JPH0240747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンバインやバインダーなどに付設
されて用いられる茎稈刈取装置の下部フレーム構
造に関し、詳しくは、分草具が前端部に取付けら
れた第１分草杆が横方向に複数並置され、この複
数の第１分草杆の後端部は第１横長フレームに、
又、中間部は第２横長フレームに、夫々固定さ
れ、前端部に分草具が取付けられかつ前記第１分
草杆よりも短い長さに設定された第２分草杆が前
記複数の第１分草杆の間に並置され、この第２分
草杆の後端部が前記第２横長フレームに固定され
ているとともに、前記第１、第２分草杆にて区画
された茎稈導入経路に刈刃が配置されこの刈刃前
縁近くに前縁が至る配置で夫々の茎稈導入経路に
株元パツカーが配されてある茎稈刈取装置の下部
フレーム構造に関する。

〔従来の技術〕

この種茎稈刈取装置の下部フレーム構造として
は例えば、実開昭54−40825号公報に示されてい
る通り、第３図に示すように第２横長フレーム０
１０に直接株元パツカー０１４が軸支されている
ものが従来より知られていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

該構成では第１横長フレーム０８と第２横長フ
レーム０１０との間が広く開放されて泥やハカマ
などが容易に地面に落下しこれらがたまることが
ない。しかし株元パツカー０１４の前縁がバリカ
ン型の刈刃０９前縁近くに至る配置とされる必要
上前記第２横長フレーム０１０は刈刃０９より大
きく離れた後方に位置するしかない。このため、
この第２横長フレーム０１０と分草杆０１１との
接合部には刈刃０９による除草作用が及ばなくな
り、該部分に大量の雑草などが巻き付く欠点があ
つた。つまり、刈刃０９がバリカン型のものであ
るので、バリカン型刈刃０９の可動刃で刈刃０９
自身に降りかかり堆積しようとするハカマや雑草
を振り払うことができる。その際に、刈刃０９に
降りかかるハカマや雑草は第２横長フレーム０１
０と分草杆０１１との接合部に堆積するハカマや
雑草と絡み合つている為に、刈刃０９によつて振
り払われるハカマや雑草の移動力を介して間接的
に刈刃０９の振り払い力を受ける。前記除草作用
とは、このような直接、間接の刈刃０９の作動に
よるハカマや雑草の振り払い除去作用をいう。
又、刈刃と前記接合部とが近接しているとその接
合部に堆積するハカマや雑草も直接刈刃の振り払
い力を受けて除草されるが、前記第２横長フレー
ム０１０が刈刃０９より遠く離れた位置にある
と、前記接合部に堆積するハカマや雑草が直接刈
刃の振り払い力を受けることが少なくなるととも
に、刈刃上に位置するハカマや雑草を通して間接
的に振り払い力を受ける度合も小さく、又、その
ような間接力を受けたとしてもその力は小さなも
のであるから前記接合部に堆積して間接力を受け
ない他のハカマや雑草の戻し力を受けて元の位置
に押し戻されるといつたこともあり、除草作用が
十分でなかつた。そして、この欠点により刈取茎
稈の株元移送をこの雑草によつて阻害して、この
姿勢を乱し、以後の搬送不良や、この搬送不良に
起因する脱穀不良あるいは結束不良などが生じて
いた。

本考案は、この様な欠点を解消することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本考案の茎稈刈取
装置の下部フレーム構造は、第２横長フレームは
前記刈刃の後端縁近くに配置され、前記第２横長
フレームに、後方に向つて片持ち状のステーが
夫々の茎稈導入経路に対応して固定延出されこの
ステーに前記株元パツカーが軸支されてある構成
を採用したものであり、その作用効果は次の通り
である。

〔作用〕

前記第２横長フレームが刈刃近くに位置するこ
とになり、第２横長フレームと分草杆との接合部
に堆積するハカマや雑草は、刈刃可動部に直接接
触して刈刃の振り払い力を受けたり、或いは、刈
刃上に堆積するハカマや雑草との絡み付きによつ
て間接的に振り払い力を受けて接合部より払い除
けられる。しかも、前記第２横長フレームが刈刃
に近接することで開接的に受ける振り払い力も強
力で、一旦接合部より離れてから再び押し戻され
て元の位置に戻るといつたことも少なくなる。し
たがつて、この第２横長フレームと分草杆との接
合部に雑草等が大量に巻き付くようなことはなく
なつた。

これに加え、前記ステーを第２横長フレームに
対し片持ち状に固定してあることで両横長フレー
ム間の間隔を大きくでき、その間隔内には泥やハ
カマの落下を阻害するようなものは存在せず、従
来の利点をそのまま生かし得るに至つた。

〔考案の効果〕

以上要するに、本考案によつて、両フレーム間
並びに第２横長フレームと分草杆との接合部に葉
茎などが巻き付いたり泥土などが大量にたまつた
りして刈取茎稈の搬送を阻害する欠点をなくしえ
るに至つたものである。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を説明する。

１は本刈取装置２を前部に配したコンバインを
示し、該コンバイン１は、引起し装置３を横方向
に四つ並置した刈取装置２と、この刈取装置２か
ら脱穀装置４に刈取穀稈を搬送するＹ字形縦搬送
装置５等より構成されている。

前記刈取装置２の下部フレーム構造は、第２図
に示されているように、次の通りに構成されてい
る。

前部に五個の分草具６が横方向に一定間隔が並
設され、左右両端の分草具と中央の分草具とは、
夫々第１分草杆７の前端部に固定されている。

この三本の第１分草杆７は、その後端部が第１
横長フレーム８に固定されている。

そして、第１分草杆７の長手方向中間部にはバ
リカン型刈刃９が付設されていて、このバリカン
型刈刃９の前縁近くに第２横長フレーム１０が配
されている。この第２横長フレーム１０は前記第
１分草杆７の中間部に固定されている。

又、残る二個の分草具６は、夫々第２分草杆１
１の前端部に取付けられていて、この第２分草杆
１１の後端部は前記第２横長フレーム１０に固定
されている。

このようにして、五本の分草杆７，１１と五個
の分草具６とにより区画して、４つの茎稈導入経
路１２を並置してある。

そして、各導入経路１２には夫々前記引起し装
置３が、配されていて、この導入経路１２に入つ
た穀稈が機体の前進とともに、引起し装置３で
夫々引起され、その株元が前記刈刃９にて切断さ
れるようにしてある。

そして、各導入経路１２の後側の、前記第２横
長フレーム１０には、後方に向つて片持ち状に延
出されてステー１３が固定されている。このステ
ー１３の大きさは株元パツカー１４の中央部の非
搬送作用部の大きさと略同じか、小さい目にして
おく。

そして、この各ステー１３の中央に株元パツカ
ー１４が夫々軸支されている。このパツカー１４
の最大半径は、前記刈刃９の前縁よりも少々前方
にこのパツカー１４の前縁が出る長さとしてあ
る。したがつて、前記株元パツカー１４の前縁を
刈刃９の前縁近くに位置させ乍ら、必然的に第２
横長フレーム１０を刈刃９に近接させることがで
き、前記第２横長フレーム１０と分草杆１１との
接合部に降りかかり堆積するハカマや雑草に対し
て刈刃９による除草作用を加えることができる。

このようにして、前記刈刃９にて切断された穀
稈の株元を前記パツカー１４により前記Ｙ字形縦
搬送装置５の始端に送り込むようにしてある。

本考案は、導入経路１２が四つのものに限ら
ず、二つ、三つ、五つ、六つ、あるいはこれ以上
の複数個の導入経路１２を有するものであれば、
すべて適用しえるものである。

又、上記のようなコンバインに限らず、刈取つ
た茎稈を結束して放出したり集積する従来周知の
複数条刈りのバインダーにおいても、本考案を適
用しえるものであつて、このことは上記諸記載よ
り自明のことである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る茎稈刈取装置の下部フレー
ム構造の実施例を示し、第１図はコンバインの側
面図、第２図は要部の平面図である。第３図は従
来例を示す平面図である。 ６……分草具、７……第１分草杆、８……第１
横長フレーム、９……バリカン型の刈刃、１０…
…第２横長フレーム、１１……第２分草杆、１２
……茎稈導入経路、１３……ステー、１４……株
元パツカー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 分草具６が前端部に取付けられた第１分草杆７
   が横方向に複数並置され、この複数の第１分草杆
   ７の後端部は第１横長フレーム８に、又、中間部
   は第２横長フレーム１０に、夫々固定され、前端
   部に分草具６が取付けられかつ前記第１分草杆７
   よりも短い長さに設定された第２分草杆１１が前
   記複数の第１分草杆７の間に位置され、この第２
   分草杆１１の後端部が前記第２横長フレーム１０
   に固定されているとともに、前記第１、第２分草
   杆７，１１にて区画された茎稈導入経路１２にバ
   リカン型の刈刃９が配置され、この刈刃前縁近く
   に前縁が至る配置で夫々の茎稈導入経路１２に株
   元パツカー１４が配されてある茎稈刈取装置の下
   部フレーム構造において、前記第２横長フレーム
   １０は前記刈刃９の後端縁近くに配置され、前記
   第２横長フレーム１０に、後方に向かつて片持ち
   状のステー１３が夫々の茎稈導入経路１２に対応
   して固定延出され、このステー１３に前記株元パ
   ツカー１４が軸支されてある茎稈刈取装置の下部
   フレーム構造。