JPH0244469Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、少なくとも１つのピン嵌入部を有
するコンタクト部がピン挿入方向と反対方向より
挿入されて装着される収容部が少なくとも１つ形
成されたハウジングを備えたコネクタに係り、特
に一対のピン挿入部が一体形成されたコンタクト
部を有する短絡用コネクタに関する。

［従来の技術］ 一般にこの種のコネクタでは、収容部に装着さ
れるコンタクト部の脱落防止のために、同コンタ
クト部がハウジング内に係合保持される構造が採
用されている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、従来のコネクタは、コンタクト部の脱
落は確かに防止できるものの、同コンタクト部の
ピン嵌入部にピンが嵌入された場合、同コンタク
ト部（のピン嵌入部）が移動して傾くことまでは
防止できなかつた。このため、従来のコネクタで
は、コンタクト部（のピン嵌入部）が変形した
り、ピンとの接触不良が発生したりする問題があ
つた。

したがつて、この考案においては、コンタクト
部のピン嵌入部にピンが嵌入されても、コンタク
ト部が移動して傾くことを確実に防止できるよう
にすることを技術的課題とする。

［問題点を解決するための手段とその作用］ 上記の技術的課題を解決するために、この考案
によれば、コンタクト部がピン嵌入方向と反対方
向より挿入されて装着される少なくとも１つの収
容部を有するハウジングを備えたコネクタが提供
される。上記ハウジングの収容部の壁面には、第
１の段部が形成される。上記収容部の、上記壁面
に対向する壁面には第２の段部が形成される。上
記収容部には、上記コンタクト部と一体形成され
る第１および第２の係止片が装着される。上記第
１の係止片の先端部は上記第１の段部奥側に位置
し、上記第２の係止片の先端部は上記第２の段部
奥側に位置する。上記第１および第２の係止片の
先端部は、上記コンタクト部が有する少なくとも
１つのピン嵌入部にピンが嵌入された場合、上記
第１および第２の段部に係止する。

［考案の効果］ この考案によれば、コンタクト片のピン嵌入部
にピンが嵌入された場合、コンタクト部と一体形
成された第１および第２の係止片の先端部が、コ
ンタクト部の収容部の対向する壁面に形成された
第１および第２の段部に係止するので、コンタク
ト部がハウジング内に極めて強く保持されると共
に、コンタクト部の移動および傾きが確実に防止
できる。

［考案の実施例］ 以下、この考案の一実施例を、短絡用コネクタ
の場合を例にとり、第１図乃至第４図を参照して
説明する。図において、ハウジング１０は、例え
ばナイロン６６等の絶縁性に富む熱可塑性樹脂を
金型により射出成型して形成されたものである。
ハウジング１０には、第２図の断面図に示すよう
に、空間部が形成されている。この空間部は、コ
ンタクト部３０が装着される収容部１１を成して
いる。ハウジング１０の背面部１２には収容部１
１の開口部１３が形成されており、ハウジング１
０の、開口部１３と対向する正面部１４の左右対
称位置には、収容部１１に連通する矩形のピン挿
脱口１５，１６が形成されている。ピン挿脱口１
５，１６の各縁部はテーパー状に形成されてお
り、ピン（図示せず）が正しく挿入可能なように
なつている。また正面部１４の中心部には、略矩
形の開口部１７が形成されている。この開口部１
７は、金型により成型されたハウジング１０の同
金型からの取外しを容易にするのに必要となるも
のである。

ハウジング１０の上面中央部１８は、その左右
の上面側部１９，２０より低く形成されている。
上面中央部１８の左右の両側には、収容部１１に
連通し、且つ開口部１３に至るスリツト２１，２
２が形成されている。上面中央部１８に対応す
る、収容部１１の天井壁２３の、開口部１３近傍
には、突出部２４が形成されている。突出部２４
の背面側（開口部１３側）はテーパー状に形成さ
れている。上面中央部１８に対応する収容部１１
の底壁２５には、開口部１７の下縁に連通する狭
幅の長溝２６が形成されている。長溝２６の開口
部１３側段部２７は、突出部２４の段部２８よ
り、開口部１３側に位置している。底壁２５の、
段部２８背面側（開口部１３側）はテーパー状に
形成されている。

コンタクト部３０は、第１図に示すように、そ
の左右端部にピン嵌入部３１，３２を有し、中央
部に鈎状の係止片３３を有している。ピン嵌入部
３１は離間対向する一対のコンタクト片３４，３
５から成り、係止片３２は離間対向する一対のコ
ンタクト片３６，３７から成る。ピン嵌入部３
１，３２の平面的な位置は、ハウジング１０の上
面側部１９，２０に対応する。また係止片３３の
平面的な位置は、ハウジング１０内に形成された
突出部２４に対応し、その先端部は、突出部２４
の段部２８奥側（開口部１７側）に対応する。ま
た、突出部２４の先端部の側面的な位置は、突出
部２４の段部２８に対応する。

コンタクト部３０には、導電性および弾性に優
れたリン青銅等の金属板が用いられる。この金属
板の上端部中央部には矩形の切欠き部が形成さ
れ、同切欠き部の左右縁の延長線上に位置する下
端部にはその下端縁に至るスリツトがそれぞれ形
成されている。コンタクト片３４，３５は、この
金属板の左端部を、その中央部の上下対称位置で
前方に折曲することにより形成される。コンタク
ト片３４，３５は、更にその中間部後方でやや内
向きに折曲され、中間部前方でやや外向きに折曲
されており、これにより弾性に富んだピン嵌入部
３１が形成される。同様に、コンタクト片３６，
３７は、金属板の右端部を、その中央部の上下対
称位置で前方に折曲することにより形成される。
コンタクト片３６，３７は、更にその中間部後方
でやや内向きに折曲され、中間部前方でやや外向
きに折曲されており、これにより弾性に富んだピ
ン嵌入部３２が形成される。また、係止片３３
は、上記した金属板に形成されたスリツト間の金
属片をそのスリツト上端に対応する位置で前方に
折曲し、更にその先端部を鈎状に折曲することに
より形成される。係止片３３の中間部には、第３
図の断面図に示すように、その先端部と反対方向
に舌片３８が切起されている。この舌片３８の平
面的な位置は、ハウジング１０内に形成された長
溝２６内の段部２７側に対応し、その側面的な位
置は、上記段部２７に対応する。

上記したコンタクト部３０をハウジング１０の
収容部１１に装着することにより、短絡用コネク
タが組立てられる。即ち、コンタクト部３０は、
その先端より、第１図に矢印ａで示すように、ハ
ウジング１０の背面部１２側、即ち開口部１３を
通つて、その収容部１１に挿入される。この際、
コンタクト部３０の係止片３３の先端部は、上面
中央部１８に対応する天井壁２３に形成された突
出部２４を押圧する。ハウジング１０の上面中央
部１８の左右の両側には、収容部１１に連通し、
且つ開口部１３に至るスリツト２１，２２が形成
されている。したがつて、突出部２４が係止片３
３先端部により押圧されることにより、天井壁２
３は上方に撓む。これにより、コンタクト部３０
は収容部１１内に極めて滑らかに挿入され、係止
片３３の先端部が、第４図に断面図に示すよう
に、突出部２４の段部２８奥側（図示左側）に位
置し、舌片３８が、収容部１１の底壁２５に形成
された長溝２６の段部２７の奥側（図示左側）に
位置した状態で、収容部１１に装着される。この
とき、コンタクト部３０のピン嵌入部３１，３２
は、ハウジング１０の上面側部１９，２０に対応
する、収容部１１にその部位に位置する。

上記のようにして組立てられた短絡用コネクタ
は、隣接する所望の一対のピン（図示せず）を短
絡するのに用いられる。さて、一対のピンは、ハ
ウジング１０のピン挿脱口１５，１６を通し、コ
ンタクト部３０のピン嵌入部３１，３２に嵌入さ
れる。ピンがピン嵌入部３１，３２に嵌入される
と、コンタクト部３０は開口部１３側に後退す
る。これにより、コンタクト部３０の係止片３３
の先端部が突出部２４の段部２８に係止し、コン
タクト部３０が第４図に示す矢印ｂ方向より脱落
することが確実に防止されると共に、コンタクト
部３０（のピン嵌入部３１，３２）が第４図に示
す矢印ｃ方向に移動して傾くこと（いわゆる転
び）が防止される。また、コンタクト部３０の舌
片３８は、長溝２６の段部２７に係止する。これ
により、コンタクト部３０が第４図に示す矢印ｂ
方向より脱落することが確実に防止されると共
に、コンタクト部３０（のピン嵌入部３１，３
２）が第４図に示す矢印ｄ方向に移動して傾くこ
とが防止される。

以上に実施例を挙げてこの考案を説明したが、
この考案は前記実施例に限定されるものではな
く、この考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変更
可能である。例えば、ハウジング１０の上面中央
部１８を上面側部１９，２０より低く形成する必
要はない。但し、この場合には、コンタクト部３
０挿入時の係止片３３による突出部２４に対する
押圧力により、天井壁２３が撓み、その撓みが残
存した場合、上面中央部１８が上面側部１９，２
０よりやや突出し、基板等への実装時に支障を来
たす恐れがある。また、上面中央部１８左右の両
側に形成されたスリツト２１，２２は、必ずしも
必要でない。この場合、コンタクト部３０は、そ
の係止片３３の先端部および舌片３８が突出部２
４および底壁２５を押圧して弾性的に変形するこ
とにより、収容部１１に装着される。また、舌片
３８が係止片３３を切起して形成したものである
必要はなく、舌片３８に代えて鈎状の係止片を用
いてもよい。また、長溝２６は必ずしも必要でな
く、例えば突出部など、段部２７に相当する段部
を有するものであればよい。

また、この考案は、複数の収容部を備え、各収
容部に１つのピン嵌入部を有するコンタクト部が
それぞれ装着される通常のコネクタにも適用でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る短絡用コネ
クタの分解斜視図、第２図は第１図のＡ―Ａ線に
沿うハウジングの断面図、第３図は第１図のＢ−
Ｂ線に沿うコンタクト部の断面図、第４図は第２
図に対応するもので、コンタクト部装着状態にお
ける断面図である。 １０……ハウジング、１１……収容部、１３，
１７……開口部、２４……突出部、２７，２８…
…段部、３０……コンタクト部、３１，３２……
ピン嵌入部、３３……係止片、３８……舌片（係
止片）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ピンが挿入されることにより、同ピンと弾性
   的にコンタクトする離間対向した一対のコンタ
   クト片を含む少なくとも１つのピン嵌入部を有
   するコンタクト部がピン挿入側とは反対側に形
   成された開口部より挿入されて装着される収容
   部が少なくとも１つ形成されたハウジングを備
   えたコネクタにおいて、 前記ピンに対するピン嵌入部のコンタクト方
   向と交わる前記ハウジングの収容部の第１の壁
   面に形成され、弾性体から成り、前期収容部内
   に向かつて突出し、前記コンタクト方向を含み
   前記ピンの挿入方向に平行なピン挿入方向面に
   おける断面が鈎状の第１の突起部と、 前記収容部の、前記第１の壁面に対向する第
   ２の壁面に形成された第２の突起部と、 前記コンタクト部と一体形成され、前記コン
   タクト部が前記ハウジングの収容部内に装着さ
   れた状態では前記第１の壁面に向かつて突出し
   ており、前記第１の突起部と係合することによ
   り前記ピン挿入方向面内における第１の回転方
   向への前記コンタクト部の回転を阻止するため
   の、前記ピン挿入方向面における断面が鈎状の
   弾性を有する第１の係止片と、 前記コンタクト部と一体形成され、前記コン
   タクト部が前記ハウジングの収容部内に装着さ
   れた状態で前記第２の突起部と係合することに
   より前記ピン挿入方向面内における前記第１の
   回転方向とは逆の第２の回転方向への前記コン
   タクト部の回転を阻止するための、前記第１の
   係止片とほぼ反対方向に突出した弾性を有する
   第２の係止片と を具備したことを特徴とするコネクタ。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載のコネク
   タにおいて、前記第１の突起部を前記ハウジン
   グの収容部の壁面に形成され、その壁面ともど
   も弾性を有する第１の段部、前記第２の突起部
   を上記収容部の、前記壁面に対向する壁面に形
   成された第２の段部とし、前記第１の係止片を
   前記コンタクト部と一体形成され、先端部が前
   記第１の段部奥側に位置するように前記ハウジ
   ングの収容部に装着される第１の係止片、前記
   第２の係止片を前記コンタクト部と一体形成さ
   れ、先端部が前記第２の段部奥側に位置するよ
   うに前記ハウジングの収容部に装着される第２
   の係止片とし、前記ピン嵌入部にピンが嵌入さ
   れた場合に、前記第１および第２の係止片の先
   端部が上記第１および第２の段部に係止するこ
   とを特徴とするコネクタ。 (3) 実用新案登録請求の範囲第２項記載のコネク
   タにおいて、前記第１の段部は、前記ハウジン
   グの壁に形成された一対のスリツトであつて一
   端が前記開口部に達している一対のスリツト間
   に、形成されており、前記コンタクト部が前記
   ハウジングの開口部より挿入されて前記収容部
   に装着される際には、前記第１の係止片の先端
   部により前記第１の段部が一旦外方に弾性変形
   されることを特徴とするコネクタ。 (4) 前記第２の係止片が、前記第１の係止片の一
   部を切起して形成されていることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第３項記載のコネク
   タ。 (5) 前記コンタクト部は一体形成された一対のピ
   ン嵌入部を有しており、前記第１の係止片が同
   一対のピン嵌入部の中間に形成されていること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第４項記
   載のコネクタ。