JPH0238946B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静電潜像の現像に用いる圧力定着性磁
性トナーの製造方法に関する。

静電潜像の現像法として磁気ブラシ法、カスケ
ード法などがあり、このような現像法に用いる現
像剤としてキヤリアとトナーよりなる二成分現像
剤が広く使用されている。しかし、このような現
像剤はキヤリアが疲労すること、キヤリアとトナ
ーの比率が変動しやすいこと、高速化に不向きで
あるといつた問題を有しているため、キヤリアを
使用しない一成分系磁性トナーが要望されてい
る。このため種々な一成分磁性トナーが従来から
提案されている。例えば熱可塑性樹脂に磁性体微
粉末を分散したのち、この樹脂を溶融した状態で
噴霧化するとともに、この噴霧化して溶融してい
るトナー粒子に帯電制御剤を吹きつけたのち、冷
却してトナーを得るものが知られている。この従
来方法によれば、得られるトナー粒子が球型で圧
縮状態下での表面軟化流動性が良好なこと、圧縮
状態下で容易に変形すること、トナーの帯電性な
どを容易に制御できる点が推奨されており、圧力
定着用に適する利点を有する。しかしながら、こ
の方法は前述のように噴霧化して溶融しているト
ナー粒子に帯電制御剤を吹きつけてトナーを得る
ため、トナー粒子と帯電制御剤の結合強度が弱い
という難点がある。このため帯電制御剤が離脱し
やすく、トナーの流動性が減少して現像スリーブ
によるトナーの搬送性が悪化したり、帯電性が減
少して感光体層へのトナー付着量が減少すること
により多数枚複写を繰返えすと画像濃度が低下す
る問題がある。

本発明は上記の欠点を解決し、トナー粒子と帯
電制御剤との結合強度にすぐれ、画像濃度を安定
にするトナーを製造しうる方法を提供するもので
ある。

すなわち、本発明はワツクス系化合物に磁性体
微粉末を分散してなるトナー粒子に帯電制御剤を
加え、トナー粒子を加温により軟化した状態でか
く拌してトナー粒子の表面に帯電制御剤を固着せ
しめることを特徴とする圧力定着性磁性トナーの
製造方法である。

本発明に用いる圧力定着成分としてのワツクス
系化合物としてはパラフインワツクス、マイクロ
クリスタリンワツクスなどの合成ワツクス類；カ
ルナバワツクス、モンタンロウ、ミツロウなどの
天然ワツクス類；低分子量ポリエチレン、低分子
量ポリプロピレンなどの低分子量ポリオレフイン
およびその共重合体；ステアリン酸などの高級脂
肪酸およびそのエステル、金属塩、アミドなどが
あり、好ましくは軟化点もしくは融点が50℃以上
のものを用いる。以上のワツクス系化合物は一種
または二種以上混合して使用することができる。

磁性成分としての磁性体微粉末としては鉄、ニ
ツケルなどの金属微粉末；各種フエライトなどの
鉄酸化物などがある。配合量はトナー粒子全量中
において約20〜60重量％の範囲が好ましい。

本発明では前記ワツクス系化合物に上記磁性体
微粉末を分散して成るトナー粒子を用いる。トナ
ー粒子はワツクス系化合物に磁性体微粉末を分散
したのちワツクス系化合物を溶融した状態で噴霧
化して冷却して調製することが好ましい。噴霧化
は既知の二流体ノズル型スプレー法や回転デイス
ク型スプレー法などで行なうことができる。

本発明においてはこのようなトナー粒子に帯電
制御剤を加え、トナー粒子を少なくともワツクス
系化合物の融点未満の加温により軟化した状態で
機械的にかく拌するところに大きな特徴がある。

すなわち、トナー粒子全量に対して帯電制御剤
を約0.2〜５重量％配合して加え、トナー粒子の
加温は少なくともワツクス系化合物の融点未満の
温度でかく拌して、トナー粒子と帯電制御剤を摩
擦帯電により付着させ、かつ帯電制御剤が付着し
たトナー粒子同志を機械的に衝突させてトナー粒
子の表面に帯電制御剤を食い込ませて固着せしめ
るのである。なお、配合量が0.2％未満では帯電
性が不足し、５％を超えると帯電制御剤が過剰と
なり、いずれの場合も画像濃度の低下を招く。ま
た融点を超えるとかく拌中にトナー粒子の凝集を
招く。ところで加温の温度が低すぎるとトナー粒
子の針入度（JIS K5230に規定される針入度）が
低くなり、トナー粒子と帯電制御剤との結合力が
弱くなる。針入度は約10以上であることが必要で
あるが、この針入度はトナー粒子を構成するワツ
クス系化合物の種類により異なるけれども大体40
℃以上の加温により与えることができる。

帯電制御剤としては負帯電用として帯電性、流
動性の点から疎水性シリカが適するが含金染料、
微粉末シリカなども使用できる。また、正帯電用
として帯電性、流動性の点からアミノシラン処理
微粉末シリカが適するが、ニグロシン、ローダミ
ンＢ、クリスタルバイオレツト、メチレンブル
ー、マラカイトグリーンなどの染料なども使用で
きる。

したがつて、このトラーを使用して現像する場
合、トナー粒子と帯電制御剤との結合強度にすぐ
れているため、従来のトナーに比べてトナーの流
動性や搬送性、感光体へのトナーの付着量に変化
がなく、このため多数枚の繰返し複写時にも常に
安定した画像濃度を得ることができる。

次に実施例および比較例を示す。

実施例 １ 〔ワツクス系化合物〕 低分子量ポリエチレン（BARECO社製ポリワツ
クス655） 55重量％ カルナバワツクス（日本精ろう社製カルナバワツ
クス＃３） 10重量％ 〔磁性体微粉末〕 四三酸化鉄粉（戸田工業社製EPT−500）
35重量％ 上記配合を加熱アトライター（三井三池社製分
散機）にて１時間練合し、四三酸化鉄粉を均一に
分散させたのち、140℃に加熱したのち回転デイ
スク型スプレドライヤーにて噴霧して冷却し、さ
らに気流分級を行なつてトナー粒子を得た。上記
において低分子量ポリエチレンとカルナバワツク
スとの混合物の融点は91℃であり、直径120mmの
回転デイスクを用いて25000r・ｐ・ｍの回転数で
噴霧し、冷却した。得られたトナー粒子は7.5〜
20ミクロンで真空球状であり、トナー粒子の室温
（25℃）におけるJIS K2530に規定される針入度
は約３であつた。引き続き、トナー粒子100重量
％に対して、 〔帯電制御剤〕 疎水性シリカ（日本アエロジル社製アエロジルＲ
−972） ２重量％ を加え、前記ワツクス系化合物の融点より低い温
度の60℃で１時間振とう機を用いてかく拌混合す
ることにより磁性トナーを得た。なお、トナー粒
子の60℃における針入度（JIS Ｋ 5230に規定さ
れる針入度）は約20であつた。得られた磁性トナ
ーはトナー粒子の表面に疎水性シリカが均一に固
着していた。

上記トナーを乾式複写機（キヤノン社製キヤノ
ンNP−120）の現像剤として用いたところ定着
性も良好であり、多数枚の繰り返し複写を行なつ
ても画像濃度の変化はみられなかつた。

比較例 １ トナー粒子と帯電制御剤を室温（25℃）で混合
する以外は実施例１と同様にしてトナーを作り、
実施例１と同様にしてテストしたところ、定着性
は良好であつたが、多数枚の繰り返し複写を行な
うと画像濃度が次第に減少し安定な複写物が得ら
れなかつた。

実施例 ２ 疎水性シリカに代えて、アミノシラン処理微粉
末シリカ（日本アエロジル社製アエロジルRA−
200H）を用いる以外は実施例１と同様にして磁
性トナーを得た。

上記トナーを負帯電性のOPC感光体を有する
複写機の現像剤として現像、転写だけを行ない、
その後線圧20Kg／cmの定着ローラで圧力定着を行
なつたところ、定着性も良好で、多数枚繰り返し
時にも画像濃度低下は全く見られず安定した複写
物を得ることができた。

比較例 ２ トナー粒子とアミノシラン処理微粉末シリカを
室温（25℃）でかく拌混合する以外は実施例２と
同様にしてトナーを作り、実施例２と同様にして
テストしたところ定着性は良好であつたが、多数
枚繰り返し複写では繰返し回数に従い画像濃度が
低下し、安定した複写物が得られなかつた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ワツクス系化合物に磁性体微粉末を分散して
   成るトナー粒子に帯電制御剤を加え、トナー粒子
   を少なくともワツクス系化合物の融点未満の加温
   により軟化した状態で機械的にかく拌してトナー
   粒子の表面に帯電制御剤を固着せしめることを特
   徴とする圧力定着性磁性トナーの製造方法。 ２ トナー粒子が、ワツクス系化合物に磁性体微
   粉末を分散せしめたのち、ワツクス系化合物を溶
   融状態で噴霧化し、冷却した球型トナー粒子であ
   る特許請求の範囲第１項記載の圧力定着性磁性ト
   ナーの製造方法。