JPH06150933A - 鉛蓄電池及びそれに添加する導電性セラミック繊維の製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池及びそれに添加する導電性セラミック繊維の製造方法

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JPH06150933A
JPH06150933A JP4299580A JP29958092A JPH06150933A JP H06150933 A JPH06150933 A JP H06150933A JP 4299580 A JP4299580 A JP 4299580A JP 29958092 A JP29958092 A JP 29958092A JP H06150933 A JPH06150933 A JP H06150933A
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lead
fiber
thin film
active material
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Toru Yamamoto
徹 山本
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
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    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/62Selection of inactive substances as ingredients for active masses, e.g. binders, fillers
    • H01M4/624Electric conductive fillers
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活物質表面における硫酸鉛や酸化鉛による不
動態層の生成を抑制してサイクル寿命を延ばし、かつ、
エネルギー密度を高めることのできる鉛蓄電池及びそれ
に添加する導電性セラミック繊維の製造方法を提供す
る。 【構成】 溝を有し、かつ、離型処理されたニッケル基
板13上に、スパッタリング蒸着により酸化第二錫と酸
化アンチモンからなる導電性セラミック薄膜を0.25
μmの膜厚で形成する。導電性セラミック薄膜が形成さ
れたニッケル基板13を、エタノール中で約5分間超音
波洗浄し、ニッケル基板13上から導電性セラミック薄
膜を繊維状態で分離する。この導電性セラミック繊維を
5wt%添加した活物質を作製し、この活物質を用いて
鉛蓄電池を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポータブル機器や電気
自動車等に搭載される移動用電源、あるいはコンピュー
タなどのバックアップに用いられる据え置き用電源とし
て利用される鉛蓄電池及びそれに添加する導電性セラミ
ック繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池は、二次電池として比較的安価
で安定な性能を有しており、ポータブル機器や電気自動
車等に搭載される移動用電源、あるいはコンピュータな
どのバックアップに用いられる据え置き用電源等として
広く普及している。
【0003】近年、電子機器の小型化や高性能化に伴い
鉛蓄電池の高性能化の要望も高まっており、とりわけ電
気自動車用の電源としてはエネルギー密度が高く、かつ
サイクル寿命の長いものが要求される。
【0004】ところで、エネルギー密度が低く、サイク
ル寿命が短かくなる原因としては、充放電サイクルを繰
り返すうちに活物質の表面に硫酸鉛(PbSO4 )や酸
化鉛(PbO)が生成されて不動態化が起こり、その内
部に存在する負極活物質としての鉛や正極活物質として
の二酸化鉛が電池反応に寄与できなくなることが考えら
れる。
【0005】従来、このような不動態化を防止するた
め、正極活物質への硫酸錫の添加や負極活物質へのグラ
ファイトや炭素繊維の添加など、活物質への導電性物質
の添加が行われている(例えば、特開昭54−6042
9号、特開昭58−57264号、特開昭48−101
523号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、活物質中に硫
酸錫やグラファイトのような活物質との絡み合いのほと
んどない導電性物質を添加しても、活物質表面に生成さ
れる硫酸鉛や酸化鉛による不動態化を十分に防止するこ
とはできず、依然としてエネルギー密度が低くサイクル
寿命の短い鉛蓄電池しか実現されていないのが現状であ
る。尚、炭素繊維のように炭素骨格を有するものは、負
極には有効であるが、正極へ添加すると陽極酸化されて
消失してしまうことが確認されている(例えば、北条英
次ほか;湯浅時報 No.72 APRIL P23-28(199
2))。
【0007】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、活物質表面における硫酸鉛や酸化鉛による不動態
層の生成を抑制してサイクル寿命を延ばし、かつ、エネ
ルギー密度を高めることのできる鉛蓄電池及びそれに添
加する導電性セラミック繊維の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る鉛蓄電池は、活物質に添加材として導
電性セラミック繊維を混合するという構成を備えたもの
である。
【0009】前記構成においては、導電性セラミック繊
維の平均繊維径が0.1〜2μm、平均繊維長が50μ
m〜2mmの範囲にあることが好ましい。また、前記構
成においては、導電性セラミック繊維を2〜15wt%
の範囲内で活物質に添加するのが好ましい。
【0010】また、前記構成においては、導電性セラミ
ック繊維が酸化物系セラミックからなることが好まし
く、特に酸化物系セラミックが酸化第二錫、酸化インジ
ウム、酸化アンチモンから選ばれる少なくとも一成分を
主成分とするのが好ましい。
【0011】また、本発明に係る導電性セラミック繊維
の第1の製造方法は、溝の深さが0.1〜4μm、溝及
びランド部の幅が各々2μm以下の溝を有し、かつ、離
型性を有する基板上に、物理蒸着法によって導電性セラ
ミック薄膜を2μm以下の膜厚で形成し、これを取り出
した後、外部から衝撃を加えることによって導電性セラ
ミック薄膜を基板上から繊維状態で分離するという構成
を備えたものである。
【0012】また、本発明に係る導電性セラミック繊維
の第2の製造方法は、溝の深さが0.1〜4μm、溝及
びランド部の幅が各々2μm以下の溝を有する可燃性樹
脂基板上に、物理蒸着法によって導電性セラミック薄膜
を2μm以下の膜厚で形成し、これを取り出した後、高
温処理を施して可燃性樹脂層を完全に除去することによ
って導電性セラミック薄膜を繊維化するという構成を備
えたものである。
【0013】
【作用】本発明に係る鉛蓄電池の構成によれば、活物質
の周りを化学的に安定な導電性セラミック繊維が取り囲
んだ形となり、放電時に生成される硫酸鉛や酸化鉛が負
極活物質としての鉛粉や正極活物質としての二酸化鉛上
を被覆しても、充電時においては電流が導電性セラミッ
ク繊維上を流れるため、硫酸鉛や酸化鉛をほぼ完全に鉛
や二酸化鉛に再生することができるので、不動態化を防
止してサイクル寿命を延ばすことができる。また、活物
質が導電性セラミック繊維に絡まれているため、放電時
の電流の取り出しが容易となり、その結果、エネルギー
密度を高めることができる。
【0014】また、前記構成において、導電性セラミッ
ク繊維の平均繊維径が0.1〜2μm、平均繊維長が5
0μm〜2mmの範囲にあるという好まし構成によれ
ば、導電性セラミック繊維に効果的な繊維長と柔軟性と
を持たせることができるので、活物質へうまく絡ませて
サイクル寿命とエネルギー密度を大幅に改善することが
できる。
【0015】また、前記構成において、導電性セラミッ
ク繊維を2〜15wt%の範囲内で活物質に添加すると
いう好ましい構成によれば、導電性セラミック繊維と活
物質との最適な絡み状態を実現することができ、その結
果、サイクル寿命とエネルギー密度を大幅に改善するこ
とができる。
【0016】また、本発明の第1又は第2の製造方法に
よれば、前記構成を備えた鉛蓄電池に有用な導電性セラ
ミック繊維を効率良く合理的に作製することができる。
【0017】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 (実施例1)図1はマグネトロン型スパッタリング装置
の概念図である。
【0018】図1に示すように、マグネトロン型スパッ
タリング装置11には、その内部にターゲット12が設
けられており、該ターゲット12に相対向してフッ素系
離型剤で離型処理された溝付きニッケル基板13が設け
られている。ここで、ターゲット12は、酸化第二錫
(SnO2 )板12a上に面積比で5%の酸化アンチモ
ン板12bを均一に載置して構成されており、ニッケル
基板13は、回転機構を備えた基板ホルダー14に取り
付けられている。また、ニッケル基板13の溝は連続し
たスパイラル形状をしており、溝底部の幅は0.5μ
m、溝上部の幅は1μm、溝の深さは0.1μm、ラン
ド部の幅は0.6μmである。尚、排気はメカニカルポ
ンプ16とターボ分子ポンプ17を用いて行われ、到達
真空度は1×10-3Paである。また、アルゴンガス注
入口15からアルゴンガスを注入した後のアルゴンガス
圧は2Paである。
【0019】以上のように構成されたスパッタリング装
置11を用いて、ニッケル基板13を水冷しながらスパ
ッタを行い、ニッケル基板13上に、酸化第二錫と酸化
アンチモンからなる導電性セラミック薄膜を0.25μ
mの膜厚で形成した。
【0020】次いで、導電性セラミック薄膜が形成され
たニッケル基板13を外部へ取り出し、エタノール中で
約5分間超音波洗浄すると、ニッケル基板13上から導
電性セラミック薄膜が繊維状態で分離した。繊維長は平
均で2〜3cm、繊維の断面は四辺形で平均繊維径は約
0.3μm、比抵抗は8×10-4Ω・cmであった。こ
のように導電性セラミック薄膜がニッケル基板13上か
ら繊維状に分離したのは、導電性セラミックが溝面に垂
直に膜成長するために、溝の底部、ランド部及び溝の斜
面部との境に粒界ができたことによるものと考えられ
る。
【0021】次に、この導電性セラミック繊維を用いて
鉛蓄電池を作製した。まず、鉛粉95wt%に対し上記
導電性セラミック繊維を5wt%添加し、常法に従って
少量のリグニンと硫酸バリウムを添加し、水と希硫酸を
滴下しながら練合する。この練合によって導電性セラミ
ック繊維は細断され、平均繊維長は1mm程度になっ
た。次いで、これをPb−Ca合金からなる格子に充填
し、熟成、乾燥の各工程を経て未化成状態の負極板を作
製した。
【0022】同様に、鉛粉95wt%に対し導電性セラ
ミック繊維を5wt%添加し、水と希硫酸を滴下しなが
ら練合する。次いで、これをPb−Ca−Sn合金から
なる格子に充填し、熟成、乾燥の各工程を経て未化成状
態の正極板を作製した。
【0023】次に、このようにして作製した正極板5枚
と負極板6枚を用い、その間にガラス繊維からなるマッ
ト状セパレータを介在させて組み合わせる。次いで、電
解液として希硫酸を含浸させ、電槽化成することによっ
て、単セルのシール型鉛蓄電池を作製した。
【0024】また、性能を比較するために、従来の正極
板5枚と負極板6枚を用い、同体積、同重量の単セルの
シール型鉛蓄電池も作製した。これらの電池につき、
0.1C充電、1/3C放電の定電流充放電によってサ
イクル試験を行い、容量と充放電サイクル寿命を測定し
た。ここで、放電終止電圧は1.65V、充電電気量は
放電電気量の110%、充放電サイクル寿命は容量が初
期容量の80%に達するサイクル数である。容量は本実
施例1のもので3時間率容量が36Ah、従来の電池で
28Ah、エネルギー密度は本実施例1のもので45W
h/Kg、従来の電池で38Wh/Kgであった。ま
た、サイクル寿命は本実施例1のもので約1250サイ
クル、従来の電池で約300サイクルであった。
【0025】このように、正極及び負極の活物質に導電
性セラミック繊維を添加することにより、エネルギー密
度は従来の電池に比べて3割程度増加し、サイクル寿命
も大幅に向上することが確認できた。サイクル寿命を延
ばすことができたのは、活物質の周りを化学的に安定な
導電性セラミック繊維が取り囲んだ形となり、放電時に
生成される硫酸鉛や酸化鉛が負極活物質としての鉛粉や
正極活物質としての二酸化鉛上を被覆しても、充電時に
おいて電流が導電性セラミック繊維上を流れるため、硫
酸鉛や酸化鉛をほぼ完全に鉛や二酸化鉛に再生して不動
態化を防止できるからである。また、エネルギー密度を
高めることができたのは、活物質が導電性セラミック繊
維に絡まれているため、放電時における電流の取り出し
が容易になるからである。
【0026】図2に、導電性セラミック繊維の混合量を
0、1、2、5、10、15、20、30wt%と変え
た場合のエネルギー密度とサイクル寿命の変化を示す。
2〜15wt%においては、エネルギー密度、サイクル
寿命ともに従来の電池(0wt%、エネルギー密度=3
8Wh/Kg、サイクル寿命=300サイクル)に対し
明らかな優位性が認められた。導電性セラミック繊維の
混合量が2wt%以下の場合は、鉛粉(活物質)との絡
み合いが少ないため、不動態化を十分に防止することが
できず、その結果、サイクル寿命が延びないものと考え
られる。また、15wt%以上の場合は、電池反応に寄
与し得る活物質量が減少してくるため、エネルギー密度
の低下をもたらすものと考えられる。
【0027】また、導電性セラミック繊維の繊維長は練
合時間によって変わってくるため、導電性セラミック繊
維を予め機械的に切断したものを用い、繊維長と電池特
性との関係を調べた。
【0028】図3に、平均繊維長を約10μm、50μ
m、150μm、1mm、3mmと変えた場合のエネル
ギー密度とサイクル寿命の変化を示す。ここで、平均繊
維径は0.3μm、繊維混合量は5wt%である。平均
繊維長が50μm以上の場合は、明らかな電池特性の向
上が認められた。また、平均繊維長が10μmより短い
場合は、鉛粉(活物質)との絡み合いがうまくいかない
ために、エネルギー密度やサイクル寿命の向上は見られ
なかった。尚、導電性セラミック繊維による極板同士の
短絡を防止するため、導電性セラミック繊維の繊維長は
2mm以下であることが好ましい。
【0029】また、本実施例1においては、基板とし
て、離型処理されたニッケル基板13を用いているが、
必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、ポリ
カーボネート基板等の樹脂基板であっても、ガス出しを
行わずにスパッタ蒸着した場合には、導電性セラミック
繊維を得ることができた。これは樹脂基板から出るガス
が離型層としての働きをするためと考えられる。
【0030】また、本実施例1においては、導電性セラ
ミック薄膜が形成されたニッケル基板13を、エタノー
ル中で超音波洗浄することにより、導電性セラミック薄
膜をニッケル基板13上から分離するようにしている
が、必ずしもこのような分離方法を採用する必要はな
く、例えば、ブラシのようなもので機械的に掻き落とす
ようにしても構わない。 (実施例2)次に、導電性セラミック繊維の他の製造方
法について説明する。
【0031】図4は可燃性樹脂基板上に導電性セラミッ
ク薄膜を形成した状態の断面図である。まず、反応性イ
オンエッチング法等によって溝を形成した溝付きガラス
基板41上に、スピンコート法によってα−メチルスチ
レンからなる可燃性樹脂層42を膜厚0.1μm程度で
形成し、可燃性樹脂基板44を作製した。ここで、可燃
性樹脂基板44の溝は連続したスパイラル形状をしてお
り、溝底部、溝上部、ランド部の幅は各々0.8μm、
1.8μm、1.2μmと一定である。本実施例2で
は、溝の深さを0.1μm、0.5μm、1μm、2μ
m、3μmと変えて数種類の可燃性樹脂基板44を用意
した。尚、溝の深さとしては、現在の加工技術からして
4μm以上にすることは困難である。
【0032】次に、前記可燃性樹脂基板44を水冷しな
がら、該可燃性基板44上に、電子ビーム蒸着法によっ
て酸化第二錫に7wt%の酸化インジウムを含む導電性
セラミック薄膜層43を、それぞれの溝の深さに応じて
各々0.1μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm
の膜厚で形成した。ここで、到達真空度は3×10-3
aである。
【0033】次に、電気炉を用い、導電性セラミック薄
膜が形成された可燃性基板44を、空気中において40
0℃で30分間焼成した。これにより、可燃性樹脂層4
2は完全に除去され、平均繊維径が各々約0.2μm、
0.6μm、1μm、1.8μm、2.5μmの導電性
セラミック繊維(比抵抗2×10-3Ω・cm)を得た。
尚、可燃性樹脂基板44の溝形状において溝及びランド
部の幅を各々2μm以上にすると、導電性セラミック薄
膜が可燃性基板44上に強く付着するか、あるいは平面
的にフレーク状で剥離してしまうため、繊維状態で得る
ことは困難であった。また、溝及びランド部の幅は、現
在の加工技術からして0.5μm以下にすることは困難
である。
【0034】次に、これらの導電性セラミック繊維を用
い、繊維混合量を5wt%、平均繊維長を約1mmに固
定して、実施例1と同様の方法によりシール型鉛蓄電池
を作製した。
【0035】図5に、平均繊維径を変えた場合のエネル
ギー密度とサイクル寿命の変化を示す。平均繊維径が
1.8μm以下の場合には、エネルギー密度、サイクル
寿命ともに従来の電池(0wt%、エネルギー密度=3
8Wh/Kg、サイクル寿命=300サイクル)に対し
明らかな優位性が認められた。一方、平均繊維径が2.
5μmより大きい場合は、従来の電池に比べ若干優れて
いるものの、それほど大きな優位性は認められなかっ
た。これは、平均繊維径が大きくなると、導電性セラミ
ック繊維に柔軟性がなくなり、活物質へうまく絡ませる
ことができなくなるからである。また、平均繊維径が
0.1μm以下になると、機械的強度が弱くなり、練合
の際に繊維長が短くなりすぎて活物質にうまく絡めるこ
とができなくなるため、エネルギー密度とサイクル寿命
の向上は見られなかった。
【0036】尚、導電性セラミックの材料としては、比
抵抗が小さく、電解液中において充放電時に安定である
という点から、上記各実施例1、2に記載したような酸
化物系のものが好ましい。しかし、実施例1、2のよう
に酸化第二錫を主成分とするものに限定されるものでは
なく、例えば、酸化インジウム、酸化アンチモンを主成
分とするものであってもよい。
【0037】また、上記各実施例1、2においては、蒸
着法としてスパッタリング蒸着法、電子ビーム蒸着法を
採用しているが、必ずしもこれらの方法に限定されるも
のではなく、物理蒸着法(PVD法)であればいかなる
方法であってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る鉛蓄
電池の構成によれば、活物質の周りを化学的に安定な導
電性セラミック繊維が取り囲んだ形となり、放電時に生
成される硫酸鉛や酸化鉛が負極活物質としての鉛粉や正
極活物質としての二酸化鉛上を被覆しても、充電時にお
いては電流が導電性セラミック繊維上を流れるため、硫
酸鉛や酸化鉛をほぼ完全に鉛や二酸化鉛に再生すること
ができるので、不動態化を防止してサイクル寿命を延ば
すことができる。また、活物質が導電性セラミック繊維
に絡まれているため、放電時の電流の取り出しが容易と
なり、その結果、エネルギー密度を高めることができ
る。
【0039】また、本発明の第1又は第2の製造方法に
よれば、前記構成を備えた鉛蓄電池に有用な導電性セラ
ミック繊維を効率良く合理的に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マグネトロン型スパッタリング装置の概念図で
ある。
【図2】導電性セラミック繊維の混合量と電池特性との
関係を示す図である。
【図3】導電性セラミック繊維の繊維長と電池特性との
関係を示す図である。
【図4】可燃性樹脂基板上に導電性セラミック薄膜を形
成した状態を示す断面図である。
【図5】導電性セラミック繊維の繊維径と電池特性との
関係を示す図である。
【符号の説明】
11 マグネトロン型スパッタリング装置 12 ターゲット 12a 酸化第二錫板 12b 酸化アンチモン板 13 溝付きニッケル基板 14 基板ホルダー 15 アルゴンガス注入口 16 メカニカルポンプ 17 ターボ分子ポンプ 41 溝付きガラス基板 42 可燃性樹脂層 43 導電性セラミック薄膜層 44 可燃性樹脂基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質に添加材として導電性セラミック
    繊維を混合した鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 導電性セラミック繊維の平均繊維径が
    0.1〜2μm、平均繊維長が50μm〜2mmの範囲
    にある請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 導電性セラミック繊維を2〜15wt%
    の範囲内で活物質に添加した請求項1に記載の鉛蓄電
    池。
  4. 【請求項4】 導電性セラミック繊維が酸化物系セラミ
    ックからなる請求項1に記載の鉛蓄電池。
  5. 【請求項5】 酸化物系セラミックが酸化第二錫、酸化
    インジウム、酸化アンチモンから選ばれる少なくとも一
    成分を主成分とする請求項4に記載の鉛蓄電池。
  6. 【請求項6】 溝の深さが0.1〜4μm、溝及びラン
    ド部の幅が各々2μm以下の溝を有し、かつ、離型性を
    有する基板上に、物理蒸着法によって導電性セラミック
    薄膜を2μm以下の膜厚で形成し、これを取り出した
    後、外部から衝撃を加えることによって導電性セラミッ
    ク薄膜を基板上から繊維状態で分離する導電性セラミッ
    ク繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 溝の深さが0.1〜4μm、溝及びラン
    ド部の幅が各々2μm以下の溝を有する可燃性樹脂基板
    上に、物理蒸着法によって導電性セラミック薄膜を2μ
    m以下の膜厚で形成し、これを取り出した後、高温処理
    を施して可燃性樹脂層を完全に除去することによって導
    電性セラミック薄膜を繊維化する導電性セラミック繊維
    の製造方法。
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