JPH0230343Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛用のフユーエルリツドオープナに
関する。

車輛に付設された燃料タンクの外側に開閉自在
なフユーエルリツドを設け、通常はこのリツドを
閉じておき、給油時にリツドを開放して給油作業
を行うようにすることは従来より周知である。こ
の場合、通常はフユーエルリツドを錠止してお
き、これを開放すべきときに、フユーエルリツド
から離れた位置、例えば運転室から該リツドを解
錠できるようにしたフユーエルリツドオープナを
用いることも従来から広く知られている。このオ
ープナはフユーエルリツドの開放操作を簡便化で
きる優れた利点を有するものである。ところが従
来のフユーエルリツドオープナは、その製作時に
各部品を組付ける作業が煩雑で、組付けに要す時
間も長くならざるを得なかつた。

本考案の目的は、上記従来の欠点を除去ないし
は低減し得るフユーエルリツドオープナを提供す
ることである。

以下、本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

第１図に示す如く、車輛ボデイ１の適所にフユ
ーエルリツド２がヒンジ３によつて開閉自在に支
持され、このリツド２は通常は実線で示す如く閉
鎖され、給油時には鎖線で示す如く開放される。

第２図に示すようにフユーエルリツド２にはシ
リンダ錠４が取付けられ、そのロータ４ａにはロ
ツクプレート５が固着されている。

本考案に係るフユーエルリツドオープナ６は、
特に第３図に明示する如くねじ７によつて互いに
固着されるベース部材８とカバー部材９とから成
るケース１０を有している。ベース部材８とカバ
ー部材９の周壁には互いに対をなした凹部１１，
１２が形成され、両部材８，９が互いに組合せら
れたとき、これらの凹部１１，１２によつて第１
貫通孔１３が形成される。

上記貫通孔１３には中空状のガイド部材１４が
貫通し、該部材１４に突出形成されたフランジ１
５がベース部材８の溝１６に嵌合することにより
ガイド部材１４がケース１０に不動に係止され
る。ガイド部材１４には、ロツクピン１７が摺動
自在に嵌合し、通常はその先端１７ａが既述のロ
ツクプレート５に係合する。ロツクピン１７の後
端側には長孔１８が形成されている。

一方、ベース部材８のほぼ中央には枢ピン１９
が固着され、該ピン１９によつて回動部材２０が
回動可能に支持されている。回動部材２０は第１
及び第２アーム２１，２１ａを有し、第１アーム
２１はロツクピン１７の長孔１８に係入し、第２
アーム２１ａに形成された係止溝には、ケーブル
２２の末端に固定された係止球２３が係合してい
る。

ケーブル２２は円筒状の案内部材２４に挿通さ
れ、該部材２４は、既述のガイド部材１４と同様
に、ベース部材８とカバー部材９とに形成された
１対の凹部２５，２５ａから成る第２貫通孔２６
に嵌合している。案内部材２４に形成された環状
溝２７が第２貫通孔２６の外周縁に係合すること
により、案内部材２４がケース１０に不動に係止
される。ケース１０を出たケーブル２２の部分は
アウタチユーブ２８により覆われており、このア
ウタチユーブ２８と案内部材２４とを予め一体に
成形してもよい。ケーブル２２は運転室に配置さ
れた操作レバー（図示せず）に連結されている。

枢ピン１９には、ねじりコイルばね２９が巻回
され、該ばね２９の一端２９ａは回動部材２０の
第１アーム２１に、また他端２９ｂはケース１０
の溝１６に係止され、これによつて回動部材２０
は第２図における反時計方向に回動習性を与えら
れ、ロツクピン１７は第２図における左方へ押圧
される。

第２図に示すようにロツクピン１７用のガイド
部材１４は、フユーエルインレツトボツクス３０
に形成された孔に嵌合され、ガイド部材１４に形
成されたおねじ３１にナツト３２が螺着される。
そしてナツト３２が締付けられることにより、ケ
ース１０、従つてフユーエルリツドオープナ全体
がフユーエルインレツトボツクス３０に固定され
る。ボツクス３０はボデイ１に固着され、また３
３はボツクス３０とナツト３２との間にはさまれ
たシールである。

通常は第２図に示す如くばね２９によつて左方
に押圧されたロツクピン１７がロツクプレート５
に係合し、これによりフユーエルリツド２は閉鎖
位置にて錠止される。運転室からの操作によりリ
ツド２を解錠するときは、既述の操作レバーを操
作してケーブル２２を矢印Ａ方向に引く、これに
よつて回動部材２０は、ばね２９の作用に抗し
て、第２図における時計方向に回動するので、該
部材２０に係合したロツクピン１７が第２図の右
方向に引かれ、（鎖線の状態）、該ピン１７がロツ
クプレート５から係脱する。かくしてリツド２の
錠止状態は解除され、これを矢印Ｂ方向に回動し
てリツドを開放することができる。逆にリツド２
を第２図に示した位置に押し込めば、ロツクプレ
ート５がカム面として機能し、ロツクピン１７が
やや右方に押し込められた後、両部材５，１７が
互いに係合する。リツド２を車外から開放すると
きは、シリンダ錠４にキー３４（第２図）を差し
込んで、これを回すことによりロータ４ａを回転
させ、ロツクプレート５とロツクピン１７を係脱
すればよい。

上述の如く本考案に係るフユーエルリツドオー
プナ６は、ロツクピン１７用のガイド部材１４
と、ケーブル２２用の案内部材２４が共にケース
１０に形成された第１及び第２貫通孔１３，２６
にそれぞれ嵌め込まれてケース１０に係止される
ようになつているため、オープナ６の組付時に
は、単にこれら部材１４，２４をケース１０のベ
ース部材８に形成された凹部１１，２５にそれぞ
れ嵌着すると共に、ロツクピン１７とケーブル２
２を回動部材２０にそれぞれ係合せしめ、しかる
後カバー部材９をベース部材８にかぶせ、これら
をねじ止めするだけでよい。従来は、ロツクピン
用のガイド部材を、これを支持するベース部材に
形成された孔に嵌入しなければならず、その作業
は煩雑であつた。

また、回動部材２０とばね２９がベース部材８
とカバー部材９とから成るケース１０の密閉内部
空間に収容されるので、雨水、ちり等が回動部材
に付着してその機能が阻害される不都合や、回動
部材が第三者によつて悪戯される不都合を抑制す
ることができる。

尚、図示した実施例ではフユーエルリツドに設
けたシリンダ錠にロツクプレートを取付けたが、
このようにロツクプレートを、シリンダ錠を介し
てフユーエルリツドに取付ける代りに、シリンダ
錠を省略し、ロツクプレートを直にフユーエルリ
ツドに取付けることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフユーエルリツドの取付けられた車輛
の一例を示す斜視図、第２図はケースのカバー部
材を除去した状態におけるフユーエルリツドオー
プナと、その関連部品とを示す部品断面図、第３
図はフユーエルリツドオープナの分解斜視図であ
る。 ２……フユーエルリツド、５……ロツクプレー
ト、６……フユーエルリツドオープナ、７……ね
じ、８……ベース部材、９……カバー部材、１０
……ケース、１１，１２，２５，２５ａ……凹
部、１３，２６……貫通孔、１４……ガイド部
材、１７……ロツクピン、２０……回動部材、２
２……ケーブル、２９……ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フユーエルリツドに取付けられたロツクプレー
   トに係合、係脱するロツクピンと、該ロツクピン
   を摺動可能に支持するガイド部材と、前記ロツク
   ピンを作動させるケーブルと、一端を前記ケーブ
   ルに係止され他端を前記ロツクピンに係合された
   回動部材と、該回動部材を回転可能に支持するケ
   ースと、ロツクピンがフユーエルリツドに係合す
   る方向に、回動部材に回動習性を与えるばねと、
   前記ケーブルを案内する案内部材とを具備し、 前記ケースが互いにねじによつて固定されるベ
   ース部材とカバー部材とを有し、前記ロツクピン
   用のガイド部材が、ベース部材とカバー部材の周
   壁に形成された１対の凹部から成る第１貫通孔を
   貫通してケースに係止され、前記ケーブル用の案
   内部材もベース部材とカバー部材の周壁に形成さ
   れた１対の凹部から成る第２貫通孔を貫通してケ
   ースに係止され、ベース部材とカバー部材とによ
   つて区画形成された密閉内部空間に、前記回動部
   材及びばねが収容されている、車輛用のフユーエ
   ルリツドオープナ。