JPH0238650Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は揮発性棒状化粧料を収納する棒状化粧
料容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より揮発性成分を含有した棒状化粧料を収
納する容器はその揮発を防ぐために様々なパツキ
ンを設けていた。棒状化粧料の繰り出し口は、キ
ヤツプに繰り出し口を密閉する中栓を設けたり、
キヤツプ内側壁に弾性を有したＯリングを内装
し、キヤツプを嵌着させるとスリーブにＯリング
が密着し、Ｏリングより上方を密閉する等の手段
が用いられていた。また棒状化粧料を収嵌保持し
た中皿とスリーブとの間は中皿先端をスリーブ内
壁に摺接する様にしたり、中皿に、スリーブ内壁
に摺接するＯリングを設け、揮発性成分が中皿と
スリーブの間を通つて繰り出し機構内に侵入する
のを防いでいた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、繰り出し口を密閉する方法は、キヤツ
プに止着したパツキンをスリーブに密着させるこ
とにより行なわれているため、キヤツプを容器に
嵌着させた時、保持筒とキヤツプの嵌合をより確
実にしないと、携帯中等にキヤツプが回動して、
それによりスリーブも回動してしまい、キヤツプ
をしたまま棒状化粧料が繰り出されて先端がキヤ
ツプ天面に当接し、棒状化粧料を痛めてしまう可
能性があつた。

〔課題を解決する為の手段〕

揮発性成分を含有した棒状化粧料１を保持する
収嵌筒２は、下端に繰り出し機構により収嵌筒２
を上下摺動させる脚筒５を垂下する。スリーブ６
は、この棒状化粧料１、収嵌筒２及び脚筒５を上
下摺動自在に内装する。そして、収嵌筒２の外側
壁をスリーブ６の内壁に摺接させる。このスリー
ブ６を回動自在にしかし抜脱不能に保持する保持
筒１３は、前記収嵌筒２を上下摺動させる繰り出
し機構を内装する。この保持筒１３は、上端にキ
ヤツプ１４が抜脱自在に嵌合する中筒１６を連設
する。この中筒１６の上端には、弾性を有し、キ
ヤツプ１４の内径よりも大きい外径で、スリーブ
６の外径よりも僅かに大きい内径となつた弾性リ
ング１７を止着する。

また、弾性リング１７の内壁に凹み１８を周設
し、先端を撓み易くする。

〔作用〕

未使用時つまりキヤツプ１４が中筒１６に挿嵌
されている時には、弾性リング１７がキヤツプ１
４によつて内方向に撓んで先端がスリーブ６に接
している。また、収嵌筒２がスリーブ６内壁に摺
接している。従つて棒状化粧料１が含有する揮発
成分は、スリーブ６先端の繰り出し口及びスリー
ブ６と保持筒１３の間より揮発することはない。

更に使用時に、キヤツプ１４を抜脱すると弾性
リング１７は復元して弾性リング１７とスリーブ
６との間に間隙が生じる。

そして、保持筒１３を保持してスリーブ６を回
動させると棒状化粧料１が繰り出される。

〔実施例〕

揮発性成分を含有した棒状化粧料１を収嵌保持
する収嵌筒２は、下端内側壁に螺合片３が下端外
側壁に係合突部４がそれぞれ突出した脚筒５を垂
下している。

また、前述した棒状化粧料１、収嵌筒２及び脚
筒５を上下摺動自在に収納するスリーブ６は、下
方に前記脚筒５の係合突部４が係合し、収嵌筒２
を回動不能にするガイド溝７が縦状に穿設されて
いる。尚、この収嵌筒２先端はラツパ状に広がつ
ており、スリーブ６内壁に摺接する様になつてい
る。またこれは、収嵌筒２の側壁にＯリング８を
巻着し、Ｏリング８を摺接させても良い。

前記脚筒５内には、ネジ棒９が侵入している。
このネジ棒９には、脚筒５の螺合片３が螺合して
いる。このネジ棒９の下端側壁には、回動溝１０
を周設している。この回動溝１０には、スリーブ
６下端内壁に突設した回動片１１が係合し、スリ
ーブ６を回動自在に抜脱不能に連結している。ま
た、ネジ棒９の下端には尾栓１２が連設されてい
る。この尾栓１２には、保持筒１３が止着されて
いる。この保持筒１３の上端には、キヤツプ１４
が抜脱自在に嵌合する挿嵌部１５を有した中筒１
６を連設している。この中筒１５の上端には弾性
を有した弾性リング１７を止着している。この弾
性リング１７は上端が中筒１５より突出してお
り、外径はキヤツプ１４の内径よりも大きくなつ
ており、内径はスリーブ６の外径よりも僅かに大
となつている。また、弾性リング１７の内壁に凹
み１８を設け、先端を撓み易くしても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、キヤツプ１４を被嵌させ
ると挿嵌部１５の弾性リング１７が撓んでスリー
ブ６に密着する。更に収嵌筒２もスリーブ６の側
壁に摺接しているため、揮発性成分を含有した棒
状化粧料１を完全に外気より遮断する。また、使
用時にキヤツプ１４を抜脱すると、弾性リング１
７が復元してスリーブ６との間に間隙を生じ、棒
状化粧料１の繰り出し操作をしても弾性リング１
７がその操作の妨げになる様な事はない。

更にキヤツプ１４を被嵌させた場合、棒状化粧
料１の繰り出し口を密閉するのは中筒１６に止着
された弾性リング１７であるため、携帯中の振動
等でキヤツプ１４が回動してしまつたしても棒状
化粧料１が繰り出される様な事もなく、また、キ
ヤツプ１４内のスリーブ６も弾性リング１７に密
着しているため、スリーブ６が回動する様な事も
ない。

また、弾性リング１７の内壁に凹み１８を設け
た場合には先端が撓み易くなり、加えて量産時に
弾性リング１７の寸法にバラツキがあつたとして
も、弾性リング１７の上端が上方に逃げて、キヤ
ツプ１４の嵌合力には変化が現れなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の棒状化粧料容器とキ
ヤツプの正面断面図。第２図は、本考案実施例の
棒状化粧料容器にキヤツプを被嵌させた状態の正
面断面図。第３図は、その他の実施例の拡大断面
図。 １〜棒状化粧料、２〜収嵌筒、５〜脚筒、６
〜、１３〜保持筒、１４〜キヤツプ、１６〜中
筒、１７〜弾性リング、１８〜凹み。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 揮発性成分を含有した棒状化粧料１を保
   持する収嵌筒２と、 該収嵌筒２より垂下し、繰り出し機構により
   収嵌筒２を上下摺動させる脚筒５と、 前記棒状化粧料１、収嵌筒２及び脚筒５を上
   下摺動自在に内装し、収嵌筒２側壁が摺接する
   スリーブ６と、 該スリーブ６を回動自在にしかし抜脱不能に
   保持し、前記収嵌筒２を上下摺動させる繰り出
   し機構を内装した保持筒１３と、 該保持筒１３の上端に連設され、キヤツプ１
   ４が抜脱自在に嵌合する中筒１６と、 該中筒１６の上端に止着され、弾性を有し、
   キヤツプ１４の内径よりも大きい外径で、スリ
   ーブ６の外径よりも僅かに大きい内径となつた
   弾性リング１７と、 より構成される事を特徴とする棒状化粧料容
   器。 〔２〕 該弾性リング１７の内壁に凹み１８を周
   設し、先端を撓み易くした事を特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の棒状化粧料容
   器。