JPH0635414Y2 - Ｆｐｃ板の電気接続装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、計器などに用いられるFPC（フレキシブルプ
リントサーキット）板の電気接続装置に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来この種のFPC板における電気接続装置は第４図に示
すように取付部材１としての計器ケースの裏面にFPC板
２を沿わせて配設するとともに、外部コネクタ３との誤
組防止のための位置決め溝４を設けたコネクタ凸部５
に、この位置決め溝４に嵌合する外部コネクタ３の位置
決め片６の逃げ穴７を形成したFPC板２の接続舌片８を
略逆Ｕ字状に折返案内し、この折り返された接続舌片８
の開放端部８″a,8″ｂ側に銅箔補強部９を設け、この
銅箔補強部９側が折返案内される前記コネクタ凸部５の
下方に２箇所の係止ピン10a・10bを突設し、この係止ピ
ン10a・10bと対応する接続舌片８の銅箔補強部９に係止
穴11a・11bを形成し、コネクタ凸部５に設けた係止ピン
10a・10bに接続舌片８の係止穴11a・11bを差し込んで固
定していた。

このようにして接続舌片８を折返案内して固定したコネ
クタ凸部５に位置決め片６を位置決め溝４に嵌合し、外
部コネクタ３の左右の係止部12とコネクタ凸部５の係止
突部13とを係止し、外部コネクタ３の端子14とFPC板２
の接続舌片８に設けた導電部15とを電気的に接続したも
のである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来のような電気接続装置では特に逃げ
穴７により区分けされたFPC板２の接続舌片８の幅狭区
画片８′ａの開放端部８″ａには、わずか１箇所の係止
ピン10aに係止穴11aを差し込み固定しているにすぎない
ため、この係止ピン10aを支点に逆Ｕ字状に折り返され
た幅狭区画片８′ａの折返部分が左右にずれやすく、こ
の位置ずれによって幅狭区画片８′ａに設けられた導電
部15と外部コネクタ３との接続不良を起こしたり、位置
決め溝４へはみ出して外部コネクタ３の位置決め片６に
よって位置決め溝４にかみ込んでしまい、接続舌片８を
損傷してしまうという欠点があった。

本考案はかかる欠点を解決したFPC板の電気接続装置を
提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

取付部材にFPC板の接続舌片を折返案内して外部コネク
タに嵌合されるコネクタ凸部を配設し、コネクタ凸部に
接続舌片の係止穴に係止される係止ピンを突設し、かつ
コネクタ凸部に外部コネクタの位置決め片が嵌合する位
置決め溝を形成するとともに接続舌片に位置決め片の逃
げ穴を形成したものにおいて、前記逃げ穴により区分け
された接続舌片の少なくとも幅狭区画片に２箇所以上の
係止穴を形成し、この係止穴に対応する係止ピンを前記
コネクタ凸部に突設させて、前記係止ピンに前記係止穴
を差し込み固定して保持するようにしたことにある。

〔作用〕

逃げ穴により区分けされた接続舌片の少なくとも幅狭区
画片は、２箇所以上の係止ピンに対応した係止穴を差し
込み、２点以上で固定されるために、左右のずれが抑制
される。

〔実施例〕

第１図から第３図は本考案の実施例を示し、第１図は本
考案の第一実施例、第２図及び第３図は本考案の第二実
施例を示している。

尚、前記第４図の従来構造と同一部分若しくは均等部分
には同符号を用いて説明する。

第１図において、取付部材１となる計器ケースの裏面に
はFPC板２が引き回し配設され、このFPC板２に外部へ電
気的に接続する接続舌片８が形成され、この接続舌片８
を取付部材１に突設したコネクタ凸部５に折り返し案内
するようにしている。

この実施例では、接続舌片８の幅狭区画片８′ａの開放
端部８″ａ側に位置したコネクタ凸部５に係止ピン10a
・10cを２箇所に設け、この各係止ピン10a・10cと対応
して前記接続舌片８の開放端部８″ａ側に各係止穴11a
・11cを設け、前記コネクタ凸部５の各係止ピン10a・10
cに前記接続舌片８の各係止穴11a・11cを差し込んで２
点で固定した場合を図示している。

この場合、接続舌片８はその導電部15の引き出し数を９
本備えており、逃げ穴７によって接続舌片８の幅狭区画
片８′ａに３本分の導電部15を、幅広区画片８′ｂには
６本分の導電部15を設けている。

上記構成により、接続舌片８の幅狭区画片８′ａの開放
端部８″ａに対応してコネクタ凸部５に２箇所配設した
係止ピン10a・10cによって幅狭区画片８′ａの折返部分
が逃げ穴７側に位置ずれを起こしにくくなり、これによ
り外部コネクタ３をコネクタ凸部５に差し込んで固定す
る際に幅狭区画片８′ａに設けられた導電部15と外部コ
ネクタ３とが接続不良を起こしたり、幅狭区画片８′ａ
の折返部分をかみ込んでしまうことがなくなり、この結
果接続舌片８の損傷なども未然に防ぐことができる。

なお、逃げ穴７により区分けされた接続舌片８の幅広区
画片８′ｂの開放端部８″ｂも幅狭区画片８′ａの開放
端部８″ａを固定するために配設された一方の係止ピン
10aを共用し、この係止ピン10aと他方の係止ピン10bと
によって結果的に２点固定されており、幅広区画片８′
ｂも同様に位置ずれを起こすことはない。

しかし、幅広区画片８′ｂについては、コネクタ凸部５
の上端縁により良好に支持されているため、係止ピン10
b1箇所のみの固定でも十分である。

また第２図では、前記第一実施例で示したFPC板２の接
続舌片８に形成された導電部15の引き出し数を同じくす
るものの、ここでは、コネクタ凸部５の位置決め溝４位
置を異ならせるようにしている。

すなわち、この第二実施例では、逃げ穴７によって接続
舌片８の幅広区画片８′ｂに７本分の導電部15を、幅狭
区画片８′ａには２本分の導電部15を設けており、この
場合、第一実施例で示した幅狭区画片８′ａの幅よりさ
らに小さく形成されている。

このため第２図に明示するように、幅狭区画片８′ａ側
に位置するコネクタ凸部５の下方部分を横方向に一部幅
広く設計し、この増設したコネクタ凸部５の外部形状に
沿うように接続舌片８を配設し、この幅広く設けた部分
に係止ピン10cを設け、他方の係止ピン10aとの距離をで
きるだけ長くすることにより、幅狭区画片８′ａの位置
ずれをより効果的に防止できる。

この場合、補強のため銅箔補強部９を係止ピン10a及び
他方の係止ピン10cに応じた位置に回路に影響を与える
ことのないように考慮して設計することが望ましい。

なお、この第二実施例で示した外部コネクタ３を第一実
施例で示したコネクタ凸部５に間違えて差し込もうとし
ても位置決め溝４の位置と外部コネクタ３の位置決め片
６位置とが揃わないため、挿入することができず、外部
コネクタ３を誤って接続舌片８に組み付けられることも
ない。

〔考案の効果〕

本考案は、上述のように構成したから、FPC板の接続舌
片は、コネクタ凸部に設けた係止ピンと、この係止ピン
に対応して接続舌片に設けた係止穴によりしっかり固定
され、特に逃げ穴により区分けされた接続舌片の少なく
とも幅狭区画片は、この幅狭区画片側に位置するコネク
タ凸部に設けた２箇所以上の係止ピンと、この係止ピン
に対応して幅狭区画片の開放端部に設けた係止穴により
しっかり固定されるから、逃げ穴により区分けされたFP
C板の接続舌片の幅狭区画片がずれて外部コネクタの位
置決め片により位置決め溝にかみ込んでしまうこともな
い優れたFPC板２の電気接続装置を提供することができ
るという効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第一実施例の正面図、第２図は第二実
施例の正面図、第３図は本考案の第二実施例の斜視図、
第４図は従来例の正面図である。 １…取付部材、２…FPC板 ３…外部コネクタ、４…位置決め溝 ５…コネクタ凸部、６…位置決め片 ７…逃げ穴、８…接続舌片 ８′ａ…幅狭区画片、８′ｂ…幅広区画片 10a・10b・10c…係止ピン 11a・11b・11c…係止穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】取付部材にFPC板の接続舌片を折返案内し
   て外部コネクタに嵌合されるコネクタ凸部を配設し、コ
   ネクタ凸部に接続舌片の係止穴に係止される係止ピンを
   突設し、かつコネクタ凸部に外部コネクタの位置決め片
   が嵌合する位置決め溝を形成するとともに接続舌片に位
   置決め片の逃げ穴を形成したものにおいて、前記逃げ穴
   により区分けされた接続舌片の少なくとも幅狭区画片に
   ２箇所以上の係止穴を形成し、この係止穴に対応する係
   止ピンを前記コネクタ凸部に突設させて、前記係止ピン
   に前記係止穴を差し込み固定して保持するようにしたこ
   とを特徴とするFPC板の電気接続装置。