JPH0233859A - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池

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JPH0233859A
JPH0233859A JP63182670A JP18267088A JPH0233859A JP H0233859 A JPH0233859 A JP H0233859A JP 63182670 A JP63182670 A JP 63182670A JP 18267088 A JP18267088 A JP 18267088A JP H0233859 A JPH0233859 A JP H0233859A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は鉛蓄電池に関するものである。
従来技術とその問題点 周知の如く、鉛蓄電池の容量は、正・負両極活物質及び
電解液中の硫酸量によって規制されている。
一定体積又は一定重量の鉛蓄電池において、その活物質
利用率を向上させるには、該活物質量を減じて硫酸量を
増加させるか、より高濃度の硫醗電解液を用いなければ
ならない。しかしながら、正極活物質の利用率を上げる
ことは、活物質の軟化、脱落を早めるだけでなく、格子
腐蝕をも加速する。このために得られた電池のサイクル
及びフロート寿命性能が著しく短かくなるという欠点が
ある。
一方、負極活物質の利用率を上げると、活物質のサル7
エーシ曹ンに対する抵抗性が低くなり、その寿命が短か
くなるという欠点を有す。
高濃度の硫酸電解液を用いると、電池の体積効率及びr
XN効率を向上させることが可能である。
しかし、これは正極板に対する影響は小さいが、高濃度
の硫Wk電解液は、負極活物質のサル7エーシツンを促
進するため、やはり短寿命の電池になるという欠点があ
る。
鉛蓄電池に用いられる極板は、ペースト式とクラッド式
に大別できる。何れの極板を用いた場合でも、未化成活
物質を活性化させる化成工程では多大の電気量と時間を
要していた。実際、この化成工程の余分な過剰の電気量
は特に正極活物質を活性化するためには、必要であり通
常、理論的には必要な電気量の2〜4倍も通電している
。これは正極活物質である二酸化鉛の電子伝導性が低く
、且つ活物質粒子間の電子伝導性は、粒子間の接触によ
ってのみ維持されていることに起因すると考えられる。
即ち、正極板の化成時には、まず集電体に接触している
粒子が酸化されて二酸化鉛になる。次にこの二酸化鉛に
接触している粒子が化成されるということを繰返して化
成極板になる。従って、集電体から遠く離れた粒子は、
化成工程の終期にやっと化成されることになる。このこ
とは、化成工程中で見ると、化成電流の活物質粒子に対
する密度は、初期は高く、終期は低くなっている。全体
として化成電流の効率を一層低いものにしていその酸化
が進んでいることにより、必要な電気量が少なくなって
いるにすぎない。このようにしたとしても、尚集電体近
傍から化成が始まり、全体として化成電気量の効率が低
くなることには変わりがない。鉛丹は、高価であり、化
成電気量を滅することができるというメリットよりも価
格が高くなるというデリメットの方が大きい0 正極活物質内にグラファイトを混ぜ、その層間に電解液
を保持させて、正極の孔容積を多くし、容置を増加させ
ることがU S P 4,631,241号に提案され
ている。グラファイトは、電子伝導性があるので、活物
質粒子間を電子伝導的に接続することが可能である。し
かしながらニーに示されているグラファイトは粒子径が
540 pmと大きく、活物質粒子間を接続するために
は、あまりにも数が少ない。単位体積当りの活物質粒子
の数は、比表面積、孔径分布、等から正極の場合、lX
10’  〜lX10”’個、負極の場合、1×109
〜lX10”個であると推定される。これに対して、こ
の340μmの大きさのグラファイトを1%添加した時
、グラファイト粒子の数は、500〜1000個程度に
すぎず、この数はグラファイトに活物質粒子間の電子伝
導的な接続を期待するには余りにも少ない量である。
活物質粒子間或いは、活物質粒子と格子間の結合を良く
するために、活物質内にカーざン線維又は電子伝導性繊
維を存在せしめることが特開昭61−128466号公
報、特開昭54−10574号公報、特開昭58−57
264号公報に提案されている。又、特開昭49−10
3135号公報にはカーボンの繊維又は鉛等の金属ホイ
スカーを存在させることが提案されている。こ−で提案
されているカーボン繊維は、特開昭54−105741
号公報に「径0.01〜1.OMjと記載されているよ
うに、直径が10〜1000μmのものであり、直径が
大きく表面積が小さいために本発明者等の試験によれば
活物質粒子との接触数が少なく、カーボンの持つ特徴を
最大限に発揮し、伝導性を飛躍的に向上させることがで
きなかった。
特開昭49−103t35号公報には、このようなカー
ボン繊維の他に「鉛等の金属ホイスカー」を存在させる
ことが示されている。しかし、「鉛等の金属ホイスカー
」が、どのようにして得られるもので、どのような特性
、寸法、形態を有するのか為明示がなされてなく、それ
に相当するものを入手できないのでその効果を本発明者
等は、確認できない。
本発明者等がビビリ振動法によって得られる2mに切断
した直径30μmの鉛繊維を活物質に混入せしめたとこ
ろでは、活物質の密度が高くなり、接触密度が向上して
いると思われたにも拘らず、活物質の利用率や充電受入
性が改善されることはなかった。
又、特開昭61−45565号公報には「ポリオレフィ
ン系或はゲリエステル系合成樹脂にカーボン粉末或は耐
酸性金属粉末を混合せしめてなる」 「直径が1〜10
μmである導電性合成樹脂繊維」を活物質に混入せしめ
ることが示されている。しかしながら、このようにして
得られる導電性合成樹脂繊維は活物質の補強くは十分で
あっても、その粒子間の電子伝導性を向上せしめるには
繊維自身の電導性が不充分であり、且つ1〜10μmの
繊維を混入せしめることは1活物質の見掛密度の低下を
招くので、そこに記載されているような「Pb−Ca系
合金製格子の活物質と格子体との密着性の向上と・・・
・・・バリヤー層の形成阻止」の機能は確認できながっ
た。
又、負極の充電受入れ性を改善するために、カーボンブ
ラックを入れることが広く行なわれている。この場合、
カーざンブラックは主に充電終期電圧を下げる。即ち、
負極の水素過電圧を小さくすることによって、充電終期
に流れる電流を増加させている。カーボンブラックは、
前記のグラファイトに比べると大変小さな粒径である。
従って、0.2wt%も添加すれば活物質の個女の粒子
と接触するのに充分な数になる。
しかしながら、この場合カーボンブラックは長さを有し
ていないので、活物質粒子間に単に存在する役割りしか
ない。即ち、何十あるいは何百個という活物質粒子を互
に並列に接続することは決してできていない。カーボン
ブラックの添加による負極の充電受入れ性の改善は、充
電終期電圧を下げることによって、充電々流を増加させ
ているのであって、個々の活物質粒子に電流が流れ易く
なっているのではない。このことは、充電終期には、正
極にも大きな電流が流れることを意味しており、過充電
々気量の増加によって正極格子の腐蝕を加速することか
ら、寿命性能上も好ましい方法とは云えない。このよう
に負極にカーボンブラックを添加することは、充電受入
れ性の本質的な改善にはなっていないのである。
発明の目的 本発明は、上記従来の問題点を解消するものであり、そ
の目的とするところは、 ■ 正・負両極活物質の利用率を向上させ、従来よりも
高い重量効率と体積効率を有する、■ 正・負両極活物
質の充電受入れ性(充電効率)を改善し、長寿命サイク
ル及び70−ト寿命性能を有する、 ■ サル7エーシ冒ンに対する抵抗性を改善し、より高
濃度の硫酸電解液の使用を可能とし、これにより寿命を
犠牲にすることなく、大巾に利用率を向上せしめた、 ■ 正極板の化成に要する電気量を大巾に削減した、 ■ 廉価な、 鉛蓄電池を提供することである。
発明の構成 本発明は正極板が純鉛又は鉛合金を含む集電体と、これ
に密接した二酸化鉛を主成分とする正極活物質とで構成
され、負極板が純鉛又は鉛合金を含む集電体とこれに密
接したスゲンジ状金属鉛を主成分とする負極活物質とで
構成されている鉛蓄電池において、正・負両極活物質の
内、少なくとも一方の活物質中に電子伝導性を有するウ
ィスカーを配し、活物質粒子間及び/又は活物質粒子と
集電体間を電子伝導的に接続したことを特徴とする鉛蓄
電池である。
尚、前記のウィスカーとして、カーボンライ7、 カー
 及U クラ7アイト化されたグラファイトウィスカー
やチタン酸ウィスカーが適している。
その添加量は、活物質重量に対し0.01〜10wt%
が良く、より好ましくは0.01〜2wt%が良く、ウ
ィスカーの直径は10μmより小、より好ましくは0.
01〜1.0μmで且つ直径の)と長さ■ペクト比が5
0以上、好ましくは、100〜1000であることを特
徴とするものである。
以下、本発明の詳細について実施例により説明する。
実施例1 水940gに対して、609のカーボンウィスカーを超
高速ミキサーによって均一に分散させた。ニーで用いた
カーボンウィスカーは、炭化水素を原料にし、気相成長
法によって製造したものである。第1図の電子顕微鏡写
真に示す如く、直径が約0.05〜0.8μm程度で、
その長さは約10〜100μm程度であり、アスペクト
比は約100であると云われているように直径が極細の
害1には長さを有している。このものの密度は1.96
G’/、7 であり、電子伝導性は7 X 10−’Ω
−備であり、BET法によれば比表面積は10〜40鴫
今である。
このように調製したカーボンウィスカー分散液170り
に対し、金属船釣50%含む醸化鉛粉末10009を加
えて混練した後、比!! 1.40の硫酸75 ccを
徐々に滴下しつつ混線を続け、正極用ペーストムを得た
カーボンウィスカー分散液に所定量のリグニン及び硫酸
バリウムを加えた他は、同じ操作を用い負極用ペースト
Bを調製した。又、カーボンウィスカーを用いないこと
を除けばこれと同じ操作によって、従来の正極用ペース
)O及び負極用ペーストDを得た。
アンチモンを含まないPb−0a−8n合金からなる鋳
造格子体の寸法がW2B x L67 x T3.3(
2,0)簡に上記ペーストを常法によって充填した。
(0内は負極用格子) ペーストを充填した極板を、55℃、100%RH中に
3日間静置してペーストを熟成・硬化した。
その後、50℃で1日乾燥して未化成の正極板A、O及
び負極板B、Dを得た。
ペーストの物性及び乾燥後の未化成活物質量は第1表に
示す如くであった。
第  1  表 正極板A2枚と負極板33枚とを特許第1272702
号による微細ガラスセパレータを介して重ね合わせてm
許を構成し、電接に収納した。本発明による密閉形鉛蓄
電池Xを、同じ方法により極板CとDを用いて、従来品
の密閉形鉛蓄電池Yを夫々作製した。これにH2SO4
1七ル当たり45 cc注液し、安全弁をとりつけた。
その後、0.8Aの定電流で約60時間電槽内化成し、
電池X及びYを得た。この電池を、種々の放電々流(0
,05〜5G)での容量を調査した結果を第2図に示し
た。この結果から同じ条件での活物質利用率を計算した
結果を第3図に示した。
実施例2 実施例1で得た負極板Bと正極板Cとを組合せて、同様
な方法により本発明による密閉形鉛蓄電池2x及び化成
終了時に、比重1.350とした電池5xを得た。この
電池2x及び5xと従来例の電池Yの20 HR容量及
びこれから計算される重量効率、体積効率は第2表に示
す如くである。
第  2  表 これらの電池を交互充放電寿命試#〔た結果を第4図に
示した。
尚、試験条件は以下の如くである。
50サイクル毎に0.250放[F、V、 1,700
VAルの容量試験を実施した。
実施例3 アンチモンを3%含むpb−sb合金製の芯金に、ガラ
ス繊維織布チューブを挿通したクラツド管に、正極活物
質に対して0(非添加、従来例)、0.5 、1.0 
1.5 、3.0 、5.Owt%になるようにグラ7
アイトウイスカーを添加した酸化鉛粉末を充填し、未化
成のクラッド式正極板を作製した。
これら末化成正極板1枚と従来の負極板2枚した。一定
時間毎に取り出して、放電試験して正極板の化成され易
さを調べたところの結果を第5図に示した。
第5図の横軸は、未化成正極活物質社から計算される理
論化成電気量を百分率で示しである。
即ち、100%のところは化成に最低限必要な電気屋を
示している。
実施例4 従来の負極板として、実施例1の負極板りの活物質に対
し、重量比で0.5%のカーボンブラックを添加した負
極板Eを作製した。このカーボンブラックの比表面積は
1500”/9であった。
この負極板Eと正極板Cとを組合せて従来の密閉形鉛蓄
電池2を得た。
本発明による密閉形鉛蓄電池X及び従来の密閉形鉛蓄電
池Y及び2の3つの電池を用いて、0.00C11〜0
.5OAの定電流で充電し、充電々流と電池電圧との関
係を調べた結果を第6図に示した。
実施例5 活物質に対し1%の割合になるように、グラファイトウ
ィスカー及びチタン酸カリウムウィスカーを添加し、本
発明の未化成の正・負両極板F、G、及びH,1,を得
た。このグラファイトウィスカーはカーピンウィスカー
を3000℃で加熱処理したもので、その大きさはほと
んど変イヒしていないが、電子伝導性が5 X 10”
−5Ω−Gとカーボンウィスカーよりも一桁高い。又1
チタン酸カリウムウイスカーは、デントールBK −5
00(大塚化学株式会社製)であり、直径が0−2〜0
−5 pars長さ10〜20 PfNで電子伝導性は
1×10 Ω−Gのオーダーでカーボンウィスカーはど
高くはないものである。
格子体は、Pb−1,5%sb合金製で寸法W108X
L110XT1.7(1,1)鯰である(0内は負極格
子厚さ) 得られた未化成極板を微孔性ポリエチレンセ
パレータを介して積み重ね、電槽に挿入後蓋をして電解
液を注入し、静置した。次に正極活物質量から計算され
る理論化成電気量の120%だけ通電して化成し、28
Ah15HHの自動車用船蓄電池を得た。これらの電池
の化成後の残留ウィスカー量、正極中の残留ウィスカー
量1容量及び、Tl5D5301による充電受入れ性能
を調べた結果を第5表に示した。充電受入性の試験で本
発明品の10分目電流が従来品のそれより小さくなって
いるが、これは10分目までに流れた電気量が従来品の
それより一多いためであるO 第  5  表 ※1 本発明品と同じ化成電気量の時の直容量本発明に
よる鉛蓄電池が、活物質の利用率か高く、高い重量効率
と体積効率を有していることは、実施例1から明白であ
る。単位体積当りの正極活物質粒子数が1×1012〜
1×1016個であり、負極ではlX10’〜lX10
13個であると推定されることは既述した。実施例1に
示した如く、活物質に対して約1%添加した時のウィス
カーの数は、1X1010〜lX1015本であると推
定される。その上、ウィスカーのアスペクト比は大きい
ので、ウィスカー1本当りに接触する活物質粒子数は、
50〜1000個にもなると推定される。それ故に、例
えば負極では1個の活物質粒子には、複数本のカーボン
ウィスカーが接触しているものと推定される。従来、電
子伝導的に結合していなかった耶れている粒子同士が、
本発明によれば並列に接続されていることになる。従っ
て、充電・放電だけでなく化成工程でさえも電流は極め
て流れ易く、高い充電受入れ性、より大きな放電容量、
更に極めて高い化成電流効率が得られる。
このことは、実施例1、実施例6及び実施例5に示した
ことから明白である。
負極活物質は、高濃度電解液あるいは高温度における充
放電により、遷元され難い、粗大結晶の硫酸塩となり、
その容量が低下する。
一方、流動電解液が多い鉛蓄電池だけでなく、電解液量
を少なくした密閉形鉛蓄電池においてさえも、深放電の
繰返しにより、電解液の下部が高濃度に、上部が低濃度
になるいわゆる層状化(5tratification
)を生ずる。
負極板の下部は、通常耳部から遠いこと、高濃度硫酸電
解液は、抵抗が大きく、且つ硫酸鉛の溶解度が低いこと
、のために生じた層状化は、下部における負極活物質の
サルフェーシ1ンを招く。しかしながら、本発明によれ
ば極板内での抵抗が低いため、耳部から遠いにも拘らず
負極板下部でさえも充分な電流が流れ、下部サル7エー
シロンによる電池の短寿命化という問題を解決できる。
このことは実施例2より明らかである。
従来の密閉形鉛蓄電池Yが、負極板の下部サルフエーシ
Wンで短寿命になっているのに対し、優れた寿命性能を
示した。
高比重電解液とは、充放電反応に関与しないH2Oが少
ない電解液であるということであり、密閉形であるか、
否かに関係なく、電池の重量効率、体積効率を大巾に改
善することが可能である。従来の鉛蓄電池では、負極板
の高比重電解液に対する耐サル7エーシ四ン性が悪かっ
たため、高比重電解液を用いることは、即ち、短寿命の
電池になることを意味していた。
しかしながら本発明によれば寿命を犠牲にすることなく
高い、重量、体積効率を有する鉛蓄電池にすることが可
能である。このことは実施例2から明らかである。
未化成活物質は、硫酸鉛(三塩基性又は四塩基性)ある
いは酸化鉛(クラッド充填時)であり、これは電子伝導
性がない。
従って、これを化成する時は、集電体である格子又は芯
金に接触している粒子から順番に化成が進行することに
なる。従って集電体に接触していない離れた活物質粒子
は、その粒子と集電体との間に存在している粒子を介し
て、電子の供給を受けるまで化成されることはない。こ
のため、従来特に正極板は長い時間と多(の電気量によ
って化成せざるを得ず、理論的に必要な化成電気量の2
〜4倍も必要であった。しかしながら本発明によれば、
集電体から離れている粒子でも、電子伝導性のあるウィ
スカーによって、集電体と結合されているので、化成が
始まるや否や活物質粒子が化成される。それ故1化成の
効率は極めて高く、クラッド式電池の場合であってさえ
も、鉛丹等の混合を必要とせず、はぼ理論的に必要な化
成電気量の2倍以内、条件によっては1.1倍でも充分
である。又、化成時間と電気量を従来のに〜%に削減す
ることが可能であり、生産性の高い、極めて廉価な鉛蓄
電池になる。これは実施例3から明らかである。
従来、負極板の充電受入性を改善するために、カーボン
ブラックを添加していた。これは負極の水素過電圧を下
げ、充電終期に流れる電流を大きくすることによって充
電々気量な増加させる効果を有している。しかしながら
このことは〜実用に於ては過充電される電気量が多いこ
とを意味している。電解液中の水の電気分解による減少
、そのための補水頻度の増加、及び正極格子腐蝕の加速
等を招くことになり、決して好ましいものではない。
これは、集電体と集電体から離れている活物質粒子との
間の電子伝導が、その間に存在している還元された活物
質粒子やカーボンブラック粒子にのみ依存していること
に起因している。
本発明によれば、充電開始と同時に集電体から離れた活
物質粒子も充電され始めるので、充電効率は大変高い。
しかも特徴的なことは、カーボンウィスカー、グラファ
イトウィスカーは実施例4に示すように負極の水素過1
圧を下げないことである。このことは、実施例5に示す
ように充電初期での充電受入性がすぐれており充電終期
に電池に流れる充電々流が従来のそれより小さいことを
意味している。従来のカーボンブラックを添加したもの
のように、補水頻度の増加、正極格子の腐蝕の加速等の
欠点を克服している。この負極の充電受入れ性が良いと
いうことは、前述したサル7エーシツンに対する抵抗性
が高いことと同じことである。
それ故に、本発明における鉛蓄電池は7四−ト使用した
時にも従来のものより長寿命を発揮するであろうことは
明らかである。このことは、実施例2及び実施例4から
容易に理解できることである。
このように本発明に用いるウィスカーは、集電体から離
れている活物質粒子に電子を流れ易くするためのもので
ある。従って、ウィスカーは、それ自身の電子伝導性が
高く、寸法が長く、且つその数が多い方が好ましい。ウ
ィスカーの電子伝導性はfX10’Ω・α以上より好ま
しくはfXlo−’Ω・α以上であるのが良い。更に重
要なことは、活物質鷲な極端に減すことのない量で、可
能な限り数多くの活物質粒子を電子伝導的に接続するこ
とである。そのためには、可能な限り小さな径で且つそ
の長さが長い短繊維状でな↓すればならない。先に述べ
た単位体積当りに存在する活物質粒子から考えると、直
径が30Pmあるいはそれ以上のものは、占める体積の
割には存在する数が少なく使用できない。直径が10μ
m以下、より好ましくは1μmより小さく、且つアスペ
クト比が50あるいは、それ以上でなければならない。
最も好ましくは、直径が0.01〜1 、Optnでア
スペクト比が100〜1000であるウィスカーである
ウィスカーの材質は上記実施例に示したカーボン、グラ
ファイト、チタン酸カリウム等以外にも鉛蓄電池に有害
でない電子伝導性を有するウィスカーも使用できる。
ウィスカーを正極に用いた場合、カーボンのみならずそ
れを高温で処理した耐酸化性に優れているグラファイト
でさえ、酸化され、又は発生する酸素ガスによって物理
的に活物質内から排除されるなどして化成工程中にその
半分近くが失なわれる。従ワて、本発明による鉛蓄電池
な化成法極板によって組立てた時、正極板内に存在する
ウィスカーの量は、当初活物質に混合した量よりも少な
くなっている。化成工程だけでなく、その後においても
ウィスカーの効果を期待する場合は、活物質に対する割
合を当初高くしなければならない。化成工程中の効果の
みを期待する場合には、少なくても良い。
前者では、未化成の正極活物質に対する割合は1〜10
 wt%、より好ましくは1〜5wt%にすべきであり
、後者では、0.01〜3wt%、より好ましくは0.
01〜2.0wt%にすべきである。
負極の場合には、カーボンあるいはグラファイト、ウィ
スカーが失なわれることがない。その効果は電池の寿命
中ずつと維持され、且つ正極に比べると化成も容易であ
る。従つて、ウィスカーの量は、期待する効果と経済性
より決定すべきであり、それは設計の範囲内にあるi!
!l!題である@ カーボンウィスカー、グラファイトウィスカーの負極活
物質に対する量は、0.01〜Swt%、より好ましく
は0.01〜2.□vt%である。
ウィスカーの効果を最大限に発揮するために重量な他の
点は、ウィスカーと活物質粒子とを接触させるために、
−様に均一に分散させることである。このために、実施
例1に示しているように直接鉛粉末原料に投入せず、予
め超高速ミキサーで水に分散させて使用するのが良い。
水への分散性をより良くするためには、カーボン又はグ
ラファイトウィスカーの場合、界面活性剤で処理するか
、気相中で直接その表面に親水性の基をつけると良い。
このようにすれば超高速ミキサーを用いずとも均一分散
が得られる。
ウィスカーを用いる上で考えておかなければならない他
の問題点は、活物質密度を適正にすることである。正極
格子として、アンチモンを含まない純鉛、カルシウム合
金又は他のアンチモンを含まない鉛合金等から得られた
ものを用いる時、活物質の見掛密度が小さいと電解液の
拡散が良くなり過ぎ、活物質が完全放電する前に、格子
表面の腐蝕層が放電し、これが絶縁物である硫酸鉛とな
る。これは活物質と格子との電気的結合を切り、容量が
取り出せなくなる。
これを防ぐべ(、例えばカーボンウィスカーを用いる時
、メタリン酸ナトリウムあるいはビロリン酸ナトリウム
等のメタリン酸あるいはビ算リン酸のアルカリ金属塩を
ペースト中に添加して混練したペーストを用いると、活
物質に対するウィスカーの割合が多くても高い密度の活
物質が得られるので、好都合である。このようなリン酸
のアルカリ金属塩は、前記格子表面の腐蝕層の形態を変
え、その腐蝕層は格子と活物質問を絶縁するような形態
にはならないため、放電を維持することができるので尚
−層好都合である。
負極活物質の量は、高率放電容量を大きく左右する。負
極に非金属性のウィスカーを用いる場合にも、このよう
なビロリン酸又はメタリン酸のアルカリ金属塩をペース
ト中に混練してその密度を高くすると、より良い高率放
電特性を持った鉛蓄電池が得られる。
これらのビロリン酸又はメタリン酸のアルカリ金属塩の
活物質に対する適正な割合は、ペーストを調製する硫酸
及び水の量によって変化する。しかし、通常のペースト
式極板の適切な正極ペースト密度3.7〜4.59/d
、  負極ペースト密度5.5〜4.51を得ようとす
るとき、その割合は活物質に対して0.001〜5wt
%でなければならない。0.001vt%よりも少ない
とペーストの見掛密度を高くできないからであり、5w
t%よりも高いと得られる電池の自己放電率が高くなり
過ぎ好ましくないからである。
従来の例えば7〜20pm直径のカーボン7アイバーを
活物質に混入せしめると、前述のように活物質の見掛密
度が下がり、寿命が短かくなるという間憩点があった。
しかしながら、本発明のウィスカーを用いればこのよう
なことにはならない。実際、非添加の見掛密度が4.0
2である正極活物質に対して約1%添加した時、カーボ
ンファイバーの場合には見掛密度が2.6まで下がった
のに対し、ウィスカーの場合のそれは5.76になった
に過ぎない。
その上、この場合活物質の見掛体積11当りに存在する
カーボン繊維は、約2×106本、延べ表面積約80c
mであるのに対し、カーボンウィスカーの場合のそれは
約1×1011本、約4900crdと桁違いに大きい
。これは好ましいことであり、活物質1d当りlX10
?本以上存在させるのが良い。それ故直径が大きいカー
ボン繊維を用いる場合には、活物質の接触圧のみならず
接触できる面積及び本数がウィスカーの場合のそれに比
べて極めて小さいことになる。
そこで、直径が7〜20μmのカーボン繊維の用いる時
、その効果を最大に発揮するためには可能な限り多くの
活物質粒子とカーボン繊維とを強く接触させるために、
活物質密度を高くしなければならないことが分かった。
高い活物質密度を維持しつつカーボン繊維を存在せしめ
るためには、前述のメタリン酸のアルカリ金属塩及び/
又はビロリン酸のアルカリ金属塩の添加が極めて有効で
これを用いなければカーボン繊維を混入せしめる効果は
発揮し切れない。カーボン繊維を混入せしめる時には活
物質の見掛密度を負極で3.0以上好ましくは5.0〜
4.0、正極で5.5以上より好ましくは5.5〜4.
5としなければ負極のサルフェーション、正極格子腐蝕
層の放電という問題が生じて短寿命になる。しかし、格
子への塗着性を確保しつつこれを達成するには前記メタ
リン酸のアルカリ金属塩及び又はビ12 リン酸のアル
カリ金属塩を0.001〜5vrt%共存せしめること
が必要である。
このことは、ウィスカーの直径が7〜10μm程度と大
きくなった場合にも適用されることは云うまでもない。
即ちウィスカーの場合であっても、その量が1 wt%
程度までであればメタリン酸のアルカリ金属塩及び/又
はビロリン酸のアルカリ金属塩を存在させなくても充分
に高い活物質密度が得られる。しかし、その量をもっと
増加させた時、あるいは1μmを超える5〜10pmの
直径を有するウィスカーの場合にはメタリン酸のアルカ
リ金属塩及び/又はピロリン酬のアルカリ金属塩を共存
せしめることは不可欠である。このような接触密度の点
から、ウィスカーは2−79以上の、より好ましくは1
0〜40イ/9の比表面積を有しているのが好ましい。
鉛蓄電池は、集電体の形状及び活物質と集電体を密接さ
せる方法により、大きく三つに分けることができる。
第1は、鋳造、エキスバンド、編組等の方法によって得
られる格子状の純鉛又は鉛合金に活物質ペーストを充填
したペースト式極板である@第2は、実施例3に示した
純鉛又は鉛合金からなる棒状の芯金にガラス繊維、ポリ
エステル繊維等の繊維を筒状に編組したチューブを挿通
し、筒内に活物質を充填したクラッド式極板である。
第5は、純鉛の板を電解して集電体及び活物質を得るチ
ュードル式極板である。クラッド式極板は、専ら正極用
として用いられ、その対極となる負極板は、通常ペース
ト式極板である。
本発明は、極板の形式を限定するものではなく、チュー
ドル式極板を除く、ペースト式の正極板、負極板及びク
ラッド式の極板に適用でき、効果が認められた。
又、鉛蓄電池は、完全充電するためには、通常は105
〜120%程度の充電をしなければならない。この過充
電によって、電解液中の水が電気分解され、電解液が失
なわれるために定期的に補水しなければならない。この
補水作業を減らすか、あるいは全くなくすために、集電
体の合金をアンチモンを含まないカルシウム系にしたり
、電解液の量を少なくして、微孔性の多孔体に吸収保持
せしめたりしている。又、二酸化珪素、高吸収性高分子
等によってゲル化して、充電終期に正極で発生する酸素
ガスと負極活物質と結合させることによって密閉化した
りしている。本発明はこれらいずれの鉛蓄電池にも適用
することができる。
発明の効果 上述した如く、本発明の鉛蓄電池は、 正・負両極活物質の利用率を向上させることができ、従
来よりも高い重短効率と体積効率を有する、 正・負両極活物質の充電受入れ性(充電効率)が改善さ
れ、長寿命サイクル及びフロート寿命性能を有する、 負極活物質のサル7エーシ菫ンに対する抵抗性を改善し
、より高濃度の硫酸電解液の使用が可能で、寿命を犠牲
にすることなく大巾に利用率を向上せしめた、 正極板の化成に要する電気量を大巾に削減した、廉価な
ものとすることが出来るので、その工業的価値は極めて
大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の鉛蓄電池に用いるカーボンウィスカー
を示す電子顕微鏡写真であり、第2図は本発明による鉛
蓄電池と従来品との容量と放電々流の関係を比較して示
した図、第3図は第2図の容量を活物質利用率に換算し
た図、第4図は本発明による鉛蓄電池と従来品とのカ命
性能を比較した図、第5図は本発明による鉛蓄電池と従
来品との化成のし易さを比較した図、第6図は本発明に
よる鉛蓄電池と従来品との充電々流と電池電圧の関係を
比較した図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)正・負両極活物質の少なくとも一方に、電子伝導
    性を有し直径10μm以下、アスペクト比が50以上、
    比表面積が2m^2/g以上のカーボン、グラファイト
    、チタン酸カリウムから選ばれたウィスカーを活物質に
    対して0.01〜10wt%混在せしめ、活物質粒子間
    及び/又は活物質と集電体間を電子伝導的に接続したこ
    とを特徴とする鉛蓄電池。
  2. (2)ウィスカーが直径0.01〜1.0μm、アスペ
    クト比100〜1000、比表面積が10〜40m^2
    /gである特許請求の範囲第1項記載の鉛蓄電池。
  3. (3)ウィスカーが活物質に対して0.01〜2wt%
    の割合で混在している特許請求の範囲第2項記載の鉛蓄
    電池。
  4. (4)正・負両極活物質の少なくとも一方に電子伝導性
    を有し、直径0.01〜1.0μm、アスペクト比が1
    00〜1000、比表面積が10〜40m^2/gのカ
    ーボン又はグラファイトからなるウィスカーを活物質に
    対して0.01〜2wt%の割合で混在せしめ、且つ活
    物質の見掛体積当りの数を1×10^9本以上とし、活
    物質粒子間及び/又は活物質と集電体間を電子伝導的に
    接続したことを特徴とする鉛蓄電池。
  5. (5)正極活物質の見掛密度を3.5〜4.5、負極活
    物質のそれを3.0〜4.0とした特許請求の範囲第4
    項記載の鉛蓄電池。
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