JPH0238116Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主として自動車のトランスミツシヨ
ンコントロール用のシフト又はセレクトロツドの
振れを規制するためのロツドガイドである。

（従来技術） 一般にワゴン車やトラツク等、トランスミツシ
ヨンの位置から離れてコントロールレバーがある
自動車では、第１図に示すように、トランスミツ
シヨン１とコントロールレバー（図示せず）とを
シフトロツド２及びセレクトロツド３で連結して
いる。これらのロツドは全長が長いとエンジンや
走行時の車輪からの振動によつて振れるため、こ
の振れ止め用のロツドガイド４が使用されてい
る。

この種の従来のロツドガイド４は第２図に示す
ように外周を取付ブラケツト５の支持穴６内に保
持され、中心の内面が平らなロツド挿入孔７内に
ロツド２又は３を摺動自在に挿通するようにして
いるものであり、その材質として、天然ゴム，合
成ゴム等の弾性材を使用したもの、ナイロン等の
硬質合成樹脂材を使用したもの、更には多孔質合
成樹脂材に潤滑剤を含侵させたもの等が提供され
ている。

このような従来のロツドガイドの内、ゴム等の
弾性材を使用したものは打撃音は小さいがロツド
との間で摺動音（ステツクスリツプ）が発生す
る。また、硬質合成樹脂材のものは摺動音は小さ
いが振動により打撃音が発生し、更に潤滑剤を含
侵させたものは摺動音はなく打撃音も小さいが、
車体外に露出している部分にある場合には潤滑剤
切れが早く潤滑剤がなくなると摺動音、打撃音と
もに発生することとなるという欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は上述の如き従来の欠点にかんがみ潤滑
剤を使用することなく摺動音も打撃音もなくした
ロツドガイドの提供を目的としたものである。

（考案の構成） 而して、上述の如き目的を達成するため、本考
案は、外周が取付ブラケツトのガイド支持穴内に
支持され、中央部分にロツド挿入孔を有し、該ロ
ツド挿入孔にトランスミツシヨンコントロールロ
ツドを摺動可能に挿通したロツドガイドにおい
て、該ロツドガイドが、全体が硬質合成樹脂材を
もつて成形され、前記ロツド挿入孔内に先端が前
記ロツドの軸方向に湾曲された弾性片を設けると
共に、該弾性片は前記トランスミツシヨンコント
ロールロツドが軸直交方向の変位時に、反力が漸
次増大するように、断面が先細りのテーパー状を
なして突設された構成をなしているもので、即
ち、硬質合成樹脂材を使用することで摺動音をな
くし、かつロツド挿入孔内に先細りテーパー断面
形状の弾性片を突設することでロツドの振動をこ
の弾性片の弾力をもつて吸収させて打撃音の発生
を防止したものである。

（考案の効果） 上述の如く本考案は、トランスミツシヨンコン
トロールロツドを挿通するロツドガイドにおい
て、全体を硬質合成樹脂材をもつて成形し、その
内部にロツドを挿通したことにより、ロツドの摺
動音がなくなる。

また、ロツド挿入孔内に先端をロツドの軸方向に
湾曲させると共に、断面が先細りのテーパー状を
なした弾性片を突設したことにより、ロツドの振
動エネルギーはこの弾性片の撓みによつて徐々に
吸収され、打撃音の発生が防止されることとなつ
たものである。

しかも、弾性片は、振幅が大きい程反力が増す
ため高い支持剛性を得ることができる。

（実施例） 次に本考案の実施の一例を第３図以下の図面に
ついて説明する。

図中１０は取付ブラケツト、１１はブラケツト
固定用の孔である。この取付ブラケツト１０に
は、一対のガイド支持穴１２，１２が開口され、
この両ガイド支持穴１２，１２内に本考案に係る
ロツドガイド１３が支持されている。

このロツドガイド１３は全体がポリエステルか
らなる硬質合成樹脂材をもつてリング状に成形さ
れ、中心部にロツド挿入孔が貫通開口されてい
る。そして外周には、その一端側にフランジ１５
が形成されている。また胴部１６外面には抜け止
め用の爪１７が一体成形され、この胴部１６が取
付ブラケツト１０のガイド支持穴１２内に密に嵌
め込まれるようにしており、フランジ１５の端面
を取付ブラケツト１０の前面に当接させた状態で
爪１７が背面に係止されて抜け止めされるように
している。

一方、ロツド挿入孔１４の内面には四方から中
心を囲む配置に弾性片１８，１８及び１９，１９
が一体に形成されている。この弾性片１８，１９
は断面が先細りのテーパー状に成形され、その根
元が胴部１６の一端側の内面、即ち、ロツド挿入
孔１４の一端側の内面よりに一体化されており、
かつ先端が挿入されるロツド２０の軸方向に向く
ように湾曲されている。また、互いに対向する弾
性片１８，１８間及び１９，１９間の間隔は挿入
されるロツドの直径よりわずかに広く成形され、
弾性片１８，１９との間に１〜３mm程度の微小間
〓が形成される大きさに成形されている。

なお、この実施例では、胴部１６を正方形ない
しは円形ではなく、長方形に形成し、互いに対向
する弾性片１８，１８間と１９，１９間との間隔
を違え、内部でロツド２０が幅方向に移動できる
構造とし、例えば第３図，第４図に示すように二
本のロツド２０，２０の動きを考慮して向きを違
えて使用している。

このように構成されるロツドガイドはポリエス
テル等の硬質合成樹脂をもつて形成されているた
め、ロツド２０が軸方向又は幅方向に移動してこ
すれた場合にも摺動音が小さく、またロツド２０
が幅方向に振動した場合には第５図仮想線で示す
ように弾性片１８又は１９の先端にロツド２０が
当つたとき弾性片１８又は１９が弾性的に撓み振
動エネルギーを徐々に吸収するため打撃音の発生
が防止される。即ち、先細りテーパー形状に形成
しているため、撓み量が大きくなる程応力が大き
くなり振動エネルギーを徐々に吸収することがで
きる。

しかも、弾性片１８，１９は、振幅が大きい程
反力が増すため、高い支持剛性が得られる。

なお、上述の実施例では、胴部を長方形状に成
形しているが、本考案ではこれに限らず正方形，
円形等各種の形状になすことができ、また、弾性
片１８，１９は四箇所に設けられているが胴部円
形の場合に三箇所に設けて中心部分を囲む配置と
してもよく、また弾性片１８，１９の断面形状は
先細りのテーパーの他、偏平な形状であつてもよ
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のトランスミツシヨンコントロー
ル用ロツドのロツドガイドの使用状態を示す斜視
図、第２図は同ロツドガイドの縦断面図、第３図
は本考案の実施の一例のロツドガイドの取付状態
を示す縦断面図、第４図は同背面図、第５図は同
ロツドガイドの拡大断面図である。 １０……取付ブラケツト、１２……ガイド支持
穴、１３……ロツドガイド、１４……ロツド挿入
孔、１５……フランジ、１６……胴部、１８，１
９……弾性片、２０……ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周が取付ブラケツトのガイド支持穴内に支持
   され、中央部分にロツド挿入孔を有し、該ロツド
   挿入孔にトランスミツシヨンコントロールロツド
   を摺動可能に挿通したロツドガイドにおいて、該
   ロツドガイドが、全体が硬質合成樹脂材をもつて
   成形され、前記ロツド挿入孔内に先端が前記ロツ
   ドの軸方向に湾曲された弾性片を設けると共に、
   該弾性片は前記トランスミツシヨンコントロール
   ロツドが軸直交方向の変位時に、反力が漸次増大
   するように、断面が先細りのテーパー状をなして
   突設されていることを特徴としたロツドガイド。