JPH0230807B2 - Kuitsukuchenjitsuuru - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はクイツクチエンジツールに関し、特に
ツールホルダおよびアダプタの組立て位置が正確
になるよう誤防止機構を備えるようにしたもので
ある。

従来、この種のクイツクチエンジツールとして
は、実開昭53−160874号公報、実開昭54−101682
号公報、実開昭53−50583号公報等にみられる機
構が知られている。そして、これらの機構は、花
弁又はＴ字状をなす係止端が備えられたクランプ
軸によつて、ツールホルダをアダプタにけん引的
に固定するものである。

しかしながら、前記クランプ軸の位置が必ずし
も正確になつておらず、このため係止端、係止穴
等の部分が損傷することがあり、クランプ機能上
から不都合となつている。

本発明は上述の点に鑑みなされたもので、工作
機械に取付けられるアダプタおよび切刃チツプを
備えたツールホルダがテーパー嵌合し、その対面
する端面にそれぞれ形成される当接面には、ドラ
イブ用のキーおよびキー溝が設けられるとともに
前記アダプタの軸方向に穿設された中央取付け穴
内には、係止端を凸出させたクランプ軸が受入れ
られ、しかもこの中央取付け穴内に位置するクラ
ンプ軸の略中央部位には、軸方向の移動を付与で
きるように、半径方向の側穴から嵌挿されたスラ
イダおよび回動軸が連結されるようになつてお
り、前記ツールホルダに穿設された係止穴には、
アダプタの端面から凸出する前記係止端が着脱さ
れることにより迅速交換を可能にしたクイツクチ
エンジツールにおいて、ツールホルダおよびアダ
プタの組立て位置が正確になるようにしたクイツ
クチエンジツールを提供するものである。

以下本発明クイツクチエンジツールにおける一
実施例について図を参照しながら説明する。

第１図および第２図において、１は切刃チツプ
２を備えたツールホルダであり、このツールホル
ダ１は、例えば円板状をなすアダプタ３に着脱さ
れる。そして、このアダプタ３は図示しない工作
機械に対し、その取付け穴４および取付けボルト
（図示せず）の利用により取付けられるもので、
第４図および第５図で明示されるように、その軸
方向には、中央取付け穴５が穿設されるととも
に、半径方向の側部から側穴６が略直交するよう
になつている。

また、アダプタ３の中央取付け穴５内には、例
えば３爪からなる係止端７を備えたクランプ軸８
が嵌挿され、このクランプ軸８はスライダ９およ
び回動軸１０によつて軸方向に移動できるように
なつている。この場合クランプ軸８は、第８図に
明示されているように、その一端に３爪からなる
係止端７を形成し、その中央部位に前記スライダ
６が滑動するスライド溝１１が形成されている。
このスライド溝１１には、軸方向に対し、斜交す
るようなキー溝１２が設けられ、前記スライダ９
のキー１３が受入れられることにより、前記クラ
ンプ軸８の軸方向の移動を可能にしている。そし
て、前記スライダ９は、第９図に明示されている
ように、その側部には例えば前記キー１３が一体
的に凸設され、その一端には前記回動軸１０のね
じ部分１４がねじ込まれるねじ穴１５が穿設され
る。

また、前記回動軸１０は、前記中央取付け穴５
と直交する半径方向の前記側穴６内で止めねじ１
０ａにより回動可能に配置されるもので、その胴
部分には、第６図に明示されるように凹み部分１
６および円周囲の一部分を残すようにしたガイド
溝１７がそれぞれ設けられる。そしてこの凹み部
分１６に対しては例えばボールからなるセツトキ
ー１８が機能し、また前記ガイド溝１７に対して
は、ガイドピン１９が機能する。この場合前記セ
ツトキー１８は、前記側穴６およびアダプタ３の
当接面２０間に穿設されたセツト穴２１内に位置
し、前記ガイドピン１９はアダプタ３の端面から
ねじ込まれ、その先端部分が前記ガイド溝１７内
に位置する。

このようにして構成された本発明のクイツクチ
エンジツールは、第７図Ａ〜Ｅにみられるような
順序でツールホルダ１がアダプタ３に着脱され
る。これはツールホルダ１およびアダプタ３の着
脱位置についての誤防止機構として認識できるも
のである。

以下第７図について説明すれば、第７図Ａでは
セツトキー１８が前記回動軸１０の凹み部分１６
に位置し、またツールホルダ１の当接面２２に対
しては、ころがり接触できる状態が示されてい
る。したがつて、この状態では前記回動軸１０は
回転することができず、ツールホルダ１のみの回
転が可能になつている。一方前記クランプ軸８の
係止端７がツールホルダ１の係止穴２３内に位置
した状態でもある。

第７図Ｂは、ツールホルダ１をＡ図にみられる
矢印方向でθ＝60゜の角度で回転して係止穴２３
と係止端７とをずらした状態を示している。この
状態では図示からわかるようにセツトキー１８に
対して、その両側に凹み部分１６，２６が位置す
ることからセツトキー１８のセツト穴２１内での
移動が可能になつている。この場合ツールホルダ
１の回転動作は第２図に示されたドライブ用のキ
ー溝２４および第４図で示されるキー２５により
その動きが規制される。そして、θ＝60゜とした
のは前記クランプ軸８の係止端７が、３爪になつ
ているためである。

第７図Ｃは前記回動軸１０をＢ図にみられる矢
印方向に回転したもので、これによりスライダ９
が引寄せられる結果、前記クランプ軸８の係止端
７がツールホルダ１をけん引的に固定する。これ
に対しツールホルダ１は前記セツトキー１８が凹
み部分２６内に位置して、ころがり接触すること
から回転不能の状態にある。

第７図Ｄは回動軸１０をＣ図にみられる矢印方
向に逆回転して、クランプを解除した状態が示さ
れている。したがつて前記セツトキー１８は前記
回動軸１０の凹み部分１６の存在によりツールホ
ルダ１の回転が可能になつている。

第７図Ｅは、前記ツールホルダ１をＤ図にみら
れる矢印方向に逆回転して、ツールホルダ１がア
ダプタ３から取外せる状態を示している。したが
つて第７図ＡとＥとは、同一視でき、いわゆる
着・脱いずれも可能な状態として認識できる。

なお、本実施例ではスライダ９については、略
円柱状のものが示されているが、第１０図で示さ
れるようなキー２７を備えた矩形片をなすスライ
ダ９によるものでもよい。また、ガイドピン１９
の取付け位置については、ツールホルダ１側でも
よくさらに、セツトキー１８については、ボール
だけでなく、ニードル又は、ニードルの両端にボ
ールを配置するようにしてもよい。さらに、アダ
プタ３およびツールホルダ１のテーパー嵌合につ
いては、第３図および第４図に示されるようにツ
ールホルダ１側にテーパー穴２８、アダプタ３側
にテーパー凸部２９をそれぞれ形成するだけでな
く、第１０図にみられるようにアダプタ３側にテ
ーパー穴２８を形成するようにしてもよいもので
ある。なお、アダプタ３側にテーパー穴２８を形
成した場合そのテーパー穴２８が大径になるとき
は、セツトキー１８を受入れるセツト穴２１を軸
方向に対し、傾斜するようにすればよい。

本発明は以上説明したようにツールホルダをア
ダプタに着脱するに際して、クランプ軸、スライ
ダおよび回動軸をそれぞれ連結したクイツクチエ
ンジツールについて、特にツールホルダとアダプ
タとの組立て位置が誤りなく行なえるように、ガ
イド溝およびガイドピン、セツトキー、セツト穴
および凹み部分を関連配置してツールホルダおよ
びアダプタの着脱位置についての誤防止機構を設
けたものであるから、確実な迅速交換が可能とな
る利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明クイツクチエンジツールの一
実施例を示す正面図、第２図は、その側面図、第
３図は、ツールホルダを示す側面図、第４図およ
び第５図は、アダプタを示すもので、第４図はそ
の断面図、第５図はその側面図、第６図は回動軸
を示す拡大斜視図、第７図Ａ〜Ｅは、ツールホル
ダおよびアダプタの取付け状態を示す説明図、第
８図Ａ〜Ｃは、クランプ軸を示すもで、Ａがその
正面図、Ｂが側面図、Ｃが斜下方からみた側面
図、第９図Ａ〜Ｃは、スライダを示すもので、Ａ
がその正面図、Ｂが側面図、Ｃが下面図、第１０
図はアダプタの変形例を示す断面図である。 １……ツールホルダ、２……切刃チツプ、３…
…アダプタ、５……中央取付け穴、６……側穴、
７……係止端、８……クランプ軸、９……スライ
ダ、１０……回動軸、１６，２６……凹み部分、
１７……ガイド溝、１８……セツトキー、１９…
…ガイドピン、２０，２２……当接面、２１……
セツト穴、２３……係止穴、２４……キー溝、２
５……キー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 工作機械に取付けられるアダプタ３および切
   刃チツプ２を備えたツールホルダ１がテーパー嵌
   合し、その対面する端面にそれぞれ形成される当
   接面２０，２２には、ドライブ用のキー２５およ
   びキー溝２４が設けられるとともに、前記アダプ
   タ３の軸方向に穿設された中央取付け穴５内に
   は、係止端７を凸出させたクランプ軸８が受入れ
   られ、しかもこの中央取付け穴５内に位置するク
   ランプ軸８の略中央部位には、軸方向の移動を付
   与できるように半径方向の側穴６から嵌挿された
   スライダ９および回動軸１０が連結されるように
   なつており、前記ツールホルダ１に穿設された係
   止穴２３には、アダプタ３の端面から凸出する前
   記係止端７が着脱されることにより迅速交換を可
   能にしたクイツクチエンジツールにおいて、 前記回動軸１０には、凹み部分１６および円周
   囲の一部分を残すようにしたガイド溝１７がそれ
   ぞれ設けられるとともに、このガイド溝１７内に
   は、アダプタ３の端面からのガイドピン１９の先
   端部分が位置決めされるようになつており、 また、前記側穴６および当接面２０間には、ボ
   ール又はニードルからなるセツトキー１８を受入
   れるセツト穴２１が設けられ、前記ツールホルダ
   １および回動軸１０の回動操作に関連して、この
   セツトキー１８が、ツールホルダ１の当接面２２
   側に設けられた凹み部分２６および前記回動軸１
   ０の凹み部分１６に位置することにより、ツール
   ホルダ１およびアダプタ３の組立て位置を正確に
   していることを特徴とするクイツクチエンジツー
   ル。