ
ツシユ２はノツクピン５，５でコンロツドキヤツ
プ３及びブロツク４に位置決めされている。コン
ロツドキヤツプ３のブツシユ２を接した内周部に
はブツシユ２外周に対し上方に偏心した円形の凹
穴６を設け、ブツシユ２の外周との間にグリース
溜り７を形成している。凹穴６の項部からコンロ
ツドキヤツプ３の上面に抜けるエア抜き用の穴８
を設けている。

グリース溜り７の下部に当たる位置には、ブツ
シユ２に小径のグリースの滴下穴９を２個設けて
いる。ブツシユ２の内周面には滴下穴９からグリ
ースを軸受面各部に送る所要の油溝１０を設けて
いる。ブツシユ２の軸方向の両端部には、ブツシ
ユ２とコンロツドキヤツプ３及びブロツク４との
隙間からグリースが洩れないようにするグリース
シール１２，１２を設けている。

コンロツド１の下部はブロツク４とボルト１１
で締め付けたロツド１３を設け、ロツド１３の内
径部にはその中間部に設けためねじに螺入したア
ジヤストスクリユ１４を設けている。アジヤスト
スクリユ１４の下端部にはプレスのスライドを揺
動自在に連結するための球部１４ａを設けてい
る。

第３図において、プレス１５におけるコンロツ
ド１の配置を示している。プレス１５に回転自在
に支持されたクランク軸１６の偏心部１７にコン
ロツド１のブツシユ２を嵌合させて連結してい
る。

コンロツド１の球部１４ａはプレスのスライド
１８に連結されている。クランク軸１６の後端部
に固定したメーンギヤ１９は、プレスに回転自在
に設けた駆動軸２０のピニオン２１とかみ合つて
いる。駆動部２０の後端部に回転自在に設けたフ
ライホイール２２は、モータ（図示せず）で駆動
され、フライホイール２２に内装したクラツチ・
ブレーキによりその回転力を駆動軸２０に伝達及
び解除している。

次に作用について述べる。プレス１５が運転さ
れるとクランク軸１６の回転に伴い、偏心部１７
とコンロツド１のブツシユ２との間のグリースは
温度が上昇し、ブツシユ２を介してグリース溜め
７に充填されているグリースを溶かし、適量ずつ
が滴下穴９，９からブツシユ２の油溝１０に流れ
出し軸受面の潤滑を行う。グリース溜り７の容積
は十分大きいので長期間にわたり適切な潤滑を行
うことができ、作業者の負担が軽減できる。潤滑
できる期間が長いのでプレスによつては半永久的
の給油ができ、また必要な場合は所要の期間を限
つて点検保守を行うことが容易である。

〔考案の効果〕

本考案によれば、初期の給脂により頻繁な給脂
作業が不要となるので作業者の負担を軽減し、ま
た点検保守を容易化できる。グリース溜りがプレ
スの運転により適度に温度上昇し、グリースの適
量が溶けて給脂できるので、給脂の過不足が防止
できる。従来のような配管の切断事故がなく、配
管の工数が節約できる。など実用上の効果と利点
は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例の正面図、第２図は縦断面側面
図、第３図は実施例の装備位置を示すプレス要部
の縦断面右側面図である。 １はコンロツド、２はブツシユ、３はコンロツ
ドキヤツプ、４はブロツク、５はノツクピン、６
は凹穴、７はグリース溜り、８は穴、９は滴下
穴、１０は油溝、１１はボルト、１２はグリース
シール、１３はロツド、１４はアジヤストスクリ
ユ、１５はプレス、１６はクランク軸、１７は偏
心部、１８はスライド、１９はメーンギヤ、２０
は駆動軸、２１はピニオン、２２はフライホイー
ル、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレス機械のクランク軸の偏心部とスライドと
   の間を連結するコネクチングロツドにおいて、前
   記偏心部に回転自在に嵌合するブツシユと、ブツ
   シユをブロツクに押さえて固定するコンロツドキ
   ヤツプとの間にグリース溜りを設け、該グリース
   溜りの下部に当る前記ブツシユに、グリース溜り
   とブツシユ内周面の油溝とを連絡する小径の滴下
   穴を設けたことを特徴とするグリース封入コネク
   チングロツド。