JPH0235069Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ラジユエータやオイルクーラの如き
車両の補機類の防振支持構造に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来のオイルクーラやラジユエータ等の補機類
のフレームへの支持は、フレーム側にブラケツト
を突設し、これに取付支軸が水平を向くように
し、補機類側から起設、或いは垂下したステイに
縦断側面Ｈ型のゴム等からなるグロメツトを嵌着
して支軸に嵌合し、ボルト・ナツト等で締結して
防振支持しているが、かかる構造ではグロメツト
の小径部のみで補機の荷重を支えるため面圧が高
くなり、振動吸収機能が十分でないこと、耐久性
に劣る等の不具合がある。

（考案が解決しようとする問題点） そこでゴムのグロメツトを縦・横に配設し、こ
れらをサブステイにフレーム側のブラケツト、補
機側のブラケツトを介して支持せしめるようにす
ることも試みられるが、これによるとフレーム
側、補機側のブラケツト類の他にサブステイを必
要とし、且つサブステイにフレーム側、補機側の
ブラケツトをゴムグロメツトを介して取り付ける
締着具を２セツト必要とし、部品点数が多くな
り、又組付工数も多くなる。

本考案は以上の問題を解決すべくなされたもの
で、その目的とする処は補機を上下、前後、左右
に防振支持し、防振効果が高く、且つ取付支持も
簡素に構成できる車両の補機類の防振支持構造を
提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 以上の問題を解決するための手段は、オイルク
ーラやラジユエータ等の補機に逆凹型の支持ステ
イを設け、車体側に設けたブラケツトの上面に下
方への荷重を支持する第１の防振弾性体を設けて
前記支持ステイの頂片を支持するとともに、前記
支持ステイの一方の縦片に設けた取付孔を縦断側
面略Ｈ型の第２の防振弾性体からなるグロメツト
を嵌装係止し、該グロメツトを介してブラケツト
の縦面に該支持ステイをボルト・ナツトで結合す
るようにしたことである。

（上記手段による作用） 上記手段によれば、第１の防振弾性体で補機の
荷重を防振支持し、第２の防振弾性体であるグロ
メツトで前後、左右の運動を防振支持し、補機側
の車体側への取付支持は１セツトのボルト・ナツ
トで足りる。

（実施例） 次に本考案の好適一実施例を添付図面に従つて
説明する。

第１図は車両の一例として不整地走行用の四輪
バギー車を示し、フレーム１の前後左右に車輪
２，２，３，３を備え、フレーム中間部にはエン
ジン４を搭載し、フレームはカバー５で覆われて
後部に鞍乗り型のシート６を備え、前部にはバー
式のハンドル７を備える。

実施例は補機としてオイルクーラ８を取付支持
する例を示し、フレーム１の左右の前上部のメン
バ１０１，１０１間にオイルクーラ８を取付支持
する。

メンバ１０１，１０１上にはブラケツト９を対
称位置に起設し、ブラケツト９は第２図、第３図
の如く中空箱状としてメンバに溶接し、ブラケツ
ト９の上面９０１上にゴム等からなる第１の防振
弾性体を係着、接着剤等で固着し、該弾性体１０
は上面に左右方向に長い凹凸１０ａ，１０ｂ…を
複数形成して、上下方向の振動吸収機能を高め、
ブラケツト９の前面９０２には前後方向への取付
孔９０３を設け、これの裏側にナツト１１を溶接
する。オイルクーラ８の頂部には両側に延びるス
テイ部８０１を設け、ステイ部８０１の端部は側
断面逆凹型とし、頂片８０２、長い前片８０３、
短い後片８０４を備え、前片８０３には孔８０５
を備える。

かかる前片８０３の孔８０５には縦断側面Ｈ型
のゴム等からなる第２の防振弾性体であるグロメ
ツト１２を嵌合する。グロメツト１２は前後の大
径部１２１，１２２間の小径環状溝１２３が孔８
０５に臨み、溝１２３は孔８０５に遊合し、大径
部１２１，１２２の端面には実施例では前後方向
への防振効果を高めるべく切溝１２４…が形成さ
れている。

以上のステイ部８０１をブラケツト９上からか
ぶせ、頂片８０２を弾性体１０上に載せ、後片８
０４はこれの後面に臨み、前片８０３はブラケツ
ト９の前片９０２前方に臨みグロメツト１２の後
部大径部１２２後端面を前面９０２に当て、一
方、グロメツト１２の内径部１２５にフランジ付
カラー１３の筒部１３１を通し、フランジ部１３
２をグロメツト１２の前部大径部１２１前端部に
当て、カラー１３にボルト１４の軸部１４１を通
し、孔８０５を通してナツト１１に螺合せしめ
る。かくしてブラケツト９にステイ部８０１はこ
の例では１セツトのボルト・ナツトで結合される
こととなる。

以上において、ステイ部８０１の支持孔８０５
は遊合孔とし、オイルクーラ８の荷重は第１の防
振弾性体１０で支持し、グロメツト１２には該荷
重は作用せず、上下方向の振動は該弾性体により
吸収され、一方、前後方向の振動及び左右方向の
振動はグロメツト１２で吸収され、かかる振動の
みをグロメツト１２で負担する。従つてオイルク
ーラ８は全方向を防振支持されることとなる。

（考案の効果） 以上で明らかな如く本考案によれば、オイルク
ーラ等の荷重の支持を弾性的に上下方向として防
振支持し、且つ前後左右方向の振動を専用のグロ
メツトで支持するようにしたため、全方向の防振
支持を行え、効果的な防振を行えるとともに、結
合はグロメツト側の１個所で足りるためボルト・
ナツトも１セツトで足り、更にステイを弾性体上
に載せるだけのため全方向の防振支持を実現しつ
つ中間のステイ類を必要とせず、部品点数が少な
く、構造も簡素であり、補機組付性の点でも簡易
である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は車両の外観側面図、第２図は防振支持構造の分
解斜視図、第３図は組付状態の縦断面図である。 尚、図面中１０１は車体、８は補機、８０１は
ステイ、８０３は縦片、９はブラケツト、９０２
は縦面、１０は第１の防振弾性体、１０ａ，１０
ｂは凹凸、１２はグロメツト、１１，１４はボル
ト・ナツトである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ オイルクーラやラジユエータ等の補機に逆凹
   型の支持ステイを設け、車体側に設けたブラケ
   ツトの上面に下方への荷重を支持する第１の防
   振弾性体を設けて前記支持ステイの頂片を支持
   するとともに、前記支持ステイの一方の縦片に
   設けた取付孔に縦断側面略Ｈ型の第２の防振弾
   性体からなるグロメツトを嵌装係止し、該グロ
   メツトを介してブラケツトの縦面に該支持ステ
   イをボルト・ナツトで結合するようにしたこと
   を特徴とする車両の補機類の防振支持構造。 ２ 前記第１の防振弾性体の上面に凹凸を設けた
   前記実用新案登録請求の範囲第１項の車両の補
   機類の防振支持構造。