JPH0244112B2 - Hakesetsuten - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、刷子接点の改良に関するものであ
る。 従来、ポテンシヨンメーター、エンコーダー各
種モータ用等のブラシには、第１図に示す如く複
数本の断面円形の刷子細線１を並列に密着集束さ
せてその一端部をベースプレート２に溶接して成
る刷子接点３が広く使用されていた。 しかし、この刷子接点３の刷子細線１は断面円
形である為、密着集束させても刷子細線１同志の
接触が線接触となり、ベースプレート２に溶接し
た際、各刷子細線１が均等に接合されないと、一
本一本の刷子細線１の水平状態を保持することが
できず、第２図に示す如く上下方向にばらけるも
のである。 このように刷子細線１が上下方向にばらける
と、刷子接点３は相手方に均一に当接しなくなる
だけではなく、時には刷子細線１に隣りの刷子細
線１が乗かつて、正常な接触が保てなくなつてし
まうという欠点があつた。 本発明は斯かる欠点を解消すべくなされたもの
であり、刷子細線同志の接触を面接触になして安
定させ、ばらけを著しく少なくした刷子接点を提
供せんとするものである。 本発明の刷子接点は、第３図に示す如く複数
本、通常２本以上80数本の断面多角形例えば８角
形の刷子細線１′が並列に面接触にて密着集束さ
れてその一端部がベースプレート２に溶接されて
成るものである。 かように構成された本発明の刷子接点３′にお
ける刷子細線１′は、断面多角形になされ面接触
にて並列に密着集束されているので、その一端部
をベースプレート２に溶接の際、各刷子細線１′
が均等に接合されずにばらつきが生じても、隣り
の刷子細線１′との摩擦抵抗により抑えられる。
従つて、各刷子細線１′は第４図に示す如く上下
方向にばらけることが少なくて略水平状態が保持
されるので、刷子接点３′は相手方と均一に当接
し、安定した正常な接触を得ることができる。 次に本発明の刷子接点の効果を明瞭ならしめる
為に具体的な実施例と従来例について説明する。 実施例 １ 第３図に示す如く線径0.15mmの断面８角形の
Au−Pt−Ag−Pd−Cuより成る刷子細線１′を25
本並列に面接触にて密着集束させてその一端部を
厚さ0.3mm、幅1.8mm、長さ4.5mmのCu−Ni30重量
％より成るベースプレート２に溶接して刷子接点
３′を得た。 実施例 ２ 第５図に示す如く線径0.15mmの断面６角形の
Au−Pt−Ag−Pd−Cuより成る刷子細線１″を25
本並列に面接触にて密着集束させてその一端部を
厚さ0.3mm、幅1.8mm、長さ4.5mmのCu−Ni30重量
％より成るベースプレート２に溶接して刷子接点
３″を得た。 従来例 第１図に示す如く線径0.15mmの断面円形のAu
−Pt−Ag−Pd−Cuより成る刷子細線１を25本並
列に密着集束させてその一端部を厚さ0.3mm、幅
1.8mm、長さ4.5mmのCu−Ni30重量％より成るベー
スプレート２に溶接して刷子接点３を得た。 然してこれら刷子接点における刷子細線の上下
方向のばらけの状態を測定した処、下記の表に示
すような結果を得た。

【表】 上記の表で明らかなように実施例１、２の刷子
接点における刷子細線は、従来例の刷子接点にお
ける刷子細線に比し、上下方向のばらけ寸法が極
めて小さく且つばらつきが少ないことが判る。 以上詳記した通り本発明の刷子接点は、刷子細
線の上下方向のばらけが極めて小さく且つばらつ
きが少なくて略水平状態が保持されているので、
相手方と均一に当接して安定した正常な接触が得
られるので、従来の刷子接点にとつて代わること
のできる画期的なものと云える。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の刷子接点を示す斜視図、第２図
は従来の刷子接点における刷子細線のばらけの状
態を示す一部拡大斜視図、第３図は本発明の刷子
接点の一実施例を示す斜視図、第４図は第３図の
刷子接点における刷子細線のばらけの状態を示す
一部拡大斜視図、第５図は本発明の刷子接点の他
の実施例を示す斜視図である。 １′，１″……刷子細線、２……ベースプレー
ト、３′，３″……刷子接点。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数本の断面多角形の刷子細線が面接触にて
   並列に密着収束されてその一端部がベースプレー
   トに溶接されて成る刷子接点。 ２ 断面多角形の刷子細線が断面六角形又は断面
   八角形であることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の刷子接点。