JP2536082B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池

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JP2536082B2 JP63182670A JP18267088A JP2536082B2 JP 2536082 B2 JP2536082 B2 JP 2536082B2 JP 63182670 A JP63182670 A JP 63182670A JP 18267088 A JP18267088 A JP 18267088A JP 2536082 B2 JP2536082 B2 JP 2536082B2
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は鉛蓄電池に関するものである。
従来技術とその問題点 周知の如く、鉛蓄電池の容量は、正・負両極活物質及
び電解液中の硫酸量によって規制されている。
一定体積又は一定重量の鉛蓄電池において、その活物
質利用率を向上させるには、該活物質量を減じて硫酸量
を増加させるか、より高濃度の硫酸電解液を用いなけれ
ばならない。しかしながら、正極活物質の利用率を上げ
ることは、活物質の軟化、脱落を早めるだけでなく、格
子腐蝕をも加速する。このために得られた電池のサイク
ル及びフロート寿命性能が著しく短かくなるという欠点
がある。
一方、負極活物質の利用率を上げると、活物質のサル
フェーションに対する抵抗性が低くなり、その寿命が短
かくなるという欠点を有す。高濃度の硫酸電解液を用い
ると、電池の体積効率及び重量効率を向上させることが
可能である。しかし、これは正極板に対する影響は小さ
いが、高濃度の硫酸電解液は、負極活物質のサルフェー
ションを促進するため、やはり短寿命の電池になるとい
う欠点がある。
鉛蓄電池に用いられる極板は、ペースト式とクラッド
式に大別できる。何れの極板を用いた場合でも、未化成
活物質を活性化させる化成工程では多大の電気量と時間
を要していた。実際、この化成工程の余分な過剰の電気
量は特に正極活物質を活性化するためには、必要であり
通常、理論的に必要な電気量の2〜4倍も通電してい
る。これは正極活物質である二酸化鉛の電子伝導性が低
く、且つ活物質粒子間の電子伝導性は、粒子間の接触に
よってのみ維持されていることに起因すると考えられ
る。即ち、正極板の化成時には、まず集電体に接触して
いる粒子が酸化されて二酸化鉛になる。次にこの二酸化
鉛に接触している粒子が化成されるということを繰返し
て化成極板になる。従って、集電体から遠く離れた粒子
は、化成工程の終期にやっと化成されることになる。こ
のことは、化成工程中で見ると、化成電流の活物質粒子
に対する密度は、初期は高く、終期は低くなっている。
全体として化成電流の効率を一層低いものにしている。
化成をより容易にするため、鉛丹(Pb3O4)を未化成活
物質に添加することがあることを意味しておりこれは、
その酸化が進んでいることにより、必要な電気量が少な
くなっているにすぎない。このようにしたとしても、尚
集電体近傍から化成が始まり、全体として化成電気量の
効率が低くなることには変わりがない。鉛丹は、高価で
あり、化成電気量を減ずることができるというメリット
よりも価格が高くなるというデリメットの方が大きい。
正極活物質内にグラファイトを混ぜ、その層間に電解
液を保持させて、正極の孔容積を多くし、容量を増加さ
せることがUSP4,631,241号に提案されている。グラファ
イトは、電子伝導性があるので、活物質粒子間を電子伝
導的に接続することが可能である。しかしながらこゝに
示されているグラファイトは粒子径が340μmと大き
く、活物質粒子間を接続するためには、あまりにも数が
少ない。単位体積当りの活物質粒子の数は、比表面積、
孔径分布、等から正極の場合、1×10-12〜1×10
-16個、負極の場合、1×109〜1×1013個であると推定
される。これに対して、この340μmの大きさのグラフ
ァイトを1%添加した時、グラファイト粒子の数は、50
0〜1000個程度にすぎず、この数はグラファイトに活物
質粒子間の電子伝導的な接続を期待するには余りにも少
ない量である。
活物質粒子間或いは、活物質粒子と格子間の結合を良
くするために、活物質内にカーボン繊維又は電子伝導性
繊維を存在せしめることが特開昭61−128466号公報、特
開昭54−10574号公報、特開昭58−57264号公報に提案さ
れている。又、特開昭49−103135号公報にはカーボンの
繊維又は鉛等の金属ホイスカーを存在させることが提案
されている。こゝで提案されているカーボン繊維は、特
開昭54−105741号公報に「径0.01〜1.0mm」と記載され
ているように、直径が10〜1000μmのものであり、直径
が大きく表面積が小さいために本発明者等の試験によれ
ば活物質粒子との接触数が少なく、カーボンの持つ特徴
を最大限に発揮し、伝導性を飛躍的に向上させることが
できなかった。
特開昭49−103135号公報には、このようなカーボン繊
維の他に「鉛等の金属ホイスカー」を存在させることが
示されている。しかし、「鉛等の金属ホイスカー」が、
どのようにして得られるもので、どのような特性、寸
法、形態を有するのか、明示がなされてなく、それに相
当するものを入手できないのでその効果を本発明者等
は、確認できない。
本発明者等がビビリ振動法によって得られる2mmに切
断した直径30μmの鉛繊維を活物質に混入せしめたとこ
ろでは、活物質の密度が高くなり、接触密度が向上して
いると思われたにも拘らず、活物質の利用率や充電受入
性が改善されることはなかった。
又、特開昭61−45565号公報には「ポリオレフィン系
或はポリエステル系合成樹脂にカーボン粉末或は耐酸性
金属粉末を混合せしめてなる」「直径が1〜10μmであ
る導電性合成樹脂繊維」を活物質に混入せしめることが
示されている。しかしながら、このようにして得られる
導電性合成樹脂繊維は活物質の補強には十分であって
も、その粒子間の電子伝導性を向上せしめるには繊維自
身の電導性が不充分であり、且つ1〜10μmの繊維を混
入せしめることは、活物質の見掛密度の低下を招くの
で、そこに記載されているような「Pb−Ca系合金製格子
の活物質と格子体との密着性の向上と……バリヤー層の
形成阻止」の機能は確認できなかった。
又、負極の充電受入れ性を改善するために、カーボン
ブラックを入れることが広く行なわれている。この場
合、カーボンブラックは主に充電終期電圧を下げる。即
ち、負極の水素過電圧を小さくすることによって、充電
終期に流れる電流を増加させている。カーボンブラック
は、前記のグラファイトに比べると大変小さな粒径であ
る。従って、0.2wt%も添加すれば活物質の個々の粒子
と接触するのに充分な数になる。しかしながら、この場
合カーボンブラックは長さを有していないので、活物質
粒子間に単に存在する役割りしかない。即ち、何十ある
いは何百個という活物質粒子を互に並列に接続すること
は決してできていない。カーボンブラックの添加による
負極の充電受入れ性の改善は、充電終期電圧を下げるこ
とによって、充電々流を増加させているのであって、個
々の活物質粒子に電流が流れ易くなっているのではな
い。このことは、充電終期には、正極にも大きな電流が
流れることを意味しており、過充電々気量の増加によっ
て正極格子の腐蝕を加速することから、寿命性能上も好
ましい方法とは云えない。このように負極にカーボンブ
ラックを添加することは、充電受入れ性の本質的な改善
にはなっていないのである。
発明の目的 本発明は、上記従来の問題点を解消するものであり、
その目的とするところは、 負極活物質の利用率を向上させ、従来よりも高い重
量効率と体積効率を有する、 負極活物質の充電受入れ性(充電効率)を改善し、
長寿命サイクル及びフロート寿命性能を有する、 サルフェーションに対する抵抗性を改善し、より高
濃度の硫酸電解液の使用を可能とし、これにより寿命を
犠牲にすることなく、大巾に利用率を向上せしめた、 鉛蓄電池を提供することである。
発明の構成 本発明は正極板が純鉛又は鉛合金を含む集電体と、こ
れに密接した二酸化鉛を主成分とする正極活物質とで構
成され、負極板が純鉛又は鉛合金を含む集電体とこれに
密接したスポンジ状金属鉛を主成分とする負極活物質と
で構成されている鉛蓄電池において、負極活物質中に電
子伝導性を有するウィスカーを配し、活物質粒子間及び
/又は活物質粒子と集電体間を電子伝導的に接続したこ
とを特徴とする鉛蓄電池である。
尚、前記のウィスカーとして、カーボンウィスカー及
びグラファイト化されたグラファイトウィスカーやチタ
ン酸ウィスカーが適している。その添加量は、活物質重
量に対し0.01〜10wt%が良く、より好ましくは0.01〜2w
t%が良く、ウィスカーの直径は0.01〜1.0μmで且つ直
径(D)と長さ(L)の比(L/D)、即ちアスペクト比
が50以上、好ましくは、100〜1000であることを特徴と
するものである。
以下、本発明の詳細について実施例により説明する。
実施例1 水940gに対して、60gのカーボンウィスカーを超高速
ミキサーによって均一に分散させた。こゝで用いたカー
ボンウィスカーは、炭化水素を原料にし、気相成長法に
よって製造したものである。第1図の電子顕微鏡写真に
示す如く、直径が約0.05〜0.8μm程度で、その長さは
約10〜100μm程度であり、アスペクト比は約100である
と云われているように直径が極細の割には長さを有して
いる。このものの密度は1.96g/cm3であり、電子伝導性
は7×10-4Ω−cmであり、BET法によれば比表面積は10
〜40m2/gである。
このように調製したカーボンウィスカー分散液170gに
対し、金属鉛約30%含む酸化鉛粉末1000gを加えて混練
した後、比重1.40の硫酸75ccを徐々に滴下しつつ混練を
続け、正極用ペーストAを得た。
カーボンウィスカー分散液に所定量のリグニン及び硫
酸バリウムを加えた他は、同じ操作を用い負極用ペース
トBを調製した。又、カーボンウィスカーを用いないこ
とを除けばこれと同じ操作によって、従来の正極用ペー
ストC及び負極用ペーストDを得た。
アンチモンを含まないPb−Ca−Sn合金からなり、寸法
がW38×L67×T3.3(2.0)である鋳造格子体に上記ペー
ストを常法によって充填した。(( )内は負極用格
子) ペーストを充填した極板を、35℃、100%RH中に3日
間静置してペーストを熟成・硬化した。その後、50℃で
1日乾燥して未化成の正極板A,C及び負極板B,Cを得た。
ペーストの物性及び乾燥後の未化成活物質量は第1表
に示す如くであった。
正極板A2枚と負極板B3枚とを特許第1272702号により
微細ガラスセパレータを介して重ね合わせて極群を構成
し、電槽に収納した本発明による密閉形鉛蓄電池Xと、
同じ方法により極板CとDを用いて従来の密閉形鉛蓄電
池Yとをそれぞれ作製した。これにH2SO41セル当たり45
cc注液し、安全弁をとりつけた。その後、0.8Aの定電流
で約30時間電槽内化成し、電池X及びYを得た。これら
電池の容量を種種の放電電流(0.05〜3C)で調査した結
果を第2図に示した。この結果から同じ条件での活物質
利用率を計算した結果を第3図に示した。
実施例2 実施例1で得た負極板Bと正極板Cとを組合せて、同
様な方法により本発明による密閉形鉛蓄電池2X及び化成
終了時に、比重1.350とした電池3Xを得た。この電池2X
及び3Xと従来例の電池Yの20HR容量及びこれから計算さ
れる重量効率、体積効率は第2表に示す如くである。
これらの電池を交互充放電寿命試験した結果を第4図
に示した。
尚、試験条件は以下の如くである。
50サイクル毎に0.25C放電F.V.1,700V/セルの容量試験
を実施した。
実施例3 従来の負極板として、実施例1の負極板Dの活物質に
対し、重量比で0.3%のカーボンブラックを添加した負
極板Eを作製した。このカーボンブラックの比表面積は
1500m2/gであった。この負極板Eと正極板Cとを組合せ
て従来の密閉形鉛蓄電池Zを得た。
本発明による密閉形鉛蓄電池X及び従来の密閉形鉛蓄
電池Y及びZの3つの電池を用いて、0.0001〜0.5CAの
定電流で充電し、充電々流と電池電圧との関係を調べた
結果を第5図に示した。
実施例4 活物質に対し1%の割合になるように、グラファイト
ウィスカー及びチタン酸カリウムウィスカーを添加し、
本発明の未化成の正・負両極板F.G.及びH.I.を得た。こ
のグラファイトウィスカーはカーボンウィスカーを3000
℃で加熱処理したもので、その大きさはほとんど変化し
ていたいが、電子伝導性が5×10-5Ω−cmとカーボンウ
ィスカーよりも一桁高い。又、チタン酸カリウムウィス
カーは、デントールBK−300(大塚化学株式会社製)で
あり、直径が0.2〜0.5μm、長さ10〜20μmで電子伝導
性は1×10-1Ω−cmのオーダーでカーボンウィスカーほ
ど高くはないものである。
格子体は、Pb−1.5%Sb合金製で寸法W108×L110×T1.
7(1.1)mmである(( )内は負極格子厚さ)得られた
未化成極板を微孔性ポリエチレンセパレータを介して積
み重ね、電槽に挿入後蓋をして電解液を注入し、静置し
た。次に正極活物質量から計算される理論化成電気量の
120%だけ通電して化成し、28Ah/5HRの自動車用鉛蓄電
池を得た。これらの電池の化成後の残留ウィスカー量、
正極注の残留ウィスカー量、容量及びJIS D5301による
充電受入れ性能を調べた結果を第3表に示した。充電受
入性の試験で本発明品の10分目電流が従来品のそれより
小さくなっているが、これは10分目までに流れた電気量
が従来品のそれより多いためである。
本発明による鉛蓄電池が、活物質の利用率が高く、高
い重量効率と体積効率を有していることは、実施例1か
ら明白である。単位体積当りの正極活物質粒子数が1×
1012〜1×1016個であり、負極では1×109〜1×1013
個であると推定されることは既述した。実施例1に示し
た如く、活物質に対して約1%添加した時のウィスカー
の数は、1×1010〜1×1013本であると推定される。そ
の上、ウィスカーのアスペクト比は大きいので、ウィス
カー1本当りに接触する活物質粒子数は、50〜1000個に
もなると推定される。それ故に、例えば負極では1個の
活物質粒子には、複数本のカーボンウィスカーが接触し
ているものと推定される。従来、電子伝導的に結合して
いなかった離れている粒子同士が、本発明によれば並列
に接続されていることになる。従って、充電・放電電流
は極めて流れ易く、高い充電受入れ性、より大きな放電
容量が得られる。このことは、実施例1及び実施例4に
示したことから明白である。
負極活物質は、高濃度電解液あるいは高温度における
充放電により、還元され難い、粗大結晶の硫酸塩とな
り、その容量が低下する。
一方、流動電解液が多い鉛蓄電池だけでなく、電解液
量を少なくした密閉形鉛蓄電池においてさえも、深放電
の繰返しにより、電解液の下部が高濃度に、上部が低濃
度になるいわゆる層状化(stratification)を生ずる。
負極板の下部は、通常耳部から遠いこと、高濃度硫酸
電解液は、抵抗が大きく、且つ硫酸鉛の溶解度が低いこ
と、のために生じた層状化は、下部における負極活物質
のサルフェーションを招く。しかしながら、本発明によ
れば極板内での抵抗が低いため、耳部から遠いにも拘ら
ず負極板下部でさえも充分な電流が流れ、下部サルフェ
ーションによる電池の短寿命化という問題を解決でき
る。このことは実施例2より明らかである。
従来の密閉形鉛蓄電池Yが、負極板の下部サルフェー
ションで短寿命になっているのに対し、本発明による密
閉形鉛蓄電池2X及び高比重電解液の1.350d H2SO4を用い
た電池3Xは極めて優れた寿命性能を示した。
高比重電解液とは、充放電反応に関与しないH2Oが少
ない電解液であるということであり、密閉形であるか、
否かに関係なく、電池の重量効率、体積効率を大巾に改
善することが可能である。従来の鉛蓄電池では、負極板
の高比重電解液に対する耐サルフェーション性が悪かっ
たため、高比重電解液を用いることは、即ち、短寿命の
電池になることを意味していた。
しかしながら本発明によれば寿命を義性にすることな
く高い、重量、体積効率を有する鉛蓄電池にすることが
可能である。このことは実施例2から明らかである。
従来、負極板の充電受入性を改善するために、カーボ
ンブラックを添加していた。これは負極の水素過電圧を
下げ、充電終期に流れる電流を大きくすることによって
充電々気量を増加させる効果を有している。しかしなが
らこのことは、実用に於ては過充電される電気量が多い
ことを意味している。電解液中の水の電気分解による減
少、そのための補水頻度の増加、及び正極格子腐蝕の加
速等を招くことになり、決して好ましいものではない。
これは、集電体と集電体から離れている活物質粒子と
の間の電子伝導が、その間に存在している還元された活
物質粒子やカーボンブラック粒子にのみ依存しているこ
とに起因している。本発明によれば、充電開始と同時に
集電体から離れた活物質粒子も充電され始めるので、充
電効率は大変高い。しかも特徴的なことは、カーボンウ
ィスカー、グラファイトウィスカーは実施例4に示すよ
うに負極の水素過電圧を下げないことである。このこと
は、実施例4に示すように充電初期での充電受入性がす
ぐれており充電終期に電池に流れる充電々流が従来のそ
れより小さいことを意味している。従来のカーボンブラ
ックを添加したもののように、補水頻度の増加、正極格
子の腐蝕の加速等の欠点を克服している。この負極の充
電受入れ性が良いということは、前述したサルフェーシ
ョンに対する抵抗性が高いことと同じことである。
それ故に、本発明における鉛蓄電池はフロート使用し
た時にも従来のものより長寿命を発揮するであろうこと
は明らかである。このことは、実施例2及び実施例3か
ら容易に理解できることである。
このように本発明に用いるウィスカーは、集電体から
離れている活物質粒子に電子を流れ易くするためのもの
である。従って、ウィスカーは、それ自身の電子伝導性
が高く、寸法が長く、且つその数が多い方が好ましい。
ウィスカーの電子伝導性は1×10-1Ω・cm以上より好ま
しくは1×10-3Ω・cm以上であるのが良い。更に重要な
ことは、活物質量を極端に減すことのない量で、可能な
限り数多くの活物質粒子を電子伝導的に接続することで
ある。そのためには、可能な限り小さな径で且つその長
さが長い短繊維状でなければならない。先に述べた単位
体積当りに存在する活物質粒子から考えると、直径が30
μmあるいはそれ以上のものは、占める体積の割には存
在する数が少なく使用できない。直径が10μm以下、よ
り好ましくは1μmより小さく、且つアスペクト比が50
あるいは、それ以上でなければならない。最も好ましく
は、直径が0.01〜1.0μmでアスペクト比が100〜1000で
あるウィスカーである。
ウィスカーの材質は上記実施例に示したカーボン、グ
ラファイト、チタン酸カリウム等以外にも鉛蓄電池に有
害でない電子伝導性を有するウィスカーも使用きる。
ウィスカーを負極に用いた場合、化成工程でカーボン
あるいはグラファイト、ウィスカーが失なわれることが
ない。その効果は電池の寿命中ずっと維持され、且つ正
極に比べると化成も容易である。従って、ウィスカーの
量は、期待する効果と経済性より決定すべきであり、そ
れは設計の範囲内にある課題である。
カーボンウィスカー、グラファイトウィスカーの負極
活物質に対する量は、0.01〜3wt%、より好ましくは0.0
1〜2.0wt%である。
ウィスカーの効果を最大限に発揮するために重量な他
の点は、ウィスカーと活物質粒子とを接触させるため
に、一様に均一に分散させることである。このために、
実施例1に示しているように直接鉛粉末原料に投入せ
ず、予め超高速ミキサーで水に分散させて使用するのが
良い。水への分散性をより良くするためには、カーボン
又はグラファイトウィカーの場合、界面活性剤で処理す
るか、気相中で直接その表面に親水性の基をつけると良
い。このようにすれば超高速ミキサーを用いずとも均一
分散が得られる。
ウィスカーを用いる上で考えておかなければならない
他の問題点は、活物質密度を適正にすることである。正
極格子として、アンチモンを含まない純鉛、カルシウム
合金又は他のアンチモンを含まない鉛合金等から得られ
たものを用いる時、活物質の見掛密度が小さいと電解液
の拡散が良くなり過ぎ、活物質が完全放電する前に、格
子表面の腐蝕層が放電し、これが絶縁物である硫酸鉛と
なる。これは活物質と格子との電気的結合を切り、容量
が取り出せなくなる。
これを防ぐべく、例えばカーボンウィスカーを用いる
時、メタリン酸ナトリウムあるいはピロリン酸ナトリウ
ム等のメタリン酸あるいはピロリン酸のアルカリ金属塩
をペースト中に添加して混練したペーストを用いると、
活物質に対するウィスカーの割合が多くても高い密度の
活物質が得られるので、好都合である。このようなリン
酸のアルカリ金属塩は、前記格子表面の腐蝕層の形態を
変え、その腐蝕層は格子と活物質間を絶縁するような形
態にはならないため、放電を維持することができるので
尚一層好都合である。
負極活物質の量は、高率放電容量を大きく左右する。
負極に非金属性のウィスカーを用いる場合にも、このよ
うなピロリン酸又はメタリン酸のアルカリ金属塩をペー
スト中に混練してその密度を高くすると、より良い高率
放電特性を持った鉛蓄電池が得られる。
これらのピロリン酸又はメタリン酸のアルカリ金属塩
の活物質に対する適正な割合は、ペーストを調製する硫
酸及び水の量によって変化する。しかし、通常のペース
ト式極板の適切な正極ペースト密度3.7〜4.5g/cm3、負
極ペースト密度3.5〜4.5g/cm3を得ようとするとき、そ
の割合は活物質に対して0.001〜5wt%でなければならな
い。このようにすれば寿命性能及び高率放電性能の双方
を充分に満足させることのできる正極活物質見掛密度3.
3〜4.0g/cm3、負極活物質見掛密度3.1〜4.0g/cm3が得ら
れる。0.001wt%よりも少ないとペーストの見掛密度を
高くできないからであり、5wt%よりも高いと得られる
電池の自己放電率が高くなり過ぎ好まかしくないからで
ある。
従来の例えば7〜20μm直径のカーボンファイバーを
活物質に混入せしめると、前従のように活物質の見掛密
度が下がり、寿命が短かくなるという問題点があった。
しかしながら、本発明のウィスカーを用いればこのよう
なことにはならない。実際、非添加の見掛密度が4.02で
ある正極活物質に対して約1%添加した時、カーボンフ
ァイバーの場合には見掛密度が2.6まで下がったのに対
し、ウィスカーの場合のそれは3.73になったに過ぎな
い。
その上、この場合活物質の見掛体積1cm3当りに存在す
るカーボン繊維は、約2×106本、延べ表面積約80cm3
あるのに対し、カーボンウィスカーの場合のそれは約1
×1011本、約4900cm3と桁違いに大きい。これは好まし
いことであり、活物質1cm3当り1×109本以上存在させ
るのが良い。それ故直径が大きいカーボン繊維を用いる
場合には、活物質の接触圧のみならず接触できる面積及
び本数がウィスカーの場合のそれに比べて極めて小さい
ことになる。
そこで、直径が7〜20μmのカーボン繊維の用いる
時、その効果を最大に発揮するためには可能な限り多く
の活物質粒子とカーボン繊維とを強く接触させるため
に、活物質密度を高くしなければならないことが分かっ
た。
高い活物質密度を維持しつつカーボン繊維を存在せし
めるためには、前述のメタリン酸のアルカリ金属塩及び
/又はピロリン酸のアルカリ金属塩の添加が極めて有効
でこれを用いなければカーボン繊維を混入せしめる効果
は発揮し切れない。カーボン繊維を混入せしめる時には
活物質の見掛密度を負極で3.0以上好ましくは3.0〜4.
0、正極で3.5以上より好ましくは3.5〜4.5としなければ
負極のサルフェーション、正極格子腐蝕層の放電という
問題が生じて短寿命になる。しかし、格子への塗着性を
確保しつつこれを達成するには前記メタリン酸のアルカ
リ金属塩及び又はピロリン酸のアルカリ金属塩を0.001
〜5wt%共存せしめることが必要である。このことは、
ウィスカーの直径が7〜10μm程度と大きくなった場合
にも適用されることは云うまでもない。即ちウィスカー
の場合であっても、その量が1wt%程度までであればメ
タリン酸のアルカリ金属塩及び/又はピロリン酸のアル
カリ金属塩を存在させなくても充分に高い活物質密度が
得られる。しかし、その量をもって増加させた時、ある
いは1μmを超える5〜10μmの直径を有するウィスカ
ーの場合にはメタリン酸のアルカリ金属塩及び/又はピ
ロリン酸のアルカリ金属塩を共存せしめることは不可欠
である。このような接触密度の点から、ウィスカーは2m
2/g以上の、より好ましくは10〜40m2/gの比表面積を有
しているのが好ましい。
鉛蓄電池は、完全充電するためには、通常は105〜120
%程度の充電をしなけえばならない。この過充電によっ
て、電解液中の水が電気分解され、電解液が失なわれる
ために定期的に補水しなければならない。この補水作業
を減らすか、あるいは全くなくすために、集電体の合金
をアンチモンを含まないカルシウム系にしたり、電解液
の量を少なくして、微孔性の多孔体に吸収保持せしめた
りしている。又、二酸化珪素、高吸収性高分子等によっ
てゲル化して、充電終期に正極で発生する酸素ガスと負
極活物質と結合させることによって密閉化したりしてい
る。本発明はこれらいずれの鉛蓄電池にも適用すること
ができる。
発明の効果 上述した如く、本発明の鉛蓄電池は、 負極活物質の利用率を向上させることができ、従来よ
りも高い重量効率と体積効率を有する、 負極活物質の充電受入れ性(充電効率)が改善され、
長寿命サイクル及びフロート寿命性能を有する、 負極活物質のサルフェーションに対する抵抗性を改善
し、より高濃度の硫酸電解液の使用が可能で、寿命を犠
牲にすることなく大巾に利用率を向上することが出来る
ので、その工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の鉛蓄電池に用いるカーボンウィスカー
を示す図面に代わる写真の電気顕微鏡写真.(繊維の形
状を示す)であり、第2図は本発明による鉛蓄電池と従
来品との容量と放電々流の関係を比較して示した図、第
3図は第2図の容量を活物質利用率に換算した図、第4
図は本発明による鉛蓄電池と従来品との寿命性能を比較
した図、第5図は本発明による鉛蓄電池と従来品との充
電々流と電池電圧の関係を比較した図である。 X、2X、3X……本発明による鉛蓄電池 Y、Z……従来品の鉛蓄電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−94770(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】負極活物質に、電子伝導性を有し直径が0.
    01〜1.0μm、アスペクト比が50以上、比表面積が2m2/g
    以上のカーボン、グラファイト、チタン酸カリウムから
    選ばれたウィスカーを活物質に対して0.01〜10wt%混在
    せしめ、活物質間及び/又は活物質と集電体間を電子伝
    導的に接続したことを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】負極活物質に、電子伝導性を有し直径が0.
    01〜1.0μm、アスペクト比が100〜1000、比表面積が10
    〜40m2/gのカーボン又はグラファイトからなるウィスカ
    ーを活物質に対して0.01〜2wt%の割合で混在せしめ、
    且つ活物質の見掛体積1cm3当りの数を1×109本以上と
    し、活物質粒子間及び/又は活物質と集電体間を電子伝
    導的に接続したことを特徴とする鉛蓄電池。
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