JP2875893B2 - 摺動ブラシ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、円形対向基板と接触す
る摺動ブラシに関するものである。

【０００２】

【従来技術とその課題】円形対向基板と接触する摺動ブ
ラシにおいては、従来、図４に示す如く複数本の線材を
ばね材に溶接した摺動ブラシが用いられていたが、円形
対向基板との摺動中、線材では剛性が弱く外側方向への
押圧力の為、変形し易く、その結果円形対向基板の回路
からはみ出し基材の面と接触することとなり、接触抵抗
が不安定となるという課題があった。

【０００３】

【発明の目的】本発明は、上記課題を解決すべくなされ
たもので、円形対向基板と接触する摺動ブラシにおい
て、変形のない接触抵抗の安定な摺動ブラシを提供する
ものである。

【０００４】

【構成】上記課題を解決する為の本発明の技術的手段
は、円形対向基板と接触する摺動ブラシにおいて、板状
ばね材の先端部に球もしくは半球状の接点をカシメある
いは溶接にて取り付けてなることを特徴とするものであ
る。

【０００５】

【作用】上記のように構成された本発明の摺動ブラシに
よれば、板状ばね材の先端部に球もしくは半球状の接点
を取り付けてなるので、線材よりも剛性が強いという特
性が有効に発揮され、変形することがなく、従って円形
対向基板の回路からはみ出すことがなく、接触抵抗は低
く安定するものである。

【０００６】

【実施例】以下に実施例と従来例について述べる。ま
ず、実施例１として図１に示す如く、材質りん青銅、板
厚 0.1mm、巾 0.6mm、先端部１が曲率半径２ＲのＲ形状
で、その頂点に穴径 0.2mmの穴２を有した板状ばね材３
に材質Ａｇ30％Ｐｄ35％Ａｕ10％Ｐｔ10％Ｃｕ14％Ｚｎ
１％合金、外径 0.2mmの球状接点４を挿入し、上下より
押圧カシメ加工にて取り付けて図１に示す摺動ブラシ５
を得た。また実施例２として図３に示す如く、前記実施
例１と同一寸法、形状、材質で穴のあいていない板状ば
ね材３′先端部の頂点に実施例１と同一材質で外径 0.2
mmの半球状接点６を溶接にて取り付けて図３に示す摺動
ブラシ７を得た。

【０００７】一方、従来例として図４に示す如く材質り
ん青銅、板厚 0.1mm、巾 0.6mmのばね材８に材質Ａｇ30
％Ｐｄ35％Ａｕ10％Ｐｔ10％Ｃｕ14％Ｚｎ１％合金、線
径 0.1mm、本数２本、先端部曲率半径２ＲのＲ形状の線
材９をばね材８に溶接にて取り付けて図４に示す如く摺
動ブラシ10を得た。

【０００８】然して上記各摺動ブラシを図５に示す如く
回路はカーボン抵抗体11、基板セラミックス12からなる
円形対向基板13と接触力３grf 、摺動距離60mmにて 100
万回接触試験した。試験終了後に変形を調べた結果、従
来例においては、0.15mm外側方向にひろがっていたのに
対し、実施例１、実施例２とも変形は全くなかった。

【０００９】尚、上記実施例では板状ばね材３が１本の
例について記載したが、本発明はこれに限るものではな
く、複数本連なる櫛型の板状ばね材でもよいものであ
る。

【００１０】

【発明の効果】以上の結果から明らかなように本発明の
摺動ブラシによれば、板状ばね材の先端部に球もしくは
半球状の接点を取り付けてなるので、変形することがな
く、従って接触抵抗は低く安定するという優れた効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の摺動ブラシの一実施例を示す側面図。

【図２】第１図において用いられる板状ばね材の斜視
図。

【図３】本発明の摺動ブラシの他の実施例を示す側面
図。

【図４】従来の摺動ブラシを示す斜視図、図５は円形対
向基板を示す平面図である。

【符号の説明】

１ 先端部 ３ 板状ばね材 ４ 球状体 ５ 摺動ブラシ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円形対向基板と接触する摺動ブラシにお
   いて、板状ばね材の先端部に球もしくは半球状の接点を
   カシメあるいは溶接にて取り付けてなることを特徴とす
   る摺動ブラシ。