JPH0236973Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のステアリングのリンク装置
やシフトレバー等のボールジヨイントに使用され
るダストカバーの改良に関する。

〔従来の技術〕

上記ボールジヨイント用ダストカバーの相手側
ソケツトへの固定は、大別して金属バンドによる
締付固定タイプのものと嵌合タイプのものがあ
る。第４図はこのうち後者嵌合タイプのダストカ
バーを用いたボールジヨイントの１例を示すもの
で、ボールスタツド１の一端に形成されたボール
部２を、機台側ののアーム５に固定された略筒状
のソケツト３内に、ブツシユ４を介して回動自在
に内挿保持し、すなわち前記ボールスタツド１を
ボール部２を基点として所定範囲内の揺動が可能
な状態で結合してなり、１８はこの結合部へのダ
ストの侵入を阻止するためのゴム材製のダストカ
バーで、その上端に開口された軸孔部１９におい
てボールスタツド１外周面に気密的に嵌着される
とともに、下端開口部に設けられた嵌合部２０に
おいてソケツト３に形成された凹段部６の外周面
に気密的に嵌着されている。該軸孔部１９の縁部
内および嵌合部２０内には相手部材への圧接力を
補強するため、それぞれ断面Ｌ字形の補強環２１
および断面略横Ｊ字形の補強環２２が埋設されて
いる。Ｇはダストカバー１８内腔に、前記結合部
（ボール部２）の潤滑を目的として封入されたグ
リースである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

近年、製品原価低減の見地から、上記したよう
な嵌合タイプのダストカバーの使用比率が増加し
ており、また、更なる原価低減のため、図示のよ
うに相手側ボールジヨイントのソケツト３とアー
ム５を別体とし、該両者３，５を嵌合等の手段に
よつて組立てるようにしたものが取り入れられて
いる。この場合、あらかじめダストカバー１８を
取り付けたうえでソケツト３をアーム５の取付孔
７へ矢印Ａ方向へ挿入するという手順が採られる
ため、ダストカバー１８の下端嵌合部２０の外周
縁２０′をより小径に形成する必要がある。

しかし、該嵌合部２０内に埋設された補強環２
２には該嵌合部２０をソケツト３の凹段部６に圧
入嵌合する際の治具（図示せず）の受け部となる
外径側部分２２ａおよび圧接力を付与する内径側
部分２２ｂ（第５図参照）が不可欠であることか
ら、前記外周縁２０′の小径化（嵌合部２０の小
断面化）には限界があり、補強環２２にはほかに
第６図イないしハに示すような種類の形状のもの
があるが、いずれの例においても上記理由により
同様の問題を有している。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記事情のもとに、ソケツトへの嵌
合部の小断面化を達成するダストカバーを提供す
ることを目的としてなされたもので、一端に開設
され、ボールジヨイントのボールスタツドに気密
的に嵌着される軸孔部と、他端に開設され、前記
ボールスタツドの先端のボール部を回動自在に内
挿保持するソケツトに気密的に嵌着される嵌合部
を有し、ゴゴム等可撓材をもつて製せられてなる
ダストカバーにおいて、周段部を境にして大径軸
方向部と小径軸方向部を有する補強環を、該小径
軸方向部が開口端側となるよう前記嵌合部に埋設
した構成としたものである。

〔作用〕

すなわち、上記補強環はその大径軸方向部がダ
ストカバー装着の際の治具の受け部、小径軸方向
部がソケツトへの圧接力付加部として機能するも
ので、概ね軸方向に延びる断面形状を呈している
ためダストカバーの嵌合部外周縁を小径に形成す
ることができる。

〔実施例〕

つぎに、本考案の一実施例を図面にもとづいて
説明する。

第１図は本実施例ダストカバー８を単体で示す
もので、全体としてゴム等可撓材にて製せられ、
その上端に開設された軸孔部９の縁部内には断面
Ｌ字形の金属製補強環１１、下端開口部に形成さ
れた嵌合部１０内には周段部１２ｃを境にして上
側の大径軸方向部１２ａと開口端８′側（下側）
の小径軸方向部１２ｂよりなる金属製補強環１２
が埋設されてなる。

このダストカバー８は、従来と同様、第２図に
示すボールジヨイントに、軸孔部９においてボー
ルスタツド１外周面、嵌合部１０においてソケツ
ト３に形成さされた凹段部６に気密的に嵌着され
るものである。該嵌合部１０の前記凹段部６への
嵌合に際しては第３図に示すような治具１３が用
いられるが、補強環１２の大径軸方向部１２ａは
このときの治具１３による荷重の受け部となり、
小径軸方向部１２ｂはその内周面１２b′をもつて
前記凹段部６外周面に強固に嵌着される。大径軸
方向部１２ａの内周ゴム部１０″には適宜大きさ
のつぶし代が設定されているため、該ゴム部１
０″（嵌合部１０）の補強環１２からの剥離が生
じ難く、かつ良好なシール性を発揮する。また、
この補強環１２は概ね軸方向に延びる断面形状に
なるため、従来多く見られた斜め圧入等の不具合
が起こり難いほか、前記嵌合部１０の外周縁１
０′を小径に形成することが可能であり、したが
つて当該ダストカバー８をソケツト３にあらかじ
め取り付けたうえで該ソソケツト３をアーム５の
取付孔７内へ装着するという組立て手順に円滑に
行なうことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係るボールジヨ
イント用ダストカバーは、ソケツトとの嵌合部に
埋設される補強環を段付きの略筒状としたため、
前記嵌合部の外周縁を小径に形成して小断面化を
達成可能にし、したがつて組立ての円滑化、低コ
スト化を実現するほか、前記嵌合部の斜め圧入や
前記補強環の接着部の剥れ等の不具合も解消され
るといつた諸効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ダストカバーの一実施例を示す
縦断面図、第２図は同じくボールジヨイントへの
装着状態を示す縦断面図、第３図は同じく装着作
業説明図、第４図は従来のダストカバーのボール
ジヨイントへの装着状態を示す縦断面図、第５図
は同ダストカバーの半裁縦断面図、第６図は他の
従来例を示す要部断面図である。 １……ボールスタツド、２……ボール部、３…
…ソケツト、８……ダストカバー、８′……開口
端、９……軸孔部、１０……嵌合部、１１，１２
……補強環、１２ａ……大径軸方向部、１２ｂ…
…小径軸方向部、１２ｃ……周段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に開設され、ボールジヨイントのボールス
   タツドに気密的に嵌着される軸孔部と、他端に開
   設され、前記ボールスタツドの先端のボール部を
   回動自在に内挿保持するソケツトに気密的に嵌着
   される嵌合部を有し、ゴム等可撓材をもつて製せ
   られてなるダストカバーにおいて、周段部を境に
   して大径軸方向部と小径軸方向部を有する補強環
   を、該小径軸方向部が開口端側となるよう前記嵌
   合部に埋設してなることを特徴とするボールジヨ
   イント用ダストカバー。