JP2005214369A - ガスケットのシール構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】鋼板製芯金に、繊維材入りゴム材で成るコンパウンド層がコーティングされた複合基材製のインテークマニホールドガスケット等に、形状や大きさや適用箇所の制約を受けず、設計自由度の高いビードを構成する。
【解決手段】鋼板製芯金3と、ゴムに繊維材が含まれたコンパウンド材を芯金3の表裏両面にコーティングして形成されたコンパウンド層2とから成る複合基材fで構成されて、互いに面当接状態で連結される第1部材と第2部材との間に介装されるガスケットのシール構造において、複合基材fに形成される吸気用孔4の周縁部におけるコンパウンド層2を圧縮することで、表裏の両面に薄肉段差環mを形成し、取付基部6aを介し吸気用孔4の内周及び両薄肉段差環mを覆う状態でゴム材製のシールリング6を固着するとともに、そのシールリング6には、コンパウンド層2よりも厚み方向で突出するビード部13が表裏に形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリンダヘッドとインテークマニホールドとの間に介装されるインテークマニホールドガスケットや、オートマチック・トランス・ミッションケースを構成するミッションブロック間に介装されるガスケット等におけるシール構造に係り、詳しくは、鋼板製芯金と、ゴム又は合成樹脂によるコンパウンド材を前記芯金の表裏両面にコーティングして形成されたコンパウンド層とから成る複合基材で構成されて、互いに面当接状態で連結される第1部材と第2部材との間に介装されるガスケットのシール構造に関するものである。
この種のガスケットの材料としては、ゴム又は合成樹脂によるコンパウンド材を、板状の芯金の表面にコーティングして構成されたものがあり、このような複合基材によるガスケットは、例えば特許文献1において開示されている。このものでは、石綿以外の圧縮性無機繊維等から成る基材繊維、ゴム材、及び無機装入材等を含有したコンパウンド材によるコンパウンド層が形成されており、鋼板製の芯金のみによる基材から成るガスケットに比べて、必要な強度や剛性を有しながらシール性能が向上する利点を有している。
また、シリンダブロックとシリンダヘッドとの間に介装されるシリンダヘッドガスケットにおいて、より優れた気密性を得たい場合には、その対象となる孔(冷却媒体の流通孔等)の周りに、ゴム材による肉盛りされた突条(凸条)であるゴムビードを形成するのが有効であることが知られている。そこで、芯金の両側にコンパウンド層を有する複合基材でガスケットを構成させる技術と、ガスケットにおける孔の周りにゴム製のビード部を設けて、孔に対するシール性をより向上させる技術とを合体させて、よりシール性に優れるガスケットを作成することが考えられた。
その場合に参考となる技術として、幾つかの手段が候補に挙げられた。即ち、1)種々のガスケットにおいて、孔の周りにOリングを設ける手段である。そして、シリンダヘッドガスケット等において、燃焼室を形成するためのボア孔や冷却媒体流通孔の周囲にビード部を形成する手段として、2)複合基材の孔に臨む端面に、ビード部を有した環状のゴム材を接着(焼付け)する手段、3)ガスケットを構成する金属板の孔に臨む端部を薄肉化し、その薄肉化された箇所の表裏の夫々にゴム製のビード部を固着させる手段もある。前記3)の手段としては、特許文献2に開示されたシリンダヘッドガスケットや、金属板ではないが、特許文献3に開示された燃料電池用のガスケット(カーボンプレート用)が知られている。
特公平6−84785号公報 実開平7−10622号公報 特開2002−260692号公報
しかしながら、前記1)の手段では、Oリングと接触する被シール部分の夫々に各別に環状の溝を形成する必要がある。前記2)の手段では、ゴム材料と複合基材との接着面積が狭くなり、一体化強度を確保できない。そして、前記3)の手段ではコストが高い、といった具合に、いずれの手段でも無視できない欠点があり、さらなる改善の余地が残されていた。また、芯金の表裏の両側に、ゴム等による弾性材層を貼着させて成る3枚構造の複合基材によるガスケットもあるが、これもコスト高となって実現性に乏しい。
因みに、特許文献2のものでは、金属板に直接段差加工を施す必要があるため、コスト高になるだけでなく、ゴム材料であるグロメットの接着保持性を確保するために、金属板に多数の切欠き部を形成する必要もあり、構造が複雑化するものであった。また、特許文献3のものでは、カーボンプレートから成るセパレータにガスケットを接着剤を用いずに組付けるために、セパレータの表裏に溝を形成する必要があり、加工が難しい上に、固着強度は不十分となり易いものであった。
これらの実情に鑑みて、本発明の目的は、ゴム又は合成樹脂によるコンパウンド材が芯金にコーティングされた複合基材で構成されるガスケットにおいて、構造の複雑化や複合基材との固着強度不足、並びにコスト高になる等の問題がないようにしながら、孔の周囲にゴム製のビード部を設けるシール構造を提供する点にある。
請求項1の構成は、鋼板製芯金と、ゴム又は合成樹脂によるコンパウンド材を前記芯金の表裏両面にコーティングして形成されたコンパウンド層とから成る複合基材で構成されて、互いに面当接状態で連結される第1部材と第2部材との間に介装されるガスケットのシール構造において、
取付基部を介し前記複合基材に形成される孔の周縁部における前記コンパウンド層をその他の部分よりも薄くして、前記複合基材の表裏両面夫々に薄肉段差環を形成し、
前記孔の内周及び両前記薄肉段差環を覆う状態でゴム材製のシールリングを固着するとともに、そのシールリングには、前記コンパウンド層よりも厚み方向で突出するビード部が形成されていることを特徴とする。
請求項2の構成は、請求項1において、前記コンパウンド材は、ゴムに繊維材が混入されて成る複合材料であり、前記薄肉段差環は、前記コンパウンド層を厚み方向に圧縮することによって形成されていることを特徴とする。
請求項3の構成は、請求項1又は2において、
前記シールリングにおける前記ビード部の外周側には、厚みが前記複合基材よりも薄い薄肉部が形成されていることを特徴とする。
請求項4の構成は、請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記薄肉段差環を含む前記シールリングの前記取付基部の厚みが、前記複合基材の厚みに等しく形成されていることを特徴とする。
請求項5の構成は、請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記第1部材がシリンダヘッドで、かつ、前記第2部材がインテークマニホールドであり、前記孔が前記シリンダヘッドの吸気経路の開口に対応した吸気用孔であることを特徴とする。
請求項6の構成は、請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記第1部材がインテークマニホールドで、かつ、前記第2部材がサージタンクであり、前記孔が前記インテークマニホールドの吸気経路の開口に対応した吸気用孔であることを特徴とする。
請求項7の構成は、請求項5または6において、
前記シールリングの内周側には、金属製の保護リングが装備されていることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、コンパウンド層とゴム製のシールリングとの形成は各別のものとなり、実現が困難なコンパウンド層とビードとの同時一体形成を行う必要がなく、ビードの設定形状も無理無く円滑に成形することが可能になるとともに、ビード部の形状や寸法を自由に設定することができる。シールリングは、取付基部を介しコンパウンド層の薄肉段差環、及び孔の内周を覆うので、材料であるゴムは、薄肉段差環の縦横の面と芯金の端面とに三次元的に接することになり、これら両者を各別のものとしながらも、簡単に剥離することなく強度十分に固着一体化させることが可能になる。コンパウンド材とシールリングとは互いに同質であり、接着等による固着強度に優れるようになる。
孔の内周を覆う形状のシールリングは、部品として見た場合には単一の部品となるから、例えば、孔の外周側に若干離れた箇所における表裏の両コンパウンド層に溝を形成し、これら溝にゴム製の環状ビードを計2個形成する手段に比べて、部品点数の削減化やそれによるコストダウンも可能になる。また、シールリング自体が孔を形成する部分となるので、第1部材と第2部材との間で締付け装着されたときに、圧縮されるビード部が内周側に(孔側に)向かって円滑に横流れ移動できるので、締付に伴うシールリングの変形がスムーズに行われ、この点からも良好なシール性が得易い。
その結果、シールリングと複合基材との固着強度が十分に取れ、構造の簡単化が図られ、かつ、コストも高くならないようにしながら、芯金の両側にコンパウンド層を有する複合基材を用いることでシール性を向上させる技術と、ガスケットにおける孔の周りにゴム製のビード部を設けて、孔に対するシール性を向上させる技術とを合体させることができ、よりシール性に優れるガスケットのシール構造を提供することができる。
請求項2の構成によれば、薄肉段差環はコンパウンド層を圧縮するという後加工で形成するものであるから、コンパウンド層の成形時には薄肉段差環を考慮する必要は無く、コンパウンド材を芯金にコーティングしてのコンパウンド層の形成自体は、特別な処理無く従来通りに行うことができるとともに、薄肉段差環の形状や大きさ等の設計変更が自在に行い易い(例えば、幅狭や枝分かれ等の複雑な形状のビード部の形成が可能)。加えて、金型で押える等、切削加工等の他の加工手段に比べて、薄肉段差環の加工コストを廉価なものにすることが可能になる。また、射出成形によってシールリングを形成する場合には、コンパウンド層の繊維材やそれによる微細な隙間にゴム材料が奥深く入り込み、コンパウンド層とシールリングとの一体化強度がより一層強固なものとなる利点がある。
圧縮による薄肉段差環の形成は、ゴムに繊維材が混入されたコンパウンド材の持つ特性、即ち、圧縮状態の保持性が向上している点を活かしたものである。つまり、このような複合材料によるコンパウンド材は、圧縮によって塑性変形できる性質があるので、コンパウンド層を厚み方向に金型等によって圧縮することで、容易に薄肉段差環を形成することができるとともに、その薄肉段差環の形状を金型の離型後も維持できる。
請求項3の構成によれば、シールリングにおけるビード部の外周側に、厚みが複合基材よりも薄い薄肉部が形成されているので、第1部材と第2部材間での締付け装着時におけるビード部の外周側への横流れ移動も可能となり、シールリングの変形がより円滑に行われて、良好なシール性がより一層得易くなるという利点がある。
請求項4の構成によれば、薄肉段差環を含むシールリングの取付基部の厚みが複合基材の厚みに等しいので、ビード部の存在によるシール性の向上効果を有効に発揮させることができるとともに、その形成も容易である。また、そのフラットな面よりもビード部が突出しているので、フラットな面がストッパとして機能し、ガスケットを装着しての締め付け時におけるシールリングの過圧縮が防止される利点もある。
請求項5ある或いは請求項6のように、本発明によるガスケットのシール構造は、インテークマニホールドガスケット或いはサージタンクガスケットとして有意義に使用することができるとともに、熱的や化学的にゴム製のシールリングでは厳しいような場合には、請求項7のように、金属製の保護リングをシールリングの内周側に装着すれば好都合である。
以下、本発明によるガスケットのシール構造の実施形態を、シリンダヘッドとインテークマニホールドとの間に介装されるインテークマニホールドガスケットの場合について、図面に基づいて説明する。図1と図2は、インテークマニホールドガスケットの部分平面図と断面図、図3は段差の成形工程図、図4はシールリングの成形工程図、図5は加硫処理の工程図、図6と図7は複合基材の成形工程図である。図8は保護リング付きの場合の断面図であり、図9は保護リングの断面形状の別例を示す部分斜視図である。
図1、図2には、エンジンにおけるシリンダヘッドとインテークマニホールドとの間に介装されるインテークマニホールドガスケット1が示されている。このインテークマニホールドガスケット1は、SPCC(冷間圧延鋼板)等の鋼板製の芯金3と、補強材としての繊維材がゴムに混入された複合材料で形成されたコンパウンド材を、芯金3の表裏両面にコーティングして成るコンパウンド層2とから成る複合基材fを用いて形成されたガスケット、いわゆる両面型のラバーコートメタルガスケットに構成されている。
繊維材としては、ガラス繊維、セラミック繊維、岩綿、鉱滓綿、溶解石英繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融硅酸アルミナ繊維、アルミナ連続繊維、安定化ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、チタン酸アルカリ繊維、ウィスカー、炭素繊維、金属繊維、ボロン繊維等の無機繊維を用いることができる。また、芳香族ポリアミド繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ尿素系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロカーボン系繊維、フェノール繊維、セルロース系繊維等の有機繊維を用いることもできる。また、芯金3としては、前記SPCCの他、SPHC等の圧延鋼板、アルミニウム板、ステンレス鋼板等の種々のものが使用できる。
そして、ゴム(ゴム材料)としては、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、フッ素ゴム(FPM)、シリコーンゴム(Si)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢ビゴム(EVA)、塩化ポリエチレン(CPE)、塩化ブチルゴム(CIR)、エピクロルヒドリンゴム(ECO)、ニトリロイソプレンゴム(NIR)、天然ゴム(NR)等を用いることができる。また、これらのゴム材、例えばSBRにナフテン系のプロセス油が添加された油展ゴムを用いることもできる。
このように、石綿以外の圧縮性無機繊維等から成る基材繊維、ゴム材、及び無機装入材等を含有した複合材料によるコンパウンド材を、板状の芯金の表面にコーティングして構成された複合基材を用いたガスケットは、単にゴム材を芯金にコーティングして成るガスケットに比べて、シリンダヘッドとインテークマニホールドとの間に締付け装着された場合のトルクダウンが少ない、コーティング層が芯金から剥離し難い、耐熱温度が高い等の利点を有している。
ここで、図1及び図2に示されるインテークマニホールドガスケット1となる複合基材fの製造方法について簡単に説明しておく。複合基材fは、図6に示すように、上下の回転ロール31,32を用いた圧延ロール工法が用いられる。即ち、上下のロール31,32間に芯金3を挟み、各ロール31,32と芯金3との間に流動状態のコンパウンド材20を送り込みながら各ロール31,32を回転駆動させることにより、各ロール31,32の回転方向下手側に、芯金3の両面に所定厚みのコンパウンド材20が芯金3の両面にコーティングされてコンパウンド層2となる複合基材fに成形されて送り出されてくる。この時点で、加硫(加熱)処理してコンパウンド層2を安定化させても良い。
そして、ロール成形された板材状の複合基材fを取り出して、板状に伸展させてから、図7に示すように、打ち抜きプレス成形並びに各孔加工用のプレス成形を行い、ボア用孔4’等の孔が開けられて所定形状に加工されたインテークマニホールドガスケット1用の複合基材fを得るのである。
図1、図2に示すインテークマニホールドガスケット1において、4はシリンダヘッド(及びインテークマニホールド)の吸気経路の開口に対応した吸気用孔、5はボルト用孔であり、特に高い気密性が要求される吸気用孔4の周縁部(即ち、図示しないシリンダヘッドに形成されたシリンダボアの周辺対応位置)については、吸気用孔4を囲繞するシールリング6が、表裏の両コンパウンド層2に形成された薄肉段差環m(後述)を覆う状態で一体的に装備されている。
即ち、実施例1によるインテークマニホールドガスケット1においては、鋼板製芯金3と表裏のコンパウンド層2とから成る複合基材fで構成されて、互いに面当接状態で連結されるシリンダヘッド(第1部材の一例であり、図示省略)とインテークマニホールド(第2部材の一例であり、図示省略)との間に介装されるインテークマニホールドガスケット1のシール構造において、複合基材fに形成される吸気用孔4の周縁部におけるコンパウンド層2を厚み方向に圧縮することにより、複合基材fの表裏両面夫々に薄肉段差環mを形成し、吸気用孔4の内周及び表裏の両薄肉段差環mを覆う状態でゴム材製のシールリング6を固着するとともに、そのシールリング6の表裏の両側には、コンパウンド層2よりも厚み方向で突出するビード部13が形成されている。
シールリング6は、平面視が環状(図1参照)であり、図2に示すように、その断面形状は、表裏のコンパウンド層2に形成された薄肉段差環mを覆う表裏の取付基部6aと、表裏に前記ビード部13が形成されたシール本体部6bと、これら取付基部6aとシール本体部6bとの間に形成された薄肉部6cとを有したものに設定されている。薄肉段差環mは、吸気用孔4を形成すべく複合基材fに形成される吸気基礎孔4’の周辺部における表裏のコンパウンド層2を、後述のように金型を用いて圧縮成形することで形成された環状の凹みに形成されている。薄肉段差環mを含むシールリングの厚み、即ち取付基部6aの厚みは、複合基材fの厚みに等しく形成されている。
シールリング6は、段差形成工程と射出工程とによって形成される。段差形成工程は、図3(a)、(b)、(c)に示すように、複合基材fにおけるシリンダボア周辺対応位置のコンパウンド層2を圧縮して環状の段差、即ち薄肉段差環mを形成する工程である。即ち、段差形成工程においては、芯金3の両面にコンパウンド層2がフラットにコーティングされた状態において、図3(a)に示すように、上下のプレス型7の間に複合基材fをセットする。上下の各プレス型7には、段差形成用の環状突出部7Aが設けてある。
次に、図3(b)に示すように、上下のプレス型7を互いに接近する方向に上下移動させて段差形状の各環状突出部7Aを表裏のコンパウンド層2に食い込ませて圧縮させ、図3(c)に示すように、上下対称の各プレス型7を離型させると、所定の深さを有した薄肉段差環mを、表裏の両コンパウンド層2に形成することができる。
この圧縮による段差形成は、ゴムに繊維材が混入されたコンパウンド材の持つ特性、即ち、圧縮状態の保持性が向上している点を活かしたものである。コンパウンド材は、圧縮によって塑性変形できる性質があるので、コンパウンド層を厚み方向に金型で圧縮させて薄肉段差環mを形成すれば、その薄肉段差環mは金型の離型後も維持できるのである。
射出工程は、図4に示すように、上下の成形金型8を用い、未加硫のゴム材料を射出成形によって上下の金型によって形成される空間部s、及び両溝mに装入させる工程である。即ち、図4(a)に示すように、使用する上下の成形金型8は上下対称の形状であり、その構造を上成形金型8で説明する。図4に示すように、上成形金型8には、薄肉段差環mに対応させた位置及びその内径側の位置において、最外周側の環状突出型部9と、その内周側の環状凹入型部10と、最内周側の環状又は円形の壁部11とが形成されている。
環状突出型部9は、基準プレス面12よりも複合基材f側(図4では下方)に張り出しており、その断面形状はほぼ半円形とされており、複合基材fの吸気基礎孔4’よりもやや内径側に寄った位置において、ほぼ薄肉段差環mの厚さレベルまで突出するものに形成されている。そして、基準プレス面12よりも反複合基材f側(図4では上方)に凹入した環状凹入型部10は、頂部が円弧状に凹入する形状に設定されている。尚、壁部11は型成形時に、ゴム材料を流し込む空間部sを構成するためのものであり、下成形金型8と面当接するよう形成されている。
射出工程におけるシールリング6の形成手順は次のようである。まず、図4(a)に示すように、表裏の夫々に薄肉段差環mが形成された複合基材fを、上下の成形金型8,8間に用意する。次いで、図4(b)に示すように、上下の成形金型8,8を互いに接近移動させて、それらの基準プレス面12がコンパウンド層2の外表面2aに軽く接触する限度位置まで強制移動させる。環状突出型部9は、薄肉段差環mの少し内径側に位置し、上下の金型8と複合基材fとにより、ゴム材を射出する箇所である環状で閉鎖された空間部sを構成している。
そして、加熱された上下金型8の空間部sに、未加硫のゴム材料30を射出して装入させるのであり、その後に図4(c)に示すように、上下の成形金型8を離型させて、空間部sに射出されたゴム材料30により、取付基部6a、上下のビード部13を有するシール本体部6b、及び薄肉部6cとから成るシールリング6が、複合基材fの吸気基礎孔4’部位に一体形成される。これにより、加硫または半加硫のインテークマニホールドガスケット1が形成される。
半加硫の場合は、その後、図5(a)に示すように、型から取出されたインテークマニホールドガスケット1を、加硫釜16に入れる等して二次加硫処理を行い、ゴム材料30並びにコンパウンド層2を加硫させて形状及び組成を安定させる。このようにして、コンパウンド層2の端部(吸気用孔4に臨む端部)を圧縮させて薄肉段差環mを形成し、表裏の薄肉段差環m及び吸気基礎孔4’の内周を覆う状態に射出成形によってゴム材料30を装入することにより、吸気用孔4を構成するシールリング6を有するインテークマニホールドガスケット1[図5(b)及び図1参照]を得るのである。
シールリング6は、図5に示す加硫処理の際に、両コンパウンド層2及び芯金3に熱によって強固に接着(加硫接着又は焼付け接着と言われる)される。しかも、コンパウンド層2に形成された薄肉段差環mによって広い接着面積が取れており、非常に強固に複合基材fに一体化されている。尚、薄肉段差環m等に予め接着剤を塗布した状態で加硫処理し、より一層強固に接着(固着)させても良い。
尚、このような金型による一体成形ではなく、別途に形成された所定形状のシールリング6を、複合基材fの吸気基礎孔4’に嵌め込んで接着する手段でも良い。そして、この場合に、未加硫のシールリングを複合基材に嵌め込んでから加硫処理し、これら両者を強固に加硫接着させるようにしても良い。
実施例1によるガスケットのシール構造では、ビード部13を有したシールリング6の複合基材fへの取付部が、繊維材を含んだゴム材とゴム材という類似の材料であるため、接着性が良く、強固に固着一体化することができる。ゴム材のみから成るシールリング6によって良好なシール性が得られるとともに、吸気用孔4側に開放的に形成されているので、締付力に対して好適なビード部となるべく、ゴム材の横流れが容易であり、この点からも良好なシール性が確保される。
吸気用孔4を形成するシールリング6におけるビード部13の外周側に薄肉部6cを設けてあるので、突出したビード部13が内外に横流れ可能であり、締付装着後には圧縮されるシールリング6がフラット(均一な厚み)になるよう構成されている。故に、ビード部13での優れたシール性が如何なく発揮されるとともに、複合基材fとの取付け部(薄肉段差環m)の形成もフラットとなって容易化されている(コンパウンド層を圧縮するだけで良い)。
また、実施例1によるガスケットのシール構造では、シールリング6は、吸気基礎孔4’と、表裏の薄肉段差環mの側壁部との計三箇所において複合基材fに対する外径側への移動を止めるストッパ部が存在しており、シリンダボアでの爆発燃焼による高圧にも十分に耐え、良好に位置保持される。加えて、部品数が少なくコスト安であり、かつ、構造も段差加工も単純になるものでありながら、良好なシール性が得られるという優れたガスケットが実現できている。
実施例2によるインテークマニホールドガスケット1は、図8に示すように、シールリング6の内周側に、金属板製の保護リング14が装備されたものである。それ以外は、実施例1によるインテークマニホールドガスケット1と同じであり、対応する箇所には同じ符号を記すものとする。保護リング14の厚み方向幅は、インテークマニホールドガスケット1の(複合基材fの)標準厚みよりも若干広いものに設定されており、シリンダヘッドとインテークマニホールドとの間に締付状態で組付けられた状態ではやや圧縮変形され、隙間なくシリンダヘッドとインテークマニホールドとに当接する。この場合、吸気用孔4は、保護リング14の内周部分に形成される。
つまり、保護リング14の付設は、使用状況等によってシールリング6のゴム材料が熱的、化学的に厳しい場合に有効であり、シールリング6の、即ちインテークマニホールドガスケット1の耐久性やシール性の向上が可能になる。尚、保護リング14の断面形状としては、図9(a)に示す略横倒しM形状のものや、図9(b)に示す略コ字形状のもの、或いは、図9(c)に示す略逆横倒しM形状のもの等、種々の形状が可能である。これらいずれの場合でも、締付装着時におけるビード部13の圧縮に伴うゴム材の横流れ移動を容易化すべく、シールリング6との間に隙間空間aを形成しておけば好都合である。
本発明によるシール構造は、前述したインテークマニホールドガスケットの他、自動車の内燃機関におけるウォータポンプ、サージタンク、スロットルボディ、オイルパン等において使用されるガスケットに適用可能であり、また、シリンダヘッドガスケットにおける冷却媒体(水、油等)流通用孔の部分に適用することも可能である。本発明によるシール構造では、ガスケットのシール性を向上させることができるので、例えば、サージタンクがマグネシウム合金等の比較的強度の弱い材料から構成されて、シール性を確保すべくサージタンク固定用の取付ボルトの締付けトルクをあまり強く設定できないサージタンクガスケット等にも、特に有効である。
本発明のインテークマニホールドガスケットの一例を示す部分平面図(実施例1) 図1におけるイ−イ線断面図 薄肉段差環の形成工程を示し、(a)はプレス型による薄肉段差環の加工直前の断面図、(b)は上下のプレス型で薄肉段差環を圧縮形成している断面図、(c)はプレス型が離型された状態のインテークマニホールドガスケットの部分側面図 射出工程を示し、(a)は成形金型のセット直前の断面図、(b)は射出成形状態を示す断面図、(c)は成形金型が離型された状態のインテークマニホールドガスケットの部分側面図 (a)は加硫工程を示す図、(b)はビードが形成されたインテークマニホールドガスケットの全体斜視図 複合基材の製造方法を示す原理図 成形された複合基材からインテークマニホールドガスケット形状を打抜く作用図 保護リング付きインテークマニホールドガスケットの部分平面図(実施例2) (a)〜(c)は、保護リングの別断面形状を示す部分斜視図
符号の説明
1 インテークマニホールドガスケット
2 コンパウンド層
3 芯金
4 孔(吸気用孔)
6 シールリング
6a 取付基部
6c 薄肉部
13 ビード部
14 保護リング
f 複合基材
m 薄肉段差環

Claims (7)

  1. 鋼板製芯金と、ゴム又は合成樹脂によるコンパウンド材を前記芯金の表裏両面にコーティングして形成されたコンパウンド層とから成る複合基材で構成されて、互いに面当接状態で連結される第1部材と第2部材との間に介装されるガスケットのシール構造であって、
    前記複合基材に形成される孔の周縁部における前記コンパウンド層をその他の部分よりも薄くして、前記複合基材の表裏両面夫々に薄肉段差環を形成し、
    取付基部を介し前記孔の内周及び両前記薄肉段差環を覆う状態でゴム材製のシールリングを固着するとともに、そのシールリングには、前記コンパウンド層よりも厚み方向で突出するビード部が形成されているガスケットのシール構造。
  2. 請求項1において、
    前記コンパウンド材は、ゴムに繊維材が混入されて成る複合材料であり、前記薄肉段差環は、前記コンパウンド層を厚み方向に圧縮することによって形成されているガスケットのシール構造。
  3. 請求項1又は2において、
    前記シールリングにおける前記ビード部の外周側には、厚みが前記複合基材よりも薄い薄肉部が形成されているガスケットのシール構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記薄肉段差環を含む前記シールリングの前記取付基部の厚みが、前記複合基材の厚みに等しく形成されているガスケットのシール構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記第1部材がシリンダヘッドで、かつ、前記第2部材がインテークマニホールドであり、前記孔が前記シリンダヘッドの吸気経路の開口に対応した吸気用孔であるガスケットのシール構造。
  6. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記第1部材がインテークマニホールドで、かつ、前記第2部材がサージタンクであり、前記孔が前記インテークマニホールドの吸気経路の開口に対応した吸気用孔であるガスケットのシール構造。
  7. 請求項5または6において、
    前記シールリングの内周側には、金属製の保護リングが装備されているガスケットのシール構造。
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