JPH0231153B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスクリーン捺染の染色方法によつて布
帛面上の個所へ色相を異ならしめた配色に連続的
なぼかし模様を付与する方法に関する。

従来より型染めの一態様であるスクリーン型を
用いた捺染法は周知されているが、この方法では
布帛の所要印捺部分に異色の色彩、柄を配する場
合、数枚のスクリーン型を要し、その都度異色の
捺染糊を各別に印捺する必要があり極めて煩雑で
あり且つ例えば所望柄部に於ける一部分に色相の
漸次変化する所謂連続的なぼかし模様部分を付与
することは出来なかつた。

また異色染料のヒドロゲルを二種以上一つの分
散媒中に分散させて得た染色液を用いてぼかし模
様を得る方法が知られているが、然しこの方法で
は濃淡を連続させた本発明のようなぼかし模様を
得ることが出来ないものであつた。すなわち染液
中には各染料がまざり合うことなく独立浮遊する
ので、常に不規則な予期せぬ模様となり、このた
め本発明の如く常に同一若しくは酷似した規則的
な模様状とはならず、反復継続した色相変化を得
ることは出来ないもので、従つてスクリーン捺染
には全く不向きなものであつた。

本発明方法に於いては、一枚のスクリーン型を
用いて当該印捺すべき模様部分、柄部分に予め想
定された模様や柄通りに連続状に自然な色相の変
化を与え、布帛にぼかし模様部分を付与する方法
であつて、即ち本発明はスクリーン型の糊だめ内
に所望の染料、顔料が配合された捺染糊を搬入す
るに際し、予め各種色彩の捺染糊を所望順に配列
するか、又は濃淡順に色相を異ならしめた状態で
配列するかして糊だめ内で色彩の変化を与えると
共に、当該糊だめ内の捺染糊をその配列状態を維
持したままスケージですくい上げてスクリーン型
を介して布帛面上へ印捺することを特徴とした布
帛に連続的なぼかし模様を付与する方法に係る。

本発明方法を更に詳細に説明すれば、切り型法
或いは感光製版法等によつてスクリーン紗の上に
抜取り模様の所望図柄が施こされたスクリーン型
を布帛面上に設置すると共に、該スクリーン型の
糊だめ内に、米ぬか、米粉、小麦デンプン、小麦
粉等のデンプン類、或いは天然ゴム類、加工ゴム
類又はアルギン酸ソーダ、メチルセルローズ、
CMC、若しくはフツ素樹脂、PVA等の合成糊料
に所望の染料又は顔料等を混練し適度の粘稠度に
調製した捺染糊を搬入するに当つて、予め各種色
彩の当該捺染糊を糊だめ内に順次例えば青、赤、
黄等に個別に配列するか、又は予め相隣接する各
種色彩の捺染糊の境界部近傍を適度に混練して、
例えば濃色から淡色となるように色相を異ならし
めた状態に調製して配列し、而して当該糊だめ内
の捺染糊に色彩の変化を付与する。そうして斯様
に予め調製された糊だめ内の捺染糊を、その糊だ
め内の捺染糊の配列状態のままスケージで当該捺
染糊をすくい上げて、スクリーン型面へ一様にし
ごいて印捺するのである。

本発明によれば、スクリーン型の糊だめ内の捺
染糊を、布帛面上に付与しようとする配色、濃淡
状の色相変化に予め調製しておき、その調製状態
の通りにスケージで該捺染糊をすくい上げて前記
布帛に印捺する方法であるため、相隣接する異色
の捺染糊を一度にすくい上げて印捺すれば、その
各色彩の境界部分は、混合された色彩又は異色の
色彩となつて連続したぼかし状に布帛面上に現出
することとなり、また相隣接する捺染糊の境界部
分を予め混練することにより、同一色彩中に濃色
と淡色の色相の連続したぼかし状の変化が布帛面
上に現出することとなるのである。

本発明は一枚のスクリーン型を用いて各色彩の
境界部分を美麗なるぼかし状に現出させるため、
例えば着物地に於ける或る個所の図柄部の色彩が
境目のない濃色−淡色−濃色の如く、また境目の
ない異色の連続模様のぼかし部が形成出来るもの
で、従来のスクリーン型による捺染法では発揮し
得ぬ極めて漸新な配色を布帛面上に付与し得るも
ので優れた美的効果を奏するものである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スクリーン型の糊だめ内に所望の染料、顔料
   が配合された捺染糊を搬入するに際し、予め各種
   色彩の捺染糊を所望順に配列するか、又は濃淡順
   に色相を異ならしめた状態で配列するかして糊だ
   め内で色彩の変化を与えると共に、当該糊だめの
   捺染糊をその配列状態を維持したままスケージで
   すくい上げてスクリーン型を介して布帛面上へ印
   捺することを特徴とした布帛に連続的なぼかし模
   様を付与する方法。