JPH0237807B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明はプレス金型を小型にしたプレス装置
に関するものである。

従来の技術 板金の打ち抜きや曲げ加工、絞り加工等の各種
プレス成形を行うプレス装置は、一般に、第４図
に示す様に、製品１の成形を行うプレス金型２と
このプレス金型２を保持して動作させるプレス機
械３とより成つている。

前記プレス金型２は通常、製品１の形状に合わ
せた成形部を有する一対の上型４と下型５とから
成り、下型５には成形時に生ずるスクラツプを排
出させるスクラツプ処理機構７、成形された製品
１を下型５から持ち上げるリフト機構８等の付属
機構が内蔵され、さらに作業性並びに操作性を良
くする目的で、上型４と下型５との相対的な位置
決めを行うガイド機構６が付設してある。

また前記プレス機械３はフレーム９上に上型４
を保持するラム１０及び下型５を支持するボルス
タ１１を設け、且つフレーム９内にラム１２を上
下動させる適宜の駆動手段（図示せず）を内蔵し
てある。

そして製品１の成形時には、作業者が人手でワ
ークを下型５へ供給して位置決めを行い、この後
上型４を下降させて製品１を成形し、成形時に生
じたスクラツプをスクラツプ処理機構７にてプレ
ス装置から排出させると共に上型４の上昇後リフ
ト機構８にて下型５から製品１を持ち上げ、作業
者がリフト機構８から製品１を取出し、プレス装
置外へ搬出させている。

また作業性を向上させた他のプレス装置として
第５図に示す様に、プレス金型２の下型５にワー
クの位置決め機構１２を設け、この位置決め機構
１２を利用してワークを自動搬入させるようにし
たものもある。

さらに他のプレス装置として、第６図に示す様
に、プレス金型２の下型５に製品１を排出させる
排出機構１３を設け、リフト機構８にて下型５か
ら持ち上げられた製品１を排出機構１３にて自動
的に排出させるようにしたものもある。

発明が解決しようとする問題点 前記プレス装置は、プレス金型２、特に下型５
内には多数の付属機構が設けられており、プレス
金型２は複数且つ大型化しており、型製作費も高
価となつていた。従つて製品１の形状変更に伴つ
てプレス金型２を取替えると設備費が非常に高く
つくといつた問題があつた。

またプレス金型２が大型である為に型交換に時
間を要するといつた問題もあつた。さらにプレス
金型２を製品１の形状変更に伴つて更新する場合
にも、実際に更新の必要な製品成形部のみならず
他の付属機構まで更新する必要があり無駄が多く
なつていた。

問題点を解決するための手段 この発明のおけるプレス装置は、製品を成形す
る上型と下型とからなるプレス金型と、前記プレ
ス金型を保持し、動作させるラム及びボルスタを
有するプレス機械とからなるプレス装置におい
て、プレス金型の上型と下型とを、製品の形状に
合わせた成形部と上型と下型との相対的な位置決
めを行うガイド機構のみで形成して前記下型から
スクラツプ処理機構を分割し、前記上型をプレス
機械側のラムに取付け、前記スクラツプ処理機構
をプレス機械側のボルスタ上に固定し、該スクラ
ツプ処理機構上に下型を取付けたものである。ま
た製品を下型から持ち上げるリフト機構や製品の
出入れを行う搬出入機構等の各種付属機構もプレ
ス機械側に設けている。

上記構成のプレス装置であれば、プレス金型は
製品の成形に必要なもののみとなり、非常にコン
パクトで小型となつており、他の各種付属機構は
プレス機械側に設けられて共用される。従つてプ
レス金型が安価になり、製品の変更に伴う型交換
に際しても型費が安価になり、かつ交換部品が少
ないこともあつて、交換作業を短時間で行え、安
全性も高くなる。

また、下型から分割したスクラツプ処理機構を
下型とボルスタとの間に設けているので、切断さ
れたスクラツプをそのまま排出できると共に下型
の高さが従来設備と変わらないので、既存のプレ
ス機械に適用でき、設備費も非常に安くできる。

実施例 第１図は本発明の一実施例を示す図面で、同図
において、２０は製品１を成形するプレス金型、
２１はプレス金型２０を保持するプレス機械であ
る。

前記プレス金型２０は製品１の形状に合わせた
成形部２２ａ，２３ａを有する上型２２及び下型
２３と、上型２２と下型２３との相対的な位置決
めを行うガイド機構２４とで構成してある。前記
ガイド機構２４はガイドポスト２５を下型２３又
は上型２２に起立固定し、ガイドポスト２５に対
応させてガイドブツシユ２６を上型２２又は下型
２２に固設し、ガイドポスト２５をガイドブツシ
ユ２６へ摺動自在に嵌合させたものである。

プレス機械２１はフレーム２７の前面下部にボ
ルスタ２８を設け、ボルスタ２８の上方に上下動
自在にラム２９を設け、内蔵した駆動手段（図示
せず）にてラム２９を上下動させるようにしてあ
る。

３０はボルスタ２８上に固定したスクラツプ処
理機構で、プレス金型２０の下型２３を支持す
る。このスクラツプ処理機構３０は第２図にも示
す様に、上面３０ａの前後部を数個所で下がり勾
配のテーパーに形成してシユート３１を複数構成
し、各シユート３１，３１間の上面３０a′には下
型２３を固定するクランパ（図示せず）が嵌る嵌
合溝３２，３２を形成してある。

３３はプレス金型２０の後方で且つ下型２３よ
り上部位置に配置したワークの搬入機構で、例え
ばワークを吸着保持する吸着ヘツド３４を多関節
型ロボツト３５の先端に取付けたもので、ロボツ
ト３５の基部をプレス機械２１のフレーム２７に
取付けてある。この搬入機構３３は吸着ヘツド３
４を前後方向並びに上下方向に移動させてワーク
を直接下型２３上へ供給するようにしてある。

３６はプレス金型２０の前方で且つ下型２３よ
り上部位置に配置した製品１の搬出機構で、例え
ば製品１を吸着保持する吸着ヘツド３７を多関節
型ロボツト３８の先端に取付けたもので、ロボツ
ト３８の基部をプレス機械２１のフレーム２７に
取付けてある。この搬出機構３６も吸着ヘツド３
７を前後方向並びに上下方向に移動可能になして
製品１を下型２３から直接取出して搬出できるよ
うにしてある。

前記プレス装置はプレス金型２０の上型２２を
ラム２９に取付け、下型２３をスクラツプ処理機
構３０上に固定する。そして搬入機構３３の吸着
ヘツド３４をプレス装置の後方に配備されたワー
ク上へ移動させて吸着ヘツド３４にてワークを吸
着保持させる。この後吸着ヘツド３４を前進させ
て吸着したワークをプレス金型２０内へ搬入さ
せ、続いて吸着ヘツド３４を下降させてワークを
下型２３上に載せる。ワークを下型２３に載せる
と、吸着ヘツド３４の吸着を解除し、上昇・後退
動作を行わせて元位置へ復帰させる。この後ラム
２９を下降させて上型２２を下降させ、上型２３
とで製品１を成形する。製品１の成形が完了し、
上型２２が上昇すると、搬出機構３６の吸着ヘツ
ド３７を後退させてプレス金型２０内へ侵入さ
せ、続いて下降させて製品１に当接させる。この
後吸着ヘツド３７にて製品１を吸着保持させ、続
いて吸着ヘツド３７を上昇させて製品１を下型２
３から取出して持ち上げ、次に前進させて製品１
をプレス金型２０から搬出させる。そして成形時
に発生したスクラツプはスクラツプ処理機構３０
の排出シユート３１，３１…にてプレス装置へ排
出させる。

そして製品１の形状を変更する場合は、古いプ
レス金型２０をラム２９とスクラツプ処理機構３
０から外して取出し、新たなプレス金型をラム２
９とスクラツプ処理機構３０へ取付ける。

第３図は他の実施例を示す図面で、スクラツプ
処理機構３０の中央部にリフト機構３９を設けた
ものである。前記リフト機構３９はリフトシリン
ダ４０のピストンロツド４０ａの上端に製品１を
支持する支持部材４１を固設したもので、リフト
シリンダ４０をスクラツプ処理機構３０の凹部３
０ｂ内に収容配置し、支持部材４１をスクラツプ
処理機構３０の上部開口部４２から突出させて下
型２３内に配置させてある。尚、この実施例では
搬入機構３３及び搬出機構３６は共に吸着ヘツド
３４，３７を前後方向にのみ移動させるように構
成したものである。

前記実施例はワークの搬入時、リフトシリンダ
４０を伸長動作させて支持部材４１を下型２３の
上方へ配置させておき、搬入機構３３の吸着ヘツ
ド３４に吸着保持されたワークを一旦リフト機構
３９の支持部材４１上に載せ、この後リフトシリ
ンダ４０を短縮動作させ、支持部材４１を下降さ
せて支持部材４１から下型２３へのワークを供給
する。また製品１の搬出時、リフトシリンダ４０
を伸長させて支持部材４１を上昇させ、この上昇
時に下型２３から製品１を取出して持ち上げ、こ
の後搬出機構３６の吸着ヘツド３７を後退させて
支持部材４１上の製品１を吸着させ、吸着後、吸
着ヘツド３７を前進させて製品１を搬出する。

発明の効果 以上の如く、本発明によれば、プレス金型の上
型と下型とを、製品成形部と上型と下型との相対
的な位置決めを行うガイド機構で構成し、下型か
らスクラツプ処理機構を分割したので、該スクラ
ツプ処理機構は継続して使用でき、製品の変更に
伴う型交換時、上記上型と下型とを交換するだけ
でよく、該上型と下型は部品数が少なく、小型で
コンパクトなため、型製作費が安価になると共
に、型交換作業も短時間で行え、生産性が向上す
る。

またスクラツプ処理機構をプレス機械側のボル
スタと下型との間に設けているので、プレス成形
時に発生したスクラツプをそのまま下型より下方
へ落下させて排出でき、構造が簡単になる。さら
にスクラツプ処理機構にて下型を保持しているの
で、下型の高さが従来のプレス装置と変わらず、
従来から使用している既存のプレス装置にもプレ
ス機械を変更することなく適用でき、プレス設備
全体における設備費も安価にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るプレス装置を示す要部断
面図、第２図はスクラツプ処理機構の斜視図、第
３図は他の実施例を示す要部断面図、第４図乃至
第６図は従来の各種プレス装置を示す要部正面図
である。 ２０……プレス金型、２１……プレス機械、２
２……上型、２３……下型、２４……ガイド機
構、２７……フレーム、２８……ボルスタ、２９
……ラム、３０……スクラツプ処理機構、３３…
…搬入機構、３６……搬出機構。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 製品を成形する上型と下型とからなるプレス
   金型と、前記プレス金型を保持し、動作させるラ
   ム及びボルスタを有するプレス機械とからなるプ
   レス装置において、 プレス金型の上型と下型とを、製品の形状に合
   わせた成形部と上型と下型との相対的な位置決め
   を行うガイド機構のみで形成して前記下型からス
   クラツプ処理機構を分割し、 前記上型をプレス機械側のラムに取付け、 前記スクラツプ処理機構をプレス機械側のボル
   スタ上に固定し、 該スクラツプ処理機構上に下型を取付けたこと
   を特徴とするプレス装置。