JPH0238651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、揮発性棒状化粧料を収納する棒状化
粧料容器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より、揮発性の棒状化粧料を収納する容器
は、その揮発を防ぐ為に様々なパツキンを設けて
いる。

例えば、棒状化粧料の繰り出し口は、キヤツプ
に繰り出し口を密閉する中栓を設けたり、キヤツ
プ内壁に弾性を有したＯリングを内装し、キヤツ
プを容器に嵌着させると棒状化粧料を被うスリー
ブにＯリングが密着し、Ｏリングより上方を密閉
する等の手段が用いらている。

また、棒状化粧料を収嵌保持した中皿と、棒状
化粧料を被うスリーブとの間は、揮発性成分がス
リーブと中皿の間を通つて繰り出し機構部の中に
侵入してしまうのを防ぐ為に、中皿先端をスリー
ブ内側壁に摺接する様にしたり、中皿にスリーブ
内側壁に摺接するＯリングを巻着する等の手段が
用いられていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、繰り出し口を密閉する方法は、キヤツ
プに止着したパツキンをスリーブに密着させる事
により行なわれている為、キヤツプを容器に嵌着
させた時、回動操作筒とキヤツプの嵌合をより確
実にしないと、不意にキヤツプが回動してしまつ
た場合パツキンにより密着したスリーブも回動し
てしまい、キヤツプが被嵌した状態で棒状化粧料
が繰り出され、先端がキヤツプ天面に衝突して棒
状化粧料を傷めてしまう可能性があつた。

〔問題点を解決する為の手段〕

側壁に螺合片３が突出した中皿２と、この中皿
２を上下摺動自在に内装し、螺合片３が貫通する
ガイド溝５を縦状に穿設したガイド筒４と、この
ガイド筒４に回動自在に保持され、前記螺合片３
が螺合する螺旋溝７を螺設した螺旋筒６と、この
螺旋筒６を内壁に止着したスリーブ８と、前記ガ
イド筒４下端を止着した回動操作筒９とより成る
棒状化粧料容器に於いて、 中皿２は、棒状化粧料１を収嵌保持している。
そして、回動操作筒９には弾性を有し、キヤツプ
１０の内径よりも大きい外径で、スリーブ８の外
径よりも僅かに大きい内径の弾性リング１３を止
着した中筒１２を連設する。

また、この弾性リング１３の内壁に凹み１４を
設け、先端をたわみ易くする。

〔作用〕

未使用時つまり、キヤツプ１０が中筒１２に挿
嵌されている時には弾性リング１３がキヤツプ１
０に窄められ、内方向にたわんでスリーブ８に接
している。従つて、棒状化粧料１が含有する揮発
性成分は、キヤツプ１０とスリーブ８の間及びス
リーブ８と中筒１２の間より揮発することはな
い。

更に使用時には、キヤツプ１０を抜脱すると弾
性リング１３は復元して、弾性リング１３とスリ
ーブ８との間に間隙が生じ、回動操作筒９が回動
可能となる。そして、スリーブ８を保持して回動
操作筒９を回動させる事により、スリーブ８に止
着された螺旋筒６が回動せず、回動操作筒９に止
着されたガイド筒４が回動する為、螺合作用によ
り中皿２が上昇して棒状化粧料１が繰り出される
ものである。

〔実施例〕

揮発性成分を含有した棒状化粧料１を収嵌保持
する中皿２は、外側壁に螺合片３が突出してい
る。この中皿２を上下摺動自在に内装するガイド
筒４は、側壁に螺合片３が貫通して、中皿２を回
動不能にするガイド溝５を縦状に穿設している。
このガイド筒４は、螺旋筒６を回動自在に保持し
ている。この螺旋筒６は、ガイド筒４を貫通した
螺合片３が螺合して、中皿２を昇降動させる螺旋
溝７を螺設している。また、ガイド筒４は、スリ
ーブ８内壁に挿入止着されている。

ガイド筒４の下端は、回動操作筒９に挿入止着
している。この回動操作筒９には、キヤツプ１０
を抜脱自在に保持する挿嵌部１１を有した中筒１
２を止着している。この中筒１２の挿嵌部１１に
は、弾性を有した弾性リング１３を止着してい
る。この弾性リング皿１３の外径は、キヤツプ１
０の内径よりも大径になつており、内径はスリー
ブ８の外径よりも僅かに大径となつている。ま
た、弾性リング皿１３の内壁に凹み１４を設け、
先端がたわみ易くしても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、キヤツプ１０を被嵌させ
ると挿嵌部１１の弾性リング１３がたわんでスリ
ーブ８に密着する為、揮発性成分を含有した棒状
化粧料１を完全に外気より遮断する。また、使用
時にキヤツプ１０を抜脱すると、弾性リング皿１
３が復元してスリーブ８との間に間隙を生じ、棒
状化粧料１の繰り上げ操作をしても弾性リング皿
１３がその操作の妨げになる様な事はない。

更に、キヤツプ１０を被嵌させた場合、容器内
を完全に密閉するのは、円筒１２に止着された弾
性リング１３である為、携帯弾性リングの振動等
でキヤツプ１０が回動してしまつたとしても、棒
状化粧料１が繰り出される様な事もなく、また、
キヤツプ１０内のスリーブ８も弾性リング１３に
密着している為、スリーブ８が回動する様な事も
ない。従つて、キヤツプ１０をしたまま棒状化粧
料１が繰り出され、棒状化粧料１が損傷してしま
う事故など起こる事がない。

また、弾性リング１３の内壁に凹み１４を設け
た場合には、先端がたわみ易くなり、スリーブ８
との密着性が高まり、加えて、量産時に弾性リン
グ１３の内・外径にバラツキがあつたとしても弾
性リング１３の上端が上方に逃げて寸法誤差を吸
収し、キヤツプ１０の嵌合力及びスリーブ８との
密着性等に変化がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の側断面図。第２図
は、キヤツプを被嵌させた状態の側断面図。第３
図は、その他の実施例の部分拡大断面図。 １〜棒状化粧料、２〜弾性リング皿、３〜螺合
片、４〜ガイド筒、５〜ガイド溝、６〜螺旋筒、
７〜螺旋溝、８〜スリーブ、９〜回動操作筒、１
０〜キヤツプ、１１〜挿嵌部、１２〜弾性リング
筒、１３〜弾性リング、１４〜凹み。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 〔１〕 側壁に螺合片３が突出した中皿２と、該
   中皿２を上下摺動自在に内装し、螺合片３が貫
   通するガイド溝５を縦状に穿設したガイド筒４
   と、該ガイド筒４に回動自在に保持され、前記
   螺合片３が螺合する螺旋溝７の螺設された螺旋
   筒６と、該螺旋筒６を内壁に止着したスリーブ
   ８と、前記ガイド筒４下端を止着した回動操作
   筒９とより成る構成に於いて、 中皿２は、棒状化粧料１を収嵌保持し、 回動操作筒９には、弾性を有しキヤツプ１０
   の内径よりも大きい外径で、スリーブ８の外径
   よりも僅かに大きい内径の弾性リング１３を止
   着した中筒１２を連設する事を特徴とする棒状
   化粧料容器。 〔２〕 弾性リング１３の内壁に凹み１４を設
   け、先端をたわみ易くする事を特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の棒状化粧料容
   器。