JPH0854061A - ブーツ・アセンブリ、保持リング及び枢動継手アセンブリ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブーツに対して高い取付け荷重を必要としな
いために、取付け中にブーツが傷つけられる可能性のな
いブーツ・アセンブリを提供することにある。 【構成】 継手アセンブリ１８に使うブーツ・アセンブ
リ１０は、エラストマー質のブーツ１２と、環状の保持
リング１６とを備えている。ブーツは、ほぼ杯状であ
り、軸線３４を持ち、この軸線に沿い空洞３６を備えて
いる。ブーツの基部部分２０の実質的に同軸の第１の穴
３８は、空洞に開口している。保持リング１６は、ブー
ツの第１の穴に実質的に同心であり、ブーツに基部部分
において固定されている。保持リングは、半径方向内方
に延びる複数の指状体４２を持つ。各指状体は、これを
貫く指状体穴４４を持ち、加わる軸線方向の力に応答し
て指状体４２の曲げ強さを低減する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、枢動継手に使うちりよ
けブーツ・アセンブリ（ｄｕｓｔ ｂｏｏｔａｓｓｅｍ
ｂｌｙ）の改良、ことにちりよけブーツ保持リングに関
する。

【０００２】

【発明の背景】ちりよけブーツ・アセンブリは一般に、
タイ・ロッド（ｔｉｅ ｒｏｄ）の端部のような部品内
のボ−ル継手アセンブリを保護作用を伴って密封するよ
うに車両懸架システム内に使われる。ちりよけブーツ・
アセンブリは、ボール継手内にグリースを含む潤滑剤を
保持し、又ボール継手を道路の汚れ及びその他の汚染物
から遮蔽することにより、このボール継手の汚染を防
ぐ。ブーツ・アセンブリは、保持リングによりタイ・ロ
ッドのような組合う部品に保持される。保持リングは、
ブ−ツの基部に配置され、この基部においてブ−ツの空
洞に対し開口を形成する。保持リングの一部を又は全体
をゴム製ブ−ツにより包囲することが多い。保持リング
は又一般的に、タイ・ロッドのハウジング面に係合する
のに適する半径方向内方に延びる複数の指状体又はタブ
を持つ。これ等の指状体の端部により形成する直径は、
各指状体に係合するハウジングの直径より小さい。各指
状体は、ハウジング上に押下げられるブ−ツに応答して
外方にそれる。各指状体とハウジングとの間のこのよう
にして生ずる係合により、タイ・ロッドの端部からのブ
−ツのはずれに抵抗する制動作用が生ずる。タイ・ロッ
ドの端部に対するブ−ツの取付けには、ハウジングに対
する所望の係合が生ずるように十分に強い軸線方向力又
は押下げ荷重を必要とする。

【０００３】この押下げ荷重は、取付け中にちりよけブ
−ツを損傷することが知られている。或場合には、エラ
ストマ−質のブ−ツ部分が保持リングから分離される。

【０００４】要するに従来の保持リング設計によればブ
−ツに対して高い取付け荷重を必要とし、取付け中にブ
−ツが傷つけられる可能性がある。

【０００５】

【発明の開示】継手アセンブリに使う前記したブ−ツ・
アセンブリはエラストマ−質のブ−ツ及び環状の形状の
保持リングを備えている。エラストマ−質のブ−ツは、
ほぼ杯状であり縦方向軸線を持ち、これに沿い空洞を備
える。ブ−ツの基部部分の実質的に同軸の第１の穴は前
記空洞内に開口している。保持リングは、ブ−ツの第１
の穴とほぼ同心でありブ−ツにその基部部分において接
着されている。保持リングは半径方向内方に延びる複数
の指状体を持つ。各指状体はこれを貫く指状体穴を持
つ。この穴によりリングに対する軸線方向の取付力に応
答して指状体の曲げ強さが低下し各指状体がハウジング
面に衝合する。

【０００６】各指状体及びこれを貫く穴は、ブ−ツ・ア
センブリを、タイ・ロッドの端部のハウジングに係合さ
せる軸線方向の押圧荷重が指状体穴を持たない普通の保
持リングの場合よりもかなり低くなるようにして形成し
てある。さらに各指状体穴によりブ−ツ及び保持リング
の間に向上した機械的接着が得られ、エラストマ−質材
料を保持リングの両側と共に各指状体穴内に配置する。
本発明の目的は以下の添付図面についての説明から明ら
かである。

【０００７】

【実施例】図１に例示したちりよけブ−ツ・アセンブリ
１０は、ブ−ツ又はブ−ツ・シ−ル１２、上部挿入体１
４及び保持リング１６を備えている。ちりよけブ−ツ・
アセンブリ１０は、タイ・ロッド端部継手１８のような
枢動継手アセンブリを密封し、タイ・ロッド端部継手１
８から汚染を除き、グリ−スのような潤滑剤継手アセン
ブリ内に保持する。取付けた位置ではちりよけブ−ツ・
アセンブリ１０は、タイ・ロッド端部継手１８のハウジ
ング２４の唇状部分２２に係合する基部部分２０を持
つ。ちりよけブ−ツ・アセンブリ１０は、実質的に杯状
で基部部分２０から上部部分２６に延びている。上部部
分２６は、ハウジング２４から穴３１を貫いて内部に延
びるボ−ル・スタッド（ｂａｌｌ ｓｔｕｄ）３０のテ
−パ付き柄部分２８又は枢動部材に対し密封する。ボ−
ル・スタッド３０のボ−ル部分３２は、タイ・ロッド端
部継手１８のハウジング２４内に配置してある。

【０００８】図２に示すようにちりよけブ−ツ・シ−ル
１２はこれを貫く縦方向中心軸線３４を持つ。ちりよけ
ブ−ツ・シ−ル１２は、軸線３４を中心とする杯状の空
洞３６を持つ。空洞３６は、ほぼ一定の厚さを持つたわ
み性の壁３７を持つブ−ツ・シ−ル１２を形成する。ブ
−ツ・シ−ル１２は、基部部分２０で空洞３６内に開口
しハウジング２４の唇状部分２２のまわりにはまる寸法
を持つ第１の穴３８を備える。ブ−ツ・シ−ル１２は、
第１の穴３８にほぼ同心でブ−ツ・アセンブリ１０の上
部部分２６で空洞３６内に開口する第２の穴４０を持
つ。第２の穴４０はテ−パ付きの柄部分２８を密封する
寸法を持つ。ブ−ツ・シ−ル１２はネオプレンのような
エラストマ−質材料で形成してある。

【０００９】ちりよけブ−ツ・アセンブリ１０の上部挿
入体１４はガラス充てんナイロンから形成する。上部挿
入体１４は、第２の穴４０の半径方向膨脹を制限するこ
とにより、テ−パ付きの柄部分２８とブ−ツ・シ−ル１
２との間に密封状態を保つのに役立つ。

【００１０】保持リング１６は、ＳＡＥ１０６５鋼のよ
うな金属で形成される。保持リング１６は図４に示すよ
うに、環状の形状を持つ。保持リング１６は実質的に扁
平である。保持リング１６は、基部部分２０においてブ
−ツ・シ−ル１２と接着され、第１の穴３８と実質的に
同心である。

【００１１】保持リング１６は、環状部分４３から半径
方向内方に延びる複数の指状体４２又はタブを持つ。各
指状体４２は、軸線３４に実質的に平行な方向に開口す
る指状体穴４４を持つ。エラストマ−質のブ−ツ・シ−
ル１２は指状体穴４４内に一部を配置してある。ブ−ツ
・シ−ル１２のネオプレン材料は、保持リング１６の第
１側部４６から穴４４を通って保持リング１６の第２側
部４８に移行し、保持リング１６とブ−ツ・シ−ル１２
との間に機械的接合部を形成する。

【００１２】指状体４２は、指状体に対する軸線方向の
力に応答して既知の穴なしの指状体より曲げ強さが低く
なるようにしてある。このようにして所定の直径を持つ
軸のまわりに取付けたときに得られる保持リング１６に
対し押圧荷重が低くなる。

【００１３】得られるちりよけブ−ツ・アセンブリ１０
は、比較的低い押圧荷重又は取付荷重を持ち、しかもは
ずれに対する適当に高い抵抗を持ち、保持リング１６の
接着にすぐれたブ−ツ・シ−ル１２が得られる。指状体
４２の先端により定まり３４．７７ｍｍ（１．３６９イ
ンチ）の公称値に等しい内径Ａを持つ試料を、３５．０
５ｍｍ（１．３８０インチ）のホロ−ミル（ｈｏｌｌｏ
ｗ ｍｉｌｌ）直径上にこの試料を押圧することにより
試験した。次いでこのブ−ツ・アセンブリをこのホロ−
ミルから引離した。このブ−ツ・シ−ルをそのままに残
し、保持リング１６に取付けて、このブ−ツ・アセンブ
リをホロ−ミルからはずすには５１５ニュ−トンの荷重
（１１６ ｌｂの力）が必要であった。第２の試験で
は、１．３９０インチのホロ−ミルに同様な寸法の保持
リングを押付けたブ−ツ・アセンブリをこのホロ−ミル
から９１９ニュ−トン（２０７ ｌｂの力）で引離し、
ブ−ツはそのままに残した。

【００１４】以上本発明を好適な実施例について述べ
た。しかし当業者には明らかなように本発明の範囲内で
若干の変型を行うことができる。たとえば図示の場合よ
り一層多いタブ又は指状体４２を設けることが望まし
い。又各指状体に複数個の穴を設けて、向上した機械的
接着強さに対する影響を最少にして指状体４２の曲げ強
さをわずかに増すのがよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】ボール継手及びちりよけブーツを備えたタイ・
ロッド端部の部分横断面図である。

【図２】図１のブーツ・アセンブリの拡大横断面図であ
る。

【図３】部分的に取付けた位置における図２のちりよけ
ブーツ・アセンブリの基部部分をさらに拡大して示す横
断面図である。

【図４】図１ないし３のちりよけブーツ・アセンブリの
保持リングの平面図である。

【図５】図４の保持リングの正面図である。

【符号の説明】

１０ ちりよけブーツ・アセンブリ １２ ブーツ １６ 保持リング １８ タイ・ロッド端部継手 ２０ 基部部分 ３４ 縦方向軸線 ３６ 空洞 ３８ 第１の穴 ４０ 第２の穴 ４２ 指状体 ４４ 指状体穴

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 継手アセンブリに使うブーツ・アセンブ
   リにおいて、 軸線を持ち、この軸線に沿い基部部分に実質的に同軸の
   第１の穴を持つ空洞を形成するほぼ杯状のエラストマー
   質のブーツと、 前記基部部分において前記ブーツに固定され、前記第１
   の穴に実質的に同心であり、指状体穴を内部に持つ半径
   方向内方に延びる複数の指状体を持つ環状の実質的に扁
   平な保持リングと、を備え、 前記指状体に対する軸線方向の力に応答して、前記指状
   体の曲げ強さを、前記指状体穴により低減するようにし
   て成るブ−ツ・アセンブリ。
2. 【請求項２】 前記各指状体の指状体穴が、前記軸線に
   実質的に平行な方向に開口している請求項１のブ−ツ・
   アセンブリ。
3. 【請求項３】 前記エラストマ−質のブ−ツを、前記指
   状体穴内に部分的に配置した請求項１のブ−ツ・アセン
   ブリ。
4. 【請求項４】 前記ブ−ツが、前記保持リングの第１の
   側から前記指状体穴を通って前記保持リングの第２の側
   に移行している請求項１のブ−ツ・アセンブリ。
5. 【請求項５】 エラストマ−質の密封ブ−ツに使用する
   保持リングにおいて、 実質的に扁平な環状部分と、 この環状部分に一体であり、それぞれ、内部に指状体穴
   を持ち、半径方向内方に延びる複数の指状体と、を備
   え、 前記扁平な環状部分に実質的に直交する方向に受ける力
   に応答して、前記指状体の曲げ強さを、前記指状体穴に
   より低減するようにして成る保持リング。
6. 【請求項６】 前記指状体の穴が、前記扁平な環状部分
   に実質的に直交する方向に開口している請求項５の保持
   リング。
7. 【請求項７】 内部の穴を取り囲む唇状部分を持つリン
   ク部材ハウジングと、 このリンク部材ハウジング内に回転できるように配置さ
   れ、前記穴を貫いて延びる柄部分を持つピボット部材
   と、 軸線を持ち、前記唇状部分を囲む基部部分において空洞
   内部に開口する実質的に同軸の第１の穴と、前記柄部分
   を取り囲む上部部分において空洞内部に開口する実質的
   に同軸の第２の穴とを持つ、実質的に同軸の空洞を、内
   部に形成するほぼ杯状のエラストマ−質のブ−ツと、 前記基部部分において前記ブーツに接着され、前記第１
   の穴とほぼ同心であり、指状体穴をそれぞれ持つ半径方
   向内方に延びる複数の指状体を持つ、環状の実質的に扁
   平な保持リングと、を備え、 前記指状体に対する軸線方向の力に応答して、前記指状
   体の曲げ強さを、前記指状体穴により低減するようにし
   て成る駆動継手アセンブリ。
8. 【請求項８】 前記指状体の指状体穴が、前記軸線に実
   質的に平行な方向に開口している請求項７の駆動継手ア
   センブリ。
9. 【請求項９】 前記エラストマー質のブーツを、前記指
   状体内に部分的に配置した請求項７の駆動継手アセンブ
   リ。
10. 【請求項１０】 前記ブーツが、前記保持リングの第１
    の側から前記指状体穴を通つて前記保持リングの第２の
    側に移行している請求項７の駆動継手アセンブリ。