JP2015148225A - 可変圧縮比エンジン用ブーツシール - Google Patents

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Abstract


【課題】 破れ及び皺のない内側層を有する可変圧縮比エンジン用のブーツシールを提供する。
【解決手段】 ブーツシール3は、シリンダ取付部32と、クランクケース取付部33と、これらの間を連結する連結部31とを有するブーツ本体30と、シリンダ取付部32及びクランクケース取付部33の少なくとも一方に配設され貫通穴34c、38cを有する剛性プレート34,38と、を備える。ブーツ本体は、ゴム材料を射出成形してなる外側層30bと、外側層よりも内側に配設されフッ素系ゴムからなる内側層30aとからなる。外側層の射出ゲート82c、82dは、外側層における剛性プレートに対向する部分に位置している。剛性プレートの少なくとも貫通穴を形成した部分の外面及び内面の双方が、射出ゲートから供給されたゴム材料により被覆されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、可変圧縮比エンジン用ブーツシールに関する。
車両の走行状態に応じて混合気の圧縮比を変化させる可変圧縮比エンジンが知られている。可変圧縮比エンジンによると、低負荷時に圧縮比を高くすることでトルクを引き出すことができ、高負荷時に圧縮比を低くすることでノッキングを抑制することができる。
エンジンの圧縮比を変化させる技術として、シリンダブロックとクランクケースとの少なくとも一方を移動させて両者の相対位置を変化させることで、ピストンの上下動に伴うシリンダ内の燃焼室の最大容積と最小容積の比率、即ち圧縮比を変化させている。
ここで、エンジン内のピストンとシリンダの隙間から燃焼室の混合気が漏出しクランクケース等に漏れ出す場合がある。漏出した混合気は、一般にブローバイガスと呼ばれ、未燃焼の燃料を含んでいる。ブローバイガスは、クランクケース内のクランクルームを通じて吸気管に還流される。
しかし、上記のようにシリンダブロックとクランクケースとの相対位置が変化すると、シリンダブロックとクランクケースとの間からブローバイガスやエンジンオイルなどがエンジン外部に流出し飛散して、エンジン周りを汚染したり、エンジン周りの金属部品を腐食させたりするなどの問題が生じる。
そこで、従来、特許文献1に開示されているように、ゴム2層構造を有する伸縮可能な筒状ブーツシールで、シリンダブロックとクランクケースとの間を覆うことが提案されている。このブーツシールは、外側層がエチレンアクリルゴムからなり、内側層がフッ素系ゴムからなる。耐熱性、耐油性及び耐薬品性に優れたフッ素系ゴムを内側層に用いることで、ブーツシールがブローバイガスに晒されてもブーツシールの劣化を防止できる。
しかしながら、低コスト化のために内側のフッ素系ゴム層を薄くしている。薄いフッ素系ゴムを成形型に入れて外側にエチレンアクリルゴムを射出成形すると、フッ素系ゴム層の射出ゲートに近い部分は射出圧が高く破れを生じやすく、フッ素系ゴム層における溶融材料が合流する部分は、皺が生じやすい。フッ素系ゴム層に破れが生じた場合には、破れた部分を通じて外側層のゴムにブローバイガスが接触して、外側層のゴムの耐久性を低下させることになる。
また、特許文献2には、2層構造のインストルメントパネルを射出成形で形成する方法が開示されている。成形型のキャビティに表皮を配置し、発泡樹脂を射出成形する。この特許文献2の技術でも、表皮に射出圧が加わり、特許文献1と同様に表皮に破れや皺が生じるおそれがある。
特開2012−202371号公報 特開平11−188757号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、破れ及び皺のない内側層を有する可変圧縮比エンジン用ブーツシールを提供することを課題とする。
(1)本発明の可変圧縮比エンジン用ブーツシールは、シリンダブロックとクランクケースとの相対位置を変化させて燃焼室の容積を変化させる可変圧縮比エンジンに取り付けられると共に前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間を覆う可変圧縮比エンジン用ブーツシールであって、前記シリンダブロックに固定されるシリンダ取付部と、前記クランクケースに固定されるクランクケース取付部と、前記シリンダ取付部と前記クランクケース取付部との間を連結する連結部とを有するブーツ本体と、前記シリンダ取付部及び前記クランクケース取付部の少なくとも一方に配設され貫通穴を有する剛性プレートと、を備えてなり、前記ブーツ本体は、ゴム材料を射出成形してなる外側層と、前記外側層よりも内側に配設されフッ素系ゴムからなる内側層とからなり、前記外側層の射出ゲートは、前記外側層における前記剛性プレートに対向する部分に位置しており、前記剛性プレートの少なくとも前記貫通穴を形成した部分の外面及び内面の双方が、前記射出ゲートから供給されたゴム材料により被覆されていることを特徴とする。
ブーツ本体の内面側は、フッ素系ゴムからなる内側層で形成されている。フッ素系ゴムは、耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れる材料である。このため、ブーツシールの内面が、ブローバイガスに晒されても、ブーツシールの劣化を抑制することができる。
ブーツ本体の外側層は、フッ素系ゴム以外の材質を用いている。ブーツシール全体でのフッ素系ゴムの使用量を少なくすることができ、ブーツシールのコストを低く維持することができる。
シリンダ取付部及びクランクケース取付部の少なくとも一方には剛性プレートが固定されている。シリンダ取付部及びクランクケース取付部の少なくとも一方に剛性プレートが固定されることで、シリンダ取付部及びクランクケース取付部の少なくとも一方は、高い剛性をもつことになり、シリンダブロック又は/及びクランクケースへの取り付け強度が高くなる。
外側層を形成するために、成形型のキャビティに予め内側層となるフッ素系ゴムを成形型のキャビティにインサートした状態で、射出ゲートからキャビティにゴム材料が供給される。外側層成形用の射出ゲートは、外側層における剛性プレートに対向する部分に位置している。外側層の射出成形の際に、射出ゲートから供給されたゴム材料は、剛性プレートに当たる。剛性プレートにゴム材料が当たることで、ゴム材料の射出圧が低減又は分散される。このため、内側層が外側層成形用のゴム材料から受ける射出圧が低減され、内側層のズレや破れを防止できる。
射出ゲートから供給されたゴム材料は、剛性プレートの貫通穴を通じて剛性プレートの貫通穴を形成した部分の外面及び内面の一方から他方に回り込む。ここで、シリンダ取付部及びクランクケース取付部の内面及び外面のうち内面は、ブーツシールの径方向内側に向く連結部の内周面に連続している面をいう。シリンダ取付部及びクランクケース取付部の外面は、シリンダ取付部及びクランクケース取付部の内面と反対側の面をいう。剛性プレートの内面は、連結部の内周面に連続しているシリンダ取付部又は/及びクランクケース取付部の内面に対向している面をいう。剛性プレートの外面は、シリンダ取付部又は/及びクランクケース取付部の外面に対向している面をいう。剛性プレートの内面及び外面は外側層により被覆されている。剛性プレートの内面は、外側層を挟んで、内側層に向いている。
剛性プレートの少なくとも貫通穴を形成した部分の外面及び内面の双方が、外側層を構成するゴム材料により被覆されている。剛性プレートに形成された貫通穴には、外側層を構成するゴム材料が入り込んでいる。このため、剛性プレートが、外側層に確実に固定される。内側層となるフッ素系ゴムは、剛性プレートの貫通穴を通じて剛性プレートの外面側から内面側に回り込んできたゴム材料により押さえ込まれる。このため、内側層は、射出の際の比較的早い段階でゴム材料により保持される。内側層がゴム材料の射出圧で移動することが抑えられる。
このように、剛性プレートでゴム材料の射出圧が軽減され、内側層が射出工程の比較的早い段階でゴム材料により保持される。このため、内側層に破れや皺が発生しにくくなる。
(2)前記射出ゲートは、前記外側層における前記剛性プレートの前記貫通穴が開口していない部分に形成されていることが好ましい。
射出ゲートから射出されたゴム材料は、剛性プレートに当たり、射出圧を低下させた上で、剛性プレートに沿って流れる。剛性プレートの貫通穴には、射出圧が低下されたゴム材料が進入する。ゴム材料は、貫通穴を通じて剛性プレートの内面と内側層との間の隙間に低圧で流れ込む。フッ素系ゴムは、ゴム材料の流動により位置ズレをすることがなく、また破れることもない。
(3)前記外側層における前記剛性プレートの前記貫通穴と対向する部分の内面は、前記内側層が対面していることが好ましい。
外側層の射出成形のときに、外側層を形成するゴム材料は、貫通穴を通じて剛性プレートの内面側に回り込む。貫通穴を通じて剛性プレートの内面側に回り込んだゴム材料は、内側層を成形型のキャビティを囲む型面に押さえ込む。内側層は、ゴム材料の流動により位置ズレをすることがない。
貫通穴に流れ込むゴム材料は、射出ゲートから供給されて剛性プレートに当たって射出圧が低減されている。貫通穴を通じて剛性プレートの内面側に回り込んだゴム材料は、比較的射出圧が小さく、フッ素系ゴムに破れを発生させることもない。
(4)前記剛性プレートの周縁部は、前記連結部に向けて屈曲された当て部が形成されており、前記外側層における前記当て部と対向する部分には前記射出ゲートが位置していることが好ましい。
射出ゲートから供給されたゴム材料は、剛性プレートの周縁部に形成された当て部に当たる。ゴム材料の一部は、剛性プレートに沿って流れてシリンダ取付部及びクランクケース取付部の少なくとも一方を形成する。ゴム材料の他の一部は、連結部に向けて流れる。当て部の連結部に対する向きや角度を調整することで、シリンダ取付部及びクランクケース取付部の少なくとも一方を形成する部分に流れるゴム材料の流量と、連結部を形成する部分に流れるゴム材料の流量を調整することができる。射出ゲートから供給されたゴム材料を、成形型のキャビティ全体にすばやく且つ均一に流すことができる。
(5)前記内側層は、前記フッ素系ゴムを射出成形してなることが好ましい。
例えば、特開2012−202371号公報に開示されているように、フッ素系ゴムからなるシートを型面に巻きつけることにより内側層を形成する場合には、シートの巻き始めと巻き終わりを重ねて内側層を形成する。この場合、重なり代が狭く、巻き始めと巻き終わりの間に隙間が生じるおそれがある。ブローバイガスが隙間から進入して外側層の劣化の原因となる。そこで、内側層を射出成形することにより、内側層を隙間のない薄膜状に形成することができる。ブローバイガスによる劣化を抑制でき、また、ブーツシールの低コスト化を図ることができる。
(6)前記内側層の内面は、凹凸部を有することが好ましい。内側層の凹凸部が成形型のキャビティの型面に嵌合するため、内側層の位置ズレを生じることを防止できる。内側層の皺や破れを確実に防止できる。
内側層に形成される凹凸部は、内側層を成形型の内面に保持し得るものであればその形状は問わないが、例えば、シボ面、ローレット加工により形成された凹凸部などが挙げられる。凹凸部の凹凸の深さが大きく、又は、凹凸のピッチが小さいほど、型面への嵌合が大きくなり、内側層の位置ズレの観点からは好ましいが、過剰に大きすぎると、離型性が悪化するおそれがある。このため、例えば、凹凸部の凹凸の深さ(凹凸の高さ方向の差異)は、0.01〜0.5mmであることが好ましい。凹凸部の凹凸のピッチは、0.1〜10mmであることがよい。
本発明においては、外側層の射出ゲートは、外側層における剛性プレートに対向する位置に形成されており、剛性プレートの少なくとも貫通穴を形成した部分の外面と内面とは外側層を構成するゴム材料で被覆されている。このため、破れ及び皺のない内側層を有する可変圧縮比エンジン用ブーツシールを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る、図2のA−A矢視線に沿って切断した、可変圧縮比エンジン用のブーツシールの断面図である。 第1の実施形態に係る、可変圧縮比エンジン用のブーツシールの斜視図である。 第1の成形型の断面図である。 上型を取り去った状態の、第1の成形型の平面説明図である。 第2の成形型の断面図である。 第2の成形型のシリンダ取付部を形成する部分の拡大断面図である。 第2の成形型のクランクケース取付部を形成する部分の拡大断面図である。 AEM材料の流れを説明するために、内芯に固定された剛性プレートの斜視図である。 変形例としての、内芯に固定された剛性プレートの斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る、可変圧縮比エンジン用のブーツシールの断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る、シリンダヘッドガスケットと一体に形成された可変圧縮比エンジン用のブーツシールの平面図である。 第3の実施形態に係る、図11のB方向から見た可変圧縮比エンジン用のブーツシールの側面図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。本実施形態に係る可変圧縮比エンジン用ブーツシールは、図1に示すように、シリンダブロック1とクランクケース2との相対位置を上下方向に変化させて圧縮比を変化させる可変圧縮比エンジンに設けられ、シリンダブロック1とクランクケース2との間の間隙10を覆うブーツシール3である。
シリンダブロック1は、略矩形状を呈しており、略箱形状のクランクケース2の中に配置されている。シリンダブロック1は、クランクケース2に対して上下方向に移動可能とされている。シリンダブロック1の外周面1cは、隙間10を介して、クランクケース2の内周面2cと対向している。この隙間10には、燃焼室から漏出したブローバイガスが流通している。
図1、図2に示すように、シリンダブロック1には、1つの円筒部1aが配設されている。円筒部1aは、シリンダを構成しており、ピストンが上下方向に移動可能に配置されている。円筒部1aの上部には、ピストンの頂面と後述のシリンダヘッド11の下面との間に燃焼室が形成されている。空気と燃料との混合気の圧縮、爆発、排出、吸気の燃焼サイクルが繰り返されることにより、燃焼室の容積の増減が繰り返される。ピストン上死点時と下死点時の燃焼室の容積の比率は、圧縮比といわれる。
クランクケース2は、略箱形状を呈しており、その内部のクランクルーム(図略)には、シリンダブロック1の下部が上下動可能に挿入されている。クランクケース2の上部は、シリンダブロック1を囲むように四角枠形状を呈している。クランクケース2のクランクルームには、円筒部1aの配設位置と対応する位置にピストンが配設されている。シリンダブロック1は、図略のカム軸などの移動手段によりクランクケース2に対して上下方向に移動される。クランクケース2に対するシリンダブロック1の移動量の幅は、例えば、0〜15mm程度である。シリンダブロック1がクランクケース2に対して上下方向に移動されると、これに伴い、シリンダブロック1の円筒部1aとピストンとシリンダヘッド11の下面との間に形成された燃焼室の圧縮比も変動される。燃焼室の圧縮比を増減させることで、エンジンにより生じる駆動トルクが調整される。
図1に示すように、シリンダブロック1の上部には、SUS(ステンレス)製のシリンダヘッドガスケット5を介設させて、シリンダヘッド11が配置されている。
シリンダヘッドガスケット5は、シリンダブロック1とシリンダヘッド11とで挟持されることで、シリンダブロック1とシリンダヘッド11との間をシールしている。シリンダヘッドガスケット5は、シリンダブロック1の平坦な上面と略同一寸法の矩形板状を呈している。シリンダヘッドガスケット5は、厚さ0.2〜0.3mmの外側メタルプレート51と、厚さ0.5〜0.7mmの中間メタルプレート52と、厚さ0.2〜0.3mmの内側メタルプレート53を、順に積層してかしめにより一体化されてなる。外側メタルプレート51、中間メタルプレート52及び内側メタルプレート53は、いずれもSUS(ステンレス)材料からなる。
図2に示すように、シリンダヘッドガスケット5は、シリンダブロック1の円筒部1aの数に対応する数のピストン用開口5aと、シリンダブロック1、ブーツシール3、及びシリンダヘッド11をボルトで固定するためのボルト穴5bと、エンジンの冷却系統のシリンダ周辺部材に対応する水穴5eと、潤滑系統のシリンダ周辺部材に対応するオイル穴5fとが形成されている。
図1、図2に示すように、外側メタルプレート51及び内側メタルプレート53の外周縁部、各ピストン用開口5aの周縁部、ボルト穴5bの周縁部、及び水穴5eの周縁部、及びオイル穴5fの周縁部には、それぞれ、リング状をなすシール凸部5cがプレス加工により形成されている。外側メタルプレート51に形成されたシール凸部5cは下方に突出し、内側メタルプレート53に形成されたシール凸部5cは上方に突出している。外側メタルプレート51に形成されたシール凸部5cと内側メタルプレート53に形成されたシール凸部5cとで、中間メタルプレート52を挟持することで、各シール凸部5cが上下方向に弾性変形して、シリンダブロック1とシリンダヘッド11との間が確実にシールされる。
ブーツシール3は、ブーツ本体30と、剛性プレート34,38とを備えている。ブーツ本体30は、矩形筒状をなすゴム2層成形体である。ブーツ本体30は、シリンダブロック1に固定されるシリンダ取付部32と、クランクケース2に固定されるクランクケース取付部33と、シリンダ取付部32とクランクケース取付部33との間を連結する連結部31とを有する。
連結部31は、軸方向(上下方向)の両端から中央に向けて径方向内側に縮径する形状をなし、軸方向に伸縮可能である。連結部31の軸方向の一端(上端)には、シリンダ取付部32が一体化されており、連結部31の軸方向の他端(下端)には、クランクケース取付部33が一体化されている。
シリンダ取付部32は、連結部31の上端に連結され、連結部31の上端から径方向内側に延設されている。クランクケース取付部33は、連結部31の下端に連結され、連結部31の下端から径方向外側に延設されている。
ブーツ本体30は、外側層30bと、外側層30bよりも内面側に配設された内側層30aとからなる。
ブーツ本体30の連結部31、シリンダ取付部32、及びクランクケース取付部33の外側は、外側層30bにより形成されている。ブーツ本体30の連結部31、シリンダ取付部32、及びクランクケース取付部33の内側は、内側層30aにより形成されている。
外側層30bは、ゴム材料からなり、本実施形態ではエチレンアクリルゴム(AEM)を用いる。外側層30bをAEMで構成したが、これに限定されず、ACM(アクリルゴム)、シリコーンゴムなどのゴムや、熱可塑性エラストマーを用いても良い。
内側層30aは、フッ素系ゴムからなる。フッ素系ゴムとしては、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)、テトラフルオロエチレン-プロピレン系ゴム(FEPM)、テトラフルオロエチレン-パープルオロビニルエーテル系ゴム(FFKM)、又はこれらの共重合体の中から選択して用いることができる。これらの中でも、フッ化ビニリデン系ゴム(FKM)がよい。本実施形態においては、内側層30aとして、フッ素系ゴムの中のFKMを用いる。内側層30aは、シリンダ取付部32、クランクケース取付部33、及び連結部33の外側層30bの内面側の全体を被覆している。内側層30aの厚みは、シリンダ取付部32、クランクケース取付部33、及び連結部31において、0.5mmである。
剛性プレート34,38は、それぞれブーツ本体30のシリンダ取付部32、クランクケース取付部33に埋設されている。シリンダ取付部32に埋設されている剛性プレート34は、厚さ0.5〜0.7mmのSUS製のメタルプレートであり、矩形リング形状を呈している。剛性プレート34の外面(上面)34x及び内面(下面)34yは、幅14〜16mmにわたって、ブーツ本体30のシリンダ取付部32の外側層30bにより被覆されている。剛性プレート34の外面(上面)34xを被覆する外側層30bの厚みは2〜5mmである。剛性プレート34の内面(下面)34yを被覆する外側層30bの厚みは2〜5mmである。剛性プレート34の内側周縁部は、シリンダ取付部32の外側層30bから内側に突出して、シリンダヘッドガスケット5の外側周縁部に近接して配置されている。剛性プレート34の外側周縁部は、下方に90°屈曲させた当て部34dを有する。剛性プレート34の中央近傍の平面部には、上下方向に貫通した複数個の貫通穴34cが全周にわたって形成されている。
クランクケース取付部33に埋設されている剛性プレート38は、厚さ4〜10mmのアルミニウム製のメタルプレートであり、矩形リング形状を呈している。剛性プレート38の外面(上面)38x及び内面(下面)38yは、幅8〜30mmにわたって、ブーツ本体30のクランクケース取付部33の外側層30bにより被覆されている。剛性プレート38の外面(上面)38xを被覆する外側層30bの厚みは1.5mmである。剛性プレート38の内面(下面)38yを被覆する外側層30bの厚みは1mmである。剛性プレート38の内側周縁部は、クランクケース取付部33の外側層30bの内周部に位置している。剛性プレート38の外側周縁部は、クランクケース取付部33の外側層30bの外周部から外側に突出している。剛性プレート38の外側周縁部は、周方向に間隙的に締結用のボルト穴38aが形成されている。ボルト29をボルト穴38a及びクランクケース2に形成されたネジ部に締め付けることで、ブーツシール3がクランクケース2に固定されている。
本実施形態のブーツシール3の製造方法を説明する。図3に示すように、内芯71、外型72、上型73、及び下型74とからなる第1の成形型7を準備する。内芯71、外型72,上型73、及び下型74は、それぞれブーツ本体30の内側層30aの内面形状、外面形状、上面形状、下面形状に対応する形状の型面71a、72a、73a、74aをもつ。型面71a、72a、73a、74aにより囲まれた空間は、内側層30aの形状に相応した形状をもつキャビティ70である。内芯71の型面71a及び下型74の型面74aのうち連結部31を形成する部分には、シボ加工、ローレット加工などにより形成された凹凸部71b、74bを有する。凹凸部71b、74bの深さは0.05mmであり、ピッチは5mmである。
図4に示すように、外型72は、内側層30aの周方向に複数に分割されていて、閉型したときに内側層30aの外面形状に対応する型面72aを形成する。複数の外型72の型割面72bは、矩形筒状の内側層30aの各辺の中央近傍に位置している。各型割面72bには、図4のX印に示す位置に、それぞれ射出ゲート72c、72dが配設されている。射出ゲート72cは、キャビティ70のシリンダ取付部32を成形する部分に位置し、射出ゲート72dはキャビティ70のクランクケース取付部33を成形する部分に位置している。
図3、図4に示すように、射出ゲート72c、72dからキャビティ70に、内側層30aの材料である未加硫のFKM材料を供給する。FKM材料は、キャビティ70の全体に充填されて内側層30aが形成される。内側層30aにおける、中芯71及び下型74の凹凸部71b、74bと対向する部分には、深さ及びピッチを同じくする凹凸部71b、74bと相応した形状の凹凸部30dが形成される。キャビティ70内の内側層30aを構成するFKM材料を、成形型7の全体の熱で加硫させる。
内側層30aが半加硫状態で成形型7を型開きする。上型73を取り去り、外型72を径方向外側に向けて後退させる。内芯71の上部に設けたフック穴71eに図略の吊り上げ具を係止させて、内側層とともに内芯71を吊り上げ、第2の成形型8に移動する。
図5に示すように、第2の成形型8は、第1の成形型7で用いた内芯71と、外型82と、上型83と、下型84とを備えている。内芯71、外型82,上型83、及び下型84は、それぞれブーツシール3の内面形状、外面形状、上面形状、下面形状に対応する形状の型面71a、82a、83a、84aをもつ。型面71a、82a、83a、84aにより囲まれた空間は、ブーツシール3の形状に相応した形状をもつキャビティ80である。
第2の成形型8の外型82は、図4に示す第1の成形型7の外型72と同様に、キャビティ80の周方向に複数に分割されている。第2の成形型8の外型82は、閉型したときにブーツシールの外面形状に対応する型面82aを有する。図4、図8に示すように、複数の外型82の型割面82bは、矩形筒状の外側層30bの各辺の中央近傍に位置している。型割面82bには、それぞれ射出ゲート82c、82dが配設されている。図5に示すように、射出ゲート82cは、キャビティ80におけるシリンダ取付部32を成形する部分に位置し、射出ゲート82dはキャビティ80におけるクランクケース取付部33を成形する部分に位置している。
内芯71を下型84に固定した後に、キャビティ80を囲む型面71a、82a、83a、84aに剛性プレート34,38を固定する。剛性プレート34は、キャビティ80におけるシリンダ取付部32を成形する部分に位置させ、剛性プレート38は、キャビティ80におけるクランクケース取付部33を成形する部分に位置させる。
内芯71に対して外型82及び上型83を型締めする。射出ゲート82c、82dから未加硫のAEM材料を射出する。図5、図6に示すように、射出ゲート82cから供給されたAEM材料は、キャビティ80に供給されて、まず、剛性プレート34の当て部34dの射出ゲート82cに対向する対向部34fに当たる。AEM材料は、対向部34fから、当て部34dの周方向、上方向、及び下方向に向けて流れる。当て部34dの上方向に流れたAEM材料は、剛性プレート34の外面34xに沿って平面方向に流動し、その一部が剛性プレート34の貫通穴34cを通じて内面34y側に回り込む。貫通穴34cを通じて剛性プレート34の内面34y側に回り込んだAEM材料は、剛性プレート34の内面34yに沿って流れ、キャビティ80のシリンダ取付部32を形成する部分に充満する。これにより、キャビティ80のシリンダ取付部32を形成する部分に短時間でAEM材料が充満される。また、当て部34dの下方向に流れるAEMは、キャビティ80の連結部31を形成する部分に流れ込む。
また、図5、図7に示すように、射出ゲート82dからキャビティ80に供給されたAEM材料は、剛性プレート38の外面38xに当たり、流れ方向が変えられて、剛性プレート38の外面38xに沿って平面方向に流れる。剛性プレート38の外面38xを流れる途中でその一部が貫通穴38cに入り、内面38y側に回り込む。AEM材料は、剛性プレート38の外面38xと内面38yの双方に素早く広範囲に流れ、キャビティ80のクランクケース取付部33を形成する部分に短時間でAEM材料が充満される。これにより、キャビティ80のクランクケース取付部33を形成する部分に短時間でAEM材料が充満される。また、AEM材料の一部は、剛性プレート38の平面方向を径方向内側に流れ、キャビティ80の連結部31を形成する部分に流れ込み、他方の剛性プレート34の当て部34dの下方向に流れるAEM材料と合流し、連結部31を成形する。
キャビティ80全体にAEM材料を充満させた後に、AEM材料を金型8の温度で加硫させて外側層30bを形成する。上型83を取り去り、外型82を外方向にスライドさせ、内芯71を下型84から取り外す。内芯71の型面71aに保持されているブーツシール3を内芯71から取り去る。以上により、ブーツシール3を得る。
図1に示すように、ブーツシール3は、上述した可変圧縮比エンジンに取り付けられる筒状のシール部材である。ブーツシール3は、軸方向の中心に向けて縮径していて、軸方向に伸縮可能である。このため、ブーツシール3は、シリンダブロック1とクランクケース2との相対移動に追従して変形し、シリンダブロック1とクランクケース2との間を気密にシールすることができる。
ブーツ本体30の内面側は、フッ素系ゴムからなる内側層30aで形成されている。フッ素系ゴムは、耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れる材料である。このため、ブーツシール3の内側面が、ブローバイガスに晒されても、ブーツシール3の劣化を抑制することができる。
また、ブーツ本体30の外側層30bは、フッ素系ゴム以外の安価な材質(AEM材料)を用いている。このため、ブーツシール3全体でのフッ素系ゴムの使用量を少なくすることができ、ブーツシール3のコストを低く維持することができる。
シリンダ取付部32及びクランクケース取付部33には剛性プレート34,38が配設されている。剛性プレート34,38が配設されたシリンダ取付部32及びクランクケース取付部33の剛性が高くなり、シリンダブロック1やクランクケース2への取り付け強度が高くなる。
また、剛性プレート34,38に形成された貫通穴34c、38cには、外側層30bを構成するAEM材料が入り込んでいる。貫通穴34c、38cに入り込んだAEM材料のアンカー効果により、剛性プレート34,38が、外側層30bに確実に固定される。
図5、図6に示すように、外側層30bを形成するために、成形型8のキャビティ80に予め内側層30aをインサートして、外側層30b成形用の射出ゲート82c、82dからAEM材料が供給される。この射出ゲート82c、82dは、外側層30b成形用のキャビティ80における剛性プレート34,38に対向する位置に形成されている。外側層30bの射出成形の際に、射出ゲート82c、82dからキャビティ80に供給されたAEM材料は、剛性プレート34,38の射出ゲート82c、82dと対向する対向部34f、38fに当たる。剛性プレート34,38の対向部34f、38fにAEM材料が当たることで、AEM材料の射出圧が低減又は分散される。キャビティ80にインサートされた内側層30aが、AEM材料から受ける射出圧は、低減される。内側層30aの位置ズレや破れを防止できる。
射出ゲート82c、82dから供給されたAEM材料は、剛性プレート34,38の貫通穴34c、38cを通じて外面34x、38xから内面34y、38yに回り込む。これにより、剛性プレート34,38の少なくとも貫通穴34c、38cを形成した部分の外面34x、38x及び内面34y、38yの双方が、AEM材料により被覆される。外側層30bにおける貫通穴34c、38cと対向する部分の内面は、内側層30aが対面している。内側層30aは、剛性プレート34,38の貫通穴34c、38cから回り込んできたAEM材料により押さえ込まれる。このため、内側層30aは、外側層の射出の際の比較的早い段階でAEM材料により保持される。内側層30aが外側層用のAEM材料の射出圧で位置ズレすることが抑えられる。
射出ゲート82c、82dは、剛性プレート34,38の外面34x、38xに対面させて、貫通穴34c、38cと対向する対向部34f、38fを避けた位置に形成されている。このため、射出ゲート82c、82dから射出されたAEM材料は、剛性プレート34,38の外面34x、38xに当たり、剛性プレート34,38の外面34x、38xに沿って流れる。剛性プレート34,38の貫通穴34c、38cには、射出圧を低下された状態でAEM材料が進入する。AEM材料は、貫通穴34c、38cを通じて剛性プレート34、38の内面と内側層30aとの間の隙間に低圧で流れ込む。内側層30aは、AEM材料の流動により位置ズレをすることがなく、また破れることもない。
ここで、図6に示すように、貫通穴34c、38cは、剛性プレート34,38の周方向に間隙的に複数配置されている。隣り合う貫通穴34c、38cのピッチは、いずれも同じであるが、射出ゲート82c、82dに近い近傍部分34g、38gでは大きく、射出ゲート82c、82dから遠い遠方部分34h、38h(例えばコーナー部近傍)は小さくしてもよい。遠方部分34h、38hでのAEM材料の流速は、近傍部分34g、38gよりも遅いため、遠方部分34h、38hに小ピッチの貫通穴34c、38cを配置することで、剛性プレート34,38の遠方部分34h、38hでのAEM材料の外面34x、38xと内面34y、38yとの間の回り込みを迅速に行うことができる。このため、遠方部分34h、38hを含めて、シリンダ取付部32及びクランクケース取付部33の全体を確実に成形することができる。遠方部分34h、38hで、フッ素系ゴムの溶融材料が合流する。遠方部分34h、38hでの溶融材料の回り込みが比較的速く、皺の発生を抑制できる。また、射出ゲート82c、82dに近い近傍部分34g、38gでは貫通穴34c、38cの大きさを小さく、遠方部分34h、38hでは貫通穴34c、38cの大きさを大きくすることによっても、同様の効果が得られる。
剛性プレート38に形成された貫通穴38cは、外面38x近傍が拡径されていて、内面38y近傍よりも広く開口している。外面38xからのAEM材料の進入が促進され、剛性プレート38の内面38yと内側層30aとの間の、約1mm程度と非常に狭い隙間にも、AEM材料を素早く回り込ませることができる。
貫通穴34c、38cを通じて剛性プレート34,38の内面34y、38y側に回り込んだAEM材料は、内側層30aを内芯71の型面71aに押さえ込む。内側層30aは、AEM材料の流動により位置ズレをすることがない。
シリンダ取付部32に固定された剛性プレート34の外周縁部は、連結部31に向けて屈曲された当て部34dが形成されている。外側層30bにおける当て部34dと対向する対向部34fには射出ゲート82cが配置される。射出ゲート82cから供給されたAEM材料は、剛性プレート34の外周縁部に形成された当て部34dに当たる。AEM材料の一部は、剛性プレート34に沿って流れてシリンダ取付部32を形成する。AEM材料の他の一部は、連結部31に向けて流れる。当て部34dの連結部31に対する向きや角度を調整することで、キャビティ80のシリンダ取付部32を形成する部分に流れるAEM材料の流量と、連結部31を形成する部分に流れるAEM材料の流量を調整することができる。射出ゲート82cから供給されたAEM材料を、キャビティ80全体にすばやく且つ均一に流すことができる。
内側層30bを射出成形することにより、薄く、且つ隙間のない膜状に形成することができる。ブーツシール3のブローバイガスによる劣化を抑制でき、また、ブーツシール3の低コスト化を図ることができる。
内側層30aを成形する際に、内芯71の型面71aは凹凸部71bを有する。内側層30aの内面には、凹凸部71bに相応する凹凸部30dが形成される。内側層30aを第2の成形型8のキャビティ80にインサートし、AEM材料を射出したとき、内側層30aの凹凸部30dは、内芯71の型面71aに対する位置ズレを防ぐ。このため、内側層30aの皺や破れを確実に防止できる。
本実施形態では、第2の成形型8の下型84の連結部31を形成する部分の型面84aには凹凸部は形成されていない。しかし、下型84の連結部31を形成する部分の型面84aに接している内側層30aの内面には凹凸面30dが形成されている。このため、AEM材料の流動による内側層30aの位置ズレを防止できる。なお、第2の成形型8の下型84の連結部31を形成する部分の型面84aには、凹凸部を形成してもよい。
または、内側層形成用の第1の成形型7の内芯71及び下型74の型面71a、74aに凹凸部を形成しないで、外側層形成用の第2の成形型8の下型74の型面74aに凹凸部を形成してもよい。この場合、内側層30aの内面には凹凸部は形成されないが、内側層30aの内面に接する外型84の型面84aの凹凸部との嵌合により、内側層30aの位置ズレを防止できる。
本例においては、図8に示すように、剛性プレート34,38の遠方部分34h、38hでのAEM材料の回り込みを迅速に行うため、遠方部分34h、38hの貫通穴34c、38cのピッチを近傍部分34g、38gよりも狭くした。しかし、図9に示すように、遠方部分34h、38hの貫通穴34c、38cの径を近傍部分34g、38gの貫通穴34c、38cの径よりも大きくしてもよい。
(第2の実施形態)
本実施形態のブーツシールは、図10に示すように、シリンダ取付部32に固定された剛性プレート34がシリンダヘッドガスケット5に一体に形成されている。シリンダヘッドガスケット5は、外側メタルプレート51、中間メタルプレート52及び内側メタルプレート53を積層した3層構造からなる。このうちの中間メタルプレート52の外周縁部の延長部分として、シリンダ取付部32の剛性プレート34が一体に形成されている。その他は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態においても、外側層30bの射出ゲート82c、82dは、外側層30bにおける剛性プレート34,38に対向する位置に形成されている。剛性プレート34,38に形成された貫通穴34c、38cを通じて、AEM材料が、剛性プレート34,38の外面34x、38xと内面34y、38yとに行き渡ることで、剛性プレート34,38の外面34x、38xと内面34y、38yは外側層30bにより被覆されている。このため、破れ及び皺のない内側層30aを有する可変圧縮比エンジン用のブーツシール3を提供することができる。
(第3の実施形態)
本実施形態のブーツシールは、図11、図12に示すように、4気筒エンジンに取り付けられている。エンジンのシリンダブロックには、4つの円筒部が直列に配設されている。エンジンの上部を覆うシリンダヘッドガスケット5は、シリンダブロックの円筒部の数に対応する数のピストン用開口5aと、シリンダブロック、ブーツシール3、及びシリンダヘッドをボルトで固定するためのボルト穴5bと、エンジンの冷却系統のシリンダ周辺部材に対応する水穴5eと、潤滑系統のシリンダ周辺部材に対応するオイル穴5fとを有する。
シリンダヘッドガスケット5は、外側メタルプレート51、中間メタルプレート52及び図略の内側メタルプレートを積層した3層構造からなる。このうちの中間メタルプレート52の外周縁部の延長部分として、シリンダ取付部32の図略の剛性プレートが一体に形成されている。第3の実施形態のその他の点は、第2の実施形態と同様である。
上記実施形態では、シリンダ取付部32及びクランクケース取付部33の双方に剛性プレート34,38を配設しているが、シリンダ取付部32のみに剛性プレート34を配設してもよいし、又はクランクケース取付部33のみに剛性プレート38を配設してもよい。
シリンダ取付部32及びクランクケース取付部33の双方に剛性プレート34,38を配設する場合にも、上記実施形態のように、双方の剛性プレートに貫通穴を形成してもよいが、一方の剛性プレートにのみ貫通穴を形成してもよい。
1:シリンダブロック、2:クランクケース、3:ブーツシール、5:シリンダヘッドガスケット、7:第1の成形型、8:第2の成形型、10:隙間、11:シリンダヘッド、30:ブーツ本体、30a;内側層、30b:外側層、31:連結部、32:シリンダ取付部、33:クランクケース取付部、34,38:剛性プレート、34c,38c:貫通穴、34d:当て部、34f、38f:対向部、34x、38x:外面、34y、38y:内面、71:内芯、71a:型面、71b:凹凸部、72,82:外型、72c,72d,82c,82d:射出ゲート、73,83:上型、74,84:下型。

Claims (6)

  1. シリンダブロックとクランクケースとの相対位置を変化させて燃焼室の容積を変化させる可変圧縮比エンジンに取り付けられると共に前記シリンダブロックと前記クランクケースとの間を覆う可変圧縮比エンジン用ブーツシールであって、
    前記シリンダブロックに固定されるシリンダ取付部と、前記クランクケースに固定されるクランクケース取付部と、前記シリンダ取付部と前記クランクケース取付部との間を連結する連結部とを有するブーツ本体と、
    前記シリンダ取付部及び前記クランクケース取付部の少なくとも一方に配設され貫通穴を有する剛性プレートと、を備えてなり、
    前記ブーツ本体は、ゴム材料を射出成形してなる外側層と、前記外側層よりも内側に配設されフッ素系ゴムからなる内側層とからなり、
    前記外側層の射出ゲートは、前記外側層における前記剛性プレートに対向する部分に位置しており、
    前記剛性プレートの少なくとも前記貫通穴を形成した部分の外面及び内面の双方が、前記射出ゲートから供給されたゴム材料により被覆されていることを特徴とする可変圧縮比エンジン用ブーツシール。
  2. 前記射出ゲートは、前記外側層における前記剛性プレートの前記貫通穴が開口していない部分に形成されている請求項1記載の可変圧縮比エンジン用ブーツシール。
  3. 前記外側層における前記剛性プレートの前記貫通穴と対向する部分の内面は、前記内側層が対面している請求項1又は2に記載の可変圧縮比エンジン用ブーツシール。
  4. 前記剛性プレートの周縁部は、前記連結部に向けて屈曲された当て部が形成されており、前記外側層における前記当て部と対向する部分には前記射出ゲートが位置している請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン用ブーツシール。
  5. 前記内側層は、前記フッ素系ゴムを射出成形してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン用ブーツシール。
  6. 前記内側層の内面は、凹凸部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の可変圧縮比エンジン用ブーツシール。
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