JPH1080798A - プレス機械におけるスライド調節ネジの給油方法およびその装置 - Google Patents

プレス機械におけるスライド調節ネジの給油方法およびその装置

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JPH1080798A
JPH1080798A JP23799896A JP23799896A JPH1080798A JP H1080798 A JPH1080798 A JP H1080798A JP 23799896 A JP23799896 A JP 23799896A JP 23799896 A JP23799896 A JP 23799896A JP H1080798 A JPH1080798 A JP H1080798A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コネクティングロッドメタルへの給油を利用
してスライド調節ネジの潤滑を行ない、作業性の向上と
コストの低減を図る。 【解決手段】 クランクシャフト9に係合したコネクテ
ィングロッド11に設けたコネクティングロッドメタル
25へ自動給油し、この給油した潤滑油を溜める油溜り
部45をコネクティングロッド11に設け、前記コネク
ティングロッドメタル25に油溜り部45と連通する油
通路43を設けると共に、コネクティングロッド11に
螺合するスライド調節ネジ33の上方にして、コネクテ
ィングロッド11に設けた油室37と前記油通路43と
を連通する流入穴39を設け、前記37の下部近傍に排
出穴41を設けて構成した。而って、作業性の向上とコ
ストの低減を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プレス機械にお
けるスライド調節ネジの給油方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プレス機械におけるスライド調節
ネジへの給油手段としては、手指しによる給油と自動給
油による2つの給油手段が採用されている。
【0003】手指しによる給油手段としては、図10を
参照するに、プレス機械101は、フレーム103にブ
ッシュ105を介してクランクシャフト107が回転自
在に支承されている。このクランクシャフト107にコ
ネクティングロッドメタル109を介してコネクティン
グロッド111が係合し、コネクティングロッド111
は上下移動自在となり、このコネクティングロッド11
1にスライド調節ネジ113が螺合している。そして、
スライド調節ネジ113に形成した球面部115に球面
軸受117,119を介してスライド121が設けられ
ている。
【0004】前記スライド調節ネジ113への給油手段
としては、コネクティングロッド111にオイルカップ
123を設けて図10の図中に2点鎖線で囲んだ×部へ
潤滑油を供給している。
【0005】自動給油による給油手段としては、図11
および図12を参照するに、図11には給油系統を示し
ていてオイルタンク125を上にオイルポンプ127が
設けられ、このオイルポンプ127の吐出側管路129
に分配器131が設けられれ、分配器131より各給油
部へ潤滑油が供給される。より詳細には、給油部として
は、前記クランクシャフト107のブッシュ105、各
ギブ133、前記コネクティングロッドメタル109等
へ給油されると共に、スライド調節ネジ113に給油さ
れる。
【0006】前記スライド調節ネジ113への給油は、
図12に示されているごとく、前述した手指しによる給
油手段に設けたオイルカップ123の位置に管接手13
5を接続し、この管接手135にフレキシブルホース1
37が連結されて自動給油が行なわれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のプレス機械におけるスライド調節ネジ113への手
指しによる給油手段では、スライド調節ネジ113への
給油を怠るとスライド調節ネジ113が焼付き、スライ
ド調節ができなくなるため、プレス機械101として重
要な給油箇所の一つである。しかし、定期的に給油しな
ければならず面倒であり、機種が大きくなるとオイルカ
ップ123の位置が高くなり、給油に時間がかかると共
に危険を伴なうという問題があった。
【0008】また、自動給油による給油手段では、給油
箇所が1ケ所増加するたびコストアップとなり、揺動連
動をするコネクティングロッド111への配管のためフ
レキシブルホース137の耐久性に問題がある。更に、
プレス機械101の正面にフレキシブルホース137が
見えるため見苦しいという問題があった。
【0009】この発明の目的は、コネクティングロッド
メタルへの給油を利用してスライド調節ネジの潤滑を行
ない、作業性の向上とコストの低減を図ったプレス機械
におけるスライド調節ネジの給油方法およびその装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明のプレス機械におけるスライ
ド調節ネジの給油方法は、プレス機械におけるクランク
シャフトに係合したコネクティングロッドに設けたコネ
クティングロッドメタルへ給油した潤滑油を前記コネク
ティングロッドに設けた油溜り部へ溜め、この油溜り部
に連通した流入穴を経て油室へ流入せしめ、この潤滑油
を前記コネクティングロッドに螺合したスライド調節ネ
ジのネジ部へ供給し、前記油室の下部近傍に設けた排出
穴より潤滑油を排出せしめることを特徴とするものであ
る。
【0011】また、請求項2によるこの発明のプレス機
械におけるスライド調節ネジの給油装置は、プレス機械
におけるクランクシャフトに係合したコネクティングロ
ッドメタルを備えたコネクティングロッドを上下移動自
在に設け、前記コネクティングロッドメタルへ給油した
潤滑油を溜める油溜り部と、この油溜り部に連通した流
入穴と、この流入穴に連通した油室を前記コネクティン
グロッドに設け、前記コネクティングロッドに螺合した
スライド調節ネジを潤滑した油を排出する排出穴を前記
油室の下部近傍のコネクティングロッドに設けてなるこ
とを特徴とするものである。
【0012】したがって、請求項1,2によるプレス機
械におけるスライド調節ネジの給油方法およびその装置
とすることにより、スライド調節ネジへの給油配管をす
ることなく、コネクティングロッドメタルへの給油を利
用してスライド調節ネジへの潤滑が可能となる。而し
て、作業性の向上とコストの低減を図ることができる。
【0013】更に、請求項3によるこの発明のプレス機
械におけるスライド調節ネジの給油装置は、請求項2の
プレス機械におけるスライド調節ネジの給油装置におい
て、前記油溜り部は、コネクティングロッドに堰を設け
ると共にコネクティングロッドメタルの下側外周面に油
通路を設けて構成されていることを特徴とするものであ
る。
【0014】したがって、コネクティングロッドメタル
へ給油された潤滑油は堰により溜められ、充分な給油量
が保持されるものである。
【0015】なお、更に、請求項4によるこの発明のプ
レス機械におけるスライド調節ネジの給油装置は、請求
項2のプレス機械におけるスライド調節ネジの給油装置
において、前記油溜り部は、コネクティングロッドとク
ランクシャフトとの間にオイルシールを装着すると共に
コネクティングロッドメタルの下側外周面に油通路を設
けて構成されていることを特徴とするものである。
【0016】したがって、コネクティングロッドメタル
へ給油された潤滑油は外部へあふれて流出することがな
いので充分な供給量が確保できるものである。
【0017】なお更に、請求項5によるこの発明のプレ
ス機械におけるスライド調節ネジの給油装置は、請求項
2のプレス機械におけるスライド調節ネジの給油装置に
おいて、前記油溜り部は、コネクティングロッドメタル
の内周面側にリング状の溝を形成し、前記溝と前記流入
穴とを連通して構成されていることを特徴とするもので
ある。
【0018】また、請求項6によるこの発明のプレス回
におけるスライド調節ネジの給油装置は、請求項2のプ
レス機械におけるスライド調節ネジの給油装置におい
て、前記油溜り部は、コネクティングロッドメタルの下
部に段付穴あるいは貫通穴を形成し、前記段付穴あるい
は貫通穴と前記流入穴とを連通して構成されていること
を特徴とするものである。
【0019】したがって、上述した請求項5,6とする
ことにより、充分な油溜り部を形成することにより潤滑
油の量を保持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の例
を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】まず、理解を容易とするためプレス機械の
全体的構成について概略的に説明する。
【0022】図9を参照するに、プレス機械1のフレー
ム3の上部には、スライドガイド5A,5Bに沿って上
下動するスライド7が設けられている。このスライド7
とクランクシャフト9との間にはコネクティングロッド
11が連結され、前記クランクシャフト9の一端は歯車
構成13を介して図示省略の駆動装置に連動連結されて
いる。
【0023】前記スライド7の下面には上型(図示せ
ず)を備えた上部サブプレート15が着脱自在に密着さ
れ、また、前記フレーム3の下部にはベッド17が一体
的に取付けられており、このベッド17上には、下型
(図示せず)を備えた下部サブプレート19を着脱可能
に装着するボルスタ21が載置されている。
【0024】上記構成により、駆動装置を駆動せしめ歯
車機構13をクランクシャフト9を回転せしめる。クラ
ンクシャフト9が回転することにより、ランプシャフト
9に係合したコネクティングロッド11が上下方向に移
動され、コネクティングロッド11に連結されたスライ
ド7が上下動して、このスライド7に装着した上部サブ
プレート15に備えた上型と、下部サブプレート19に
備えた下型との協働によりワークに所望の加工が施され
る。
【0025】次に、この発明の実施の形態の例としての
主要部であるスライド調節ネジの給油手段について詳細
説明する。
【0026】図1,図2および図3を参照するに、プレ
ス機械1を構成するフレーム3にブッシュ23を介して
クランクシャフト9が回転自在に支承されていて、この
クランクシャフト9にコネクティングロッド11とコネ
クティングロッドキャップ11Aとが一体的となり、コ
ネクティングロッドメタル25を介して装着されてい
る。
【0027】前記コネクティングロッドメタル25へ給
油する手段としては、図3に示されているごとく、図示
を省略したが潤滑油給油装置よりフレキシブルホース2
7を介して供給路29を通ってコネクティングロッドメ
タル25とクランクシャフト9との摺接面へ潤滑油は供
給される。
【0028】前記コネクティングロッド11の下部には
ネジ部31が形成され、このネジ部31にスライド調節
ネジ33に形成したネジ部35が螺合されている。そし
て、前記コネクティングロッド11に形成したネジ部3
1の上方には油室37が形成されていて、この油室37
へ潤滑油が流入する流入穴39と、油室37内の潤滑油
を排出するため、油室37の下部近傍に排出穴41が設
けられている。なお、前記流入穴39は前記コネクティ
ングロッドメタル25の下側外周面に設けた油通路43
と連通している。なお更に、コネクティングロッドメタ
ル25の両側には油溜り部45を形成するため堰47が
コネクティングロッド11とコネクティングロッドキャ
ップ11Aに設けられている。前記スライド調節ネジ3
3の下部は図示を省略したがスライド7に連結されてい
る。
【0029】上記構成により、スライド調節ネジ33に
形成したネジ部35へ潤滑油を供給する潤滑油経路とし
て、図2の図中に矢印で示されているごとく、コネクテ
ィングロッドメタル25へ給油された潤滑油は、コネク
ティングロッドメタル25の内周面を潤滑し、余った潤
滑油は両側より堰47にて形成された油溜り部45に溜
められる。
【0030】油溜り部45に溜った潤滑油は油通路43
を通り流入穴39よ油室37内へ流入し、油室37内へ
流入した潤滑油はスライド調節ネジ33に形成したネジ
部35を潤滑し、一定量給油され余った潤滑油は排出穴
41より機外へ排出される。
【0031】したがって、スライド調節ネジ33への供
給配管をすることなく、コネクティングロッドメタル2
5への給油を利用してスライド調節ネジ33の潤滑が可
能となり、作業性の向上とコストの低減を図ることがで
きる。
【0032】図4には、前記油溜り部45を構成する機
構の他の実施の形態の例を示している。すなわち、油溜
り部45は、コネクティングロッド11およびコネクテ
ィングロッドキャップ11Aと、クランクシャフト9と
の間にオイルシール49を装着して構成したものであ
る。
【0033】したがって、コネクティングロッドメタル
25へ給油された潤滑油はオイルシール49により外部
へあふれ流出することがないので、充分な供給量が確保
できるものである。
【0034】また、図5には前記油溜り部45を構成す
る他の実施の形態の例を示している。すなわち、油溜り
部45は、コネクティングロッドメタル25の内周面側
にリング状の溝51を形成し、前記油通路43は設けな
いで、溝51と前記流入穴39とを連通して構成した。
【0035】したがって、リング状の溝51を設けたこ
とにより、充分な油溜り部45ができて潤滑油の量を保
持することがきる。
【0036】更に、図6に前記は油溜り部45を構成す
る他の実施の形態の例を示している。すなわち、油溜り
部45は、コネクティングロッドメタル25の下部に段
付穴53を形成し、前記油通路43を設けないで、段付
穴53と前記流入穴39とを連通して構成した。
【0037】なお更に、図7には前記油溜り部45を構
成する他の実施の形態の例を示している。すなわち、油
溜り部45は、コネクティングロッドメタル25の下部
に貫通穴55を形成し、前記油通路43を設けないで、
貫通穴55と前記流入穴39とを連通して構成した。
【0038】なお更に、図8には前記油溜り部45を構
成するロッドメタル25の下部に大径の貫通穴57を形
成し、前記油通路43を設けないで、貫通穴57と前記
流入穴39とを連通して構成した。
【0039】したがって、図6,図7,図8に示され
た、段付穴53,貫通穴55,大径の貫通穴57を形成
し油溜り部45としたことにより、充分な潤滑油の量を
保持することができる。
【0040】なお、この発明は前述た発明の実施の形態
の例に限定されることなく、適宜な変更を行なうことに
より、その他の態様で実施し得るものである。
【0041】
【発明の効果】以上のごとき実施の形態の説明より理解
されるように、請求項1,2によるこの発明によれば、
スライド調節ネジへの給油配管をすることなく、コネク
ティングロッドメタルへの給油を利用して油溜め部へ潤
滑油を溜め、この潤滑油をスライド調節ネジへ供給す
る。而して、作業性の向上とコストの低減を図ることが
できる。
【0042】また、請求項3によるこの発明によれば、
油溜り部は、コネクティングロッドに設けた堰にて潤滑
油は溜められるので、充分な供給量が保持することがで
きる。
【0043】更に、請求項4によるこの発明によれば、
コネクティングロッドメタルへ給油された潤滑油はオイ
ルシールにより外部へあふれて流出することがないの
で、充分な供給量が確保できる。
【0044】なお更に、請求項5,6によるこの発明に
よれば、油溜り部としてコネクティングロッドメタルの
下部に段付穴あるいは貫通穴を形成したので、充分な潤
滑油の量を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の主要部を示し、図9におけるI−I
線に沿った拡大断面図である。
【図2】図1における潤滑油の流れを示す作用説明図で
ある。
【図3】コネクティングロッドメタルへの給油手段を示
す説明図である。
【図4】油溜り部の他の実施の形態の例を示す断面説明
図である。
【図5】油溜り部の他の実施の形態の例を示す断面説明
図である。
【図6】油溜り部の他の実施の形態の例を示す断面説明
図である。
【図7】油溜り部の他の実施の形態の例を示す断面説明
図である。
【図8】油溜り部の他の実施の形態の例を示す断面説明
図である。
【図9】この発明を実施する一実施の形態の例であるプ
レス機械の正面図である。
【図10】従来例を示し、スライド調節ネジへの給油手
段として、手指しによる給油手段を示した断面説明図で
ある。
【図11】従来例を示し、スライド調節ネジへの給油手
段として、自動給油により潤滑油系統の説明図である。
【図12】従来例を示し、スライド調節ネジへの給油手
段として、自動給油手段を示した正面説明図である。
【符号の説明】
1 プレス機械 9 クランクシャフト 11 コネクティングロッド 25 コネクティングロッドメタル 33 スライド調節ネジ 35 ネジ部 37 油室 39 流入穴 41 排出穴 43 油通路 45 油溜り部 47,47A 堰 49 オイルシール 51 溝 53 段付穴 55,57 貫通穴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス機械におけるクランクシャフトに
    係合したコネクティングロッドに設けたコネクティング
    ロッドメタルへ給油した潤滑油を前記コネクティングロ
    ッドに設けた油溜り部へ溜め、この油溜り部に連通した
    流入穴を経て油室へ流入せしめ、この潤滑油を前記コネ
    クティングロッドに螺合したスライド調節ネジのネジ部
    へ供給し、前記油室の下部近傍に設けた排出穴より潤滑
    油を排出せしめることを特徴とするプレス機械における
    スライド調節ネジの給油方法。
  2. 【請求項2】 プレス機械におけるクランクシャフトに
    係合したコネクティングロッドメタルを備えたコネクテ
    ィングロッドを上下移動自在に設け、前記コネクティン
    グロッドメタルへ給油した潤滑油を溜める油溜り部と、
    この油溜り部に連通した流入穴と、この流入穴に連通し
    た油室を前記コネクティングロッド設け、前記コネクテ
    ィングロッドに螺合したスライド調節ネジを潤滑した油
    を排出する排出穴を前記油室の下部近傍のコネクティン
    グロッドに設けてなることを特徴とするプレス機械にお
    けるスライド調節ネジの給油装置。
  3. 【請求項3】 前記油溜り部は、コネクティングロッド
    に堰を設けると共にコネクティングロッドメタルの下側
    外周面に油通路を設けて構成されていることを特徴とす
    る請求項2記載のプレス機械におけるスライド調節ネジ
    の給油装置。
  4. 【請求項4】 前記油溜り部は、コネクティングロッド
    とクランクシャフトとの間にオイルシールを装着すると
    共にコネクティングロッドメタルの下側外周面に油通路
    を設けて構成されていることを特徴とする請求項2記載
    のプレス機械におけるスライド調節ネジの給油装置。
  5. 【請求項5】 前記油溜め部は、コネクティングロッド
    メタルの内周面側にリング状の溝を形成し、前記溝と前
    記流入穴とを連通して構成されていることを特徴とする
    請求項2記載のプレス機械におけるスライド調節ネジの
    給油装置。
  6. 【請求項6】 前記油溜り部は、コネクティングロッド
    メタルの下部に段付穴あるいは貫通穴を形成し、前記段
    付穴あるいは貫通穴と前記流入穴とを連通して構成され
    ていることを特徴とする請求項2記載のプレス機械にお
    けるスライド調節ネジの給油装置。
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